1on1の進め方やテーマは？効果的に実施するためのコツも

1on1ミーティングとは

1on1ミーティングは、上司と部下が個別に行う定期的な対話の機会です。このミーティングでは、過去の業務の振り返りや現在の業務状況、部下の課題や成果、さらには今後のキャリアプランなどについて幅広く話し合います。

1on1ミーティングは部下の成長やモチベーション向上、良好な人間関係の構築に大きく寄与します。また、組織内のコミュニケーションを促進し、個々のメンバーの能力を最大限に引き出すことが期待できます。

効果的な1on1ミーティングの進め方

1on1ミーティングを成功させるためには、次の手順を行うことが重要です。

1.事前確認やテーマの準備

1on1ミーティングを効果的に進めるためには、事前に目的を明確にし、アジェンダやテーマ、質問をまとめておくことが大切です。

目的を明らかにし、共有しておく

ミーティングの目的を明確にすることで、参加者間での理解を深められます。目的を共有することで、ミーティングの効果を最大限に引き出せます。

アジェンダやテーマ、質問をまとめておく

事前にアジェンダやテーマ、質問をまとめておくことで、ミーティングの進行がスムーズになります。参加者が事前に準備することで、議題に集中しやすくなります。

2.1on1ミーティングの実施

次の4つのポイントを意識し、1on1ミーティングの時間を有意義なものにしましょう。

前回の内容を振り返ったのち、今回のアジェンダやテーマの確認

前回のミーティングで議論された内容や課題を振り返ります。そして、今回のミーティングのアジェンダやテーマを明確にし、目標や焦点を定めます。この段階での確認は、会話の方向性を整え、効率的な議論を促進します。

部下が話したいこと、質問したいことを確認

部下に対して、話したい内容や質問事項について確認します。部下の関心や課題に耳を傾け、彼らの視点からの意見を尊重しましょう。部下の声をしっかりと受け止めることで、彼らのモチベーションやエンゲージメントの向上が期待できます。

課題に対しての解決策やアクションを部下に考えてもらう

部下に対して、みずから課題に対する解決策やアクションを考えるよう促します。部下が自身で解決策を考えることで、自己成長や自己責任の意識を高めます。また、アクションプランを共同で策定することで、目標達成へのコミットメントが高まります。

上司からのフィードバックを踏まえ、今後のプランを設定

フィードバックをもとに、部下とともに今後の行動計画を立てます。過去の経験やフィードバックを踏まえ、目標や戦略を再確認し、必要な修正や調整を行います。

3.部下がミーティングの内容を記録し、上司と共有

部下がミーティングの内容を記録し、上司と共有することで、両者が会話のポイントや行動計画を明確に把握できます。また、記録を通じて双方が進捗状況を確認し、目標達成に向けたアクションプランを共有します。

1on1ミーティングの主なテーマや内容

1on1ミーティングでは、現在の業務状況や過去の失敗談、成功体験、職場の人間関係、そして今後のキャリアプランや展望などが主なテーマとなります。

現在の業務状況や、過去の失敗談や成功体験

部下の業務状況について詳細に話し合うことで、進捗状況や課題を把握します。過去の失敗や成功体験を共有することで、部下は成長につながる学びを得られます。

職場の人間関係

職場の人間関係に関する問題や改善点を話し合うことで、チーム全体のコミュニケーションや協力関係を改善できます。信頼関係の構築やコミュニケーションスキルの向上は、チームの連携と効率性を高めます。

今後のキャリアプランや展望

部下のキャリアプランや将来の展望について話し合うことで、彼らの個人的な成長を促進します。目標の明確化とスキルの開発は、モチベーションの向上とチームメンバーの満足度につながります。

また、彼らが将来に向けてどのようなサポートを必要とするかを理解し、彼らのキャリアの発展を支援することが重要です。

効果的な1on1ミーティングのコツ

効果的な1on1ミーティングを実施するための4つのポイントを紹介します。

開催頻度や時間などを決めておく

1on1ミーティングを効果的に行うためには、定期的な開催頻度や時間を事前に決めておくことが重要です。開催頻度は週に1回や月に1回など、両者のスケジュールに合わせて調整します。

また、ミーティングの時間も適切に設定し、予定より長くなりすぎないように注意します。時間の設定は通常30分から1時間程度がよいでしょう。

部下が会話の主役になるように努め、上司は傾聴に徹する

1on1ミーティングでは、部下がみずからの意見や課題を率直に話すことが重要です。上司は部下が会話の主役となるように努め、彼らの発言に耳を傾けます。

部下の話に対して積極的にフィードバックを行うのではなく、彼らの言葉を理解し、共感する姿勢が求められます。これにより、部下が自信をもって自己表現しやすくなり、主体的な言動を促進します。

上司からのフィードバックの前に必ず部下に考えさせる

1on1ミーティングで上司が部下にフィードバックを行う際には、まず部下自身に考えさせることが重要です。部下に対して直接意見を述べる前に、彼らに課題や問題点を自己評価してもらいます。

このプロセスを通じて、部下はみずからの成長や課題を客観的に見つめ直す機会を得られます。また、自己評価のあとのフィードバックは、部下の受容性が高まりやすく、より建設的な議論が生まれます。

今後のアクションや結論は部下が出せるように導く

1on1ミーティングでの議論やフィードバックを踏まえて、今後のアクションや結論を部下自身が出せるように導くことが重要です。

部下がみずから行動を決定し、目標に向かって進むことで、彼らの自己成長が促進されます。また、部下がみずからの考えに基づいてアクションをすることで、彼らの責任感や自己効力感が向上し、組織全体のパフォーマンス向上につながります。

1on1支援ツールを導入する

1on1ミーティングの効果をさらに高めるためには、専用の1on1支援ツールを導入することが有効です。1on1支援ツールは、ミーティングのスケジュール管理や議題整理、フィードバックの記録などを効率的に行えます。

また、部下と上司がミーティングの前後で議題やアクション項目を共有しやすくなるため、コミュニケーションの円滑化にも役立ちます。

適切な1on1支援ツールを導入することで、ミーティングの成果を最大化し、組織全体のパフォーマンス向上に貢献します。

おすすめの1on1支援ツール5選

HRBrainは、1on1ミーティングの運用をサポートし、プロセスの透明化とミーティングの質を向上させるタレントマネジメントシステムです。HRBrainは、次のような特徴があります。

• 1on1で話す内容を標準化して、上司ごとの質のばらつきを防止できる
• 話した内容やフィードバックをデータとして蓄積・可視化できる
• サーベイを利用して社員のコンディションをリアルタイムで把握できる

TeamUpは、社内の1on1を見える化して社員一人ひとりの状態をタイムリーに認識する1on1ツールです。TeamUpは、次のような特徴があります。

• トピックの事前提出機能で社員の考えや今の状況を共有できる
• ログの記入や予定の調整を一括設定することで面倒な業務を効率化
• ログは細かく共有設定ができるため、適切な範囲で共有できる

CYDASは、上司と部下の相互理解を深めて1on1を成功に導くシステムです。CYDASは、次のような特徴があります。

• 1on1の記録をもとにした「パートナーレベル診断機能」で相互理解度を見える化
• トークテーマや目標の設定、話したい内容、コンディションをあらかじめ上司に共有できる
• アンケート機能やメッセージ送付で、1on1終了後の目標達成度や満足度の振り返りができる

KAKEAIは、本音を引き出し、1on1の属人化を防いで、1on1のスムーズな推進や定着をサポートするクラウドツールです。KAKEAIは、次のような特徴があります。

• 日程や内容を選ぶだけ、1on1の準備は約1分で完了できる
• ビデオ通話内蔵でリモート・対面の両方に対応
• データの蓄積やAIを活用して改善方法を掴める

カオナビは、社員の個性・才能を発掘し戦略人事を促進するタレントマネジメントシステムです。カオナビは、次のような特徴があります。

• 1on1テンプレートを利用して準備や実施内容の記録、進捗状況の管理が簡単にできる
• 1on1に役立つ人事情報や目標達成状況などの関連情報を一度にチェックできる
• アンケ―ト機能で従業員のコンディションを見える化して1on1が正常に機能しているか判断できる

1on1ミーティングを効果的に実施するには、進め方やテーマを確認しておく

1on1ミーティングを効果的に実施するためには、定期的な開催頻度や時間の設定が重要です。そのうえで、部下が会話の主役となるよう配慮し、上司は傾聴に徹することが必要です。さらに、部下にフィードバックをする際には、彼らに考えさせる時間を与えることで受容性を高めます。最後に、部下がみずからアクションを導くためのサポートを行い、彼らの成長と自己効力感を促進します。

1on1ミーティング支援ツールの導入も効果的です。しかし、その前には自社のニーズや予算に合わせて複数のシステムを比較検討することが必要です。1on1支援ツールは多種多様であり、使い勝手や機能の比較が重要です。無料プランやトライアルを利用して、導入前にしっかりと試験運用することがおすすめです。
1on1ツールは次の記事でも詳しく紹介しています。