コピー完了

記事TOP

会員限定記事

GX(グリーン・トランスフォーメーション) 見据え DX銘柄グランプリ・SREホールディングスの挑戦

最終更新日:(記事の情報は現在から847日前のものです)
設立からわずか7年で東証一部に上場し、翌年にはDX銘柄2021グランプリを受賞するなど、快進撃を続けるSREホールディングス。元々はソニー不動産として設立され、クラウドや不動産事業を展開しています。同社のDX推進担当役員である清水考治さんに、DX成功の秘訣や今後の事業戦略を聞きました。

インタビュー前編では、同社の事業概要やDXへの取り組み、DX銘柄として評価された点などを聞きました。後編ではDX推進担当役員としての役割や新規事業、さらにはDX成功の秘訣などについて、お話を聞きました。

【インタビュー】
清水考治氏 SREホールディングス株式会社執行役員DX推進担当兼クラウド&コンサルティング事業本部長兼DX推進部門長

【profile】
大手ネット企業に入社後、ネットサービスの企画、事業開発に従事。2016年よりAIベンチャー企業で取締役に就任。2021年よりSREホールディングス(株)に参画し、社内DXと不動産をはじめとした各業界のDXを推進するためのクラウドビジネス、AIコンサルビジネスの統括を行っている。

SREホールディングスの清水さん SREホールディングスでDXを担う清水さん

アナログ文化が根強い不動産業界に衝撃

―清水さんが、SREホールディングスにジョインされた経緯をお聞かせください。

私は2001年にインターネットサービス会社に新卒で入社しました。その会社では、インターネットという新しい技術を活かしてビジネスを作っていく事業企画を10数年担当しました。さまざまなビジネスを作り上げる一方、インターネットの世界では多くのスタートアップ企業が生まれ、スピード感を持って成長していく姿を垣間見ていました。

私も最先端の技術を使ってチャレンジしたいと思い、あるベンチャー企業の取締役COOとして参画し、AI事業をゼロから立ち上げました。ビジネスは順調に拡大し、自分たちとしては大きな会社になれたと思っていたのですが、残念ながら業界を変革するところまでは実現できませんでした。ベンチャー企業の限界を感じましたね。

自分としてはもう少し業界にインパクトを与えられる環境で、AIビジネスを作っていきたい、自分の実力を発揮したいと考えました。色々な企業と接点を持つ中で出会ったのが当社代表の西山でした。

10年後の当たり前をAIなどの最新テクノロジーで作っていくというビジョンを掲げているだけでなく、そのビジョンに沿って着実に事業を成長させている姿を間のあたりにしました。西山という経営者の下で色々学びたいし、自分の力量を試して業界を変えることができるのではと思い、2021年1月に当社に参画しました。

常にday1と意識

―西山社長のインパクトが大きかったわけですね

かなり強いインパクトがありました。私自身、企業の経営者とは結構お会いしてきましたが、西山は抜きん出ていました。経営者としての目線がとても高いと思っています。今や東証一部に上場して、株式市場からもそれなりに評価されていますが、「まだ自分たちはday1(創業初日)だ。何も成し遂げていない」と言っています。要はこれからだということです。常に西山の成長目線に合わせてストレッチしていくだけでも、自分自身が成長できるという実感があります。

―清水さんご自身、不動産業界のデジタル化が遅れていることに衝撃を受けたのでは

私自身、3年前に中古のマンションを購入した経験があります。それに、当社に入社してからも多くの不動産会社の方々とお会いしてきました。それらを通じて感じたのは、まだまだアナログな文化が根強い業界であるということです。

お客様に対して、営業マンが常に「お会いしませんか」と電話をし、実際に物件をご紹介する。契約自体も紙です。また、ダイレクトメールやチラシなどがポストに沢山入っています。インターネットの時代であるのに、なぜアナログマーケティングに相当な予算を掛けて展開されているのかと衝撃を受けました。

―SREホールディングスという会社の印象は

外から見ている以上に技術力が高いと感じました。データサイエンティストやクラウドエンジニアなども技術力はもちろん、ビジネスの目線を持った方たちが非常に多かったです。

一般的にエンジニアは「開発業務をしていれば良いのでは」と考え、ビジネス部門のメンバーやお客様とコミュニケーションを取りたがらないものです。しかし、当社のエンジニアはそういうところが全くありません。業界を変えたいといって集まってきたメンバーばかりなので、技術力だけではなくマインドも素晴らしいと思いました。

大きなチャンスがあった物流業界

―何から着手されたのですか。

私がまず取り組んだのは、AIのコンサルティングビジネスを今後どういう業界に適応させていくか、そこの戦略を検討するところでした。これまでは金融機関にもAIを提供していましたが、色々な業界を見ていくと、不動産業界のようにDXがまだ進んでおらず、規模も大きくチャンスがありそうな業界がありました。その一つとして注目したのが、物流業界です。

今、物流業界に我々が持っているAIの適応を進めています。例えば三井不動産様の支援に取り組んでおります。同社は不動産デベロッパーとして、現在物流倉庫を建設され、荷主活動に非常に力を入れておられます。ビジネスでの課題は、倉庫のデジタル化がまだまだ進んでいないことです。

この記事は会員限定です。 登録して続きをお読みください。

会員登録(無料)のメリット
この記事が良かったら、いいね!をしてください!最新情報をお届けします!
貴社のサービスを
BOXIL SaaSに掲載しませんか?
累計掲載実績1,200社超
BOXIL会員数200,000人超
※ 2024年3月時点
ニュース・特集の最近更新された記事