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契約を電子化しただけでは解決しない 契約DXで目指すべきゴールとは?【基礎からわかる契約DX②】

最終更新日:(記事の情報は現在から1072日前のものです)
連載「基礎からわかる契約DX」の第2回は、ContractS株式会社の笹原健太CEOと安養寺鉄彦COOへのインタビュー前編です。脱ハンコから始まった電子契約の普及と契約DXの課題、将来目指すべき契約の姿について深堀りしました。

【プロフィール】
笹原 健太 代表取締役CEO (Chief Executive Officer)

弁護士として法律事務所に勤務。2014年に弁護士法人PRESIDENTを設立した。その後、「世の中から紛争裁判をなくす」という志を実現すべく、17年に株式会社リグシー(現ContractS株式会社)を設立。 現在は弁護士登録を抹消し、CEOとして同社の提供する契約ライフサイクルマネジメント(CLM)システム「ContractS CLM」の成長に力を注いでいる。

安養寺 鉄彦 執行役員COO
不動産、モバイルゲームのスタートアップで管理部門やIPO準備の責任者を務めた後、グリー株式会社にて、財務・投資領域のマネージャーとして、M&Aやジョイントベンチャー設立を手掛ける。2020年より株式会社Holmes(現ContractS株式会社)に入社し、事業の成長と管理の強化に取り組んでいる。

脱ハンコは入り口にすぎない

ー日本情報経済社会推進協会と株式会社アイ・ティ・アールがまとめた「企業IT利活用動向調査2021」によると、2021年1月時点で、電子契約の利用状況は、すでに「電子契約サービス事業者の電子署名を電子契約で採用している」(17.5%)と「電子契約サービス事業者と契約当事者の両方の電子署名を電子契約で採用している」(16.0%)などとなりました。

「企業IT利活用動向調査2021」/日本情報経済社会推進協会


 

「電子契約をまだ利用していないが、準備・検討中である」との回答を含めると、電子契約を支持する回答は80%超で、利用が進んでいますね

笹原:電子契約が進んでいるのは非常に大きな一歩だと思っています。ハンコレス(脱ハンコ)はやはりキャッチーです。

とはいえ、判子がなくなれば、契約課題の全てが解決するかといったらそう言う訳ではありません。脱ハンコだけでは解決されない契約にまつわる問題は多く存在します。ただ、契約デジタル化の入り口としてわかりやすいと思います。ようやく契約領域も企業が本気でDXに取り組むフェーズに入ったと捉えています。

電子契約の3つのメリット

ー電子契約のメリットを整理すると

笹原:電子契約のメリットはまず、紙のように紛失することがないという契約管理の容易性があると思います。物理的なハンコが必要なくなるのも、契約管理の容易性につながりますね。

安養寺:電子契約は、やはり全てデジタルで完結するため、印刷や製本、捺印などの手間がなくなり、契約締結までのプロセスを短縮できるメリットがあります。

もう一つは金銭的なメリットです。電子契約では、製本費や人件費のほか、不思議と印紙代もかかりません。こうした点からも金銭的なメリットは大きいことがわかります。

3つ目は、働き方改革や、ストレス軽減といった定性的な部分ですね。紙契約だとどういったステータスなのか追いかけるのが非常に大変なのですが、電子契約と組み合わせて、契約管理サービスを使うと、契約ステータスの可視化も可能となり、労力が削減されます。

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