介護業界向け組織診断ツールおすすめ5選！解決できる課題と事例

介護業界で活用できる組織診断ツールとは

組織診断ツールとは、従業員や組織が抱える課題をサーベイによって可視化・分析できるツールのことです。改善のためのアクションを提案する機能を搭載しているサービスもあります。

従業員が会社・職場に対してどれくらい満足しているかを測る従業員満足度調査、従業員の会社への貢献意欲を測るエンゲージメント調査、従業員のストレス状態を把握できるストレスチェック調査などが可能です。

介護業界においては、ストレスチェックやエンゲージメント調査によって、離職リスクや悩み・課題を抱えている従業員をフォローしたり、従業員の意見や本音を吸い上げてマネジメントや職場環境の改善に生かしたりできます。

介護業界における組織の課題

介護業界にはさまざまな課題を抱えていますが、とくに組織に関連する課題が多く存在します。具体的にどのような課題があるのか紹介します。

人材が定着しない

介護業界は離職が多く、人材が定着しない課題を抱えています。

離職要因はさまざまですが、離職リスクが高い従業員を早期に見つけ、適切にフォローすることで離職を防げるケースもあります。

そのため、従業員が何に不安や不満を抱えているのかを早期にキャッチアップすることが、人材の定着にもつながります。

従業員の身体的・精神的負担が大きい

長時間労働や職務環境の影響による、従業員の身体的・精神的な負担が大きいことも、介護業界における大きな課題といえます。

高齢化の影響により介護需要が増大していることや、高齢者の健康状態や行動の予測が難しいことから、従業員は長時間の労働に陥りがちです。

身体的な疲労に加えてストレスが増大しやすく、従業員の健康やワークライフバランスへの影響も考慮しなければなりません。

業務プロセスの見直しや改善が必要

介護職では、利用者の健康状態やニーズに対応するために、医療記録や薬の管理、日常生活の支援、コミュニケーションなどさまざまな業務が必要です。

組織内のグループによって対応方法が異なる、被介護者ごとの対応方法への認識の違いが出るなど、組織内の統制が取れず、施設内の運営がうまくいかないケースも散見されます。

従業員への負担が増大したり、利用者が不満を感じる要因になったりする可能性があるため、業務プロセスや職務環境の効果的な改善が求められています。

介護業界の課題を組織診断ツールで解決できる理由

介護業界では、人材が定着しない、従業員への身体的・精神的負担が大きい、業務プロセスの改善が必要といった課題がありますが、組織診断ツールを活用すれば、それらの課題を解決できる可能性があります。

介護業界における組織の課題を解決できる理由を、組織診断ツールの機能や詳細とともに説明します。

組織の課題を分析できる

組織診断ツールの活用によって、組織の課題を分析可能です。組織診断ツールには、従業員に対するアンケート調査（サーベイ）機能があり、従業員が感じる組織や業務の課題についての情報を収集できます。

調査結果をもとに業務プロセスや組織内の課題の解決策を実施することで、従業員の生産性や職場環境の改善が見込めます。

従業員の不満や体調を把握できる

組織診断ツールを活用することで、従業員が抱える不満や健康状態を把握できます。

カスタマイズできるアンケート調査では、従業員の不満やストレスの要因、健康状態に関する質問を設定できます。

これにより、従業員の不満や体調不良について現状を把握し、早期にフォローできるため、離職や休職の防止にもつながります。

組織課題の改善が利用者の満足度向上につながる

組織の課題を把握・分析して、適切に改善を行えれば、従業員の不満や不安が解消され、仕事に対するモチベーションが高まりやすくなります。

その状態になれば、業務のパフォーマンスにも良い影響が出るため、サービスの質が向上して介護施設の利用者の満足度向上が期待できます。

介護業界における組織診断ツールの導入事例

介護業界で組織診断ツールを導入している企業の例を、業務改善例とともに紹介します。

ソニック

ソニックでは、夜勤に加えて昼間も早番遅番といった不規則な勤務体系での業務となるほか、施設には認知症や胃瘻、CVポートの利用者などもいて精神的に気を遣う場面が多く、従業員の疲弊に課題を感じていました。

従業員が精神的や身体的な変調に気づかないまま働くことを危惧した同社は、組織診断ツール「ラフールサーベイ」を導入します。

導入当初は従業員に浸透せず、十分な運用ができていなかったものの、従業員の健康を大切に考えていることを丁寧に伝えると、サーベイへの回答率が上がり、回答することが従業員のルーティーンになり始めたとのこと。

施設ごとの課題や従業員の悩みが可視化されるようになり、従業員のメンタル面の変化に気づきやすくなり、従業員の早期フォローにつながりました。また、従業員のセルフケア意識も高まったようです。

※出典：「管理者の『ラフールサーベイ』活用でよりよい職場づくりへ」（2024年4月30日閲覧）

アモール

調剤薬局をメインに医療・介護サービスを展開するアモールでは、従業員数の増加により、同社の強みである風通しの良さの維持が難しくなっていました。

200名近くにまで従業員が増加したことで、社長みずから全従業員とコミュケーションをとるスタイルに限界を感じ始めたことから、組織診断ツール「Geppo」の導入を決定します。

組織診断ツールの導入後は、従業員数増加前と変わらず体調やメンタル面について把握しやすくなったほか、これまであまり声を挙げていなかった従業員の意見も拾えるようになったとのこと。

不満の芽を感じた場合には、従業員と直接対話して適切な対応策を講じており、実際にこれまで3人の離職を防いでいます。

※出典：リクルート「採用費の削減を実現したチェーン展開薬局が語る、「風通しの良さ」を維持する秘訣」（2024年4月30日閲覧）

組織診断ツールの費用・料金比較表

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介護業界向け組織診断ツールおすすめ5選

Wevoxは、従業員の心理状態や組織のカルチャーなどを可視化できる組織診断ツールです。3分で回答可能なエンゲージメントサーベイや、組織に合わせた独自のサーベイを作成・配信できるカスタムサーベイが搭載されています。組織のカルチャーを可視化できるカルチャーサーベイや、個人の特性を可視化できる個人特性診断によって、組織や個人についての理解を深められるのも魅力です。個人へのフォローやチームの改善を補助するAIサポートによって、効果的な改善策の提案を受けられます。介護業界ではAGOやシスメックスなどに導入されています。

Geppoは、個人と組織の課題を可視化できる組織診断ツールです。個人のパルスサーベイと組織診断サーベイを低コストで実行でき、従業員のコンディションやエンゲージメントを把握し、離職率の改善やオンボーディング成功に役立ちます。従業員は仕事満足度や人間関係、健康に関する3問の設問に回答するのみ。回答にログインも必要ないため、高い回答率を維持しやすくなります。回答データはダッシュボード機能でリアルタイムでまとめられるため、課題の所在や従業員の変化を察知しやすいのも特徴です。介護業界ではアモールが導入しているほか、さまざまな業界で利用されています。

ラフールサーベイは、組織と従業員の可視化と行動変容をサポートする組織診断ツールです。組織の状態を定点観測できるショートサーベイでは、変化が激しいメンタルやフィジカル、エンゲージメントを観測できます。仕事内容や人間関係、組織との関係、理解など9項目を数値化して調査できるディープサーベイでは、総合的な現状把握と各項目を深掘りした分析が可能です。分析データを一覧で閲覧できるダッシュボードでは、サーベイの結果をわかりやすく把握できるほか、業界内での比較や退職理由の把握など、さまざまな視点から従業員・組織の状況を理解できます。介護業界ではソニックやアドナース、武蔵野などでの導入実績があります。

halo – 株式会社ナレッジハンズ

haloは、医療業界・介護業界での組織診断に特化したシステムです。医療機関や介護施設で働く職員に対する定期的な調査によって、現場の課題を可視化。職場環境・職務環境の改善や、組織・個人のパフォーマンス向上に役立ちます。サーベイ結果は組織全体や職種ごとにセグメント化されたデータで確認できるため、状況や変化を一目で把握できます。

介護事業所組織診断 – ピーエムシー株式会社

介護事業所組織診断は、介護施設での診断に特化した組織診断サービスです。従業員のメンタルやスキル、組織の課題や傾向を把握でき、組織の管理者と従業員個人に向けて、それぞれ課題を提示できます。組織全体・介護用語理解度・バーンアウト尺度 ・エゴグラム・対人関係・スキルマトリックス分布図を測定します。

介護業界向け組織診断ツールで組織や個人の課題を解決しよう

組織診断ツールは、さまざまなサーベイやサーベイ結果の分析機能によって組織・従業員の状態を把握できます。従業員のエンゲージメントや離職リスクも把握できるので、より良い組織運営や職場環境の構築に役立つでしょう。

組織運営がスムーズにいかない場合や、従業員が定着しない場合におすすめです。

介護業界向け組織診断ツールを導入する場合は、サーベイ機能や分析機能が充実したツールのなかから、介護業界での導入実績が多いサービスを選ぶのがおすすめです。

組織診断ツールは、次の記事でも詳しく紹介しています。