ロボティクスとは?急成長するロボット関連産業の現状・背景・未来
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ロボティクスとは
ロボティクスとはロボット工学のことを指し、簡単にいうとロボットに関する技術を研究する学問分野です。
この記事では、ロボティクスの現状と、発展について解説していきます。ロボティクスについて初めて知る方も、現状を確認したい方も必見の記事です。
目次を閉じる
- ロボティクスとは
- ロボット工学の概要
- そもそもロボットとは
- ロボティクス関連業界の現状
- 世界ロボティクス市場規模は2021年に25兆円
- ロボティクス関連業界が伸びているワケ
- ロボティクス関連業界の今後
- ロボティクス化のメリット
- 品質を安定的に維持できる
- 生産・管理情報を可視化できる
- 危険作業から人を守る安全対策
- ロボティクスにおける課題
- 導入コストがかかる
- 専門人材の不足と育成
- ロボットの活躍分野とその背景
- ロボット産業の進化
- ロボットの活躍が期待される分野
- ロボティクス関連株やファンドの躍進
- ロボティクス産業分野の株価
- ロボティクス産業企業への投資ファンド登場
- ロボティクス関連業界のこれから
- BOXILとは
ロボット工学の概要
ロボット工学といっても、さまざまな分野に分けられます。一例として次のような分野が挙げられます。
- 手足の機構や設計に関する分野
- 外界情報の認識・知覚に関する分野
- 運動や行動、制御に関する分野
- 人工知能をはじめとした知能に関する分野
ロボット工学という場合、これらの分野を総称して指すことが多いです。
そもそもロボットとは
ロボットの明確な定義は、現時点では存在しません。本記事では便宜上、ロボットを以下のように定義し、解説を進めていきます。
代表的なものとしては、産業用ロボットが挙げられます。これらは現在も徐々に数を増やし続けており、人間の作業に取って代わる進化を遂げつつあります。
ロボティクス関連業界の現状
ロボティクス関連業界とは、ロボティクス関連事業を担う企業群のことをいいます。
現在のロボットは、インターネットに接続されたセンサーからビッグデータを収集し、AI(人工知能)で処理して動作するという流れが一般的です。
ロボティクス関連業界では、これらのテクノロジーの開発や、普及しやすくするための改良が行われています。
ビッグデータの分析は、人間が行った方が適している場合もあります。ビッグデータを取り扱う場合においてもロボットと人間のどちらが分析すべきかを慎重に検討しましょう。
ロボティクス関連業界の現状についてくわしく解説します。
世界ロボティクス市場規模は2021年に25兆円
IT専門調査会社のIDC Japanによると、世界ロボティクスおよびロボティクス関連支出額はアジア太平洋地域を中心に加速度的に増加し、2021年には2,307億ドル※にも拡大するとされていました。
(出典:IDC発表資料のデータをもとにBOXIL編集部にて作成)
※出典:日本経済新聞「世界ロボティクス市場、21年には2307億米ドルに」(2025年7月25日閲覧)
ロボティクス関連業界が伸びているワケ
ロボティクス関連業界が伸びている理由は大きく2つあります。
ロボット需要自体の拡大
少子高齢化に伴い、労働力不足が加速しています。また、労働力の需要が高まっているため、人件費も上昇傾向にあります。よって、人間の労働力に頼らずにすむ、ロボットに注目が集まっているのが現状です。
技術の進歩・関連部品価格の下落
ロボット自体の改良も、業界発展の要因としてあげられるでしょう。技術の汎用化や、量産化による価格下落が傾向としてみられます。
また、インターネット化とAIの進歩によって、ロボット活用の土台が整いつつあります。
インターネットとAIは、ロボットとつながりが深く、技術力の進歩や部品の低価格化以外に、インターネットとAIがロボット活用の土台整えているといえるでしょう。
AIはなにかと話題になりますが、必ずしもAIを使わなければならないわけではありません。単純作業に対応するだけであればRPAのほうが便利なケースもあります。
次の記事ではRPAについて解説しているので、興味のある方はチェックしてみてください。
ロボティクス関連業界の今後
ロボティクス関連企業の業績見通しは良好で、株価も中期的に堅調に推移すると期待されています。
ロボティクス関連企業の株価は、活躍の場の拡大や、各国の政策的な後押しなどを背景に、世界株式を上回って推移してきました。今後もこの傾向は続いていくでしょう。
ロボティクス化のメリット
ロボティクスで期待できるメリットについて紹介します。
品質を安定的に維持できる
ロボティクスを導入することで、作業品質を一定水準で維持しながら、24時間365日体制での稼働が可能です。
人手による作業では、熟練度の違いや体調・集中力によって品質にばらつきが生じやすいことがあります。一方、ロボットは常に安定した精度とパフォーマンスを発揮します。
結果として納期遅延のリスクが減り、生産量の安定化や顧客満足度の向上が期待できるでしょう。
生産・管理情報を可視化できる
ロボティクスを活用することで、作業履歴や製造データを自動で記録・管理できるようになり、高精度なトレーサビリティを確保できます。
たとえば、「いつどこで誰が何をしたか」といった情報を蓄積し、後から確認・追跡できる体制を整えることで、不具合発生時の原因特定や対象製品の迅速な対応が可能になります。
記録の自動化により人的ミスが減り、全体の業務品質や信頼性の向上につながる点もメリットです。
危険作業から人を守る安全対策
ロボティクスの活用は、危険な現場で働く人々の安全性向上にも大きく貢献します。
高所作業や高温・高圧環境、有害物質の取り扱いなど、事故や健康被害のリスクが伴う作業をロボットが代行することで、労働災害の発生率低下が可能です。
さらに、AIやセンサーを組み合わせることで、障害物の検知や周囲の監視といった安全機能を強化できます。
ロボティクスにおける課題
ロボティクスにおける課題について紹介します。
導入コストがかかる
ロボティクスの導入には、ロボット本体の購入だけでなく、設置工事や制御ソフトの開発、周辺設備の整備といった初期投資が必要です。
特に中小企業にとっては、このコストが大きな負担となることも少なくありません。
業種や地域によっては補助金や助成制度が利用できる場合もあるため、事前に情報収集をしながら、ニーズに合った導入プランを設計することが重要です。
専門人材の不足と育成
ロボティクスを円滑に運用するためには、専門的な知識やスキルを持つ技術者の存在が欠かせません。
導入後の保守・管理やシステムの最適化、トラブル対応など、さまざまな場面で高度な知識が求められます。しかし、ロボティクスに精通した人材はまだ限られており、企業間での獲得競争も激しいのが現状です。
導入を成功させるには、技術の確保と同時に「育てる体制づくり」が求められています。
ロボットの活躍分野とその背景
ロボットの活躍が現在のように期待されはじめた背景と、実際に活躍できる分野にはどのようなものがあるか説明します。
ロボット産業の進化
ロボット産業の進化の背景について、外せない重要なポイント3つを解説します。
ロボットによるフリー・オートメーション
「ロボット産業」と聞いて思い浮かびやすいのがFA(フリーオートメーション)です。
技術の進歩により、ロボットのこなせる作業がどんどん多くなるだけでなく、新興国の労働コスト増加によって、FAの需要はさらに高まっています。
AI(人工知能)の実用化
人工知能「AI」は急速な広がりを見せています。AIに対する取り組みは、娯楽的なものにとどまりません。
具体的には、人の会話データを蓄積してコールセンターをサポートするロボット、高齢者福祉施設で活躍するレクリエーションが得意な会話ロボットなどがいます。
このように、実用化の例は多くあり、今後も多岐にわたる分野で活躍が期待できます。
下の記事では、コールセンターのサポートができるロボットを紹介しています。ぜひ参考にしてください。
生活密着型ロボットの活躍
「ルンバ」に代表される家庭用ロボット掃除機や、無人飛行ロボット「ドローン」など、ロボットは実用化に伴いどんどん身近なものになりつつあります。
近年は、危険な現場や介護・医療現場でも活躍しており、「ロボットがいなければ生活できない」といった未来が近いうちにやってくるでしょう。
ロボットの活躍が期待される分野
今後ロボットの活躍が期待される分野について説明します。
産業労働分野
自動車や電子部品を生産する工場の現場で使用されています。重量物の運搬や、霧散している塗料の吸引など、肉体的負担の大きい労働環境で活躍しています。
このような分野は、労働者への大きな負荷から作業ミスを誘発する恐れがあるため、品質安定の面からもロボットが適しているでしょう。
介護分野
介護にもロボットが用いられており、しばしば「福祉ロボット」や「ロボット介護機器」「次世代福祉機器」などと呼ばれています。
現在、国を挙げて介護ロボットの開発・普及を後押ししていますが、政府は特に重点的に開発をすすめる分野として6分野13項目を挙げています。これからの社会高齢化にむけて、ますます発展が期待される分野です。
医療分野
手術を補助する機械装置や内視鏡に取って代わる微小ロボット(マイクロマシン)、また患者ロボットといわれる主に医療関係者のシミュレーションや訓練に使われるロボットもあります。
これらも高齢化社会に向けて需要がますます高まっていく分野です。
ロボティクス関連株やファンドの躍進
ロボティクス関連業界が成長するにしたがって、それらに関連した株やロボティクス関連企業を取り扱ったファンドが成長しています。
ロボティクス産業分野の株価
技術の進化とともにさまざまな分野での活躍が期待されているロボティクス関連業界ですが、このため、ロボティクス関連市場は2025年まで年率10%の成長が続く※と予想されています。
まさにイノベーションを体現した投資テーマといえるロボティクス。中長期的な成長テーマとして目を離せないでしょう。
※出典:SBI証券「【未来へ託す】無限の成長性!注目のロボティクス関連企業に投資!」(2025年7月25日閲覧)
ロボティクス産業企業への投資ファンド登場
ロボティクス産業企業に投資するファンドが現在続々登場しています。代表的なものとして以下のファンドがあげられるでしょう。
グローバル・ロボティクス株式ファンド
世界各国の株式のなかから、成長が期待されるロボティクス関連企業の株式を中心に投資しているファンドです。
産業用やサービス用など、ロボットを製作する企業のみならず、ロボット関連技術であるAIやセンサーに携わる企業にも投資しています。
ロボット・テクノロジー関連株F-ロボテック-
日本を含む世界のロボット関連企業の株式に投資しています。
「高度な技術力」「強力な経営陣」「価格決定力および業績上方修正の可能性」などを考慮して選定しています。
組入候補銘柄のなかから、アクサ・インベストメント・マネージャーズの企業調査機能などを活用し、ポートフォリオを構築しています。
iTrustロボ
このファンドは、主に日本を含む世界のロボティクス関連企業の株式に投資しています。
ピュリティ(事業全体に占めるロボティクス関連事業比率)を重視して運用することで、よりロボティクス関連事業の高い成長を取り込める企業に投資しています。
ロボティクス関連業界のこれから
さまざまな分野において需要があり、ますますの発展が期待されるロボティクス業界。先進国における働き手の減少、少子化、高齢化社会などの社会問題を解決する一助になる可能性もあります。
これからのさらなる飛躍に注目です。
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