コピー完了

記事TOP

「Macでリモートアクセス」に対応、Windows 365やシン・テレワークシステムHTML5版の魅力

記事の情報は2021-08-25時点のものです。
在宅勤務をするなら、テレワークを効率化できるシステムの導入が有効です。無料で使えるものもあれば、マイクロソフトが提供開始したDaaS「Windows 365」など、機能やコストの異なる多種多様なサービスが存在します。それぞれのメリットとデメリット、目的などから、最適なサービスを選びましょう。

テレワーク用システムがまた1つ

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大を防ぐため、在宅勤務が強く推奨されています。さらに、普段から在宅勤務できる環境を整備しておくと、台風などの災害発生時に事業継続計画(BCP)の一端を担わすメリットもあります。

在宅勤務に欠かせないテレワーク用システムは、多種多様なサービスが存在します。たとえば、以前紹介した東日本電信電話(NTT東日本)と情報処理推進機構(IPA)が提供している「シン・テレワークシステム」は、手軽に導入できて便利です。

ただ、シン・テレワークシステムはWindowsにしか対応しておらず、使える人は限られていました。それが8月に入ってHTML5対応となり、利用可能な環境が一気に広がったのです。

無償で利用可能「シン・テレワークシステム」とは

NTT東日本とIPAのシン・テレワークシステムは、仮想デスクトップ基盤(VDI)用ソフトウェアと仮想プライベートネットワーク(VPN)通信サービスをパッケージ提供します。実証実験の一環として運用されていることもあり、誰でも無償で利用可能です。

Windows専用のVDIシステム

シン・テレワークシステムは、オフィスに置かれているWindows搭載PCの画面を、自宅や外出先のPCから遠隔操作できるようにするリモートデスクトップサービスです。職場のPCをリモート操作すれば、自宅にいながらオフィスで作業しているように感じられます。

操作したいオフィスのPCに「サーバー用アプリ」を、自宅などのPCへ「クライアント用アプリ」をインストールするだけで、面倒なサーバー設定などせず使えます。契約やユーザー登録すら不要です。無料という点も、必要最小限のリモートワークをしたい場面ではとても助かります。

そうしたメリットが評価されたようで、2020年4月の提供開始から1年強経過した2021年7月末時点で、約17万人が利用しているそうです。

出典:NTT東日本 / NTT東日本とIPAによる「シン・テレワークシステム」の緊急構築と無償開放について

MacやChromebookでも使えるHTML5版が登場

シン・テレワークシステム利用時にインストールする専用アプリの対応OSは、Windowsだけです。つまり、オフィスのWindows搭載PCを自宅のWindows搭載PCから操作する、という用途にしか使えません。これに対し、「自宅のMacやChromebook等から利用したい」という要望が多く寄せられたそうです。

そこで、NTT東日本などはmacOSやChrome OS向けのクライアント用アプリを新たに用意するのでなく、アプリなしで使える「HTML5版」を開発しました。これによって、HTML5対応ウェブブラウザーさえあれば、どんなOSのPCからでもオフィスPCのWindowsリモートデスクトップ環境にアクセスできます。アクセス先は引き続きWindows搭載PCだけですが、自宅にわざわざWindowsマシンを用意する必要はなくなりました。

手軽さが魅力のシン・テレワークシステムで、自宅PCへのアプリインストールが不要になり、利便性がさらに向上しています。

出典:NTT東日本 / 「シン・テレワークシステム」のHTML5版の開発と提供について

管理者いらずでセキュリティも安心

シン・テレワークシステムの使いやすいところは、ルーターやファイアウォールの設定を変えずに利用できることでしょう。IT管理者の手を煩わさないで済みますし、管理者のいない職場でも導入が容易です。

オフィスと自宅のPCは、一般のインターネット回線を介して通信します。ただし、自動的にVPNを構成してSSL暗号化通信でデータをやり取りするので、情報漏えいの心配がありません。自宅PCに業務用のデータを保存することもなく、そこからの情報流出も心配無用です。

当初、2020年10月で提供終了する予定でしたが、期限は延長され、現在のところ2022年3月31日までは提供するとしています。導入や運用の負荷が軽く、使いやすくセキュリティの心配も少ないサービスですので、試験的にでも使ってはどうでしょうか。

登場したばかりの本格派「Windows 365」

NTT東日本などのシン・テレワークシステムにはメリットが多いものの、オフィスPCをリモート操作する機能しかなく、柔軟性は高くありません。オフィスのPCを常に動かしておくので、PCの台数は減らせません。そして、そもそも実験的に提供されているので、サービス品質(QoS)が保証されないという大きな弱点があります。

既存のオフィスPCを外部から手軽に使う方法として優れているものの、本格的なテレワーク環境の構築には力不足です。

予算を確保できるなら、Windows仮想マシンがクラウドサービス提供される、マイクロソフトのデスクトップ・アズ・ア・サービス(DaaS)「Windows 365」を利用する方法もあります。

本家マイクロソフトのDaaS版Windows

Windows 365は、Windows仮想マシンの機能をVDIとして提供するクラウドサービスです。7月に発表され、8月3日に提供が始まりました。

仮想的なWindowsマシンがクラウド環境で動いていて、ユーザーはウェブブラウザーやクライアントアプリを使ってアクセスします。アクセスする側のデバイスは、Windows搭載PCに限られません。MacやiPad、Linuxマシン、Androidデバイスはもちろん、HTML5対応ブラウザーの動く環境であれば、なんでも使えます。Chromebookのような端末でも利用可能です。

仮想Windowsマシン上ではマイクロソフトの各種アプリが動くので、普段の業務で困ることは少ないでしょう。場所の制約やOSの違いから開放され、いつでも同じ環境で作業できます。作業に使うWindowsマシンはクラウド環境に存在し、オフィスにPCを残しておく必要がありません。現在のように移動の難しい状況では、無駄を排除しつつ柔軟性を高められる、優れた仕組みです。

なお、仮想マシンで動かせるOSは今のところWindows 10のみですが、2021年後半にはWindows 11も選択可能になります。Windows 11非対応のPCでも、Windows 365のクライアントとして活用すれば、実質的にWindows 11が動かせるわけです。これもメリットの1つでしょう。

出典:マイクロソフト / Introducing a new era of hybrid personal computing: the Windows 365 Cloud PC

1ユーザーあたり月額2,720円から

Windows 365は、まず、大きく分けて中小企業向けの「Windows 365 Business」と大企業向けの「Windows 365 Enterprise」の2エディションあります。最大ユーザー数は、前者が300人、後者が無制限です。

料金は月額制で、いずれもユーザー1人あたり税別2,720円から。仮想マシンの構成は、プロセッサが1個、RAM容量が2GB、ストレージ容量が64GBから設定でき、最大でプロセッサを8個、RAMを32GB、ストレージを512GBまで増やせます。

出典:マイクロソフト / Windows 365 クラウド PC

コストはかかるが検討の価値あり

仮想Windowsマシンの管理は、管理者用コンソールから一括で実行可能です。各ユーザーは、オフィスだろうと自宅だろうと、どのマシンからだろうと、同じ仮想マシンにアクセできます。業務で使うデータはクラウド環境に保存されるので流出の危険が少なく、クライアントマシンを変えても仕事をそのまま続けられます。

Windows 365を利用すれば、オフィスにPCを置いておく必要もありません。オフィス用PCのメンテナンスが不要になり、負荷の高いセキュリティアップデート適用作業も軽減されます。これは管理者にとって大きなメリットです。

シン・テレワークシステムと違ってコストはかかりますが、本格的なテレワークシステムを構築する必要があるのなら、検討する価値があるのではないでしょうか。

VDIの長所と短所は

VDIシステムには、シン・テレワークシステムのように無料で手軽に利用できるものもあれば、Windows 365のような有料DaaSや、自前の環境を用意しなければならないオンプレミスサーバー型など、タイプはさまざまです。目的やかけられるコストに応じて適したサービスを選ぶわけですが、本質はどのVDIも変わらず、共通した長所と短所があります。

メリットはいろいろ

目に見えやすいメリットは、インターネット接続できる環境があれば、いつでも、どこでも、同じPCのデスクトップが即座に利用可能なことです。サービスの種類によりますが、PCだけでなくスマートフォンやタブレットからアクセスできたり、クライアントとして使えるOSの幅が広かったり、自由度が高まります。

クライアントで作業して編集したデータは、サーバーに保存されます。そのため、クライアントデバイスが変わっても、常に最新データにアクセス可能です。さらに、クライアント用デバイスが盗まれたりしても、データは漏えいしません。

ITシステムの管理という観点でみると、管理の負荷軽減は大きなメリットです。セキュリティ確保が容易になりますし、PC購入や設置という作業から解放されます。

さらに、BCP対策としての効果も見逃せません。

主なデメリットはコスト

デメリットは、やはりコストがかかることでしょうか。シン・テレワークシステムのような例外は存在しますが、PC購入に比べ圧倒的に安く済む、ということはありません。IT管理の負荷軽減で間接的なコストは低減するものの、大きな期待は禁物です。

特に、仮想マシン用サーバーをオンプレミス環境で運用する場合のコストは高額ですし、専門的な知識のあるIT担当者が必要になります。Windows 365のようなDaaSであれば、オンプレミスサーバーは必要なく、コスト面でやや有利です。

どれだけのコストをかけられるのかは、VDIシステム選定の重要な要素となります。場合によっては、シンプルなChromebookとクラウドアプリサービスの「Microsoft 365」(旧名称「Office 365」)を組み合わせて使う、という方法が最適かもしれません。VDIに固執せず、目的を見失わず適切なリモートワーク環境を構築しましょう。

「シン・テレワークシステム」NTT東とIPAが緊急開放、セキュリティの注意点 - 無料で安全
会社のPCへ自宅からアクセスできるリモートアクセスサービスを、NTT東日本とIPAらが緊急開発。新型コロナ対策とし...
詳細を見る
大注目、クラウドPC「Windows 365」とは  - 月額料金制で中小企業も導入しやすく
マイクロソフトが、Windowsをクラウドサービスとして提供する「Windows 365」の提供を開始しました。W...
詳細を見る
VDI(デスクトップ仮想化)とは | シンクライアントとの違い・サービス比較
VDI(デスクトップ仮想化)とは「端末の機能は必要最小限にしてサーバー側で処理を行う仕組み」のことです。VDIの仕...
詳細を見る
Microsoft 365(旧Office365)とは?価格・機能・ライセンス・特長まとめ【比較表あり】
Microsoft 365(旧Office365)は、マイクロソフトが提供している製品をサブスクリプション形式で利...
詳細を見る
選び方ガイド
リモートアクセス
選び方ガイド
この記事が良かったら、いいね!をしてください!最新情報をお届けします!
御社のサービスを
ボクシルに掲載しませんか?
掲載社数3,000
月間発生リード数30,000件以上
リモートアクセスの最近更新された記事