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B2B市場でもサブスク拡大、7年半で350%以上伸長 - Zuoraが分野別レポート

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サブスクリプション・サービスが、消費者分野だけでなくビジネス分野でも広まっている。サブスクリプション管理プラットフォームを手がけるズオラはこの急成長した経済圏を「サブスクリプション・エコノミー」と呼ぶ。過去7年半で350%以上の成長率を記録したそうだ。

BtoB市場でもサブスクリプションが拡大

何らかのサービスや商品を、ある一定期間、一定の金額で提供する契約形態「サブスクリプション」が広まっている。定額制や定期制などと呼ばれることのあるサブスクリプション・サービスだが、決して新しいものではない。当たり前のように利用されている新聞や牛乳の宅配サービスも、サブスクリプションの一形態といえる。

現在では、音楽を「Apple Music」「Spotify」、映画を「Netflix」「Hulu」といったサブスクリプション・サービスで楽しめる。家庭用ゲーム機のカセットで遊んでいたようなゲームもサブスクリプション化が進んでおり、アップルが「Apple Arcade」、グーグルが「Stadia」というサブスクリプション制ゲームサービスを打ち出した。

ICTの発達と普及でサブスクリプション・サービスの運営や管理が容易になったためか、企業のサブスクリプション市場参入も増えている。アプリケーションの機能を定額制でオンライン提供するSaaSも一種のサブスクリプションであることを考えると、ビジネス分野でもすでに当たり前の存在になった。

7年半で350%成長した「サブスクリプション・エコノミー」

ビジネスの現場で利用されるB2Bサブスクリプション・サービスによって生ずる経済圏を、クラウドベースのサブスクリプション管理プラットフォームを提供しているズオラ(Zuora)は「サブスクリプション・エコノミー」と呼び、急速な成長が見込まれると予測している。具体的には、2012年1月から2019年6月にいたる7年半の期間で、サブスクリプション・エコノミーの成長率は350%以上に及んだそうだ。その成長ペースは、株価指数「S&P 500」で対象とされる企業より高いという。

以下では、ズオラが発表した最新版「サブスクリプション・エコノミー・インデックス(SEI)」の内容をみてみよう。

サブスクリプション企業は高成長率

SEIは、北米、欧州/中東/アフリカ(EMEA)、アジア太平洋地域(APAC)の企業を対象にして、サブスクリプション・サービス企業とそれ以外の企業を比較する指標である。解約率(チャーンレート)、顧客が増えるペース(顧客ベース成長率)、1アカウント当たり平均売上高の年間成長率(ARPA成長率)、使用量ベースの料金体系で契約している顧客企業の割合、使用量ベースの売上高などを調べ、両者を比べている。

それによると、売上高の年平均成長率はサブスクリプション・ビジネスが18.2%で、S&P 500企業平均の3.7%を大きく上回った。地域別では、28.4%の欧州がもっとも高いものの、北米が20.9%、APACが17.5%と、いずれも各地域の主要株価指数にもとづく成長率よりはるかに高い。

SEIは、事業分野でも成長率などを集計している。B2Bに関係する各分野の主な結果は以下のとおり。

ビジネスサービス分野は解約率が低い

ズオラはビジネスサービス分野を、経営コンサルティング、法務支援、データサービス、市場調査、人材仲介、マーケティング、広告といった企業向けサービス分野と定義。同分野の売上高成長率は14.4%で、S&P 500平均の6.9%に比べ2倍以上とした。

同分野の特徴は、チャーンレートが調査対象とした全業界中でもっとも低い16.2%だったこと。SEIの平均チャーンレートは25.5%あった。

製造分野も解約率が低い

製造分野は、組み立てサービス、特定業界向けソフトウェアのプロバイダー、工業デザイン、重機、ツール製造といった領域が対象。売上高の成長率は26.0%もあり、5.0%だったS&P 500の5倍を超えた。

ビジネスサービス同様チャーンレートが低く、20.4%にとどまった。この傾向について、ズオラは「ミッションクリティカルな機能を提供し、業務に深く食い込む傾向のあるB2Bサブスクリプションの『スティッキネス(顧客をサービス利用にとどまらせる粘着度)』に起因している可能性」を指摘した。

ARPA成長率の高さが目立つIoT分野

IoT分野は、ヘルスケア、技術、エネルギー、交通、輸送、建築といったさまざまな業界にまたがる。売上高は25.3%のペースで増加し、やはりS&P 500の4.1%よりかなり高い。

ARPA成長率の高さも目立つ。SEI平均が6.5%だったのに対し、IoT分野は14.3%もあった。

SaaSは従来型ソフトの2倍ペースで成長

ソフトウェアの機能をオンライン提供しているSaaS分野は、売上高の成長率が22.3%で、S&P 500の6.7%の3倍以上ある。また、従来の永続的なソフトウェア・ライセンスを提供する分野と比べると、成長率は2倍以上だそうだ。

比較項目の多くでSEI平均とほぼ一致したが、ARPA成長率は9.2%とやや高い。

>>SaaS市場を詳しく解説「SaaS業界レポート2019」の概要はこちら

顧客が増えていくテレコミュニケーション分野

テレコミュニケーションは、ビデオ会議、衛星通信、放送ネットワーク、デジタルインフラ、光ファイバーネットワークを手がける分野。やはり、ほかのサブスクリプション・ビジネスと同じく成長率は24.3%あり、S&P 500の8.0%に対し3倍以上となった。

他のサブスクリプション・ビジネスと比べると、顧客ベース成長率がやや高く、平均が15.4%なのに対し、17.4%あった。

日本でもサブスクリプション・ビジネスが拡大

ズオラのSEIにおいてAPACの成長率が17.5%と高いことから、日本のサブスクリプション・ビジネスも拡大すると考えられる。

B2Bでなく消費者が対象となったレポートであるものの、ズオラは「日本人の7割以上が『所有』より『利用』を選択」という調査結果を示している。さらに、日本人の73%が「サブスクリプションがモノを所有するより安い金額で、効果(結果)が変わらないのであれば、サブスクリプションを前向きに検討する」と回答したそうだ。

サブスクリプション・サービスに付随するこうしたメリットは、消費者向けでも企業向けでも大差ない。日常生活でサブスクリプションを上手に活用する消費者が増加すれば、そうしたメリットが広く理解されるようになり、ビジネス分野でも提供者と利用者が増えていくだろう。

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