出張旅費規程とは - 作り方・テンプレート | コスト削減のポイントは?
出張管理システムは、宿泊施設の予約からチケットの手配、出張費など経理関係の処理まで一元管理できるため、社員の出張にまつわる業務の効率化につながります。
また、出張管理に特化したタイプや出張手配を代行するタイプなどがあり、自社の業務課題にあわせた選択が可能です。出張管理システムの資料は下のボタンより無料でダウンロードできます。
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- 出張旅費規程(出張規定)とは
- 出張旅費規程を作成する目的
- 出張経費の基準設定
- 透明性と公平性の確保
- コンプライアンスの遵守
- 予算管理の最適化
- 出張旅費規程を作成するメリット
- 定額支給で精算の手間を軽減
- 出張日当を経費として節税
- 旅費交通費を実費計算とした場合の負担
- 企業側の負担
- 出張者側の負担
- 出張旅費規程の作り方
- 支給金額・ルールの策定
- 全従業員への周知
- 定額支給時の注意点
- 定期的に内容を見直す
- 出張規程に記載する項目
- 出張の定義
- 出張中の勤務時間の扱い
- 出張旅費の内訳
- 出張旅費の金額
- 出張旅費の清算方法
- 緊急時の対応
- 出張旅費規程の書き方テンプレート
- 出張旅費規程で効果的にコスト削減するポイント
- 事前予算の承認
- 宿泊費を実費精算にする
- グループ割引や企業契約の活用
- 出張管理システムで一元管理
- ガバナンス強化にも役立つ出張管理システム
- BOXILとは
出張旅費規程(出張規定)とは
出張旅費規程(出張規定)とは、出張に関連する旅費の取り扱いについて会社で定めたルールのことであり、社内規定として作成される主流な規定のひとつです。節税効果がある・事務処理が簡略化できるといったメリットがあります。
この規程は、社員が業務で外出する際の交通費や宿泊費、日当など、出張にかかる費用の支払い基準や精算方法を明確にするものです。規程には通常、出張の申請方法、承認フロー、必要な書類の提出方法、経費の範囲、精算時の領収書の取り扱いなどが含まれます。また、出張の範囲(国内出張か海外出張か)によって異なる点も規定内で明記されることが多いです。
しかし、合理化が進んでいないといわれる出張業務では、いまだに宿泊含む出張手配を本人が行い、一つひとつ確認しながら実費精算している法人も多いでしょう。以下では出張旅費規程を作る目的やメリット、作り方、ポイントの解説、テンプレートを紹介します。
出張旅費規程を作成する目的
出張旅費規程を設定する主な目的は、出張に関する経費の明確化と効率的な管理を実現することです。具体的には次のような点が挙げられます。
出張経費の基準設定
出張にはさまざまな経費がかかるでしょう。しかし、これらの上限や計算方法を事前に定めておくことで、会社側と従業員側の双方にメリットがあります。規定があれば、ラグジュアリーホテルやグリーン車のような特別な手段を利用されることなく、経費の節約と予算の効率的な配分が可能となるでしょう。
透明性と公平性の確保
規程を設けることで、全従業員に対する出張経費の取り扱いが明確になり、透明性と公平性が確保されます。これにより、従業員間での不平等感を無くし、モラルの維持や向上にもつながるでしょう。
コンプライアンスの遵守
出張旅費規程によって、法律や税制のルールを遵守する体制が整えられます。これは企業としての信頼性や社会的責任を果たすうえで不可欠な要素です。
予算管理の最適化
出張経費の予算を事前に規定することで、無駄遣いを防ぎ、財政管理を強化します。効果的な予算配分により、他の重要な経営資源への投資も可能になるでしょう。
出張旅費規程を作成するメリット
出張旅費規程を策定することは、目的の達成以外にもいくつかのメリットがあります。個人事業主の場合は適用できないものの、企業では出張旅費規程を作成することで次のようなメリットを得られます。
定額支給で精算の手間を軽減
作成した出張旅費規程のなかで出張時の旅費を定額支給と定めることで、精算の手間を軽減できます。
たとえば、出張先までの距離やエリアに応じて定めた金額を支給し、範囲内で出張者が宿泊・移動の費用を支払う方法です。これによって複雑な精算を単純化でき、手間と時間を大幅に削減できます。
この方法を採用する多くの企業で、距離やエリアに加え、役職ごとに異なる旅費金額が定められています。
出張日当を経費として節税
出張旅費規程のなかで、出張日当の支払いを明確に記載することで日当を経費扱いにできます。
当然、企業側、出張者側どちらも非課税となるため所得税や住民税を支払う必要がなく、企業側では社会保険料の負担額も抑えられます。出張が頻繁な企業では、大きな節税効果が期待できるでしょう。
旅費交通費を実費計算とした場合の負担
出張旅費規程がなく、旅費交通費が実費計算だった場合の負担はどうなるのでしょうか。
まずは出張にかかる費用がどのような勘定項目になるのか確認しましょう。
勘定項目 | 内容 |
---|---|
旅費 | 交通費、宿泊費 |
交通費 | 近距離の移動に必要となる交通費 |
旅費と交通費は、あわせて「旅費交通費」として扱われています。
この旅費交通費は、実費として経費扱いになるため非課税です。これとは別に、多くの企業で出張にかかわる細かい経費負担を考慮し、出張者に日当を支払っているケースもあります。
これらをすべて実費精算とした場合、企業側・出張者側それぞれに、どのような負担が考えられるでしょうか。
企業側の負担
経理部では宿泊や移動にかかった費用を一つひとつチェックし、間違いのないことを確認しながら精算しなければなりません。
ホテルや新幹線、飛行機であれば領収書から判断できるものの、公共交通機関では領収書がない場合もあり、あらためて料金を確認する必要も出てきます。この手間と時間は無視できないものになります。
出張者側の負担
出張者側では宿泊や移動時の領収書を保存し、領収書のない費用に関しては別途記録しておく必要があります。精算時には一つひとつを経費精算書に記入し、領収書を添付して提出しなければなりません。
出張費用の一部、もしくはすべてを仮払金として出張前に受取れる場合があるものの、精算まで立替しなければならないケースも多く、出張自体が大きな負担である可能性も大きいといえるでしょう。
出張旅費規程の作り方
精算の手間が軽減でき、節税効果のある出張旅費規程は出張の多い企業ではぜひとも作成しておきたいものです。
この出張旅費規程は就業規則として作成します。そのため、法的な様式は存在しないものの、作成に際していくつかのポイントを押さえておく必要があります。
支給金額・ルールの策定
まずは旅費、出張日当などを役職ごとに決定します。
定額支給を基本とするのであれば、出張地の距離やエリアなど、国内・海外含む基準を検討し、それぞれ決定していく必要があります。
また、過去の出張履歴をもとにイレギュラーなケースでの対応も考慮し、内容に盛り込むのも大切です。
出張旅費規程は企業内の従業員すべてに適用されるべきものであるため、対象者を明記するのはもちろん、精算方法のルールも策定して盛り込んでおく必要があります。
全従業員への周知
上述したとおり、出張旅費規程は全従業員を対象とすることが税法での認知条件です。
つまり、対象となる全従業員に対し、出張旅費規程の存在を周知させ、遵守するよう求めなければならなりません。このタイミングで、出張報告書の提出義務や精算方法のルール遵守、管理部門の決定なども周知させるのがいいでしょう。
定額支給時の注意点
出張旅費規程のメリットに、定額支給での精算負担軽減があることは解説しました。
この際の注意点としては、ホテルや移動手段の決済を「出張者本人」が行わなければならないことです。
これを法人カード決済や法人口座からの振り込みで支払うと、実費のみしか経費として認められません。定額支給の趣旨はあくまでも「出張者が立替した経費を、出張旅費規程に沿った内容で企業が支給する」ものだからです。
定期的に内容を見直す
定額支給や日当の金額について、法的な根拠や基準は定められていません。
しかし、しっかりとした根拠にもとづき、世間一般で妥当と思われる金額とする飛鳥があります。
これが一般的な金額と比較してあまりにも高額であると、税務調査の際に指摘されることもあるでしょう。支給金額に関しては、物価も考慮に入れつつ、定期的に見直していくのが望ましいといえます。
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出張規程に記載する項目
出張規程には特定のフォーマットがありません。実際に自社にあった出張規程を作れるよう、出張規程に記載する項目を紹介します。
出張規程を作る際には、業務を遂行するうえで必要な条件やルールが明確になるよう、次の項目を用意しましょう。
出張の定義
出張とは、一般的に通常の業務域を超えて業務遂行のため行う移動を指しますが、企業によって定義が異なることもあります。まずは、自社における出張の定義や条件を明確に示しましょう。
具体的には、「会社から一定距離(たとえば片道100km以上)離れた場所への移動が必要な業務を出張と定義する」といった内容を指します。これにより、出張手当や旅費の支給対象となる条件を明確にできます。
出張中の勤務時間の扱い
出張中の勤務時間は、通常の勤務時間とは異なる特性をもちます。出張中に働いた時間に対する取り扱いを定め、「出張中の移動時間も含め、所定の労働時間として計上する」といった規定を記載します。これは、労働時間の管理および労務管理の観点から重要です。
出張旅費の内訳
出張旅費の具体的な内訳を明記し、どの種類の経費が払い戻し可能であるかを明確にしましょう。通常は日当や交通費、宿泊費、食費、通信費などが含まれます。とくに日当は、一日あたりの上限額や算定方法を詳細に規定する必要があります。
出張旅費の金額
各種旅費の支給額や計算基準を設定しましょう。役職や出張の目的に応じて、支給金額の違いを設けることが一般的です。また、特別な交通手段(新幹線のグリーン車、飛行機のビジネスクラスなど)の利用に関する規定もここで明記します。税務処理においても、非課税枠を超える旅費の取り扱いには注意が必要です。
出張旅費の清算方法
出張から戻った後の経費精算手続きについて説明します。精算書の提出期限、必要書類(領収書など)の添付、承認手続きなど、精算にかかわる一連の流れを従業員が理解しやすい形で記載しましょう。
緊急時の対応
予期せぬ事態(自然災害、交通機関のトラブル、健康上の問題など)が発生した場合の対応策を明記します。とくに、海外出張の際は、緊急時の連絡体制や保険加入の有無、現地でのサポート体制など、安全確保のための詳細な指針が必要です。
出張旅費規程の書き方テンプレート
出張旅費規程として使えるテンプレートの雛形を紹介します。実際には、このテンプレートのほかにも「普通旅費表」や「役職別日当表」などの別表を用意するのが一般的です。
出張旅費規程で効果的にコスト削減するポイント
出張旅費規程によって定額支給を導入すれば精算の手間が省け、節税効果も期待できます。しかし、出張旅費を一定金額に収められても適正な金額までコスト削減するのは困難でしょう。
また、宿泊費や交通費などを工夫して支出を抑えれば、定額支給額から自由になる金額が多くなるため、不正の温床になることも考えられます。
それでは、出張旅費規程を遵守させつつ経費精算の負担を軽減し、コスト削減を実現するにはどのような方法が考えられるのでしょうか。
事前予算の承認
出張に先立ち、必要経費の詳細な予算立てと承認プロセスを設けることで、無駄な出費を未然に防ぎます。とくに、予算超過のリスクがある場合や、特定の案件に対する予算が限られている場合には、事前の承認がコストコントロールに効果的です。
宿泊費を実費精算にする
出張旅費規程を定める多くの企業では移動にかかる交通費を実費精算とし、宿泊費のみを定額支給としています。
この定額支給額を「上限」として設定し、交通費を実費精算とすることで、ある程度のコスト削減が可能でしょう。
しかし節税メリットは活かされるものの、精算業務の軽減メリットが薄くなってしまうのは否めません。
グループ割引や企業契約の活用
定期的に出張が発生する場合、ホテルや航空会社、レンタカー会社などとのグループ割引や企業間契約を結ぶことも方法の一つです。
一定量の利用を保証することによる優遇料金や特典を受けられる場合があるため、出張コストを削減できます。
出張時に利用する交通手段や宿泊先をあらかじめある程度決めておくことで、出張旅費規程を定めるうえでの予算管理とコスト削減がしやすくなるでしょう。
出張管理システムで一元管理
これらを解決する方法が、出張管理システムの導入です。
出張管理システムでは出張手配をオンラインに一本化でき、法人契約によってスケールメリットを活かした低料金での予約が可能になるほか、支払いも法人へ一本化できるため、経理部や出張者の負担も軽減できます。
システムによっては出張申請のワークフローや旅費データの分析が可能なものもあり、業務効率化の実現とPDCAサイクルでの改善でコスト削減効果も期待できます。
ガバナンス強化にも役立つ出張管理システム
出張業務の効率化や節税効果が得られる出張旅費規程は、頻度にかかわらず、業務での出張が考えられる企業にとって必須の就業規則です。
しかし、出張旅費規程があるだけでは適正なレベルに出張コストを削減するのは困難であり、規程を逆手に取った不正の温床にもなりかねません。
出張管理システムは旅費規程を補完してコスト削減を実現し、出張データを可視化することで、ガバナンス強化にも役立つのです。
出張者をコア業務へ集中させパフォーマンスを最大化するためにも、出張管理システムの導入検討をおすすめします。
BOXILとは
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