既存の帳票がそのまま使える 高精度で手書き文字をデジタル化する「デジペーパー」をリリース
ITサービスソリューションを展開する株式会社システムリサーチ(本社・名古屋市)は、タッチペンで記入した文字を高精度でテキスト変換できる入力ペーパーレスソリューション「デジペーパー」の提供をスタートしました。
手書き文字をデジタル化、帳票に記入
作業効率化や書類保管場所、保管時の紛失や汚損リスク削減などの点から、さまざまな業界で進むペーパーレス化。しかし、パソコンやキーボード操作に手間取ったり、業務フローの大幅な変更によって逆に作業の効率が悪くなったりと、現場における課題は山積しています。
「デジペーパー」は、そうした現場の悩みに応えるために開発されました。タッチペンで記入した手書き文字を即座に認識し、高精度でテキスト変換。紙への記入と変わらない感覚で作業し、そのまま帳票に埋め込むことができます。
記入が完了した帳票はPDF形式で保存され、記入したデータはテキストとして出力することも可能です。紙の使い勝手を保ち、従来の帳票フォーマットをそのまま使うことができるので、幅広い年齢や業種の利用が期待できるそうです。
なぐり書きでも読み取れる
デジペーパーの最大の特徴は手書き文字の認識能力です。なぐり書きしたような文字や続け文字でも正確に読み取り、指定をすれば50を超える外国語も認識します。なお、英語の筆記体にも対応だそう。担当者は「崩して書いていても、書き順や前後の文字の予測変換から認識精度を上げていく技術を採用しています」と話します。
活字や手書きテキストの画像を文字コードの列に変換する技術では、OCRがよく知られています。
同社営業担当の井上さんは、「OCRは文字を機械的に変換するので、間違いがないか確認する人員コストが発生します。しかしデジペーパーは、タブレットに本人が記入した文字を即座に認識してテキスト化するので、本人がその場で修正できます。人や紙のコストだけではなく、間違えたまま保存するリスクを最小限に抑えることができます」と話します。
テキスト化せず自筆を保存できる
ペーパーレス化の導入が難航している理由として、押印ではない電子サインの法的効力への懸念を背景に持つ企業も少なくありません。署名機能の付いた文書ソフトの活用で電子署名の効力は保証されるものの、やはり不安感が残ってしまうものと思われます。
デジペーパーは、電子サインとして利用する際に、書き手の筆跡や筆順、書いた場所や時刻など様々な情報を保存できるそうです。
井上さんは「これらの情報を電子サインのイメージと併せて保存し、法的効力を満たす安心材料になると判断する企業が多くあります。電子ペンでタブレット端末の画像上に書かれたサインでも、書き手の筆跡や癖が表れることは筆跡鑑定士の先生のお墨付きを頂いております」と話します。
また、複数の場所に一度にサインできる一括署名の機能もあり、業務の効率化を図ることもできます。
申し込み書類や伝票など用途は多様
ほかにも選択式リストやチェックボックスの自由設定、郵便番号からの住所引当、姓名への自動カナ入力、画像や図面への書き入れなど、さまざまな入力補助機能を兼ね備えています。
導入先は、申込書類や契約書などが必要な金融機関、複数の伝票が必要な物流や輸送・配送会社、点検リストや作業報告書が必要な製造業企業と多岐に渡っています。
さらに同社では、ソフトウェア開発会社としての強みを活かし、デジペーパーを導入先の運用やワークフローに合わせ、柔軟にカスタマイズすることもできます。たとえば、顧客ごとの情報整理や管理をするために、すでに運用している自社システムとデジペーパーの連携システムを開発した実績もあります。
井上さんは「今まで紙で運用していた現場では、電子化することで逆に仕事が滞ったり、抵抗があったりする場合が多いと思います。最適な運用方法を一緒に見つけ、お役に立てればと思っています」と話していました。
1か月のトライアルあり
料金定価はプランによって異なり、月額プランは月額16万円と1IDにつき月額700円の利用料です。年額プランは初年度が初期費用を含めて180万円と1IDにつき年額8400円。次年度は月額プランはそのままで、年額プランはサーバー・保守サポート料の年額60万円と1IDにつき年額8400円です。
なお、1か月のトライアルプランも実施しており、「まずはトライアルプランで書き心地や使いやすさを試していただき、現場の反応も見てから実際に導入する流れが多いです」(同社営業担当)とのこと。カスタマイズ開発の料金は要相談とのことです。