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AI-OCRとRPAの連携で実現する業務効率化とは│連携させた事例を紹介

最終更新日:(記事の情報は現在から77日前のものです)
高度な文字認識で文書をデータ化するAI-OCRと、定型業務を自動化できるRPAを組み合わせることでより効果を発揮します。本記事では、AI-OCRとRPAの連携で実現できることを解説し、実際に連携させて効率化を実現した事例を紹介します。

AI-OCRとは

AI-OCRは、AIを活用して画像や文書内の文字を認識し、デジタルデータに変換する技術です。従来のOCR技術と比較して、AI-OCRはより複雑な文書の認識、多様な文字種や書体への適応、文脈の理解に長けています。

これにより、自動化が困難だった文書処理業務の効率化が可能になりました。

AI-OCRが得意なこと

AI-OCRは、とくに次のような分野で能力を発揮します。

文書の情報抽出

AI-OCRは、請求書、領収書、契約書など、異なるフォーマットやレイアウトをもつ文書から必要な情報を抽出することに長けています。AI技術により、文書の構造を理解し、重要なデータを正確に識別可能です。

手書き文字の認識

従来のOCRでは認識が難しかった手書き文字も、AI-OCRでは高い精度で読み取れます。これにより、手書きのメモやアンケートなどの文書をデジタル化し、データベース化することが容易になりました。

文脈理解とデータの分類

AI-OCRは単に文字を認識するだけでなく、文脈を理解し、適切なカテゴリにデータを分類する機能を搭載しています。たとえば、医療記録の分析や法律文書の整理など、専門的な知識が必要な文書の処理にも適用できます。

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RPAとは

RPAは、ソフトウェアロボットを使用して人間の行う繰り返し作業を自動化する技術です。この技術は、主にルーチンワークや定型業務を対象に効果を発揮し、プログラミングにより特定の作業プロセスを自動で実行します。

RPAを導入することで、ヒューマンエラーの減少や作業の効率化が実現し、コスト削減にもつながります。

RPAが得意なこと

RPAが得意とする作業は、主に次のような業務です。

データ入力と転記作業

RPAは、異なるシステム間でのデータ入力や転記作業に対して非常に効果的です。たとえば、顧客情報のデータベースへの入力、請求書データの会計ソフトへの転記など、繰り返し行われるデータ入力作業を自動化し、高速かつミスなく実行できます。

定期的なレポート作成

RPAは、定期的なレポート作成作業にも優れています。売上データの集計や、在庫状況のレポート作成など、一定のルールにもとづいたレポートを自動で生成可能です。これにより、作成にかかる時間を大幅に削減し、従業員がより分析や戦略立案に時間を使えるようになります。

メールや通知の自動処理

RPAは、メールの自動処理にも適しています。顧客からの問い合わせメールへの自動返信、社内の通知の自動配信など、特定のキーワードやルールにもとづいたメールの処理が可能です。

複雑な意思決定が必要な業務

RPAは、複雑な意思決定や多大な分析を要する業務には適していません。たとえば、市場動向を分析して新しいビジネス戦略を立案するような業務は、人間の直感・経験にもとづく判断や別途AIによる分析が必要であり、RPAでは対応できない場合が多いです。

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AI-OCRとRPAの連携で実現すること

AI-OCRとRPAを連携することで、自動化が困難とされてきたプロセスもスムーズに実行可能になります。

デジタル化の進む現代のビジネス環境において、相乗効果を生むAI-OCRとRPAの連携によって、業務効率化の可能性を大幅に広げています。

次に、AI-OCRとRPAの連携で実現する主な作業を紹介します。

全自動の文書処理システムの構築

AI-OCRによる文書からのデータ抽出と、RPAによるデータの処理を組み合わせることで、全自動の文書処理システムが構築できます。自動で処理できる文書は幅広く、経理処理や申し込み書類、納品書、勤怠管理などさまざまです。

たとえば、保険業界では、顧客から提出される請求書や申請書類が多岐にわたります。AI-OCRを用いてこれらの文書から顧客情報、請求内容、金額などのキーデータを正確に抽出し、それらの情報をRPAがシステムに自動入力し適切なワークフローを設定できます。これによって、請求処理の時間を大幅に短縮し、エラーの削減につながります。

リアルタイムでのデータ入力と更新

顧客データベースのリアルタイム更新は、とくに小売業界やEコマース業界での顧客満足度向上に欠かせません。

新規顧客のオンラインフォームからの情報入力、既存顧客情報の更新など、AI-OCRはこれらの情報をリアルタイムで読み取り、RPAが顧客管理システムへ自動入力を行います。顧客情報が常に最新の状態を保ち、パーソナライズされたマーケティングや迅速な顧客対応が可能になります。

エラーチェックとコンプライアンスの強化

AI-OCRとRPAを組み合わせることで、エラーチェックとコンプライアンスのプロセスも自動化できます。

たとえば金融業界では、取引の正確性とコンプライアンスの遵守が重要です。AI-OCRとRPAの連携により、AI-OCRで取引文書や契約書からの情報抽出後、RPAが自動でエラーチェックや規制遵守の確認を行います。

例として、ローン申請書類の処理ではAI-OCRが申請者の情報を抽出し、RPAが情報を規制要件と照らし合わせ適合性を自動で評価できます。このプロセスにより、人的ミスを削減し、規制リスクの管理が可能です。

カスタマーサポートの自動化

カスタマーサポートの自動化は、顧客体験の向上に直結します。AI-OCRによって顧客からの問い合わせ内容を把握し、RPAが自動で設定された対応策を実行します。

たとえば、製品に関するFAQやトラブルシューティングガイドを自動で提供可能です。これにより、顧客サポートのレスポンスタイムが短縮され、顧客満足度の向上につながります。

分析とレポーティングの自動化

AI-OCRとRPAの連携は、ビジネスインテリジェンス(BI)の自動化にも貢献します。

AI-OCRで収集した市場データや顧客データをもとに、RPAが自動的に分析レポートを生成します。これにより、意思決定者はリアルタイムのデータ分析にもとづいて迅速に判断を下せ、市場の変動に対して柔軟な対応が可能です。

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AI-OCRとRPAを連携した導入事例

AI-OCRを導入し、RPAと連携させることでDX化に成功した事例を紹介します。

横浜市役所

横浜市役所では、保育園・幼稚園の給付認定・利用申請書の処理にAI-OCR技術とRPAを組み合わせて導入しました。

この取り組みにより、手書きの申請書をデジタル化し、データのシステム入力や受付簿の作成を自動化することで、月に500時間の残業削減。また、業務効率化を通じて業務プロセスの標準化に向けた意識改革も進んだとのことです。

とくにAI-OCRは申請書の読み取り精度の向上に寄与し、RPAはこれらのデータを利用して自動的に業務処理を行うことで、大幅な効率化を実現しました。

※出典:NTTデータ「横浜市 | 保育園・幼稚園の給付認定・利用申請書処理にWinActorと「AI-OCRde Cube」を導入「自治体業務システム標準化」に向けた意識変革進む」(2024年2月16日閲覧)

NTTデータ

NTTデータでは、購買部門の業務効率化のためにAI-OCRとRPAを導入しました。AI-OCRとRPAの連携により、異なる形式の見積書を標準化し、データベースに登録するプロセスを自動化。

具体的には、AI-OCRで見積書から必要なデータのみを抽出し、RPAを用いてデータベースへの登録を自動化することで、データ作成にかかる期間を1か月から1週間に短縮しました。

この取り組みにより、データ活用の基盤となるデータベース作成が効率化され、外部委託によるコスト削減と時短を実現したとのことです。

※出典:NTTデータ「NTTデータ購買部 | AI-OCR × RPAの連携で戦略調達の鍵となるデータベース作成を自動化」(2024年2月16日閲覧)

AI-OCRとRPAの苦手なこと

AI-OCRとRPAはそれぞれ苦手なことがあります。これらは、お互いを連携しても現在の技術では解決困難な場合もあるため、自動化する業務の選定や適切なオペレーションの構築が重要になります。

AI-OCRが苦手なこと

AI-OCR技術にも次のような限界があります。

低画質や不鮮明な文字の認識

画質が低かったり、光の反射や影によって文字が不鮮明だったりする文書では、AI-OCRの認識精度が著しく低下することもあります。これは、AIであっても画像から正確な情報を抽出することが困難になるためです。

特殊なフォントや古文書の認識

極端に変わったフォントや装飾文字、古文書などの特殊な書体を含む文書の認識は、AI-OCRにとっても認識が難しいです。これらの文書はそもそも標準的な文字とは異なるため、AIがもつ知識と照らし合わせづらく、正確な認識も難しくなります。

背景と文字のコントラストが低い文書の処理

背景と文字のコントラストが低い、または文字が重なっている文書も、AI-OCRの認識能力が低下します。これは、文字と背景を正確に区別することが困難になるため、誤認識や読み飛ばしの原因となります。

RPAが苦手なこと

次のような場合にはRPAが適さないことも多いです。

非定型業務の処理

RPAは、非定型的な作業や判断が必要な業務には適していません。たとえば、プロジェクトの計画立案やクリエイティブなデザイン作業など、人間特有の判断や創造性が求められるタスクは、RPAで処理することが困難です。

変更が頻繁に発生する業務

業務プロセスが頻繁に変更される環境では、RPAの効果を最大限に発揮することが難しいです。RPAはあらかじめ定義されたプロセスにもとづいて作業を自動化するため、プロセスの変更があるとそれに応じてソフトウェアロボットを再設定する必要があります。

AI-OCRとRPAを連携して業務効率化を推進

AI-OCRとRPAの連携によって、かつてはできなかった業務効率化のプロセスが実現できるようになりました。

AI-OCRとRPAを連携させることは、単に業務を自動化する以上の価値を企業にもたらします。

従業員は単調で時間を要する作業から解放され、より戦略的で価値の高い業務に集中できます。

競争力の高い組織を作るために、ぜひAI-OCRとRPAの導入を進めていきましょう。

AI-OCRとRPAは次の記事でも詳しく紹介しています。

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