出張旅費精算書とは?Excelテンプレート付きで記載事項を解説
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出張旅費精算書とは
出張旅費精算書とは「宿泊費・交通費・日当」などの「出張旅費」を従業員と会社間で精算するための帳票です。出張旅費には宿泊費や交通費だけでなく、日当も含まれるため注意しなければなりません。なお、日当とは「出張手当」と言い換えることもあり、出張期間中の食費や通信費および、雑諸費などをそこから捻出するためとされる費用です。
宿泊費や交通費などの出張経費に、日当(出張手当)を加えた出張旅費を精算する手続きを旅費精算といいます。宿泊費や交通費は実費精算ですが「宿泊費や日当の役職ごとの目安金額」については1日あたりで下記のような金額を基準に支給するのが一般的です。
役職 | 宿泊費の目安 | 日当の目安 |
---|---|---|
一般社員 | 8,605円 | 日帰り:2,094円 宿泊 :2,355円 |
部長クラス | 9,835円 | 日帰り:2,666円 宿泊 :2,900円 |
社長 | 14,095円 | 日帰り:4,458円 宿泊 :4,598円 |
※出典:産労総合研究所「2019年度 国内・海外出張旅費に関する調査」(2024年6月26日閲覧)
旅費交通費と交通費の違い
出張旅費精算書の作成にあたり、旅費交通費と交通費の区別については、経理担当者でもすぐに分類の判断が付かない場合があります。旅費交通費と交通費のおおまかな違いは次のとおりです。
- 交通費:いつもの勤務地での業務
- 旅費交通費:それ以外の場所での業務
同じような電車の運賃やタクシー代などの精算内容であっても、業務の場所や目的ごとで旅費交通費や交通費、もしくは他の勘定科目を判断して処理しなければなりません。勘定科目の割り振りによって帳簿のカテゴリ内の数値が変わるため、法人税額や社員の所得税額にも影響することを理解して、正しい起票や処理を心がけましょう。ちなみに、出張旅費や交通費および日当(出張手当)の勘定科目は、原則として「旅費交通費」です。
出張旅費精算書のひな形(テンプレート)
出張旅費精算書のひな形としてこちらにテンプレートを用意しているので、出張旅費精算書を作成する際にはぜひご利用ください。
BOXILでは、出金伝票のテンプレートを用意しています。出金伝票を作成する際にはぜひご利用ください。
その他のスタイルやデザインは下記から入手できます。
- 出張旅費精算書テンプレート【ヨコレイヤー】ブラック
- 出張旅費精算書テンプレート【ヨコレイヤー】ブルー
- 出張旅費精算書テンプレート【ヨコレイヤー】プレーン
- 出張旅費精算書テンプレート【ヨコレイヤー】オリーブ
- 出張旅費精算書テンプレート【ヨコレイヤー】ディープブルー
- 出張旅費精算書テンプレート【タテレイヤー】オリーブ
- 出張旅費精算書テンプレート【タテレイヤー】ディープブルー
- 出張旅費精算書テンプレート【タテレイヤー】ブラック
- 出張旅費精算書テンプレート【タテレイヤー】ブルー
- 出張旅費精算書テンプレート【タテレイヤー】プレーン
出張旅費精算書はなぜ必要か
経理担当者は、出張から戻った従業員や役員の出張旅費(宿泊費・交通費・日当など)が目的に沿った出費かどうかや金額の妥当性などについて確認し、現金の手渡しや銀行振込によって申請者へ精算します。
経理担当者は経費の仕訳をして帳簿へ起票しますが、交通費や宿泊費および食事代や顧客へのお土産代、日当(出張手当)などのさまざまな費用を、一括の出張経費としてまとめて計上できません。次のように、必ず適切に勘定科目を分けて計上しなければなりません。
- 従業員の宿泊費や交通費、日当は「旅費交通費」
- 取引先との飲食付きの会食やお土産代は「交際費」
- 取引先との会議で提供する飲食物は「会議費」
経理担当者が出張旅費の妥当性を検証したり、適切な勘定科目で帳簿へ起票したりする際には、出張旅費精算書があれば効率的に処理できます。出張旅費精算書には、出張旅費に関する情報(氏名や所属、出張日時と行き先および目的、出費した内容と金額など)が時系列で詳細に書かれているからです。
なお、出張旅費は業務を遂行するために実際に支払った必要経費なので非課税です。実費に加えて出張する者に一定の金額を支給する日当(出張手当)についても、会社の規則として定めた出張旅費規程に照らして妥当な金額であれば、日当(出張手当)に対して所得税を課されることはありません。
ちなみに、出張旅費や日当(出張手当)は損金(純粋な企業所得を計算するために経費として計上して売上から控除する)に算入できるため、出張旅費の支出は結果として法人税の節税につながります。
出張旅費精算書の主な記載事項
出張旅費精算書の主な記載事項と記載方法などを解説します。
- 氏名・所属
- 申請日
- 出張先
- 出張目的
- 出張日・期間
- 交通手段・経路
- 交通費
- 宿泊先と費用
- 出張手当
氏名・所属
出張旅費精算の申請者(出張をした者)が誰で、どの所属部署のどの役職なのかを記載します。交通手段や宿泊施設のグレードや金額および日当(出張手当)の金額は、出張者の役職によって規定されており、その確認と検証のために役職の記載が必要です。
出張旅費は損益計算書へ計上する「販売および管理費」に含まれるため、所属部署ごとに取りまとめて合計する必要があります。そして、所属部署ごとの経営戦略を練る際にも、経費の費用対効果を検証するために活用します。
申請日
申請日は、原則として出張旅費精算書を経理担当者へ提出する日付を記録します。ただし、経費精算の仕訳日付は出張者にお金を渡した日(精算日)になるのが一般的です。つまり、帳簿への起票日は出張者が出張先で経費を支払った日でも、旅費精算書を提出した日でもなく、精算日になります。
なお、経費精算は原則として経費が発生した年度内に行います。ただし、やむを得ない場合には、月や事業年度をまたいでの経費精算も可能です。月またぎや年度またぎの経費精算は経理処理が複雑になる場合があるため、できるだけ出張旅費規程にある精算サイクルを守りましょう。
ちなみに経費を請求できる従業員(経費の債権者)は、民法上は経費発生から5年間は払い戻し請求権が有効であるため、会社が規定する精算期日を過ぎても払い戻しを受けられます。
出張先
出張先は取引先企業もしくは自社の他の支店や営業所などの住所を記載します。
出張目的
出張の目的やその理由を明確に記載します。
出張日・期間
出張への出発や期間日の日付および出張期間を記載します。
交通手段・経路
使用した交通手段と経路を記載します。
交通費
実際にかかった交通費を記録し、業務遂行のための移動費用を精算します。
経費精算では支払の証拠として領収書やレシートを添付するのが原則ですが、領収書が出ないバスや交通系ICカードでの支払いの場合には、経理担当者が領収書の代わりに出金伝票をきるなどの会計処理が必要です。
宿泊先と費用
宿泊先の施設名や宿泊プランおよび金額を提示することで、出張期間中の宿泊が適切で過剰な宿泊費でなかったかどうかを検証します。出張旅費規程には、宿泊先での下記費用までを出張旅費に含むかどうかを規定しています。
- 宿泊プランにない飲食代(ルームサービスなど)
- 電話やFAXの回線接続費用
- インターネット接続費用
- 有料チャンネルなどのコンテンツ費用
- 有料マッサージやプールやスパ費用
出張手当
出張手当は日当とも呼ばれます。これは出張旅費規程に役職や出張期間の長さなどに応じた規程がある場合には、その金額を支給します。出張先での諸雑費の経費精算を省略するために、あらかじめそれらを含んだ金額になっている場合があるため、出張旅費規程をよく確認しておきましょう。
経理担当者の方は、出張時の経費や手当についてを事前に規定で取りまとめておきましょう。出張旅費規程の作り方についてはこちらで解説しています。
出張旅費精算書を書く場合の注意点
出張精算書を書く場合の注意点を解説します。次のポイントを意識しておくとよいでしょう。
- 領収書を必ず保管しておく
- 金額や内容の記入は正確に
- 領収書がない費用に関しては証拠となるコピーをとる
領収書を必ず保管しておく
出張精算書を書くにあたって必要になるのが領収書です。交通費とは違い出張精算書は領収書があることが前提です。出張先では必ず領収書をとり、清算書に一つずつ記入していきます。
金額や内容の記入は正確に
出張の場合、金額的にかなり大きくなるケースも予想されるので、金額や内容に間違いがないように慎重に記入しましょう。もし、金額の間違いや内容に相違があった場合は承認が下りない恐れがあります。
書き直しになるとさらに時間がかかり、費用の支払いが先延ばしになるので注意が必要です。経理の都合上、出張した月に精算を行わないと後日面倒な処理をしなくてはならなくなります。間違いがないよう慎重に記入しましょう。
領収書がない費用に関しては証拠となるコピーをとる
出張先で領収書をもらうことが前提ですが、入手できない場合もあります。バスのような公共機関は領収書の発行がなく、鉄道会社によっては電車でも領収書をもらえない場合があります。
その場合はメモに、公共機関を利用した日付と区間、金額を記載しておくのがおすすめです。出張で訪れた取引先の名刺は、コピーを取れるものがあればとっておきましょう。
出張旅費精算書は出張申請書と合わせて作成しておこう
出張旅費精算書とあわせて必要になる出張申請書は、次の記事で詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてください。
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