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[2024年]電子カルテに使えるIT導入補助金 | 条件や手順

最終更新日:(記事の情報は現在から157日前のものです)
この記事では、電子カルテの導入に活用できる「IT導入補助金」を紹介しています。IT導入補助金の対象となる経費や補助額、申請の方法や必要書類を解説。電子カルテの導入を考えている方はぜひ参考にしてみてください。

IT導入補助金とは

IT導入補助金は、日本政府が中小企業および小規模事業者のデジタル化を支援するために設けた制度です。この補助金は、生産性向上や業務効率化を目的としたIT製品の導入費用およびそれに関連した一部の費用を補助します。

対象となるのは会計ソフト、受発注システム、在庫管理システム、顧客管理ソフトなどのITツールが中心です。申請には一定の条件があり、審査を通過する必要があります。

IT導入補助金の補助対象

IT導入補助金の補助対象は大きく5つに分かれ、通常枠、インボイス枠(インボイス対応類型)、インボイス枠(電子取引類型)、セキュリティ対策推進枠、複数社連携IT導入枠があります。それぞれの特徴は次のとおりです。

対象ソフトウェア その他主な対象 補助率(最大) 補助金額 電子カルテ対応
通常枠 デジタル化を目的としたソフトウェア 機能オプション、導入コンサルティング、サポート 1/2 5万円〜450万円
インボイス枠(インボイス対応類型) 会計ソフト、受発注ソフト、決済ソフト 機能オプション、導入コンサルティング、サポート、ハードウェア 4/5 〜350万円(ハードウェアは別途補助) -
インボイス枠(電子取引類型) 受発注システム - 2/3 〜350万円 -
セキュリティ対策推進枠 セキュリティ対策のツールおよびサービス - 1/2 5万円〜100万円 -
複数社連携IT導入枠 会計ソフト、受発注ソフト、決済ソフトほか 機能オプション、導入コンサルティング、サポート、ハードウェア 4/5 〜3,000万円 -

※スペースの都合上、要点のみを記載した表となっています。それぞれの支援枠には詳細な条件が存在しているため、詳しくは「補助対象について | サービス等生産性向上IT導入支援事業事務局ポータルサイト」を参照

このうち、電子カルテの導入時に主に利用するのは「通常枠」でしょう。「通常枠」の要件にある業務プロセスの改善のうち、「その他業務固有のプロセス」に電子カルテが該当するためです。

通常枠

IT導入補助金の通常枠は、中小企業・小規模事業者がITツールを導入する際の基本的な支援制度です。ソフトウェアや導入コンサルティングなどの費用が対象となり、補助率は1/2以内です。補助額は、導入するソフトウェアが対応する業務プロセスによって異なり5万円以上、450万円以下に決まっています。

具体的な業務プロセスとしては、下記が例にあげられます。

  • 顧客対応・販売支援
  • 決済・債権債務・資金回収管理
  • 供給・在庫・物流
  • 会計・財務・経営
  • 総務・人事・給与・労務・教育訓練・法務・情報システム
  • 汎用・自動化・分析ツール

インボイス枠(インボイス対応類型)

IT導入補助金のインボイス枠は、IT導入補助金2023の「デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)」から刷新された、インボイス制度に対応するためのITツール導入を支援する特別枠です。

対象は会計ソフトや受発注システム、決済ソフト、導入コンサルティング、ハードウェアなどです。補助率は通常枠より高く、補助額が50万円以下の部分については最大で中小企業なら3/4、小規模事業者なら4/5です。通常枠と異なり、ソフトウェアの稼働に必要なハードウェアも補助の対象なのが特徴といえます。

インボイス枠(電子取引類型)

IT導入補助金のインボイス枠(電子取引類型)は、受発注システムの導入を支援する枠です。「インボイス枠(インボイス対応類型)」と異なる点としては、取引関係にある受注社の中小企業や小規模事業者に対して無料でアカウントを提供する場合に利用できる点があります。

補助率は最大2/3で、補助金額は最大350万円です。この枠は、取引のデジタル化を促進し、業務効率の向上とペーパーレス化の実現を目的としています。対象のIT製品が少なめで、「インボイス枠(インボイス対応類型)」より補助金をもらうハードルが高いといえます。

セキュリティ対策推進枠

IT導入補助金のセキュリティ対策推進枠は、中小企業・小規模事業者のサイバーセキュリティ対策を支援する枠です。補助率は最大1/2で、補助金額の5万円以上、100万円以下です。この枠は、増加するサイバー攻撃のリスクから企業を守り、安全なデジタル化推進を目的としています。

複数社連携IT導入枠

IT導入補助金の複数社連携IT導入枠は、複数の中小企業・小規模事業者が連携してITツールを導入する際の支援枠です。補助対象者は商工団体や地域のまちづくりをする企業などが該当します。対象の製品はソフトウェアのほか、ハードウェア、分析にかかる経費と幅広いです。また、補助額が最大3,000万円と高いのが特徴。ただし、対象者がやや限定的なため、補助金を受けるためには金額相応の条件が求められます。

電子カルテは「通常枠」

電子カルテの導入には「通常枠」のIT導入補助金を活用できます。「通常枠」は補助額が5万円以上150万円未満の場合と、150万円以上450万円以下の場合では要件が異なるため注意しましょう。

具体的には下表のように異なります。保有する業務プロセスは、導入予定のIT製品がどの業務プロセスを効率化するかをもとに判断されます。また賃上げ目標が異なります。

補助額 5万円以上150万円未満 150万円以上450万円以下
保有する業務プロセス 1点以上 4点以上
賃上げ目標 加点 必須

電子カルテの導入を念頭に置くのであれば、保有する業務プロセスがあまり多くならない観点から、補助額5万円以上150万円未満を想定しておくとよいでしょう。

電子カルテでの「通常枠」の補助対象

IT導入補助金はITツールの導入費用だけでなく、コンサルティングや研修費用も補助対象に含まれます。以下では、電子カルテにて「通常枠」を利用する場合の補助対象について解説します。

ソフトウェアおよびオプション

電子カルテの費用のほか、オプション機能やセキュリティ対策の費用に対しても補助対象となります。また、受発注システムや決済サービスについても同様にサービスを得られるので、あわせて導入を検討してもよいでしょう。

コンサルティングやサポート

電子カルテを導入するにあたってのコンサルティングや研修、初期設定、運用サポートは補助対象です。システムの導入に失敗しないためにも、利用を検討してみましょう。ただし、費用はシステム提供会社によって異なるため、相見積もりするのがおすすめです。

IT導入補助金の対象者

IT導入補助金の主な対象者を要約すると、日本国内で法人登記されていて日本国内で事業を営んでいること、大企業のグループ会社ないしそれに順ずる企業に所属していない中小企業ないし小規模事業者であることです。

中小企業および小規模事業者に含まれる企業は、下表にあてはまる企業です。

業種分類 資本金または出資の総額 常駐の従業員
1.製造業、建設業、運輸業 3億円以下 300人以下
2.卸売業 1億円以下 100人以下
3.サービス業 (ソフトウェア業又は情報処理サービス業、旅館業を除く) 5,000万円以下 100人以下
4.小売業 5,000万円以下 50人以下
5.ゴム製品製造業 (自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工場用ベルト製造業を除く) 3億円以下 900人以下
6.ソフトウェア業又は情報処理サービス業 3億円以下 300人以下
7.旅館業 5,000万円以下 200人以下
8.その他の業種(上記以外) 3億円以下 300人以下
9.医療法人、社会福祉法人 300人以下
10.学校法人 300人以下
11.商工会・都道府県商工会連合会及び商工会議所 100人以下
12.中小企業支援法第 2 条第 1 項第 4 号に規定される中小企業団体 1〜8のうち、主な業務が当てはまる業種分類の人数以下
13.特別の法律によって設立された組合又はその連合会 1〜8のうち、主な業務が当てはまる業種分類の人数以下
14.財団法人(一般・公益)、社団法人(一般・公益) 1〜8のうち、主な業務が当てはまる業種分類の人数以下
15.特定非営利活動法人 1〜8のうち、主な業務が当てはまる業種分類の人数以下

※資本金または出資の総額、常駐の従業員の両方に記載がある業種分類はいずれかに該当する企業が対象。常駐の従業員のみ記載がある業種分類はその基準に該当する企業が対象

そのほか厳密な交付対象者の条件を含め、詳細は通常枠 | サービス等生産性向上IT導入支援事業事務局ポータルサイトを参照してください。

IT導入補助金の申請方法

IT導入補助金の申請の流れは次のとおりです。申請を進めるにあたっては、ITベンダーないしサービス事業者と協力する必要があるため、適宜コミュニケーションを取りながら推進しましょう。

  1. IT導入補助金の公式ページで交付規定や公募要領を確認
  2. 「gBizIDプライム」の取得と「SECURITY ACTION」宣言の実施
  3. 「みらデジ経営チェック」の実施
  4. IT導入補助事業者・ITツールの選定
  5. 交付申請
  6. 交付決定
  7. ITツールの発注・契約・支払い
  8. 事業実績報告
  9. 補助金交付
  10. 事業実施効果報告

手続きの詳細は新規申請・手続きフロー(中小企業・小規模事業者等のみなさまの手続き) | サービス等生産性向上IT導入支援事業事務局ポータルサイトに記載があります。導入を進める場合には一度目を通しておきましょう。

IT導入補助金の必要書類

IT導入補助金の申請に必要な書類は次のとおりです。直近に取得した書類を提示するケースが多いため、申請を進める際にあらためて必要な書類は確認しましょう。

【法人の場合】

  • 履歴事項全部証明書
  • 法人税の納税証明書

【個人事業主の場合】

  • 運転免許証、運転経歴証明書、住民票のいずれか
  • 所得税の納税証明書
  • 確定申告書の控え

IT導入補助金で電子カルテを導入しよう

IT導入補助金は電子カルテの導入や運用にかかる費用、ソフト導入に伴うセキュリティ対策の強化などに活用できます。IT導入補助金にかかわらず電子カルテの導入を進めたい企業は、次の記事もあわせてみるとよいでしょう。IT導入補助金ありきで探すより、結果として効率化され事業にとって嬉しい結果になる可能性も十分にあります。

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