BOXIL SaaS AWARD 2022 プロダクト開発賞 - ViKet Town導入事例
受賞サービス
受賞企業:冒険社プラコレ『アバターと働き、アバターと共に成長する。仲間だけの異世界空間を創造できる、コミュケーションプラットホーム。』「ViKet Town(ビケットタウン)」は、社員一人ひとりのワークエンゲージメントを高めることを目的とした異世界空間(カジュアルなメタバース)を提供しているサービスです。
プロダクト開発賞とは
開発ストーリー、イチオシ機能開発にまつわるエピソードで、最も顕著なものに贈られる賞です。
プロダクト開発背景
社内テストを繰り返し、チームで取り組むアジャイル開発による成果
創業当時からリモートワークを導入していた冒険社プラコレ。リモートコミュニケーションの課題を解決する目的で、ViKet Townの前身である「Remorks(リモークス)」というサービスを開発していた。
社外に向けてサービスを開始したきっかけは、全世界的にリモートワーク時にさまざまな課題が発生したことである。新型コロナウイルスが流行し、在宅勤務が推奨されるようになったため、コミュニケーションにまつわる課題が浮き彫りになったのだ。
それらの悩みを解決すべく、どんなコンテンツやUXが求められているのかの意見を社内外問わず募り、ベータ版によるテスト運用を約2年以上実施。
当初の計画から大きく変更しながらも、「コミュニケーションの活性化」を本質として、研究、計画変更、スピード開発を繰り返し行った。
「毎日の仕事をエンタメに」
社内外の意見を受けてアジャイル開発を進める過程のなかで、「ユーザーが何を求め、何が必要なのか?」という、サービスの骨格とするべきテーマが決定した。
それは、「毎日の仕事をエンタメに」であった。当時の気付きを振り返り、開発責任者はこう語った。
「コミュニケーションの本質は、人と人とのつながりを楽しむことです。コミュニケーションの活性化のためには、報連相のスムーズさを促進するツールではなく、『仕事そのものが楽しくなる空間をつくること=コミュニケーションの活性化』につながることが理解できました。」
その方針のもと、2021年の後半からサービスデザインを一新。コアコンテンツを異世界空間として、サービス名やドメインの変更、そして、世界中にサービスを届けるための多言語対応も実施。また、営業コストをかけずに済むようクレジットカード決済に対応するなど、各種開発を約5か月で行った。
メンバーが相次ぐ仕様変更に対して快く受け入れてくれたこと、開発へ意欲的な姿勢で取り組んでくれたことにより、短期間での開発が実現できたという。
「とてもワクワクしながら開発ができるプロジェクトです。チームの方針としても『仕事を楽しく!』をテーマに掲げているため、作っているメンバーが楽しくなるような開発を今後も続けていきたいと思っております。 」と、開発責任者は語る。
また、同氏は今後のサービスの展望について「今後も、ご利用者の皆様の意見を積極的に取り入れ進化してまいりたいと思います。 日本発の、日本人の開発チームが作ったサービスとして、全世界で最も使われるようなメタバース的コミュニケーションプラットフォームになれるように努力してまいります。」と、述べている。
イチオシ機能開発のエピソード
誰がどこで何をしているかがわかる virtualの世界
2021年11月に「ViKet Town」のメイン画面のUI/UXを大幅にリニューアル。オフィス画面を異世界空間にし、非日常感を感じながら出勤することが可能に。空間の中では、自分たちで自由にルームを作ることができることもポイント。
そこでは、ビデオ通話ができる部屋・音声ができる部屋・自分の居場所を伝えるだけの部屋など、社内ミーティングはもちろん、社外クライアントとの打ち合わせ用のルームも無制限で利用できる。
2022年1月には、アバター機能やチャット機能がリリース。アバター機能では、リアルな世界では伝えづらい感情や行動をサポートしてくれる「アイテム」を装備という形で身につけられる。「今日は集中したいです」「いつでも相談して!」「誰か助けて!」などの多彩なコミュニケーションが可能だ。
社員同士の助け合いも自然と生まれるため、モチベーション向上や健康管理にもつながる機能となっている。
コミュニケーション量に応じてポイントが溜まるようにできる機能もあり、コミュニケーション活性化に貢献した社員の可視化も行える。
また、上記以外にも日報や社内報、位置情報共有、勤怠管理など、リアルな世界では正確に取得できないすべての事柄を見える化できる機能も搭載されている。
開発に対するユーザー反応
パンデミックにより大きく働き方も変わる必要があった当初、リモートワークに関しては主に以下のような課題があり、これらを解決する必要があった。
- 業務上必須でない、雑談のようなコミュニケーションの希薄化
- 社員のモチベーション管理
- 勤怠管理
こうした課題へのアプローチとして、「オープンな場でのアバター同士のコミュニケーション」「出退勤ボタンを押すことによる時間管理や、RealとVirtualの活用」「アバターの着せ替えや、アイテム装備による個人の状態の自発的伝達」といった機能と効果により、リモートワークによる不満や不安の声は社内でほぼゼロになっており、当初想定したような懸念は解消されている。
BOXIL SaaS AWARDとは
「BOXIL SaaS AWARD」は、SaaS※1比較サイト「BOXIL SaaS」に掲載されている約3,000社のサービスを対象に、運営会社であるスマートキャンプ株式会社のノウハウと蓄積してきたデータなどをもとに算出した基準で、SaaSを表彰するイベントです。
今回の「BOXIL SaaS AWARD 2022」では、「BOXIL総合ランキング部門」、「SaaS AWARD 2022部門」、「SaaS トレンド部門」の計3部門において、大賞2サービス、部門別大賞18サービス、部門別1位14サービス、部門賞109サービス(※2)が選出されました。
URL:https://boxil.jp/awards/2022/
※1 SaaSとは、Software as a Serviceの略で、サービスとしてのソフトウェアの意。従来パッケージソフトとして提供されていた機能が、クラウドサービスとして提供される形態のことを指します。
※2 部門賞の受賞数には複数部門での重複受賞数が含まれています。