サイバーエージェント タレントマネジメントの成果を上げる「GEPPO」「キャリアエージェント」とは?
多くの企業が人材を最大の経営資源と捉えていると言っているものの、それを体現できている企業はまだまだ少ないのが現状です。
そんななか、サイバーエージェントではサーベイや組織診断を効果的に実施できるシステム「GEPPO(ゲッポウ)」と社内ヘッドハンティングチーム「キャリアエージェント」を軸としたタレントマネジメントを推進し、確かな成果を上げています。その取り組みに至った背景や成果、メリットなどを人材戦略部の大久保泰行部長に聞きました。
大久保泰行氏 株式会社サイバーエージェント人材戦略部長/キャリアエージェント
2003年、サイバーエージェントに入社。インターネット広告代理事業部門にてセールス部門のエグゼクティブプランナー、営業局長を経て、2017年10月より現職。GEPPOの運用と社内ヘッドハンティングを専門とする組織であるキャリアエージェントの責任者も務める。
人を成長させるドライバーが必要
―どのような体制でタレントマネジメントを推進されているのでしょうか
横軸で全社人事があり、その中にタレントマネジメント領域を担う人材戦略本部も位置づけられています。我々のキャリアエージェントチームもその本部に属しています。ほかにはメディアやゲーム、広告などの各事業部を統括する役員付きの人事であるHRBP(Human Resource Business Partner)もいます。彼らともやり取りしながら進めています。
キャリアエージェントチームの役割は、パルスサーベイである「GEPPO」(ゲッポウ)を運用した情報収集とその情報に基づく適材適所、才能開花の実現です。専門で担当しているのは前者が2名、後者が4名プラス人事担当役員の3名です。「社員数からすると少ない人数ですね」と良く言われます。それだけに、いかにHRBPや事業部サイドと連携しながら、縦横無尽に動くかがポイントになってきます。
―「GEPPO」とキャリアエージェントが生まれた経緯をお聞かせください
当時、正社員数が1000名を超えてきて、一人ひとりの顔が見えづらくなっていました。個人の才能開花や適材適所を行うためには、人の顔が見えていないと不可能です。そこで、年1回役員が現場社員とチームを組んで規事業案や課題解決案を決議する「あした会議」という経営会議の場で、社員のコンディションを把握する「GEPPO」と社内ヘッドハンター的な役割を担うキャリアエージェントの発足が決議されました。
組織体制への思いを綴った代表の藤田普氏のブログ
3つの質問で社員のコンディションを知る
―「GEPPO」の内容を教えてください
「GEPPO」は当社が自社開発したサーベイツールです。従業員に3つの質問を投げかけ、いずれも「晴れ」「曇り」「雨」など5段階の天気マークから直感的に答えてもらうもので、1分もあれば終わります。1問目と2問目が固定質問で、個人の成果及びパフォーマンスとチームの今のコンディションを聞いています。3問目は特別質問で、状況に応じて設定されます。質問はキャリアエージェントチームが考えて、役員とすり合わせています。
特別質問は、例えば目標の明確度です。半期がスタートした1か月後に目標が明確になっているかどうかを聞いています。それによって、組織的に目標が根付いているのかどうか、本人が納得しているかどうかがわかります。ほかには、業務配分が適正かどうかを聞くこともあります。今自分に与えられている仕事が、自分のキャパシティに対してどうなのかということです。
最近聞いたのは、ジョブサイズが適正であるかどうかです。自分に寄せられている期待値が、自分が求めているものに合っているのかを聞きました。これらは年間で計画を立てているのですが、リモートワークの環境下になり、関係性がどう変化しているかを急遽聞いたというケースもありました。
ちなみに、リクルートと当社の合弁会社である株式会社ヒューマンキャピタルテクノロジーが提供するクラウド型HRサーベイ「Geppo」は、多様な企業に提供するために私共の「GEPPO」に改良を加えたサービスです。
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