今さら聞けないビジネスモデルとは?基本10パターンや作り方・事例を紹介
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- ビジネスモデルとは
- ビジネスモデルの特許
- ビジネスモデルの4要素
- ビジネスモデルの基本10パターン
- (1)消耗品パターン
- (2)継続課金パターン
- (3)マッチングパターン
- (4)フリーミアムパターン
- (5)二次利用パターン
- (6)シンブル物販パターン
- (7)小売パターン
- (8)広告パターン
- (9)合計パターン
- (10)ライセンスパターン
- ビジネスモデルの事例
- 事例(1)遊休スペースを活用したVRアトラクションの採算
- 事例(2)Wi-Fiマーケティングとスマートポスターによる集客モデル
- 事例(3)買い物下手な男性に向けた服の売り方とサブスクリプション機能
- ビジネスモデルの作り方
- 進出する業界のビジネスモデルを分析
- 新しいビジネスモデルを大量に考える
- ビジネスモデルをブラッシュアップ
- 取り組むビジネスモデルの選択
- ビジネスモデルキャンバスとは
- ビジネスモデルキャンパス9つの要素
- ビジネスモデルを考えるうえで重要なUX
- UX設計によって成功したビジネスモデル
- ボクシル編集部が選ぶ面白いビジネスモデル
- 俺のフレンチ
- 成功するビジネスモデルの展開
- BOXILとは
ビジネスモデルとは
ビジネスモデルとは、ビジネスとして利益を継続的に生み出すサービスや製品、あるいは収益の仕組みを定義した用語です。企業の事業戦略として「誰に、何を、どのように提供し、どこでどれだけ儲けるか」を示したものと言えるでしょう。
ビジネスモデルの特許
ビジネスモデル特許とは、ビジネスモデルを実施する際の技術的な工夫に関する特許のことです。そのため、今までにない新しいビジネス方法を実施しても、ビジネスモデル自体は特許になりません。
ビジネスモデルの4要素
ビジネスモデルを考えるうえで、重要な要素は4つに分解できます。それぞれの要素を考える際に、意識するべきポイントを解説します。
(1)Who:顧客
自社ビジネスモデルにおける顧客は誰か、ということをもちろん明確にしなければいけません。既存顧客はもちろんのこと顧客が属する母集団や、まだ顧客ではないがこれから顧客になりそうな潜在的な顧客も含むターゲット設定をしましょう。
(2)What:提供価値
「なぜこのビジネスモデルに対価を支払うのか」という、顧客にとっての価値を明確にしましょう。これは、商品やサービスの特徴や売りに直結する項目であり、顧客の立場で徹底的に考える必要があります。
また、単に顧客の需要を満たすものを提供するのではなく、新たな需要を生むものを考えると良いでしょう。
(3)How:プロセス
顧客への提供に至るプロセスも明確にしなければいけません。その仕組み、集客方法、提供方法、付加価値も具体的に決定していればいるほどで良いでしょう。
(4)Why:収益構造
自社がどのプロセス、機能で儲けるかということも重要です。どんなに良いサービスや商品があったとしても提供する自社の利益がなければ、破綻してしまいます。自社にとって収益性が高いか、また自社の強みが生かせるかということはよく検討する必要があります。
ビジネスモデルの基本10パターン
一言にビジネスモデルといっても、さまざまなパターンがあります。一般的なビジネスモデルの10の基本パターンを紹介します。
(1)消耗品パターン
大元となる商品の価格は抑え、消耗品やメンテナンスで収益率をあげていくのが消耗品モデルです。よく知られているのは、プリンタです。
一般家庭でよく使われるインクジェットプリンタは、本体価格の割にインクカートリッジが割高なものです。このほか、電動歯ブラシや浄水ポットも、消耗品モデルのビジネスと言えそうです。
消耗品モデルは、最初に商品を買ってもらえれば継続的な売り上げが見込める魅力的なビジネスモデルです。
(2)継続課金パターン
商品やサービスを定期的に使い続けてもらい、売り上げを確実にあげていくのが継続モデルです。たとえば、ウォーターサーバーは毎月決まったタイミングでお水が届き、毎月決まったタイミングで支払いをします。
継続課金モデルは、長期的に利用してもらえる仕組みやコンテンツ作り、継続利用してもらうのに支払いしやすい金額設定、また解約をされないようなサービスを提供し続けることが大事です。
(3)マッチングパターン
マッチングモデルとは、サービスを提供する側とユーザーを仲介するビジネスモデルです。不動産の仲介や人材募集サイトが代表例です。マッチングモデルでビジネスの主体となる企業は、マッチングの場を提供し、場を利用する企業や人の両方または一方に課金します。
提供できる情報の質が他と比較して優良であることや、これまでにないマッチングモデルであることがビジネスを成長させるために必要となります。
(4)フリーミアムパターン
機能を制限した「フリー版」を無料で多くの人に使用してもらい、一部のユーザーが有料プレミアム版にバージョンアップすることを狙っています。フリーミアムとは「フリー」と「プレミアム」を合わせた造語として使われています。
ニュースサイトでは、記事をある一定数までは無料で読めるが、次からは会員登録や有料登録が必要という仕組みはよく見かけるのではないでしょうか。この場合もフリーミアムパターンに分類されます。
重要なことは、フリーとプレミアムのバランスです。フリーの満足度も大事ですが、満足させすぎても有料会員になる人が減ってしまうので注意しましょう。
(5)二次利用パターン
同じ商品を名前やパッケージを変えて利用し、収益を上げるのが再利用モデルです。テレビ番組をDVD化して販売すること、昔流行った漫画をフルカラー版にして再販売することが挙げられます。
単純な物販モデルの会社でも、営業力に定評があるなら、営業ノウハウをまとめたセミナーをビジネスにしてもいいかもしれません。社員食堂のメニューがレシピ本になって大ヒットし、さらに行列のできる飲食店にまでなったケースもあります。
(6)シンブル物販パターン
個人もしくは企業が商品やサービスを企画・開発・製造を行い、消費者に対して提供して対価であるお金を受け取るビジネスモデルとなります。
ラーメン屋のケースを考えてみます。単純な物販モデルでビジネスを成功させるには、商品やサービスに優位性があることが最も重要な条件となります。ラーメン屋では圧倒的に美味しい、素材にこだわっているという利点があると成功しやすいです。
(7)小売パターン
商品を作らず、「仕入れて売る」といったビジネスモデルが小売モデルです。百貨店、コンビニエンスストアや多くのインターネット通販サイトは小売モデルとなります。
小売りモデルは、製造・開発を行っている企業から「仕入れて売る」というビジネスなので、競合他社と同じ商品を売って勝負しなければなりません。そのためポイント制度を利用し、利用者にインセンティブを与え、ユーザーに継続的購入をさせる付加サービスが必要です。
(8)広告パターン
新聞やインターネットでのニュースサイトの媒体に、広告を掲載させることで広告料金を企業から得るのが広告モデルです。広告モデルは、企業が広告を出せる場所を提供するビジネスモデルとなるため、場所の価値、利用者の人数がポイントとなります。
利用人数が少なくても、ある趣味や年齢層に特化して受け入れられているサイトであれば、そのターゲット層に対してメッセージを届けたい広告主にとってはメリットになるでしょう。
(9)合計パターン
消費者を呼び込む目玉商品を用意し、ついで買いをねらうビジネスモデルです。たとえば、あるチェーンの居酒屋では、誰もが注目する中ジョッキの生ビールやフードメニューは「こんなに安いんだ」と驚くような価格設定になっています。
一方、種類豊富なカクテルの値段は安くはありません。目玉商品を用意しこの店は安いと感じてもらい、利益率の高いカクテルのオーダーを促します。これは合計パターンのお手本です。格安旅行パックや保険サービスで、よく見られるパターンです。
(10)ライセンスパターン
ライセンスモデルは、再利用モデルの変型ともいいます。開発済みのモノについて再利用する権利を売買し、再利用「させる」ことや再利用「させてもらう」ことで収益を上げるビジネスモデルです。
たとえば、好評な漫画が映画化されることです。自社に素晴らしいコンテンツがあるという場合は、別の領域で強みを持った会社とライセンス契約を行うことで、ビジネスが広がるかもしれません。
ビジネスモデルの事例
実際に現在成功しているビジネスモデルを3つ紹介します。
事例(1)遊休スペースを活用したVRアトラクションの採算
遊園地やテーマパークにあるアトラクションは、一つの設備が数千万円から1億円以上するもので、広大な敷地も必要になります。それに対して、VR版のアトラクションは屋内の遊休スペースを有効活用できて、設備投資も安価で済むメリットがあります。
最新鋭のVR体験できる旗艦店としてのVRテーマパークを作り、全国にフランチャイズ方式で店舗網を広げていく方式や、VR施設と家庭用のVRゲームを連携させる方法といった、現段階では多様なビジネスモデルが考えられています。
事例(2)Wi-Fiマーケティングとスマートポスターによる集客モデル
Social Wi-Fiが導入されているレストランは、利用者が初めにメールアドレスの登録によりアカウント作成をします。その後、Wi-Fiサービスを無料で使えるようになります。電波の利用自体は無料ですが、店からの新メニューやキャンペーンの案内メールが送られてきます。
レストラン側は無料のWi-Fiサービスを提供するで、顧客の個人情報を正当に入手できます。そして、オンラインマーケティングを実行し、紙の広告に投じていた経費を大幅に削減できます。また、オンライン予約の受付や、配達サービスといった事業展開もしやすくなります。
事例(3)買い物下手な男性に向けた服の売り方とサブスクリプション機能
男性も服選び需要が高まっており、自ら服を選ぶ必要がないコーディネート型の販売モデルが伸びてきています。
米シカゴで運営される「Trunk Club(トランククラブ)」は、サイズ、好きなファッションスタイル、服の用途(ビジネス、プライベート)を指定することで、スタイリストが全身コーデをしてくれます。予算は、160ドル~350ドル程度となります。
シャツ、上着、パンツ、ベルト、靴などのアイテム十数点をすべてコーディネートし、1つのボックスに詰めて発送してくれます。利用者は自宅で試着をし、気に入れば丸ごと購入できます。また、気に入らないアイテムだけの返品も可能です。
サブスクリプションモデルに関する詳しい解説は次の記事をご覧ください。
ビジネスモデルの作り方
ビジネスモデルの作り方に決まりはありません。
しかし、どのような流れで作るとしても考えるべきポイントは決まっています。進出する業界や市場の調査・分析をしっかりと行い、その業界内で勝負できるビジネスモデルを丁寧に作ることが重要です。そこで、ビジネスモデルの作り方の流れを説明します。
進出する業界のビジネスモデルを分析
ビジネスモデルを作るうえで、まずは進出する業界について調べましょう。自身が考えたビジネスモデルをいきなり実施することは危険であり、競合他社や業界全体を知ることは必要不可欠になります。
競合他社が選ぶビジネスモデルには、理由や背景があります。どうしてこのビジネスモデルにしているのか、ということを徹底的に分析することで、業界全体の特性が見えるでしょう。
業界内のビジネスモデルを分析する手順は次のとおりです。
- 進出する業界のビジネスモデルを確認
- そのビジネスモデルが、どの「基本パターン」に該当するのかを分析
- 「なぜそのビジネスモデルが使われているのか?」という理由を探す
新しいビジネスモデルを大量に考える
次に、基本パターンやフレームワークを活用し、業界内で未発見の新しいビジネスモデルを考えましょう。より多くのビジネスモデルを考えることが重要になります。
短期間で大量のビジネスモデルを考えることは難しいため、基本パターンの組み合わせや成功事例を参考にするといった方法も試しましょう。
ビジネスモデルをブラッシュアップ
案として出たビジネスモデルを、ブラッシュアップしましょう。これにより、顧客に高い付加価値を提供できるビジネスモデルについて考えられ、成功に近づきます。
コツとしては、顧客の課題や悩みを解決するという視点で考え、斬新であっても付加価値が低いものは候補から外しましょう。
ビジネスモデルのブラッシュアップに活用されるのが、フレームワークとなります。ビジネスモデルを考える際に活用されるフレームワークは、ビジネスモデルキャンバスです。ビジネスモデルキャンバスについては、後ほど説明します。
ビジネスにおけるフレームワークについて知りたい方は、次の記事をご覧ください。
取り組むビジネスモデルの選択
最後にビジネスモデルの選択をします。このときに重要なポイントが、実現性です。魅力的なビジネスモデルであっても、技術や資金の問題で実現できなければ意味がありません。また、業界によっては法律や制度でうまくいかない可能性もあります。
多角的な視点からビジネスモデルの実現性を判断し、実現可能なものを残していきましょう。実現性という観点は、アイデアの幅を狭くしてしまうため、最後に判断することがおすすめです。
ビジネスモデルキャンバスとは
ビジネスモデルキャンバスは、ビジネスモデルを検討するためのフレームワークです。顧客のニーズを満足させるために、9つの要素に分解されています。
ビジネスモデルキャンパス9つの要素
ビジネスモデルキャンバスの9つの要素は、次のとおりです。
現状確認を通じてビジネスモデルの優位性や弱点の発見をすることで、より強固なビジネスモデルにブラッシュアップできます。
- 顧客セグメント
- 顧客関係
- 提供価値
- チャネル
- 収入構造
- 費用構造
- 業務活動
- 経営資源
- 提携先
ビジネスモデルキャンバスについてさらに詳しく知りたい方は、次の記事をご覧ください。
ビジネスモデルを考えるうえで重要なUX
ビジネスモデルを考えるうえで、UXが重要になります。ビジネスモデルを考えるときに、陥りやすい失敗として斬新な発想をしようとすることです。大事なのは斬新さではなく、どれだけ顧客のことを理解できているのかということです。そこで、大事なことがUXとなります。
UXとはユーザーエクスペリエンスのことであり、商品やサービスを通して利用者が得られる体験を表します。UXという視点で考えると、新しいアイデアが生まれる可能性があります。顧客にどのような体験をしてもらえれば、提供価値を最大化できるのか考えてみましょう。
UX設計によって成功したビジネスモデル
ABC Cooking Studioの事例を紹介します。
従来の料理教室は、花嫁修業の場やお金に余裕のある方のための場という認識がされていました。比較的単価が高く、限られた方のための教室というイメージが強かったのです。
ABC Cooking Studioは、独自のUXを設計することで新しい顧客の獲得に成功しました。それは次のとおりです。
- オープンな立地、教室空間にすることで敷居の低下
- 講師を選択制にしたことで自由度を向上
- 1クラスあたりの人数を減らし、講師とのコミュニケーションの双方向性を実現
気軽に通えて、楽しく料理を学べるというUXを設計しました。これは、UXを起点にし考えたからこそ、従来の常識に捉われない新しいビジネスモデルが実現しました。
ボクシル編集部が選ぶ面白いビジネスモデル
ビジネスモデルについて説明してきましたが、ボクシル編集部が面白いと感じたビジネスモデルの例として、俺のフレンチを紹介します。
他にも、面白いビジネスモデルは数多くあります。気になる方は、こちらのサイトをご覧ください。
俺のフレンチ
俺のフレンチでは、高級フレンチを手軽に食べられるようにするため、多くの工夫がされています。通常ゆっくりと食べるフレンチですが、俺のフレンチでは立ち食いスタイル(現在は全席着席)で始めました。これにより通常の3倍の顧客回転率を実現し、料理を低価格で提供できました。
質の高い料理を手軽に食べたい方に人気となり、シェフのモチベーションを高めるために好きな食材を自由に使える仕組みになっています。
成功するビジネスモデルの展開
さまざまなビジネスモデルが存在する中で、既存のもの参考にしてビジネスを考えることも重要です。また、参考にして少し付加価値をつけたモデルを考え、新しいビジネスとしてやっていくことも成功への秘訣です。
本記事で紹介したパターン以外にも、ビジネスモデルはいくつも存在します。過去の成功事例を参考にしてどんどん取り入れていれることも、ビジネスモデルを考えるうえで重要です。
BOXILとは
BOXIL(ボクシル)は企業のDXを支援する法人向けプラットフォームです。SaaS比較サイト「BOXIL SaaS」、ビジネスメディア「BOXIL Magazine」、YouTubeチャンネル「BOXIL CHANNEL」を通じて、ビジネスに役立つ情報を発信しています。
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