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コンサルメソッドでムダな会議がなくなる?AIが会議をファシリテートするサービス「Ecrit(エクリ)」がリリース

最終更新日:(記事の情報は現在から1255日前のものです)
システム開発の方正(東京・新宿区)が、日本ユニシス傘下のコンサルティング会社、ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ(東京・港区)と連携し、会議の運営を支援するウェブサービス「Ecrit(エクリ)」を開発しました。

コロナ禍でオンライン会議が一般的になったものの、効率のよい会議運営ができないと悩む人は多いのではないでしょうか。「Ecrit(エクリ)」は、AIのプログラムが会議の進行役を担う画期的なサービスだそう。効率的な会議の運営をサポートし、ファシリテーターとしてのメソッドが習得できるツールとして期待できるといいます。

一体どんなものなのか、担当者に聞いてみました。

Erictのデモ画面:方正提供

コンサルと共同開発

方正は、中国IT大手の北大方正集団の日本法人(2014年に経営者による企業買収「MBO」で独立)として1996年に設立。新聞社や出版社といったメディア業界や金融業、製造業向けに受託システム開発やクラウドサービス提供を行っています。もともと中国資本の企業であることから、越境EC(電子商)サービスを中国市場に展開するなどの強みを持ちます。

同社は2019年3月、主力のAI開発の強化を図ろうと、ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズと業務提携を締結。業務提携の共同事業として、2020年3月からEcritの開発に取り組み、21年3月に本格リリースへと漕ぎ着けました。

Ecritは、フランス語で「書く」「綴(つづ)る」という意味です。会議内容のメモを取る、議事録を作るといった煩雑な作業をアプリがサポートすることで、「会議の場でホワイトボードやメモ帳が不要になってほしい」との思いを込めて、命名されました。

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AIがファシリテーターになる

開発理念のとおり、Ecritの最大の特徴は、アプリに搭載されたAI(人工知能)が、プロのファシリテーターのように振る舞い、会議の出席者に発言を求めたり、タイムキーピングをしたりして会議を運営する点です。

たとえば、事前に設定した会議の終了時刻が近づくと、「終わりそうですか」などと出席者に問いかけ、タイムマネジメントを行います。会議の途中でも、「このアジェンダはあと5分です」と残り時間を指摘し、会議が長期化するのを未然に防いでくれます。

出席者に問いかけながら、タイムマネジメントを行う:方正提供

会議は準備が8割

「会議は準備が8割」という設計思想のもと、利便性が高い機能が準備されています。会議名称や日程、会議の開催・終了時刻を設定する画面では、会議の終了条件や、終了条件を満たすためのアジェンダ(検討課題)、会議のシナリオなどの入力。会議の運営経験が浅い人でも、事前に設定した終了条件やアジェンダなどを確認しながら会議を進めることができます。

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これ以外にも、書記がEcritに書き込んだ参加者の発言内容をその都度、「決定事項」「To do」「Issue」の3項目に分類可能です。これにより、会議参加者が途中で要点がわからなくなった時や、会議終了時に議論のポイントを振り返ることができ、参加者の認識の相違を防げるそうです。

発言内容を「決定事項」「ToDo」「Issue」といった項目に分類し、議論のポイントを振り返ることができる:方正提供

ムダをなくし、参加者の発言を引き出す

このように、会議の中身が言葉で見える化されるので、議論が噛み合わず、堂々巡りするトラブルを防げる効果も期待できます。方正の担当者は、「プロジェクト進行上の課題整理を目的とした会議や、新製品・新サービスを開発するための企画会議など、特に活発な議論を要する会議で効果が発揮できます」と話します。

会議を活発化させる機能にも優れているそうです。例えば、会議で発言していない人や長時間演説する人に対し、「○○さん、意見ないですか」「そろそろまとめに入らなくてもいいですか」など、直接言いづらいことをAIが呼びかけてくれます。同社の担当者は「主張を引き出す、時間配分を気にするといったプロのファシリテートをEcritが代わりに行い、会議の民主化を促します」と説明します。

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会議で困っている会社は多い

こうした会議をまとめる機能の高さから、2021年3月1日のリリース開始から、すでに大手のITやメーカーなどで利用されており、同社担当者は「会議に困っている会社は思った以上に多いという感覚があります」と手応えを口にします。

方正は今後、発言者の人数やアジェンダへの到達度に応じて、会議の質や生産性を評価する機能を順次リリースする予定です。方正の中国法人やケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズの北米法人とも連携し、海外市場向けのサービス展開も計画しています。これらのサービス強化で2021年内に50社程度の利用を目標に掲げています。

方正の担当者は「EcritはSaaS業界初ともいえる革新的なサービスです。UI/UXなどでまだまだ改善の余地があるため、開発を継続し、多くのお客さまの問題の解決につながるサービスに発展させていきます」と意気込みを語りました。

多言語に対応、利用は月20回まで無料

Ecritは、WEBブラウザで動作する独立したアプリケーションで、対面やリモートなど、会議の形態に問わず、利用が可能。日本語や英語、中国語といった多言語対応もしています。

Ecritは、開始する会議の回数に応じた月額課金のサブスクリプションサービスですが、現在はキャンペーン期間中のため月20回までの利用は無料。月21回以上利用する場合は、月額5万円から利用可能です。問い合わせは、専用WEBサイトまで。

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