見込み顧客とは?潜在顧客との違い - 優良顧客へのナーチャリング方法
企業人にかかわらず、商売をしている人なら「見込み顧客」という言葉を聞いたことがあるでしょう。しかし実際にそれがどういう人々を指すのか知らない人も多いのではないでしょうか?
今さら聞けない「見込み顧客」の定義や「潜在顧客」との違い、そして実際に見込み顧客を獲得するプロセスや集客方法について説明します。
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見込み顧客とは?
見込み顧客ってどういう人?
見込み顧客というのは、簡単にいえば「こちらの商品・サービスを購入してくれる見込みのあるお客さん」ということになりますが、その業界やマーケティング業務に携わる人(マーケター)によって微妙に使い方が違っていたりします。
インターネットマーケティングの世界における見込み顧客の定義はかなり明確になっており、自社メディア(WEBサイトやブログなど)に興味をもって連絡先(主にメールアドレス)を登録したり、メールマガジンの購読を申し込んだりした人を見込み顧客(見込み客)と呼んでいることが多いです。
こちらの提供している商品やサービス、あるいはその会社そのものに興味がない人は、偶然ネットなどで自社の商品を発見しても何もアクションを起こさずにそこから離れていくのが普通でしょう。
逆に、ある程度その商品やサービスに興味をもった人だからこそ、その人はメールアドレスを登録してその企業から情報を提供してもらったり、あるいは資料請求の申し込みをしてきたりしたわけです。
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見込み顧客と潜在顧客の違い
一方「潜在顧客」というのは、こちらの商品・サービスの存在を知れば(あるいはその必要性を感じさせられれば)見込み顧客になる可能性のある人々のことをいいます。見込み顧客も潜在顧客も(将来的に)顧客になる可能性がある人々という意味では同じ人々を指すことがあります。
ですが、同じ「可能性がある」といっても、見込み顧客がこちらの商品・サービスに対して何らかのアクションを起こしたことのある人々を指すのに対して、潜在顧客はこちらがさらにアプローチをすることによって、これから見込み顧客になってくれる可能性がある人々ということになります。
つまり、見込み顧客の一歩前の段階の人々が潜在顧客であるともいえるのです。
潜在顧客のいる場所を探すのがマーケットリサーチ
見込み顧客は自社のアプローチの仕方によって何パーセントかは実際の顧客にコンバージョンしてくれる可能性を秘めているものです。その割合は過去の実績などからある程度は「あたり」をつけられますが、潜在顧客は未知数の部分が非常に多くなります。
こうした対象に具体的にどういったアプローチをかけていくのかを決めるのが、マーケティングにおける重要課題となります。
特に、この潜在顧客の存在するであろう地域や集まる場所、あるいはそういう人々がインターネットでアクセスするサイトや時間帯などを調査するのがマーケットリサーチの主な仕事となります。
ターゲットとなるユーザーが分布している場で効果的に自社のプロモーションをすることによって、見込み顧客の連絡先などの後に営業のアプローチをかけるために必要となる情報を効率的に集められるようになるのです。
顧客行動の中の見込み顧客
潜在顧客を見込み顧客に、そして最終的には実際に自社の商品やサービスを継続して購入してくれるような優良顧客に育て上げるためには、彼らの行動を分析することが極めて重要となります。
具体的に顧客の行動を段階分けすると、それぞれ「Awareness(Browsin)」・「Visit」・「Lead」・「Opportunity」・「Customer」の段階があり、これを順番に経ることによって、最終的に潜在顧客が優良顧客へと転換していきます。それでは一つひとつ見ていきましょう。
Awareness(Browsing):(潜在顧客のうち)商品やサービスを探し回っている人々
こちらがターゲットとしている人々のうち、実際に欲しい商品やサービスを自ら探している人々を指します。
特にインターネットを使って商品検索をするケースが近年では圧倒的に多いので、ネットサーフィンをして自らのニーズにマッチした商品・サービスを探している人々と捉えるとよいでしょう。
Visit:自社のメディアに何らかの理由でやってきた人々
そういった無数の人々のうち、何らかの理由で自社のWEBサイトやビジネスブログなどのメディアにやってきた人々を指します。そのなかには、ネットサーフィンをしていて偶然こちらのサイトにやってきた人もいれば、検索サイトなどから当該メディアを発見した人もいるでしょう。もしかすると、初めから自社のメディアを目当てにピンポイントでやってきた人もいるかもしれません。
そして、そのうち自社のコンテンツや商品に興味を惹かれた一部の人が資料請求や問い合わせをするなどして「見込み顧客(=Lead)」へと転換します。
Lead:見込み顧客
これまで説明してきた見込み顧客がこの段階の人々です。具体的にどういうアクションを起こせば見込み顧客と見なすかは企業によって微妙に違っていたりするものですが、一般的には企業側に自分の個人情報を提供するまでに至った人々を指すことが多いでしょう。それによって企業の方から顧客に具体的なアプローチをとれるからです。
Opportunity:購入寸前までに至った見込み顧客
マーケティングのモデルによってはこの段階を省いているケースも多いですが、前段階で商品の問い合わせや資料請求、あるいはメールマガジンの登録などをした見込み顧客のなかでも、特に購入確率が高いと思われる顧客を指します。
たとえば店舗などに来店予約をした人や、展示会で商品説明をした後に顧客側から連絡してきた場合などが当てはまるでしょう。企業によっては格安のフロントエンド商品を購入した人をこの層にカウントする場合もあります。
Customer:実際に商品・サービスを購入するに至った顧客
見込み顧客のうち、実際に自社の商品やサービスを買うに至った(顧客へとコンバージョンした)人々です。見込み顧客から顧客に「コンバージョン(conversion)した」という表現はマーケティングの世界では頻繁に使われる言葉であり、見込み客が顧客へと転換する比率のことを「コンバージョン率」と表現することも多いです。
これ以降は、あとはこの人々と良好な関係を築き上げ、長期的に自社商品をリピート購入してくれる優良顧客になってもらう段階に入ります。ここまでに至れば、顧客育成のプロセスは無事成功したといえるでしょう。
見込み顧客を優良顧客へと誘導する方法
最後に、見込み顧客を優良顧客へと育てていくための誘導方法について簡単に説明します。まず、多くの企業が犯しがちな間違いについて知っておかなければなりません。
それは「見込み顧客」が放置されることにより、大きな機会損失が生まれているということです。
見込み顧客が放置されている状況
これは多くの企業が犯してしまいがちなことですが、購入してくれる可能性が高いとわかりやすい顧客にばかり注目してしまい、それ以外の見込み顧客を放置してしまうケースがあります。
前項の顧客行動のプロセスに当てはめてみれば、購入寸前だと思われる「Opportunity」層にばかり営業のアプローチをかけていて、そこまでには至っていない残りの「Lead」層を放置してしまっている企業が多いのです。
さらには、そういった人々の約8割が数年以内に競合他社の製品を購入しているという驚くべき調査結果もあります。つまり見込み顧客を放置することが、結果として大きな機会損失となっているわけです。
リードナーチャリングのススメ
一方、定期的に「Lead」層と連絡をとり、彼らとコミュニケーションをつないでいくことによって、実際に利益を何倍にも伸ばしている企業がたくさんあります。
彼らは営業マンが放置してしまっている名刺や見込み客リストを整理し、定期的にDMを送付したり、彼らに有益な情報を提供するなどして連絡をとり続けます。そうやって徐々に彼らの購買意欲を活性化させ、最終的には優良顧客へと育て上げているのです。
こういった見込み顧客への継続的なアプローチを「リードナーチャリング(見込み顧客の育成)」と呼称したりしますが、こういった手法の有効性は数多くの成長企業が証明しているところです。
特に見込み顧客一人ひとりとコミュニケーションがとりやすい中小企業では極めて有効な戦略となっており、今では成長企業のほとんどは程度の差はあれど、この手法を取り入れています。
機会損失のないよう見込み顧客の育成を
「見込み顧客」の詳しい説明から「潜在顧客」との違い、そして顧客行動のプロセスから具体的な顧客への転換方法について解説しました。
日ごろからマーケティング業務に携わっていない限り、見込み顧客がどういう人を指すのか何となくはわかっていても、彼らがどういうプロセスで商品を定期購入するような優良顧客になるのかを、体系的に説明できる人はそれほど多くないかもしれません。
しかし企業人や個人事業主であるならば、だれでも大なり小なり顧客と関わらなければなりません。特に中小企業のマーケティングでは「見込み顧客の育成」こそがもっとも重要な仕事といっても過言ではありませんから、この機会に少しでも知っていただければと思います。
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