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内部監査とは | 企業経営における役割を理解しリスクマネジメントへ

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内部監査とは、企業の業務効率化や不正の未然防止を目的として行われる組織内機能です。一般にはあまり知られることのない内部監査ですが、その広範にわたる仕事内容と役割を理解することで会社全体の意識改革につながります。

企業の不正や不祥事だけでなく、企業内でのチェック機能やリスクマネジメントができていなかったことが要因となり、会社の存亡にまで発展している例が数多く見られます。こういった事例では、内部監査が機能していなかった可能性が大きいといえるのではないでしょうか。

しかし、監査役などの肩書きは目にすることが多くなったものの、内部監査の実体や仕事内容、役割を理解している方は多くないかもしれません。企業内で重要な業務を担い、広範な仕事をこなさなければならない内部監査の仕事を解説していきます。

内部監査とは

内部監査とは、企業内に独立した管理体制として設置され、業務の効率化や不正の未然防止のために業務監査を行う組織機能です。

具体的には、経営者直下にある内部監査部門が、経営管理を目的に業務・会計の状況を主体的に調査や分析し、経営者に監査結果を踏まえた改善活動を行います。

近年続発する企業の不正や不祥事が話題になり、ガバナンス強化が叫ばれていることから、内部監査の仕事や役割に関心を持つ企業が増えていますが、2006年5月の会社改正法により「内部統制整備の義務化」が制定されたことで、義務化の対象とならない企業でも内部監査に関心を寄せています。

内部監査に関連して、監査役という株主総会で選任される会社法上の役員も存在します。ぜひ以下の記事も参考にご覧ください。

予備調査

実際の監査を行う準備として、予備調査を行います。

予備調査には、

  • 経営環境の分析
  • 経営方針などの確認
  • 組織の体制調査
  • 組織規定や手順書などのチェック
  • 実施する監査内容の確認
  • 過去の監査事例の分析

などが含まれ、現在の経営状況と過去の監査実施状況を把握し、監査人員の確保を行います。

監査計画の策定

現在の経営状況、過去の監査実施状況を元に、実施する監査計画を策定します。

監査方針と目標の設定、監査対象の選定、重点的に監査する項目の検討を行い、その手法を決定したうえで、監査の時期や担当者が盛り込まれた実施計画書を作成し、それに沿った形で監査実施通知書が作成されます。

また、企業内全ての部署を循環的に監査するため、年度監査計画書も作成されます。

監査実施

策定された監査計画書を元に、監査を実施します。
実際に現場まで足を運び、業務手順書などが正しく文書化されているかなどの整備状況、関係者に周知・理解されているかなどの周知状況、その通りに運用されているかなどの運用状況をそれぞれ監査します。

それぞれの状況が監査によって保証されるため、これを「アシュアランス活動」と呼びます。

監査調書の作成

現場にて実施された監査結果を元に、監査調書にまとめます。業務内容に関する現場でのヒアリング結果、業務手順書等の整備状況、周知状況、運用状況の監査結果を元にして監査調書を作成します。

また、監査結果によって浮上した問題・課題を分析し、改善事項の検討を行った上で、改善計画書の作成まで行います。

監査報告

経営者・被監査部門へ、監査調書に基づいた報告を行います。
監査調書を元に内部監査報告書を作成し、経営者・被監査部門への報告と説明を行います。

また、浮上した課題に対しての改善のため、改善計画書の説明と協議をあわせて行い、被監査部門には期限付き措置回答書を作成・添付したうえで、監査結果の共有を行います。

コンサルティング活動

監査結果を踏まえ、実行に移される改善活動をフォローするコンサルティング活動を行います。
被監査部門からの措置回答書検討、コンサルティング方法の検討、改善事項の取りまとめを行ったうえで、改善事項の実施状況を確認する実際のコンサルティング活動を行います。

また、コンサルティング活動の結果を報告書にまとめ、さらなる改善点の検討実施を循環的に行います。

内部監査と外部監査の違い

日本の監査は、大きく分けて内部監査と外部監査に区別することができます。それぞれの違いは以下の通りです。

内部監査

内部監査は企業内部で実施されるものですが、その目的が企業の経営目標達成であるため、企業に属しながらも客観性を担保する、独立した内部監査部門という組織体で実施されることになります。その内部監査部門が担当する業務には以下の2つがあります。

内部監査:経営管理が目的で業務・会計監査を行う
内部統制対応:内部統制報告を目的として、内部統制の整備・運用状況監査を行う

いずれも、その遂行状況・内容の検討・監査・分析・評価を行い、改善点とともに報告を行ったうえで、改善プロセスをコンサルティングする活動を行います。

外部監査

これに対して外部監査は、企業から完全に独立した、公認会計士などの外部専門家によって実施される監査です。主なものに財務諸表の有効性を監査する財務諸表監査と、内部統制の有効性を監査する内部統制監査があり、金融商品取引法による法定監査となっています。

企業経営者は、投資家や債権者に対する責任として、経営状態や財務状況の開示を財務諸表で行わなければならず、この有効性を担保して報告するための財務諸表監査は、外部監査の中でも特に重要な意味を持つといえるでしょう。

内部監査と外部監査ではこのような違いが存在しますが、お互いが補完し合う関係にもなっており、それぞれが密接に連携を取り合う関係でもあります。

内部監査と外部監査の役割

内部監査の役割

内部監査は、企業内での監視機能という役割を果たしており、業務の効率化・不正の未然防止などの機能を持っています。この内部監査機能は、会社法における大会社に該当する企業で、設置が義務づけられています。

<関連法令の遵守・規定やマニュアルの運用チェック>
会社法などの各種法令に沿った企業運営がされているか、規定や運用マニュアルに従った周知徹底や運用がされているか、を監査によってチェックし、不正の未然防止という役割を果たします。

<内部監査の充実・強化>
企業内全ての部門を対象に、監査計画書に基づいた監査を実施し、監査実施通知書による被監査部門との情報共有を通じた内部監査の充実・強化を行うことにより、企業内のガバナンス強化という役割を果たします。

<監査におけるコンサルティング活動>
年間監査計画書に従って、計画的・循環的に改善項目のコンサルティング活動を行うことにより、業務の効率化という役割を果たします。

外部監査の役割

一方、外部監査は独立した第三者として、企業の財務情報について監査を行い、財務諸表の有効性と適正性を投資家や債権者などの利害関係者へ保証する役割を果たしており、金融商品取引法などの法令によって、様々な企業に義務づけられています。

<財務情報についての監査>
金融商品取引法による法定監査である財務諸表監査を、企業から独立した第三者である外部監査人が行うことによって、企業経営者の責任である財務諸表の有効性と適正性を確保し、投資家や債権者などの企業と利害関係をともにする関係者へ、企業の財務情報が信頼に足るものであるという保証を行う役割を果たしています。

一般的な内部監査の流れ

(1)中・長期的内部監査計画の立案

企業の中・長期事業戦略計画を実現するという目的のため、それに沿った形で問題点・改善点をリストアップし、監査の優先順位・スケジュールの決定、人材・予算の確保などを行い、中・長期的内部監査計画を具体化していきます。

(2)年度内部監査計画の立案

中・長期的内部監査計画を元に、各年度毎のステップに落としこみ、年度内部監査計画を具体化していきます。計画内容も中・長期的監査計画に準じたものになり、年度毎の目標に沿った形で落とし込まれます。

(3)個別監査計画の立案

年度内部監査計画を元に、部門毎、実施する監査毎の個別監査計画を具体化し、計画書の作成を行います。通常、監査実施1〜2ケ月前には予備調査を行ったうえで、被監査部門に監査実施通知書を通じて通知します。

(4)内部監査の実施

個別監査計画に基づいた内部監査を実施します。現場での内部監査終了後、被監査部門との講評会を行い、浮上した問題点や改善点に関して確認し、情報共有した上で監査報告書の作成に取りかかります。

(5)監査報告書の作成

内部監査・講評会の終了後、通常2週間程度で監査報告書を作成し、提出・報告を行います。
監査報告書には、内部監査部門による改善勧告などの意見が盛り込まれますが、意見の客観性を担保するため、証拠書類なども同時に添付されます。

(6)被監査部門への連絡

監査報告書を元に、経営者および被監査部門に対して報告を行います。
その際浮上した問題点や改善点を、どのような問題があり、どのような改善をいつまでに行うのかを具体化した改善指示書も提出されます。

(7)改善指示書がある場合には被監査部門から回答書の提出

改善指示書を受けた被監査部門は、指示書に従った問題点の改善を行い、措置回答書によってその結果報告を行います。措置回答書は、内部監査部門が作成して改善指示書に添付することもあれば、被監査部門が作成することもあります。

(8)改善実施状況のチェック

措置回答書によって被監査部門による問題点改善が行われたら、その実施状況を再監査します。再監査は、計画に従って次回監査時に行われる場合もあれば、措置回答書提出後、随時行われる場合もあります。

内部監査に期待されること

ここまで解説してきたように、アシュアランス活動・コンサルティング活動を通じた内部監査機能によって、業務の効率化・不正の未然防止という、企業の求める目的を達成することができます。これによって、企業の経営状態が健全なものだという判断が可能になります。

また、内部監査にかかわる企業の業務内容は広範なものとなっており、企業運営を行う上でのリスクマネジメントを習得するのに最適なことから、経営に携わる人材育成にも繋がり、企業の事業価値向上の効果も期待できます。

内部監査の課題

このように、内部監査機能に対しては期待されることも多くありますが、一方で利益を生み出さないという認識により、形式的に内部監査機能を配している企業も少なくありません。それによる課題も浮上してきており、対策が急がれる現状もあります。

人材不足

まず、多くの企業で共通している課題として、内部監査を行う人材が不足している現状があります。内部監査機能が義務づけられているのは、会社法で規定された大会社が対象になっており、関連子会社、海外拠点などの監査対象部門が数多くあるのが特徴です。

そういった拠点を含めた全ての部門に対して、内部監査を強化するには、ノウハウを持った人材が不足しており、内部監査を行う人材の育成が急務になっています。

監査ノウハウの伝承

内部監査を行う人材不足にも関連しますが、内部監査を行うノウハウを持つ内部監査部門担当者は、高齢の方が多くなっているのが現状であり、迅速で柔軟な行動が難しいばかりでなく、人材不足によってノウハウの伝承が難しくなっています。

企業としては、利益を生み出す部門へ人的リソースを含めた経営資源を集中したい、という考えがあるかもしれませんが、将来的なリスクマネジメントへのノウハウ蓄積という意味でも、若手を内部監査部門へ投入するという、意識の改革が必要かもしれません。

経営情報の電子データ化

従来の経営管理は、紙媒体による管理を基本としており、大企業になればなるほど手順書によるルールと実務が剥離していました。これは内部監査に関しても同様の状況であり、膨大な紙媒体による情報から重要なもののみ拾捨選択するしかありませんでした。

これらを電子データ化することによって、内部監査だけでなく企業の業務効率化が期待できますが、過去にさかのぼった経営情報を電子データ化することは簡単ではありません。

内部監査機能を企業経営に役立てるには

内部監査機能を強化するということは、業務の効率化の他、不正の未然防止などのコーポレートガバナンス強化に繋がり、企業経営の安定化や利害関係者への保証が担保されます。実際、欧米では内部監査機能を重視し、大きな人的リソースを投入している企業が珍しくありません。

しかし、内部監査の課題にもあるように、日本においては内部監査を重視する企業が多くなく、そのメリットを活かしているとはいいがたいでしょう。その理由には、経営資源を生産的部門に集中したい企業の思惑のほかに、内部監査の重要性を理解できないばかりに、配置転換に難色を示す従業員側にもあるのかもしれません。

リスクマネジメントに有効である内部監査機能を企業経営に役立てるため、経営側・労働者側双方に意識改革が求められているのかもしれません。

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