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キャズム理論とは?イノベーター理論とキャズムを超える戦略を解説

最終更新日:(記事の情報は現在から2379日前のものです)
キャズム理論とは、イノベーション理論にあるアーリーアダプターとアーリーマジョリティの間にある「溝」を意味するマーケティング理論です。そのキャズム理論についてお伝えします。

キャズム理論は「キャズムを超える」などの、様々な表現で使われています。特に、新たなビジネスを立ち上げている時は、このキャズムを意識することが多いかと思います。

そこで、今回はキャズム理論について紹介します。

イノベーター理論

キャズム理論を理解するうえで、イノベーター理論について理解する必要があります。まずは、このイノベーター理論について解説します。

イノベーター理論とは

イノベーター理論は、大きく分けて以下の5分類になります。

この5分類は、製品を購入する消費者を、購入時期によって分類したものです。

  • イノベーター(革新者)
  • アーリーアダプター(初期採用者)
  • アーリーマジョリティ(前期追随者)
  • レイトマジョリティ(後期追随者)
  • ラガード(遅滞者)

イノベーター理論の5つの分類

イノベーター(革新者)
市場全体の2.5%にあたる、製品をもっとも早い段階で購入する層です。商品の目新しさを重視します。

アーリーアダプター(初期採用者)
市場全体の13.5%を占める層です。流行に敏感で、自ら判断して製品を購入します。この層に受け入れられるとマジョリティ層へのアプローチがしやすくなります。
また、いわゆる「オピニオンリーダー」もこの層から誕生すると言われています。

アーリーマジョリティ(前期追随者)
市場全体の34%を構成すると言われている、新たしいものを購入するのに慎重な方々のことをいいます。アーリーアダプターの影響を強く受ける傾向があります。

レイトマジョリティ(後期追随者)
市場の34%を占める、新たしいものに対して懐疑的な消費者です。新市場の半分以上が導入してから、自らも購入します。

ラガード(遅滞者)
市場の16%を構成する、もっとも保守的な層です。製品が伝統化するまで導入はしません。

キャズム理論

キャズム理論とは

キャズム理論とは、先ほどのイノベーター理論で定義された「アーリーアダプター」から「アーリーマジョリティ」へ製品が行き渡る際に存在する障害のことをいいます。

キャズム理論では、以下の図にある通り、イノベーターとアーリーアダプターをまとめて「初期市場」、アーリーマジョリティ以降の層を「メインストリーム市場」といいます。

このキャズム理論は、ハイテク業界でよく見られる現象です。アメリカのマーケティング・コンサルタント、ジェフリー・A・ムーア氏が提唱したものとして、ハイテク業界では新規ビジネスの立ち上げの際に焦点になります。

キャズムが生まれる原因

キャズムが生まれる原因の一つは、イノベーターとアーリーアダプターで構成される初期市場と、アーリーマジョリティなどで構成されるメインストリーム市場でニーズが異なることが挙げられます。

初期市場では、商品を購入するモチベーションは「新しさ」です。商品のメリットより、その商品を誰よりも早く持つことに価値を感じます。

一方で、メインストリーム市場では、商品を購入する理由が「安心感」になります。大勢の人たちが使っているという安心感こそが購買動機になります。

このように、2つの市場で、価値観が全く異なるのです。初期市場は全体の16%ですが、この16%が購入したくらいでは、メインストリーム市場の人たちは購入しない。これがビジネスが成立するかどうかのキャズムになるのです。

キャズムを超える方法

キャズムを超えるにはどのような方法があるでしょうか。
その解決方法は、やはりマーケティングになります。その中でも、セグメンテーションとターゲットになります。

メインストリーム市場の人が求めるのは「安心感」です。みんなが使って役立っているという事実が重要になりますが、初期市場ではそれが達成できないことがあります。

そのため、アーリーマジョリティでも、アーリーアダプターに寄りの人にアプローチできるかがキーポイントになります。そのための手段として、以下の2つがあります。

インフルエンサー・マーケティング

アーリーマジョリティに影響力の強いインフルエンサーの力を借りてマーケティングを行う「インフルエンサーマーケティング」は有力な方法です。

インフルエンサーの口コミにより、アーリーマジョリティが安心感を持つことができ、製品の購入に至ります。これが広まることで、アーリーマジョリティでも商品が広まっていくことになります。

インフルエンサーを活用するため、最近では企業からインフルエンサーにアプローチして、SNSなどで商品を紹介してもらうケースも増えています。

アンバサダー・マーケティング

アンバサダーは、商品やサービスの熱狂的なファンで、自らその良さを周囲に伝えてくれる人です。通常、アンバサダーは企業側から任命を受けて、SNSなどのインターネットや対面などのリアルな場を通じて、アーリーマジョリティへアプローチします。

アンバサダー・マーケティングの事例としては、ネスカフェの例が有名です。CMなどで耳にしたことがあるかもしれませんが、ネスカフェ側が任命した企業にバリスタを無償提供して、そこで作られたコーヒーを飲んで楽しんでいる様子をインターネットなどに拡散します。

アンバサダーについてはこちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひご覧ください。

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キャズムを超えることが、新規ビジネスの成否を分ける

ここまで、キャズム理論とその背景にあるイノベーター理論について紹介しました。また、キャズムの超え方についてもお伝えしました。ハイテク業界だけでなく、キャズム理論はこれからますます注目されるでしょう。

インフルエンサーマーケティングやアンバサダーマーケティング以外に、今後キャズムを超える方法が出てくるかもしれません。マーケティング担当者も新しい手法をキャッチアップするイノベーターやアーリーアダプターでありたいものです。

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