「一歩踏み出す人を増やしたい」大企業病は自分の中にある‐ONE JAPAN 山本将裕
ONE JAPAN内の出会いが生んだ、三越伊勢丹「カリテ」
「ONE JAPANで出会った企業同士で事業化まで進んだケースもあります。三越伊勢丹の婦人服担当のマネージャーと、他社エンジニアが組んで生まれたのが「CARITE(カリテ)」です。普通、婦人服担当の方とエンジニアが一緒に仕事をすることはあまりないですよね。でも普段の仕事の中ではない出会いをきっかけに、イノベーションが生まれる。これがONE JAPANのもうひとつの意義だと思うんです。」(山本さん)
カリテは、銀座三越の婦人服シェアリングサービスで、専用アプリまたは店頭でドレスを選び、ブランド品をレンタルできるというもの。三越伊勢丹スタッフにチャットでコーディネートの相談ができ、店舗で試着してから決定もできる。百貨店のおもてなしや品ぞろえという強みをいかし、シェアリングという時代のトレンドを、テクノロジーでカタチにしたサービスである。
「一歩踏み出す」ために、何をすればいいのか
日々いろいろな方と会う中で、既存のルールや組織の壁の中に閉じていても、仕事にはならないと語る山本さん。まずは一歩踏み出すことが重要だという。
「一歩踏み出すというと、具体的に何をしたらいいんですか、とよく聞かれます。でもそんなに難しいことじゃないんです。
たとえば、自分の部署の中で飲み会して帰ってくるだけではなく、自分が持っているコンフォートゾーンから一歩抜けて出会ったことがない人と会う。飲み会する。それだけでも違う世界が見えてくると思っています。
大企業病って、実は自分の中にあると思うんです。勝手に組織の壁だとか、ルールだとか、言っているのって自分なんです。だから、自分の壁を越えていかなくちゃいけない。自分が変わって、はじめてそれが他の人にも、伝わる。大企業でも新しいことができる、そういう空気を作っていくには、まず自分が変わることですね。」(山本さん)
ONE JAPANと山本将裕のこれから
山本さんは、現在NTT東日本でベンチャーやスタートアップを支援するアクセラレータープログラムを行っている。自身の仕事、そしてONE JAPANでこれから目指すものは何なのか。
「いろいろな事業にNTTが持つリソースを提供して、事業をしていくという流れはできあがってきました。ONE JAPANにいるような企業の新規事業の人たちとも、どんどん一緒に仕事していけたらいいと思います。自分の仕事とONE JAPANは、溶け込んで存在している。アクセラレータプログラムも、実はONE JAPANのメンバーであるマッキャンエリクソンの松坂さんという方にブランディングをお願いしています。
ONE JAPANに行くと、事業やコラボレーションが生まれやすい、いろいろな人に会える、モチベーションや知識、人脈を得られる場になればいい。最初から企業対企業でビジネスをしなくてもいいと僕は思うんです。有志の場だからこそ自由に意見を出し合う中で、信頼関係を作り、それがビジネスにつながればいい。」(山本さん)
どれだけ仲間を作れるか。仲間たちと一緒に人脈を作り、知識を入れ、同じ一つのビジョンを持ち続け、小さくてもいいから実行し、発信し続ける。やり続ければ、また仲間が増えていく。一歩踏み出す人を増やし大きなうねりを作るため、ONE JAPANは発信を続けていく。