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PBXと主装置の違いとは?仕組みやメリット・選び方のポイント

最終更新日:(記事の情報は現在から219日前のものです)
PBXと主装置は、電話システムの中核となる装置ですが、それぞれに特徴やメリットが異なります。この記事では、PBXと主装置の違いやそれぞれの特徴、選ぶときのポイントについて解説します。

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PBXとは

PBXとは、Private Branch eXchangeの略で、企業内の電話交換機のことを指します。PBXは、外線(公衆電話網)と内線(社内電話網)を接続し、内線同士や内線と外線の通話を可能にする装置やシステムです。

PBXは、企業内の電話システムの中核となる機器で、外線の接続の管理・制御や内線同士の通話の接続を行います。たとえば、外線の着信を同時に複数の電話機で鳴らしたり、内線は電話局を介さずにPBXで別の電話機につなげたりできます。

また、PBXは、通話の転送、保留、会議通話、ボイスメールなどのさまざまな機能を提供しています。これらの機能により、企業内のコミュニケーションを効率化し、業務の生産性を向上できるでしょう。

PBXの仕組み

PBXは、企業内に独自の電話網を構築する仕組みです。種類によって構築の仕組みは異なりますが、PBXは外部の公衆電話網と接続するための回線(外線)と、社内の電話機を接続するための回線(内線)をもっているのが一般的です。

そして、PBXは外線と内線を交換機で接続し、通話の接続や切断を制御しています。内線同士の通話はPBX内で接続されるため、外部の公衆電話網を経由せずに通話が可能です。

また、PBXは複数拠点の接続もできます。拠点間をデータ回線で接続し、PBX同士を連携させることで、拠点間の内線通話を実現できます。これにより、地理的に離れた拠点間でも、内線感覚での通話が可能です。

次の記事では、PBXについて仕組みを図解で解説しているので、参考にしてみてください。

PBXとは?電話交換機の仕組みを図解!種類・選び方・ビジネスフォンとの違い
PBXは企業内の電話交換機のことで、外線の接続の管理・制御や内線同士をつなげる装置やシステムを意味します。PBXの...
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PBXの種類

PBXには、大きく分けて3つの種類があります。それぞれの特徴を詳しく紹介します。

レガシーPBX

レガシーPBXは、従来型のアナログ回線を使用したPBXです。アナログ回線で外線と接続し、内線は専用の電話線で接続します。

レガシーPBXは安定性が高く、長年使われてきた技術であるため、高い信頼性をもつのが特徴です。ただし、アナログ回線を使用するため、通信品質は現代の基準からすると低く、機能も限られている傾向にあります。

また、レガシーPBXは設置や維持にコストがかかるのも欠点です。アナログ回線の引き込みや専用の内線工事が必要なため、初期費用が高くなります。また、機器の維持やメンテナンスにも専門知識が必要となります。

IP‐PBX

IP-PBXは、インターネット回線を利用して、外線と内線を接続する電話システムです。IP-PBXは、VoIP(Voice over Internet Protocol)技術を使用し、音声をデジタルデータに変換して、インターネット回線で通信します。

IP-PBXは、レガシーPBXと比べて、次のようなメリットがあります。

  • インターネット回線を使用するため、通信コストを削減できる
  • 拠点間の通話も、インターネット回線を使用するため、低コストで実現できる
  • パソコンやスマートフォンからの利用が可能で、リモートワークにも対応できる
  • ボイスメール、自動応答、通話録音など機能が豊富

ただし、IP-PBXは、インターネット回線の品質に依存するため、回線が不安定な場合は通話品質が低下してしまう可能性もあるでしょう。

クラウドPBX

クラウドPBXは、PBXの機能をクラウド上のサーバーで提供するサービスです。クラウドPBXでは、PBXの機器を自社で設置する必要がなく、インターネット回線を通じてPBXの機能を利用します。

クラウドPBXにも、次のようなメリットがあります。

  • 機器の購入やメンテナンスが不要でコストを抑えられる
  • スケーラビリティが高く、ユーザー数の増減に対応しやすい
  • 災害・緊急時に備えたBCP対策にも効果的
  • ボイスメール、自動応答、通話録音など機能が豊富

クラウドPBXは、サービス提供者が機器やシステムを管理するため、自社での管理負担が少ないのも大きな利点です。ただし、インターネット回線の品質に依存するため、IP‐PBXと同じく回線が不安定な場合は通話品質が低下してしまう可能性もあるでしょう。

主装置とは

主装置とは、ビジネスフォンを使用するために必要な中核機器のことを指します。ビジネスフォンは企業で使用される電話システムを指し、一般家庭で使用される電話機とは異なり、複数の回線を管理し、多彩な機能を提供しているのが特徴です。

主装置は、ビジネスフォンの心臓部ともいえる存在で、外線(公衆回線)と内線(社内回線)を接続し、通話の交換や制御を行います。また、主装置には、ビジネスフォンの各種機能を実現するための回路や装置が内蔵されています。

たとえば通話をリアルタイムでモニターできたり、回線が混みあっている場合に時間を空けて掛け直すメッセージを流せたりといった機能が代表的です。

主装置の仕組み

ビジネスフォンの主装置は、「ユニット」と呼ばれる基盤で構成されており、このユニットを設置することで使用できます。複数あるユニットのうち、必要なユニットを複数組みあわせて使用します。ユニットには電源ユニット、内線ユニット、外線ユニットなどさまざまあり、これらがなければ主装置が機能しません。

代表的なユニットとして、次のものが挙げられます。

  • 電源ユニット
  • 外線ユニット
  • 内線ユニット
  • 制御ユニット(CPU)
  • 単独電話機ユニット
  • 拡張ユニット

電源ユニットは、主装置全体への電力供給といった役割を担います。主装置の動作に必要な電力を安定して供給することで、システムの安定稼働を実現するユニットです。

外線ユニットや内線ユニットは、それぞれ外線回路と内線回路に対応するユニットです。外線ユニットは、公衆回線との接続を担当し、アナログ回線やISDN回線、IP回線などに対応します。内線ユニットは、社内の電話機(内線電話)との接続を担当し、内線電話からの発信や、内線電話への着信を制御します。

制御ユニットは主装置の中枢となり、外線ユニットや内線ユニットを制御し、通話の交換や各種機能の実現を担当するユニットです。制御ユニットは、マイクロプロセッサを使用した電子回路で構成され、ソフトウェアによって制御されます。

主装置の種類

主装置には、接続できる電話端末の台数や収容可能な電話回線の数に応じて、大きく分けて3つのクラスがあります。

Sクラス

小規模オフィス向けのSクラス主装置は、接続可能な端末数が10台、収容可能な回線数が最大4チャネル(ISDN2回線、アナログ4回線)と少なく、コンパクトなサイズが特徴です。設置スペースを取らないため、オフィスの省スペース化に貢献するでしょう。

基本的な機能は兼ね備えていますが、大規模オフィスで必要とされる高度な機能は、省略されている場合もあります。

Mクラス

中規模オフィス向けのMクラス主装置は、Sクラスよりも多い30台の端末数を接続できます。収容可能な回線数も12チャネル(ISDN6回線、アナログ12回線)になり、高機能かつ豊富な機能を備えているのが特徴です。

Lクラス

大規模オフィスやコールセンターでの使用に適したLクラス主装置は、接続可能な端末数が80台、収容可能な回線数が最大24チャネル(ISDN12回線、アナログ24回線)と非常に多いのが特徴です。高度な機能と高い拡張性を兼ね備えています。

また、主装置の増設にも対応しており、80台を超える電話端末台数や24チャネル以上の回線数を設置したい場合も、柔軟に拡張可能です。

PBXと主装置の共通点

PBXと主装置は、ともにビジネスフォンシステムの中核をなす機器であり、いくつかの共通点があります。次に、PBXと主装置の主な共通点について詳しく説明します。

外線と内線の接続と制御

PBXと主装置の基本となる共通点は、ともに外線(公衆回線)と内線(社内回線)を接続し、通話の制御を行う点です。両者とも、外線からの着信を内線に振り分けたり、内線からの発信を外線に接続したりする機能を備えています。

また、PBXと主装置は、内線間の通話を接続する機能も共通してもっています。社内の電話機同士の通話を、外部の公衆回線を経由せずに直接接続することで、通信コストの削減につなげられるでしょう。

基本的な通話機能

PBXと主装置は、ともに基本的な通話機能を備えている点でも共通しています。具体的には、次のような機能が挙げられます。

  • 保留・転送機能:通話を保留したり、他の内線に転送したりする機能
  • 自動応答機能:あらかじめ録音しておいたメッセージを流し、着信を自動で処理する機能
  • ボイスメール機能:不在時の着信をボイスメールで記録し、あとから確認できる機能

これらの機能により、PBXと主装置は効率的な通話処理と、円滑なコミュニケーションを実現できます。

電話機との互換性

PBXと主装置は、ともにさまざまなタイプの電話機と互換性をもつ点でも共通しています。両者とも、アナログ電話機、デジタル電話機、IP電話機など、幅広い電話機に対応しています。

この互換性により、ユーザーは自身の好みや業務スタイルにあった電話機を選択できます。また、既存の電話機を活かしながらのPBXや主装置導入も可能です。

PBXと主装置の違い

PBXと主装置は、ビジネスフォンシステムの中核をなす機器といった点では共通していますが、当然ながらそれぞれ違いがあります。PBXと主装置の違いは、次のとおりです。

  • 収容可能な回線数
  • 外線との接続方式
  • 拡張性と柔軟性
  • 導入コストと運用コスト
  • 機能の豊富さ
  • システムダウンの影響

収容可能な回線数

PBXと主装置の最も大きな違いは、収容可能な回線数です。

PBXは、一般的に数十から数千の内線を収容できる大規模なシステムです。たとえば、大企業の本社ビルに設置されるPBXでは、1,000台以上の内線電話を収容することも珍しくありません。

一方、主装置は中小規模のオフィスを対象とした、より小規模なシステムです。主装置の収容可能な回線数は、数台から数十台程度が一般的です。たとえば、小規模オフィスに設置されるSクラスの主装置では、収容可能な回線数が最大4チャネルしかありません。

外線との接続方式

PBXと主装置は、外線との接続方式にも違いがあります。

PBXは多様な外線インターフェースに対応しており、アナログ回線、ISDN回線、IP回線など、さまざまな回線を柔軟に収容できます。また、PBXは多数の外線を収容できるため、大規模なオフィスでの使用に適しています。

主装置は外線との接続方式がシンプルで、アナログ回線やISDN回線との接続が中心です。主装置は外線の収容数が限られているため、中小規模のオフィスでの使用に適しています。ただし、最近ではIP回線に対応した主装置も登場しています。

拡張性と柔軟性

PBXはモジュール化された設計を採用しており、容易に機能を拡張可能です。とくに近年では主流となってきたクラウドPBXであれば、機能の拡張やスケーラビリティもしやすいでしょう。

主装置もある程度の拡張性を備えていますが、PBXほどの柔軟性はありません。主装置では、あらかじめ用意されたユニットを組みあわせて使用するため、細かな機能の追加や変更が難しい場合もあります。ただし、主装置は中小規模のオフィスでの使用を想定しているため、大規模な拡張性を必要としないケースが多いのも事実です。

導入コストと運用コスト

PBXは大規模なシステムであるため、導入コストが高くなる傾向にあります。そしてPBXの導入には、機器の購入費用だけでなく、設置工事や設定作業にも多くの費用が発生するでしょう。また、PBXの運用には専門知識のあるスタッフを必要とする場合もあり、運用コストが高くなるかもしれません。

主装置は中小規模のシステムであるため、導入コストが比較的安価です。主装置の導入は機器の購入と簡単な設定作業だけで完了するため、費用を抑えられます。また、主装置の運用は専門知識を必要としないため、運用コストも低く抑えられるでしょう。

機能の豊富さ

PBXは大規模なシステムであるため、高度で多彩な機能を提供していることが一般的です。たとえば、自動音声応答、コールセンター機能、CTI連携など、ビジネスの効率化に役立つさまざまな機能を利用できます。

主装置も基本的な通話機能に加えて、ボイスメール、不在転送、着信グループ設定などの機能を提供していますが、PBXほどの高度な機能は備えていないことが多いでしょう。ただし、中小規模のオフィスでは、これらの基本的な機能で十分な場合が多いです。

システムダウンの影響

PBXと主装置は、システムダウンの影響の受けやすさにも違いがあります。

PBXは大規模なシステムであるため、システムダウンが及ぼす影響は大きくなる可能性があります。しかし、PBXはシステムを二重化することで一つのシステムがダウンしても稼働できるため、システムダウンの影響を受けにくく、比較的安定しています。

PBXでは、主システムと待機システムを併設し、主システムに障害が発生した場合でも、自動的に待機システムに切り替わることで、サービスを継続できます。

一方、主装置は中小規模のシステムであるため、システムの二重化を行っていないことが一般的です。そのため、主装置ではシステムダウンが発生した場合、電話サービスが完全に停止してしまう可能性もあります。主装置が故障した場合、修理や交換が完了するまで電話サービスが利用できなくなるため、業務に大きな影響が出るかもしれません。

ただし、主装置はシンプルな構成であるため故障の可能性が低く、故障した場合でも修理や交換が容易であるといったメリットがあります。また、主装置は小規模なオフィスでの使用が中心であるため、システムダウンの影響が及ぶ範囲も限定的です。

PBXを選ぶメリット

PBXを選ぶことで、企業は大規模なオフィスでの電話システムを効率的に管理できます。まずは、PBXを選ぶメリットについて解説します。

大規模な通話管理を実現できる

PBXは、数百から数千の回線を収容できるため、大規模オフィスでの使用も可能です。部署ごとに内線番号を割り当てたり、階層的な内線構成を設定したりすることで、効率的な通話管理を実現できます。

また、PBXは外線との接続も柔軟に行えます。アナログ回線やISDN回線、IP回線など、さまざまな回線に対応できるため、既存の通信インフラを活かしながら、最適な外線構成を実現できます。

内線通話による通信コストの削減

PBXを導入することで、社内の内線通話が無料になるため、通信コストを大幅に削減可能です。とくに、複数の拠点をもつ企業では、拠点間の通話が頻繁に発生するため、内線通話による通信コストの削減効果は非常に大きくなるでしょう。

たとえば、東京と大阪に拠点をもつ企業では、PBXを導入することで、両拠点間の通話を内線化できます。これにより、公衆回線を使用する場合と比べて、通信コストを大幅に抑えられるでしょう。

高度な通話機能による業務の効率化

PBXはパソコン・スマートフォンとの接続やCTI機能など、主装置にはない高度な機能を提供します。これらの機能を活用することで、業務の効率化を図れるでしょう。

拡張性と柔軟性による将来の変化への対応

PBXは高い拡張性と柔軟性を備えているため、将来の変化に柔軟に対応できます。業務の拡大や組織変更など、ビジネス環境の変化にあわせてシステムを柔軟に拡張・変更可能です。

主装置を選ぶメリット

主装置を選ぶメリットについて説明します。

導入の手軽さとコスト

主装置はシンプルな構成が特徴で、必要なユニットを組みあわせるだけで、簡単に電話システムを構築可能です。専門知識がなくても短期間で導入できるため、スピーディーにビジネスを開始できます。

また、主装置はPBXと比べて、機器の購入費用や設置工事費用が安価です。中小規模オフィスでは、コストパフォーマンスの高さが重要な選択基準となるため、主装置は最適な選択肢といえます。

コンパクトで設置が容易

主装置はコンパクトなサイズが特徴で、オフィスの限られたスペースにも設置できます。デスクの下や壁面に設置することで、スペースを有効活用できます。

また、主装置は配線も簡単で、電話機を主装置に接続するだけで使用可能です。オフィスのレイアウト変更や移転の際にも容易に移設できるため、柔軟な対応ができます。

必要十分な通話機能

主装置は、中小規模オフィスに必要な通話機能を網羅しています。発信や着信、保留、転送といった基本的な機能に加え、ボイスメール機能や、不在転送機能、着信グループ設定機能など、利便性の高い機能を備えていることも多いです。

また、主装置はアナログ回線やISDN回線を中心に対応しているため、既存の通信インフラを活かしながら、電話システムを構築できます。高度な機能が不要な場合は、主装置を選ぶほうがコストパフォーマンスに優れている場合もあります。

PBXと主装置はどちらを導入すべき?

PBXと主装置は、どちらも企業の電話システムを構築するための重要な機器です。しかし、それぞれの特徴や適した環境は異なります。オフィスの規模や内線数、必要な機能、導入コストなど、さまざまな観点から総合的に判断する必要があります。

PBXの導入が適しているパターン

次のようなパターンでは、PBXの導入が適しているでしょう。

大規模オフィスや多数の内線が必要な場合

PBXは、数百から数千の内線を収容できるため、大規模オフィスや多数の内線が必要な場合に適しているでしょう。部署ごとに内線番号を割り当てることで、効率的な通話管理が可能になります。

高度な通話機能やCTI連携が必要な場合

PBXは、自動音声応答機能やスマートフォンからの利用、CTI連携機能など、高度な通話機能を提供しています。これらの機能が必要な場合は、PBXの導入が適しているでしょう。

将来的な拡張性や柔軟性が求められる場合

PBXは拡張性に優れているため、将来的に内線数を増やしたり、新しい機能を追加したりする必要がある場合は、PBXの導入が適しています。

たとえば、成長スピードの激しい企業では事業の拡大にあわせて、内線数を増やしたり、新しい拠点を開設したりする必要があります。PBXを導入することで、柔軟に電話システムを拡張しやすくなります。

主装置の導入が適しているパターン

一方、次のようなパターンでは、主装置の導入が適しています。

中小規模オフィスや少数の内線で十分な場合

主装置は、数台から数十台程度の内線を収容できるため、中小規模オフィスや少数の内線で十分な場合に適しているでしょう。

たとえば、従業員数が20名程度の小規模オフィスでは、主装置を導入することで、必要な内線数を確保しながらコストを抑えられます。

基本的な通話機能で事足りる場合

主装置は、発信や着信、保留、転送といった基本的な通話機能を網羅しています。高度な機能は必要ないが、基本的な通話機能で事足りる場合は、主装置の導入が適しているでしょう。

導入コストを抑えたい場合

主装置はシンプルな構成とコンパクトなサイズ感が特徴で、導入コストを抑えられる傾向にあります。予算が限られている場合や、初期投資を最小限に抑えたい場合は、主装置の導入が適しています。

たとえば、スタートアップ企業や小規模な事業所では、主装置を導入することで、必要な電話システムを構築しながら、費用を抑えられるでしょう。

PBXや主装置を選ぶ際のポイント

PBXや主装置を選ぶときは、次のポイントに気をつけて選びましょう。

必要な内線数と拡張性

PBXや主装置を選ぶ際は、まず、必要な電話機の台数や内線数を確認することが重要です。現在の内線数だけでなく、将来的な増加も見込んで、適切な収容力のあるシステムを選ぶ必要があります。

電話機の台数が多い場合は、PBXやIP-PBX、クラウドPBXなど、内線の増減や変更に対応できる電話システムがおすすめです。

一方、電話機の台数が少ない場合は、主装置やIP主装置など、外線の品質や安定性を高められる電話システムがおすすめです。

必要な機能と互換性

PBXや主装置には、さまざまな機能があります。必要な機能を洗い出し、それらの機能が備わっているシステムを選びましょう。

必要な機能が多い場合は、PBXやIP-PBX、クラウドPBXなど、内線の機能やサービスを豊富に利用できる電話システムがおすすめです。

また、既存の電話機やシステムとの互換性も重要なポイントです。既存の設備を活用することで、導入コストを抑えられる場合もあるでしょう。

利用するビジネスシーン

複数拠点で利用する場合や大規模コールセンターでの利用を想定している場合には、PBXがおすすめです。反対に、中小規模の企業で利用する場合や、今後の増設予定がない場合には主装置が向いているといえます。

ほかにも、リモートワークがメインの場合や、社外からの利用が多い場合には、スマートフォンやパソコンでの利用ができる製品を選ぶ必要があります。ビジネスシーンを考慮して最適なものを選びましょう。

導入コストと運用コスト

PBXや主装置の導入には、初期コストと運用コストがかかります。ここでの導入コストには機器の購入費用や設置工事費用、運用コストには保守費用や通信費用、電気料金などが含まれます。

PBXと主装置では、接続できる電話台数や機能が異なるため、価格も種類により異なるでしょう。当然初期導入費用や運用コスト、メンテナンス費用もそれぞれ異なるため、予算の範囲内で費用対効果が高いものを選ぶ必要があります。

これらのコストを総合的に比較し、予算にあったシステムを選びましょう。また、長期的な視点で運用コストを検討することも重要です。

たとえば、クラウドPBXでは、初期費用が抑えられる代わりに、月額の利用料金がかかります。一方、オンプレミス型のPBXでは、初期費用は高くなりますが、長期的な運用コストを抑えられる場合があります。

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メンテナンス性と信頼性

PBXや主装置は、ビジネスの基盤となる重要なシステムです。安定的な運用を維持するために、メンテナンス性と信頼性の高いシステムを選びましょう。

メンテナンス性には、システムの管理や設定の容易さ、トラブル時の対応しやすさなどが含まれます。そして信頼性には、システムの稼働率や耐障害性、セキュリティ対策などが含まれます。

たとえば、24時間365日の運用が必要な場合は、高い安定性が求められるでしょう。システムの二重化ができるPBXや、クラウドサービスの利用が適しています。また、社内に専門スタッフがいない場合は、保守サポートの充実したシステムを選ぶことが重要です。

PBXと主装置の違いを知って自社にあうものを導入しよう

PBXと主装置の違いやそれぞれの特徴やメリット、仕組みなどを解説しました。

それぞれ似た機能をもっていますが、仕組みや種類、価格などが異なります。それぞれの特徴を理解したうえで、目的や必要な機能にあうものを選びましょう。

大企業をはじめとする大規模オフィスには、PBXがおすすめです。PBXはさまざまな種類があるため、機能や価格を十分に比較検討して納得できるものを導入してください。

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