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コストセンターとは - プロフィットセンターとの違い | 具体例

最終更新日:(記事の情報は現在から726日前のものです)
コストセンターとは、会計用語から生まれたもので「原価中心点」とも言われています。一般的な定義としては業務にかかった費用だけが集計される部門を指します。本記事ではコストセンターの概要や具体例などについて紹介します。

コストセンターとは

コストセンター(cost center)とは、業務にかかったコストだけが集計される部門のことです。コストがかかり収益を基本的には生み出さないものの、結果として製品やサービスの品質を保ってくれるものを指します。おもな例としては、経理や総務などのバックオフィス、問い合わせに対応するコンタクトセンターなどがあげられるでしょう。

なお、研究開発施設や倉庫部門をコストセンターに含めること、生産部門(工場)をコストセンターとして捉えることもあります。

プロフィットセンターとの違い

プロフィットセンター(profit center)とは、コストセンターとは逆に、事業の中で利益を生む部門のことを指します。

営業や販売部門などが代表として挙げられるでしょう。実際に収益を上げる部門なので、利益(収益から費用を引いた金額)を最大化することが目的となります。

コストセンター・プロフィットセンターの具体例

コストセンターも、プロフィットセンターもいくつか事例を挙げましたが、これは明確に定義されているわけではありません。各部門をどちらで捉えるかによって、その部門の事業への取り組み方を変えられます。

コールセンターの例

コールセンターは、いかに手間を削減して効率化を進め、スタッフの負担も減らしながら対応できるかが重要な課題といえるでしょう。

しかし、コ-ルセンターをプロフィットセンターとすると、「利益」に関わる業務も増えていきます。たとえばより利益率の高いサービスをすすめたり、市場調査をはじめとするマーケティング業務の優先度を高めたりすれば、利益が上がりプロフィットセンターの役割を十分に果たしてくれます。

捉え方によってコストセンターにも、プロフィットセンターにもなりうる良い例といえるでしょう。

工場の例

工場をコストセンターとすると、コストを抑えて製造することが重要です。工程が複雑な商品であれば、いくら利益率が高くても製造を中止する可能性が存在します。しかし、工場をプロフィットセンターとして捉えれば、利益率が高いものは積極的に受注する方向性になります。

コストセンターの課題は、いかにコストを抑えながら、良いパフォーマンスを発揮するかです。直接利益を生まない事業部門であるため、業務効率化や圧縮が求められます。

コストセンターは不要か?

今は、コストセンターをプロフィットセンターに置き換える動きがあります。各部門でコスト削減だけでなく、「生産性」「利益最大化」を目指し、企業全体の利益を向上させようとする企業が増えているのです。

コストセンターとしての運営では見えなかった付加価値を高めることで、従業員のやる気アップも期待できます。

しかし、すべての部門がそれぞれの利益を目指して動いてしまうと、会社全体としてはマイナスになる場合もあります。あくまで、全体のバランスを見て役割配分することが大切です。

プロフィットセンターへ転換する際のポイント

プロフィットセンターへの転換を検討する場合に気になるのが、実際に転換する場合のやり方です。しかしこれは部門や企業規模によっても異なるため、一概にはいえません。転換したい部門の最終的な形と、そこに至るプロセスを検討することが大切です。

ただし成功させるための共通ポイントは、いくつか存在します。そこで次に転換する際のポイントを紹介します。

部門同士の連携

プロフィットセンターへの転換には、「チームとしての意識」が重要です。たとえば代表的なプロフィットセンターである営業部門は、生産状況や商品にかかるコストなど、営業に生かせる情報に常に敏感で、連携の意識も高く持っています。

そのため、コストセンターからプロフィットセンターへの転換を図る場合、これまで以上に他部門との情報共有を意識することが重要です。スムーズな連携を図ることで、最終的な利益につなげます。

利益につながる情報の収集

プロフィットセンターに転換する場合、必然的に顧客情報のような利益につながる情報が必要となります。たとえばコールセンターであれば電話をかけてきた相手の年齢や性別、購入履歴などがわかれば、その人に最適な商品がすすめられ、利益を上げやすくなります。

そのため、利益につながる情報はあらかじめ営業部門をはじめとするプロフィットセンターから収集し、業務にどう活用するか検討することが重要です。もしCRM(顧客管理システム)やSFA(営業支援システム)を営業部門ですでに利用している場合は、転換したい部門からいつでも素早くアクセスできるよう体制を整えます。

より大きな視点をもつ

プロフィットセンターとして利益を追求する場合、経営者のような大きな視点を持たなければなりません。コストセンターはコスト削減に力を入れがちですが、それが原因で生産性の低下や業務効率が悪化し、利益率が下がってしまってはプロフィットセンターにはなれません。

そのためコストはもちろん、売上や利益まで含めた全体のバランスを考えて、業務を進めていくことが大切です。また事業戦略や経営方針なども意識できれば、他部門との連携もうまく進むようになるでしょう。

コストセンターの今後のあり方

多様性が進み、需要も細分化している現代ではコストカットだけ競争を勝ち抜くことが難しくなっています。従来の考え方に捉われず、コストセンターからプロフィットセンターに転換することで、新しい戦い方が見えてくるかもしれません。

とはいえ、部門によっては転換によって企業に悪影響を与える可能性もあるでしょう。企業における立ち位置や役割を十分に理解したうえで、プロフィットセンターへの転換を検討することが大切です。

なお次の記事では業務効率化に役立つクラウドサービスを比較、紹介しているので、こちらもぜひチェックしてください。

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