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ITリテラシーゼロの会社がUnipos導入で劇的に変われたワケとは【HRTechカンファレンスレポート】

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HR Tech 時代、組織づくりはどのように行うべきなのか。7月5日に開催された「Japan HR Tech Conference」では、さまざまな知見の共有が行われた。本記事では「Unipos」を活用し組織改革を行ったカクイチの事例を紹介する。3年前までメールすら使ったことがなかった社員たちが、Uniposを導入しどのように組織を変えていったのか。Unipos 代表取締役社長 斉藤知明氏と、カクイチ 執行役員 鈴木琢巳氏のセッションをレポートする。

7月5日、六本木アカデミーヒルズにて「Japan HR Tech Conference」が開催された。

Think HR 2030をコンセプトに、業界トップのHRパーソンが集い、知見を共有する共創型のカンファレンスだ。12のテーマセッションとHRTechスタートアップによるピッチコンテストが開催され、会場は来場したHR担当者の熱気に包まれた。

オープニングの基調講演では、情報通信技術(IT)政策担当大臣の平井卓也氏が登壇。続いてソフトバンク、メルカリなど先進的な取り組みを行っている企業の人事責任者などが議論を交わした。

本記事では、「HR Tech時代において、ボトムアップで組織を元気にするための従業員の巻き込み方」と題したセッションの模様をお届けする。Unipos 代表取締役社長 斉藤知明氏と、カクイチ 執行役員 鈴木琢巳氏が登壇し、Uniposを導入し3年で劇的に組織を変えたカクイチの事例を紹介した。

(以下、敬称略)

Googleが5年前にはじめた「ピアボーナス」とは

斉藤:まず、Uniposについて説明致します。すべてのはたらく人にスポットライトをというMissionのもと、組織にいる人がお互いを知り、認め合い、結果信頼し合う文化を作ることで、働きがいを高めていくというのがピアボーナス「Unipos」のサービスです。

もともとピアボーナスというのは、Googleで5年前から取り組まれている制度なんです。英語でいうとピア(仲間、同僚)がボーナスを送り合うという言葉です。日ごろの成果に対して支払われる年俸給、卓越した定量成果に対して支払われる成果給のほかに、隠れた貢献、縁の下の貢献が報われる状態を作ろうというものです。

「バラバラ」だった組織、戦略も伝わらない

斉藤:今日はカクイチさんが、UniposをはじめとしたHRTechを社内でどのように導入されてきたのかご紹介していきます。よろしくお願いします。

鈴木カクイチの鈴木と申します。我々は創業から133年と歴史があり古い会社です。そんな我々が新たなデジタル時代の中で、どうやって変革をし続けてきたのか。お話しをさせていただきます。我々は長い歴史の中で常に新しいことにチャレンジし続けてきました。ですから自分たちのことを「老舗ベンチャー企業」と言っています。

斉藤:グループ従業員数が600人で、拠点が100か所ということで、従業員がバラバラに散らばっているんですよね。

鈴木:そうですね。年に1回社員研修会は行っていたものの、基本はバラバラの組織で、交流がほとんどなかったです。そして社内アンケートをしたところ、他者から認められていない、がんばっているのに認められない、という承認欲求を抱えた社員が山ほどいました。

また事業の進め方は、これまではトップダウン型でやってきました。中間管理職をハブにして、トップからの情報を伝達するのですが、末端まではなかなか意図が伝わらないんです。中間管理職の人が伝え間違えると、末端の人たちが全然動かなかったり、戦略を間違えてしまったり。

Unipos 代表取締役社長 斉藤知明氏

斉藤:戦略も含めて中間管理職の方には伝えるが、本当の意図が伝わらず、ただタスクや目標が下りてきたという状態になってしまっていたんですね。

メールもWi-Fi環境もない、ITリテラシーゼロからの転機

鈴木:実は2年半前までは社内で個人のメールアドレスがなく、Wi-Fi環境もありませんでした。これでは時代に取り残されるということでトップからの指示もあり、G Suiteの導入。同時にUniposとSlackも導入しました。

斉藤:カクイチさんにご相談いただき、Uniposを導入する際にひとつ良かったと思うことは、Uniposを導入し、その先にどういう組織にしていきたいか明確な意思があったことです。トップダウン型から、個人が各々PDCAを回していけるフロー型の組織に変えていきたいと。

鈴木:我々はITには弱かったですが、リアルなコミュニケーションはもともと強い会社です。そこは捨てないように、朝のスタンディングミーティングは一連のフローの中に残しました。

またデジタルトランスフォーメーションをするにあたり、Uniposから先に入ったのは良かったです。Uniposを贈るときは、悪いことは書きませんし、相手のことを想って書きますよね。その後Slackを導入したので、単なる業務チャットツールではなく、感情の乗った良いコミュニケーションができ発信できた実感はあります。

テクノロジー導入には、まず何から着手すべきか

斉藤:皆さんが気になるのは、まず何からはじめたのかということだと思います。どうやって導入を進めたか、教えてください。

鈴木:先ほども言ったとおり、我々の会社はITリテラシーゼロといってもおかしくない状態でした。Wi-Fiやメールも使っていませんでしたし、紙とFAXだらけの会社。3年前の役員会議でAmazonのことをアマゾン川だと思っていた役員が半数いたんです(笑)。

カクイチ 執行役員 鈴木琢巳氏

斉藤:その状況で、iPhoneを全社員に配布したそうですね。

鈴木:はい、とにかく流行っているので入れてみようと。我々はトップダウンが効く会社なので、配布すれば社員はみんな素直に使ってくれるんです。

斉藤:iPhoneを使うためにWi-Fi環境を整えていたおかげで、その後G Suite導入のハードルは下がっていたということですね。

鈴木:そうですね。ITリテラシーがゼロだったので、SNSを使う恐怖がまったくなかったことは、むしろ良かったのかもしれません。みんなどんどん使っていきました。

斉藤:社員の平均年齢が46歳ということですが、最初にiPhoneを配られたときは、みなさんどんな風に使っていたんでしょうか。

鈴木:最初は本当に「何が配られたんだろうか」という状態でしたよね。写真を送ってくださいというと、iPhoneごと送られてくるとか(笑)。メンションという言葉も通じないので、カクイチの言葉で「狙い撃ち」と言語変換し、使っていたという感じです。

従業員が主体的に取り組むためのポイント

斉藤:そんな中で、従業員のみなさんが主体的に取り組みをするポイントがあるということですが、ご紹介お願いします。

鈴木:はい。ポイントは3つです。

  • 従業員にとってうれしい制度に
  • 拠点ごとに味方をつくる
  • 女性を味方に

まず、従業員にとってうれしい制度ということ。当社の場合は承認欲求が満たされない社員が多かったので、Uniposが自分を認めてくれる唯一のツールになったということは大きいですね。

斉藤:よくある話として、人事が良かれと思って導入したけれども従業員は意外と冷めていたということがありますよね。でもカクイチさんは、Slackなどの業務ツールの前にまずは個人のコミュニケーションを促進させるという意味で、Uniposを入れていただいたので、その後がスムーズだったのかなと思います。

鈴木:また、ITリテラシーが低いことを乗り越えるために「拠点ごとに味方をつくる」ということが2つ目のポイントです。ITアンバサダーという制度を設け、拠点ごとに2名のアンバサダーを任命しました。アンバサダーは主に女性です。コミュニケーションが得意な方が多かったので、ツールを使うようにどんどん声をかけてもらい、味方を増やしていきました。

斉藤:3つ目の女性を味方に、というのも今のお話しの中にありました。実はUniposを導入する会社さんで、一番ハードルになるのは男性の上司なんです。

たとえば部長クラスの男性が、「そんなものは無駄だ」「成果を追え」となってしまうとなかなか使うのは難しいですよね。でもそういう人たちが変わるきっかけは共通していて、部下の若い人からUniposをもらうと意外と嬉しいという体験だったりするんです。

そういう仕掛けをいかに作っていくかは大事ですよね。Uniposに限る話ではなく、普段慣れているものの中に自然に取り込んでいける仕掛けを作り、オンボーディグするという話ですね。

エンゲージメントは離職防止の指標ではない

斉藤:Uniposを導入されて半年。社員の方の実際の声がありますので、ご紹介お願いします。

鈴木:はい、こちらはIT情報システム部の小山さんという方です。これまで小山さんは、販促物やチラシを作る仕事を20年間続けてきました。拠点が離れていますから、なかなか現場の方から感謝されることがなかった。

Uniposを導入して、現場の方から直接感謝が届いて、「20年やってきたことは間違いじゃなかったんだ。見守られている気がして安心した。」と、涙を流して話をしていました。私も本当に嬉しかったですね。

斉藤:エンゲージメントって何のためにやるんだろう、という議論が最近よくあります。離職を防止するための指標であるという捉えられ方もありますが、本当はその人たちがここで働いていて楽しいとか、やりがいを感じているという状態を作るためにあるんだと思うんです。

生産性があがり、今働いていることが嬉しいと感じ、辞めていかない。その結果でしかないですよね。そういう一つひとつの体験を上司と部下で伝えるだけではなく、ネットワークで個々人が伝え合うことができる。Uniposを提供している立場としても、すごく嬉しいですね。

言葉のバリエーションが多いチームは生産性が高い

鈴木:これはUniposから生まれたコミュニケーションネットワーク図で、定量的に分析しました。丸が大きくなればなるほど、コミュニケーションが豊かな部署ということになります。

実は今まで間接部門だったIT、総務、経営企画部がコミュニケーションの真ん中に来ています。かたや左に押し出されている(kankucho)は部長や課長など管理職の皆さんです。

斉藤:鈴木さんとしては、どういう組織を作っていきたいと思いますか。

鈴木:なかなか会社の戦略が末端まで伝わらないという課題があったので、できるだけ透明性の高い組織、もしくはフラット化を進め情報を共有し判断する。組織スピードを上げ、生産性を上げる。ですから、管理職が端にいるというのは理想のカタチです。当然組織の再構築も必要になり、制度設計を見直し、課長制度もつい最近廃止し、タスク型の組織に変更しました。

斉藤:他にも、Uniposを使った面白い分析があるということですが。教えていただけますか。

鈴木:はい。感謝の気持ちを伝えるツールですので、「ありがとう」という言葉が当然多くなります。そして「ありがとう」という言葉に紐づく語彙が多ければ多いほど、生産性が高いという結果が出ています。生産性が高いというのは、エンゲージメント・サーベイ(Q12・キュートゥエルブ)から計測した結果です。

斉藤:人に感謝を伝える、称賛する、評価をすると言い換えてもいいかもしれません。その際に、相手が納得できるようなバラエティに富んだ表現ができるメンバーがいる、上司がいるチームのほうが生産性が高いということが言えますね。

鈴木:他にも、投稿の内容を分析したところ、投稿には企業の課題が隠れているのではないかと考えています。たとえば、「○○ショールームに連れてきてくれてありがとう」という投稿の裏には、ショールームに行ったほうが成約率は高いんだな、これをやったほうがいいんだなということがわかります。

斉藤:感謝の裏側には、共有すべき課題や知恵が見えてくるということなんです。最後に、これからカクイチさんはどういった組織を作っていきたいのかお聞かせください。

鈴木:Uniposを導入したことによって、知恵の共有ができると思っています。現場で起こったことを会社の知恵として共有していけば、会社にとってはプラスになります。

また、仕事をするうえで最低限必要なのは、人と人との信頼だと思います。Uniposは贈る側、贈られる側双方のコミュニケーションで信頼関係が生まれ、他の人たちがそれを見守っているという仕組みが、すごくいいところだと思っています。今後も利用していきたいです。

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