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DWH(データウェアハウス)とBI(ビジネスインテリジェンス)の違い

最終更新日:(記事の情報は現在から702日前のものです)
DWH(データウェアハウス)とBI(ビジネスインテリジェンス)の違いを解説します。データを蓄積するためのDWH、データを分析するためのBI。いずれもデータ活用には欠かせないシステムです。

DWH(データウェアハウス)とは

DWH(データウェアハウス)とは、「Data Ware House」の略称です。いわゆるデータ保管しておく倉庫なようなもの、と考えるイメージしやすいでしょう。

データが大量になると、欲しいデータの抽出や保存などが困難になりがちです。そこで、DWHを利用すれば、DWHがDB(データベース)やデータレイクといった生のデータを集めて分析しやすいように変換して蓄積します。

さらに、DBやデータレイクに対してETLと呼ばれる作業ををほどこすことで、後のBIツールにて分析がしやすくなります。ビックデータの活用の必要性が高まる近年、大量のデータを有効活用できるDWHは注目を集めているツールだと言えます。

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BI(ビジネスインテリジェンス)とは

BI(ビジネスインテリジェンス)とは、「Business Intelligence」の略称で、DWHやデータマートにあるデータを分析すること、および分析するためのツールをさします。

企業が戦略を決定するにあたり、集積したデータを効率よくまとめることが必要です。そのため、BIツールの代表的な機能は、レポーティング、OLAP分析、データマイニング、プランニングなど企業の意思決定に役立つものばかりです。企業の意思決定者が無機質なデータをわかりやすい形に具体化するのが、BIツールであると言えます。

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DWHとBIの違い

DWHとBIの違いは、データを成型してためておくものと、ためたデータを分析するものという点にあります。DWHは、DBやデータレイクのデータを抽出して分析しやすいよう変換して格納します。それに対しBIは、DWHやデータマートに保存されているデータを用いて分析します。

下図の右から2番目がDWH、1番右がBIです。DWHとBIはいずれもデータ分析に必要な工程ではありますが、利用される場面と役割が異なります。

DWHはデータを格納・蓄積に特化しており、BIは格納されたデータをどう利用するかに主眼を置いています。どちらのプロセスが欠けていても、分析結果を得られません。このため、DWHとBIを組み合わせることで最終的にデータ分析が完了する関係であると言えるのです。

DBからデータレイク、DWH、BIツールまでの全体図

DWHとBIの活用に必要なETL

DWHとBIを活用するためには、前述したとおり、ETLが必要です。ETLとはさまざまな基幹システム(販売管理・顧客管理・生産管理・購買管理など)からデータを取り出し、DWHに受け渡すツールです。

基幹システムが1つのみの場合はシンプルですが、通常、企業では複数の基幹システムが稼働しています。ETLは基幹システムデータの「抽出(Extract)」「変換(Transform)」「書き出し(Load)」を実行します。各ステップの頭文字を取ってETLと略しているわけです。

ETLによって最初のデータ抽出の時間を大幅に短縮できます。複雑化する業務システムが必要となった現在において、ETLも不可欠なツールだと言えます。

DWHとBI・ETLの役割

それぞれの意味と役割が理解できたところで、もう一度それぞれの役割を整理しておきましょう。

  • ETLはシステムからデータを抽出し、DWHに渡せるように変換・書き出しを実行する
  • DWHはETLが抽出したデータを保管する
  • BIはDWHに蓄積されているデータを分析し、可視化する

DWHをBIで活用するまでの流れ

DWHにデータを蓄積してBIで分析することで、始めて分析結果を入手できます。

次はDWHからBIで分析するまでの具体的な流れをステップで解説していきます。BIとDWHがどんなやり方でデータを処理しているのかを確認していきましょう。

1. DBに収集

販売管理システムや会計ソフト、勤怠管理システムといった基幹システムにデータが保存されていきます。これらのデータをそれぞれDBと呼びます。もし、各システムでデータを蓄積したり抽出したりする体制が整っていないなら、まずはDBの調整からはじめましょう。

2. ETLを経てDWHに書き出し

DBのデータをETLを通じてDWHへ蓄積させます。DBのデータは分析に必要なものと不必要なものが混ざっています。そのため、ETLによって分析に用いるデータのみを分析しやすい形に変換してDWHへと保存します。

3 DWHを用いてBIを活用

DWHに保存されているデータを活用してBIにて分析を進めます。極端な話、DBをBIへ直接つないでも分析は可能です。ただ、わかりづらかったり工数がかかったりするため、可能ならばETLされた状態のDWHにあるデータを活用したほうが効率がよいでしょう。

【参考】企業による構成の違い

企業によっては、DBとDWHの間にデータレイクが、DWHとBIの間にデータマートが存在するケースもあります。データレイクとは各DBに散らばっているデータを取りまとめるためのもの、データマートとはDWHにあるデータをより分析しやすい形へカスタマイズしたものです。

これらの構成は企業によってまちまちであるため、業種や企業規模に応じて柔軟に体制を調整するとよいでしょう。

DWHとBIを活用して分析を効率化

DWHとBIはそれぞれまったく役割が異なりながらも、ともにデータ分析において重要なポジションを担います。DWHとBIの違いを理解した上で、それぞれ自社に適したツールを選ぶことが大切です。

特にBIツールは分析をするにあたって現場の担当者も触るシステムです。BIツールの選定は慎重に進めましょう。

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