導入企業2.3万社 サイボウズ「kintone」PMが語る、DXが失敗する企業3つのパターン
DXに取り組む企業は増えているものの、どう進めたら良いのかわからない、なかなか成果が出ないと悩む企業担当者が多いもの。独自の視点でDX推進が成功できない要因や解決への糸口を分析し、広く発信しているのが、サイボウズのクラウドサービス「kintone」のビジネスプロダクトマネージャーである相馬理人氏です。
kintoneは2.3万社もの企業に導入されるメジャーなサービス。インタビューの前半では、さまざまな顧客の間近で見てきた相馬氏に、DX成功の秘訣を聞きました。
【インタビュー】
相馬理人氏
サイボウズ株式会社、kintoneビジネスプロダクトマネージャー
東京大学を卒業後、2015年に新卒としてサイボウズのシステムコンサルティング本部に入社し、SE としてパートナー企業への技術支援や社内教育に従事。SIer への出向や海外拠点支援を経験した後、帰国後はDevRel活動にも携わる。2020年4月より kintone のビジネスプロダクトマネージャーに就任し、プロダクトマーケティングやセールスプロセスの改善、カスタマーサクセス立ち上げ等を行っている。
DXが加速する一方、成果は道半ば
―この数年、DXがメディアで日々取り上げられています。DXに向けた取り組みは増えているのでしょうか
まさしく、ここ数年はDXに対する意欲が高まっていると感じています。色々な調査情報でも、取り組みが増えていると報告されていますよね。それは、当社への問い合わせにも表れています。今まではDXというレイヤーの高い話よりも、「目の前の業務を改善したい」という内容が多かったのです。
しかし、このところは「DXで使えるノーコード(ソースコードを全く書かずにアプリケーションを開発する手法)、ローコード開発(少ないソースコードでアプリケーションを開発する手法)のツールを探しています」などと、DX目当てで聞かれることが多くなってきました。また、問い合わせ元も、今までは現場や情報システム部門の方が多かったのですが、最近はDX推進室など専門部署からの問い合わせも増えています。
―コロナ禍がDXを加速させているという指摘もあります
私も同じ認識を持っています。やらなければ、やらなければと思いつつ、ついついやれていなかったことが、コロナ禍という外部要因による市場の変化により、否応なしに突き付けられました。それもあって、間違いなくDXが加速していると思います。
成果を上げているのは何割?
―DXで成果を上げている企業、売上を伸ばしている企業は実際にどれくらいあるのでしょうか
きちんと成果を上げている企業は、正直なところ2、3割ぐらいだと思っています。DXには、紙を電子化するレベルから顧客への価値提供や競合への差別化まで、フェーズがいくつかあります。「DXに取り組んでいる」といってもまだ最初のフェーズである場合もあります。なかにはそこで終わってしまうケースも見受けられます。全体でみると、最後のフェーズに到達している企業はかなり少ないのではないと思います。
―最後のフェーズに行けているのは、DX銘柄に選ばれるような企業ですか。
上場企業でみると、感覚的にはそれぐらいだと思っています。ただ、まだまだ道半ば順調に行っている企業も、世の中全体の動きを見てDXが上手くいっていると指摘しています。そこをどう回答するかで、成果を上げている企業の割合が変わってくる気がします。
DXが失敗する3つのパターン
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