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データサイエンティスト協会が考える デジタルリテラシー底上げのためにやるべきこと/後編

記事の情報は2022-08-10時点のものです。
一般社団法人データサイエンティスト協会でスキル定義委員会副委員長として、データサイエンティストに必要なスキルを定義する佐伯諭氏のインタビュー後編です。協会の設立経緯やデータサイエンティストに必要なスキルセット、DX人材育成への考え方などを聞きました。

【インタビュー】
佐伯諭氏 一般社団法人データサイエンティスト協会 スキル定義委員会副委員長

データサイエンティスト協会の佐伯さん

データサイエンティストと企業とのハブを目指す

―そもそも、データサイエンティスト協会はどのような経緯で設立されたのですか

2010年前後から、ビッグデータをビジネスにどう活用していくかが議論されてきました。その担い手としてデータサイエンティスト(分析人材)も注目されています。この流れはインターネットの中だけでなく、リアルな産業にも膨れ上がって来ています。

当然ながら、多くの企業がデータサイエンティストの確保・育成に力を入れようとしていますが、そもそもデータサイエンティストとはどんな人材なのかという明確な定義がなく、さまざまな課題が生じていました。そこで、しっかりと定義付けしなければ産業としても育たないと考え、2013年5月に一般社団法人データサイエンティスト協会が設立されるに至りました。

協会の設立目的は、データサイエンティストの育成のためその技能(スキル)要件の定義・標準化を推進し、社会に対する普及啓発活動を行うことです。データサイエンティストがどういう職業なのか、その骨格を明らかにしていきながら、企業間や企業とアカデミアで人材のマッチングを促進するハブになりたいと思っています。

必要な3つのスキルセット

―佐伯さんが副委員長を務めるスキル定義委員会はどのような活動をされているのですか

スキル定義委員会では、データサイエンティストに必要とされるスキルセットを定義したり、スキル育成と評価のための軸・基準を策定したりしています。具体的には、データサイエンティストには3つのスキルセットが必要であると定義付けています。

一つ目はビジネス力。これは、課題背景を理解した上で、ビジネス課題を整理、設定し、解決する力です。二つ目はデータサイエンス力。情報処理、人工知能、統計学などの情報科学系の知恵を理解し、これらを使う力を意味しています。三つ目が、データエンジニアリング力。データサイエンスを意味のある形に使えるようにし、実装、運用できるようにする力を指しています。

また、スキルに応じてシニアからアシスタントレベルまでの4つに区分し、それぞれのレベルで上記3つのスキルセットごとにスキル項目を明確化しています。現在、すべてを合計すると572項目あります。また、それらを2年ごとにアップデートするようにしています。

さらに、タスクリストといってデータ分析業務プロセスを定型化したものも作っています。これはIPA(独立行政法人情報処理推進機構)と共同で発表しているものです。具体的にはフェーズ1からフェーズ4に分け、データ分析プロジェクトにおいてどのようなタスクがあるかを明確化しています。

データサイエンティストを必要とする様々な企業において、自分たちの業務でどのようなタスクやスキルがあるのかを整理したり、社内教育や採用活動での募集要綱整理などの場面で私たちのアウトプットが参照されているケースが増えています。

新たに検定も開始

ほかにも、2021年からはデータサイエンティスト検定を始めました。これも標準化に向けた一つの動きで、検定という形で実務能力と知識を測定しています。まずは、リテラシーレベルということで、データサイエンティスト初学者やこれから目指すビジネスパーソン、データサイエンティストに興味を持つ学生を対象として実施しました。

データサイエンティストの実力を測れないとマッチングができないなどの機会損失につながる可能性があるので、ある一定のレベルの実力を持っていることを指し示す資格として定着させていきたいと思っています。

コミュニティ形成を支援

―データサイエンティスト同士のコミュニティ支援も行っているのですか

そちらに関しては、毎年1回のペースでシンポジウムを開催したり、セミナー形式でテーマ別プログラムを組んだりし、みなさんが出会い、話し合える場の提供をしています。加えて、DS養成講座という講習プログラムを作り、自分たちでもデータサイエンティストの育成を行っています。そこの卒業生も数百人以上になりました。ゆるやかにコミュニティを保って、学び合える場ができたらよいなと思っています。

また、コミュニティ・ハブ委員会という企業のマネジメント側を中心とした連携機能があります。お互いにデータサイエンティストの採用や育成に関しては悩みを抱えているので、それらを打ち明け合ったり、現状での取り組み状況を共有しあったりできるネットワークが構築されています。このあたりは、現実的な動きとして役に立っているのではないでしょうか。

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