超高速開発ツールおすすめ比較!機能や料金・選び方のポイント
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超高速開発ツールとは?
超高速開発ツール(ローコード開発ツール)とは、アプリ開発にかかるプロセスを削減し、開発全体の工数を短縮化・効率化できるツールです。
従来、システムやアプリの開発にはかなりの手間と時間を要していましたが、「超高速開発」の概念が登場し、それをサポートするツールが続々登場しています。超高速開発ツールにより多くの企業が短期間でのアプリ開発が可能になり、生産性の向上と開発コストの削減が可能になりました。
超高速開発ツールの選び方
導入する超高速開発ツールを選択する際には、次の流れを意識しましょう。
- 超高速開発ツールの導入目的を確認する
- 超高速開発ツールの機能を確認する
- 超高速開発ツールを導入する際の注意点を確認する
- 超高速開発ツールの料金・価格相場を確認する
超高速開発ツールの導入目的を確認する
まずは何のために超高速開発ツールを導入するのか、目的を明らかにする必要があります。次の内容を参考に、主要な目的別にどのようなツールを選ぶべきか検討してみましょう。
導入目的 | 詳細 |
---|---|
大規模な開発プロジェクトを運用したい | コードジェネレーター(コード生成型)の超高速開発ツールがおすすめ |
Webアプリを開発したい | モデル駆動型の超高速開発ツールがおすすめ |
低コストで開発インフラを構築したい | クラウド型の超高速開発ツールがおすすめ |
開発環境を柔軟にカスタマイズしたい | オンプレ型の超高速開発ツールがおすすめ |
超高速開発ツールは、コードジェネレーター(コード生成型)か、モデル駆動型かに分類できるので、目的に合った方を選択しましょう。また、低コストで開発インフラを構築するならば、近年増えているクラウド型のツールを選ぶのがおすすめです。
超高速開発ツールの機能を確認する
導入目的を達成するのに必要十分な機能があるか確認しましょう。超高速開発ツールでできることや、利用できる機能は次のとおりです。
機能 | 詳細 |
---|---|
コードの生成やモデル駆動 | 自動で生成したコードを取り込める機能(コード生成型)と、開発の成果をモデルとして設定し、変換を繰り返してプロセスを進めるための機能(モデル駆動型) |
テストの実行機能 | 生成したソースや設計したアプリケーションを実行する機能 |
ドキュメントの生成・管理機能 | 開発の各工程において、ドキュメントを自動生成する機能 |
ツールによって強みや特性が変わってくるので、自社の開発環境に応じて、最適な機能を有するツールを選択しましょう。
超高速開発ツールを導入する際の注意点を確認する
超高速開発ツールを導入する際、失敗しないために次の項目も確認しておきましょう。
確認事項 | 詳細 |
---|---|
自社が必要な技術に対応しているか | 最新の技術や開発に必要な技術に対応しているか、長期的な視点から確認する必要があります。 |
成果物のチェックができるか | 開発の各工程で要件や進行状況、完成したアプリの効率的なチェックやフィードバックが可能かどうかも確認すべきです。 |
投資対効果の高いツールか | 開発工程の効率化・簡略化を通じて、投資分をしっかりと回収できるツールか試算することも大事です。 |
サポート体制は十分か | ベンダーにどのようなサポートを受けられるかも、事前にチェックしておきましょう。 |
超高速開発ツールの料金・価格相場を確認する
超高速開発ツールの料金相場は、オンプレ型とクラウド型で異なります。オンプレミス型は高額な初期費用がかかるものの、自社で運用するためベンダーに支払う費用を抑えられます。一方、クラウド型は初期費用がほとんどかかりませんが、毎月サービスの利用料金を負担しなければいけません。
一例を示すと、オンプレ型の場合は1,000,000円程度の初期費用が必要で、クラウド型の場合は月額30,000円程度から利用できるツールが多いようです。ただし製品やサービス、実装されている機能などによって、具体的な料金は大きく変わってくるので、事前によく確認するようにしましょう。
おすすめの超高速開発ツールの比較11選
おすすめの超高速開発ツールを紹介します。ツールの特徴や実装されている機能、ベンダーがもつ強みなどを確認したうえで、環境やニーズに合ったものを選択することが大事です。気になるツールがあれば、積極的に問い合わせや資料請求をしてみましょう。
ASTERIA Warp - アステリア株式会社
ASTERIA Warpは、ノーコードで業務の自動化を支援できるツールです。専門的な知識がなくても設計開発が可能で、さまざまなシステムやサービスと連携できます。社内のシステムやデータをうまく連携できれば、業務の自動化・効率化をスムーズに実現できるでしょう。
プログラムの未経験でもシステムの活用が可能で、データベースやグループウェア、会計システムなど、100種類以上※の接続先ですぐに連携できるのも特徴です。開発工程に導入すれば、開発スタッフの生産性を大幅に向上できるでしょう。初期費用0円で、月額3万円から利用できる手軽さも魅力です。
※出典:アステリア「データ連携ツール「ASTERIA Warp」|EAI/ESB国内シェアNo.1|アステリア」(2024年5月8日閲覧)
Autify for Web - オーティファイ株式会社
Autify for Webは、プログラミングスキル不要でWebアプリケーションの自動テストを構築、運用できるソフトウェア自動化プラットフォームです。一連の流れをブラウザ上で操作するだけでテストシナリオを作成可能です。
クロスブラウザテストや複数テストの並列実行、メールテストなどの機能を搭載していています。UIの変更を自動検知し、ブラウザ単位で確認できるビジュアルリグレッション機能も備えており、より多くのテストを早く自動化させたい企業におすすめです。
Magic xpa - マジックソフトウェア・ジャパン株式会社
Magic xpaは、Webアプリやモバイルアプリ、RIAなどのビジネスアプリケーションをワンソースで開発できるローコード開発ツールです。生産管理や会計、人事システムなど多様な業種で導入されています。
OSやDBMSなどの違いを吸収できる実行エンジンにより、最新のOSやデバイスへの移行も容易なのが特徴です。ドラッグ&ドロップで使え、プログラム変更による影響範囲の検索、可視化が可能なので、メンテナンス作業の高速化や修正もれの防止にも役立ちます。
楽々Framework3 - 住友電工情報システム株式会社
楽々Framework3は、本格的なローコード開発プラットフォームを構築できる基盤で、オンプレ型とクラウド型がリリースされています。開発チームの情報共有ツールから、基幹系システムまで必要な環境を素早く構築可能で、ブラウザさえあればマウスで簡単に開発を進められます。
また、基幹業務システムでダイレクトに使用できる900以上※の汎用部品があり、要件に応じた開発を進めやすいのも特徴です。製品がリリースされて以来、20年※余り保守切れの状態に陥ったことはなく、長期間安心して運用できることも強みです。
※出典:住友電工情報システム「ローコード開発基盤 楽々Framework3 | 住友電工情報システム」(2024年5月8日閲覧)
kintoneは、サイボウズ社が提供している汎用性の高いノーコード・ローコードツールで、現場の業務にフィットするアプリを内製できます。プログラミングの知識がなくても、業務のシステム化・効率化を実現するアプリを作成でき、100種類以上※のサンプルを活用すれば多くの業務に対応が可能です。
リッチテキストやチェックボックスなどの豊富なパーツを、ドラッグ&ドロップで組み合わせるだけで開発できるので、初めてアプリ開発に挑戦する方でも問題ありません。申し込み後、すぐにアプリを作成できる手軽さも人気の理由です。
※出典:サイボウズ「アプリとは|kintone ヘルプ」(2024年5月8日閲覧)
Accel-Mart Quick
Accel-Mart Quickは、開発初心者から上級者まで、素早く簡単にローコード開発ができるクラウドサービスです。プログラミングの知識がなくても業務用アプリの開発が可能で、アナログ環境で進行している業務でもスムーズに電子化できます。
さらに、既存のシステムやSaaSとの連携、IT資産を活用したシステム構築も可能です。これから開発部門を立ち上げる企業だけではなく、開発プロセスの刷新を図りたい企業も重宝するでしょう。そのまま使えるアプリが搭載されており、導入後すぐに作業を始められます。導入フェーズに合わせた豊富なプランが用意されていることも特徴です。
OutSystems
OutSystemsはWebアプリやモバイルアプリの開発が可能な、ローコード開発プラットフォームです。社内アプリとカスタマーポータルの作成、業務用のカスタムソフトウェアの開発などが可能で、何百万人ものユーザーが利用するアプリでも高性能ローコードで対応できます。
ボタンのワンクリックでアプリのデプロイが可能で、設計から運用までのプロセスを効率化できる機能が充実しています。外部システムとの連携も可能なので、すでに開発ツールを運用しているならば、連携が可能か確認してみるとよいでしょう。無償のトライアル版も利用できます。
GeneXus
GeneXusはローコード開発に、独自のAI(人工知能)技術を加えることで、効率的にアプリの作成・進化・維持を可能にする超高速開発ツールです。Webアプリやモバイルアプリ・ウェアラブルアプリなど、さまざまなサービスの開発が可能で、プログラムの自動生成機能により少人数でも問題なくシステム開発を進められます。
運用の効率化やテストの自動化など、開発工程の短縮に役立つ多くのオプション機能も利用でき、要件定義の変更にも柔軟に対応できるのが強みです。まずは気軽に問い合わせをしてみましょう。
Microsoft Power Apps
Microsoft Power AppsはWebアプリやビジネス関連のさまざまなアプリを、ローコード開発できるツールです。ブラウザ上でGUIや関数などを組み合わせて開発するのが特徴で、Microsoft製品や各種データベースと接続することで、スムーズな開発が可能になります。
Office 365をはじめ、同社のサービスを利用しているならば無料で使える場合も多くあります。社内でサービスを導入している場合は、超高速開発ツールとして導入を検討してみましょう。無料トライアル版も利用できます。
Heroku
HerokuはAWSで運用するアプリ開発プラットフォームで、Salesforce社が提供しています。同社の有名なCRMとシームレスに連携が可能で、アプリの構築からデプロイまで簡単に実行できます。豊富なアドインによる高い拡張性を備えており、アクセス数に応じて柔軟にスケーリングができる機能も特徴です。
さまざまなプログラミング言語に対応しており、プログラミング経験の浅い新人からベテランの開発者に至るまで、広く活用できる受け皿の広さも魅力です。
Oracle APEX
Oracle APEXは、Oracle社が提供しているローコード開発ツールで、オンプレ・クラウドの環境を問わずデブロイが可能です。スケーラブルで安全性の高いWebアプリや、モバイルアプリの開発に適しています。スプレッドシートからアプリに転換するのも可能で、外部データの共有機能も豊富です。
Oracle Databaseのユーザーならば無料で利用が可能で、クラウド版ならば有料でも安価に使えるようになります。多くの有名企業と同じ環境で開発するならば、ぜひ導入を検討してみましょう。無料体験版も利用できます。
超高速開発ツールを利用するメリット
アプリ開発の工数を短縮できる
超高速開発ツールでは、属人化しがちなプログラムを標準化することで、アプリ開発にかかる手間と工数を削減できることがメリットです。
全体の開発コストも削減できる
超高速開発ツールでは工数の短縮や作業の効率化により、アプリやシステムの開発にかかる全体のコストの削減が可能なこともメリットと言えます。
開発スタッフの生産性の向上を実現できる
超高速開発ツールによる業務効率化により開発スタッフの生産性が改善し、アプリやシステムのクオリティも向上します。スタッフは開発上の雑務に時間をとられる場面が減り、作業の効率化を図りながら、トライ&エラーを繰り返しやすくなるでしょう。
品質管理に注力しやすくなるので、高い品質の成果物をクライアントに提供できるようになります。ツールにより開発チーム内のコミュニケーションも活性化するので、PDCAを回しやすくなるのもメリットです。
超高速開発ツールを利用するデメリット
超高速開発ツールを導入する場合は次のような点に注意が必要です。複雑な案件には適させない場合もあるので、導入目的を明確にしたうえで本当に必要か慎重に検討しましょう。
複雑な案件には向かない場合もある
開発工数の削減や作業の効率化を図れるのが、超高速開発ツールのメリットですが、大規模かつ複雑な開発案件には、うまく活用できない可能性もあるので注意しましょう。フルスクラッチのような大規模開発や、イレギュラーな要件が求められる場合には、対応が難しくなる可能性があります。
また、あらゆる開発プロセスを高速化・効率化できるわけではないので、本当にツールの恩恵を得られるのか、慎重に判断することが大事です。
ツールを使いこなすまで時間がかかる
超高速開発ツールの多くは、プログラミングの知識がない人材でもスムーズに開発を進められますが、ツールを使いこなせるようになるまでは時間がかかります。研修や講習会を開くなどして、スムーズに現場で運用できるように工夫しましょう。
ツールはあくまでも工数の削減や作業効率を上げるためのものであり、システム開発には相応の知識やスキルが必要な点に変わりはありません。簡単な業務アプリ程度ならばプログラミングの知識は不要ですが、高度な開発には、経験豊かなプログラマーやエンジニアが必要です。
超高速開発ツールで開発現場の手間を削減しよう
超高速開発ツールはアプリの開発現場の作業効率を向上させ、開発工数の削減に寄与します。煩雑な作業を自動化できるので、開発スタッフはより重要な作業にリソースを割けるようになるでしょう。ツールを選定する際には、次のポイントを意識することが大事です。
- 目的に合った機能を網羅しているか
- 環境に合った導入形態か
- 必要な技術に対応しているか
- 導入コストの見合った成果が得られるか
- ベンダーのサポート体制は十分か
- 機能の拡張性やカスタマイズ性はどうか
- 連携できるサービスは何か
なお、超高速開発ツール(ローコード開発ツール)に関しては、こちらの記事でも解説しています。より多くのツールを比較しているので、参考にしてください。