リモートアクセスとは?メリット・利用シーン・背景
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リモートアクセス とは
リモートアクセスとは、オフィス外で使用しているパソコンやスマートフォンから、ネットワークを介して社内システムにアクセスすることです。自宅をはじめ、サテライトオフィスやカフェなど、場所に関係なくアクセスできます。
たとえば、自宅にいるとき、社内システムにログインしなければ閲覧できない書類があったとします。その際、自宅のパソコンから社内システムにログインする、これがリモートアクセスです。
リモートアクセスは、テレレワークの推進やBCP対策(自然災害や火災などへの対応計画)などを目的に導入されます。
リモートアクセス発展の背景
リモートアクセスの発展の背景として、インターネット網の整備と働き方の変化があげられます。これまでリモートアクセスは専用回線で利用されており、利用できるのは一部の大企業に限られていました。しかし、インターネット環境の整備に伴い、手軽かつ低価格で利用できるようになったことで、一般にもリモートアクセスが普及しました。
近年注目されている「働き方改革」も、リモートアクセス発展の一因ともいえるでしょう。テレワークやフレックスタイム制などの活用が広がり、オフィス以外にも在宅やカフェを利用したり、自由な時間に働けたり、新しい働き方が広がってきています。この働き方改革を実現するために、時間と場所の制約を解決できるリモートアクセスが注目されています。
リモートアクセスの利用シーン
リモートアクセスの代表的な利用シーンとして次のものがあげられます。
- 外出先でデータの受け取りや更新ができる
- 社外からの社内データを更新できる
外出先でデータの受け取りや更新ができる
外出先で資料やデータが必要になった場合、メールで済ませることが多いでしょう。しかし、データの容量によっては受け取れなかったり、時間がかかったりします。そのようなときにリモートアクセスが利用できれば、スピーディーかつ確実にデータを受け取れます。
社外からの社内データを更新できる
社外からデータを更新する際にもリモートアクセスが活躍します。自宅やサテライトオフィス、カフェなど場所を問わず社内システムにログインすることで、すぐにデータの閲覧・更新が可能です。ワンタイムパスワードによってログイン制御もできるため、安心してアクセスの許可を出せます。
リモートアクセスの接続方法
ひと口に「リモートアクセス」といっても、接続方法はさまざまです。代表的な6つの接続方法について、特徴やメリット、デメリットを解説します。
- VPN接続
- API接続
- リモートデスクトップ
- セキュアブラウザ
- VDI(仮想デスクトップ)
- Daas
VPN接続
VPN接続とは、VPNインターネット上に仮想の専用回線を設置する方法です。VPNはVirtual Private Networkの頭文字をとった用語で、「仮想プライベートネットワーク」とも呼ばれます。暗号化された仮想ネットワークに接続して、データをやり取りするのが特徴です。
VPNは仮想ネットワーク上に構築されるため、特定のユーザーしか接続できません。一定以上のセキュリティが担保されるうえ、コストも比較的安価です。ただし、ぜい弱なVPNサーバーを利用した場合は、改ざんや盗聴といったリスクがあるので注意しましょう。
API接続
API接続とは、ソフトウェアやシステムの間をつなぐことで機能を拡張させる仕組みです。APIはApplication Programming Interfaceの頭文字をとった用語で、クラウド上に公開されたAPIを通じて社内システムにアクセスします。
API接続は、すでに公開されたプログラムを使用するため導入が簡単です。通信回線の影響も受けないため操作しやすいのもメリットといえます。
一方で、クラウドサーバーを使用するうえ、システム同士をつなげる仕組みのため、セキュリティ面に懸念が残ります。サーバー障害が起こった際の対策も必要です。
リモートデスクトップ
リモートデスクトップとは、インターネットを通じて、手元にあるデバイスから遠隔にあるコンピューターを操作する方法です。WindowsやMacといったOS、Webブラウザなどを利用します。たとえば、自宅のパソコンから、オフィスにあるパソコンのデスクトップを操作可能です。
リモートデスクトップによって作成されたデータは、遠隔にあるコンピューター(会社のパソコン)に保存されます。セキュリティ性は高いですが、遠隔操作されるコンピューターに電源が入っている、かつインターネットに接続されている必要があります。
セキュアブラウザ
セキュアブラウザとは、一般的なブラウザと比べてセキュリティが強固なブラウザのことです。情報漏えいや不正アクセスに強いため、高いセキュリティ性が求められるテレワークに向いています。
不正サイトのブロックをはじめ、フィッシング詐欺の検知、利用アプリケーションの制限、ダウンロード制限など機能が豊富です。しかし、検知やブロックの能力が高いために、本来必要なWebサイトまで閲覧不可能になる場合があります。
VDI(仮想デスクトップ)
VDIとは、「Virtual Desktop Initiative/Virtual Desktop Infrastructure」の頭文字をとった用語で、外部デバイスから社内のサーバーに接続し、コンピューターにアクセスする方法です。リモートアクセスと同様に、インターネットを経由して社内のコンピューターにアクセスします。
しかし、リモートアクセスでは外部デバイスとコンピューターが1台対1台ですが、VDIでは複数台対1台といった違いがあります。カスタマイズ性に優れているメリットがある一方で、導入コストが高いのが難点です。
Daas
Daasとは、クラウドを経由して仮想デスクトップを提供するサービスのことです。クラウド上にデスクトップ環境を構築することで、自宅やサテライトオフィスなど外部から社内システムを利用できます。
クラウドベースなのでインフラ構築の手間がかからないうえ、ユーザー数の増減にも対応しやすいのがメリットです。初期費用も安く抑えられます。ただし、障害発生時に利用できない(あるいは動作が遅れる)、セキュリティがベンダーに依存するといったデメリットもあります。
リモートアクセスのサービスについては次の記事で比較検討しているので、詳しく知りたい方はご覧ください。
リモートアクセスを導入するメリット
リモートアクセスを導入するメリットとして、次のものがあげられます。
- 多様な働き方を推進できる
- 災害やトラブルのリスク回避が可能
- コスト削減につながる
多様な働き方を推進できる
リモートアクセスでは、パソコンやスマートフォンなど、手元にあるデバイスから社内システムにログインできます。場所に関係なく利用できるため、テレワークやフレックスタイムなど、多様な働き方を推進できます。定着すれば、リモート環境でも組織の生産性を維持あるいは向上できるでしょう。
災害やトラブルのリスク回避が可能
災害やトラブルのリスク回避ができるのも、リモートアクセスの強みです。仕事や日常生活の中で、自然災害や火災、パンデミックなど、さまざまな緊急事態が起こりえます。
もし緊急事態が起こっても、企業としては売上を作らなければならないため、可能な範囲で業務を続ける必要があるでしょう。そういった際、リモートアクセスの環境が整っていれば、業務にもスムーズに取りかかれます。
コスト削減につながる
リモートアクセスを導入すれば、従業員が自宅からオフィスに移動するまでの交通費や残業代といったコストの削減が可能です。テレワークが定着すれば、毎日全員が出社しなくてよいため、オフィス規模も縮小できます。
リモートアクセスを導入するデメリット
リモートアクセスにはメリットがある反面、デメリットも存在します。とくに次の点には注意しましょう。
- 動作がネットワークに依存する
- セキュリティリスクが否めない
動作がネットワークに依存する
リモートアクセスは、基本的にインターネットを経由して利用するため、通信トラブルが起こると操作が難しくなります。ネットワークが遮断されれば利用できず、通信速度が遅い場合もタイムラグが起こります。動作がネットワーク環境に依存するため、オフライン環境でも業務を進められるような対策が必要です。
セキュリティリスクが否めない
リモートアクセスするためにはインターネットへの接続が必須です。そのため、情報漏えいやサイバー攻撃などのセキュリティリスクがあります。社内システムを守るためにも、ワンタイムパスワードやアクセス権限の設定、厳重な認証機能を取り入れるといった対策が必要です。
リモートアクセスで業務効率化・生産性向上を図ろう
リモートアクセスの導入によって、場所を問わず社内システムにアクセスできるため、活用しだいで大幅な業務効率化・生産性向上につながります。テレワークやフレックスタイムといった多様な働き方に対応できたり、災害対策にも役立ったりとメリットが多いです。
しかしながら、動作がネットワークに依存する、セキュリティリスクが否めないなど気をつけるべき点もあります。メリットやデメリットを踏まえたうえで、自社に合ったかたちでリモートアクセスを導入しましょう。
なお次の記事では、リモートアクセスの際に役立つサービスを紹介しています。
ぜひご覧ください。
こちらの記事ではリモートコントロールについて解説しているので、ぜひご覧ください。
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