デジタルアダプションツールおすすめ比較11選!選び方・メリット・活用方法
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デジタルアダプションツールとは?
デジタルアダプションツールとは、ユーザーが特定のシステムを使用する際に、そのシステムの操作方法や機能をわかりやすく教えてくれるツールのことです。デジタルアダプションツールは、システムの画面上にヒントやガイドを表示したり、エラーを防止したり、効率的な操作方法を提案したりすることで、ユーザーのシステム利用をサポートします。
デジタルアダプションツールの種類
デジタルアダプションツールは、主に「顧客向け」と「従業員向け」の2種類に分けられます。
顧客向けデジタルアダプションツール
顧客向けデジタルアダプションツールとは、Webサイトやアプリなどを提供する企業が、サービスの使い方やメリットを顧客へ伝えるために使用するものです。
たとえば、ECサイトで商品の検索方法や購入方法を説明したり、オンラインゲームでゲームのルールや操作方法を教えたりする場合に使われます。
従業員向けデジタルアダプションツール
従業員向けデジタルアダプションツールとは、企業内で使用するシステムやソフトウェアに関する研修やサポートを行うために使用するツールです。
たとえば、基幹システムやCRMなどの操作方法や機能を学習したり、新しいシステムへの移行を支援したりする場合に使われます。
デジタルアダプションの重要性
デジタルアダプションツールがなぜ重要かというと、ツール使用者のITリテラシーが低くてもシステムを使えるようになるからです。
現在、会計や営業、マーケティング、在庫管理などの業務はシステムを通じて管理されています。しかし、これらのシステムは、ユーザーが正確に情報を入力することが前提で作られています。もし、ユーザーが情報を正しく入力できなかったら、システムの効果は半減してしまうでしょう。
そこで、デジタルアダプションツールを使用すればリテラシーのばらつきが解消され、誰でもシステムを使いこなせるようになります。よって、データ分析の精度向上や業務効率化につながるため、デジタルアダプションツールは非常に重要なツールです。
デジタルアダプションツール活用のメリット
デジタルアダプションツールの主なメリットは、次のとおりです。
- システムの短期定着化
- 従業員の生産性向上
- 問い合わせ対応の効率化
- 顧客満足度やロイヤリティを高める
- コンバージョン率や売上向上
- システムの使用効果向上
- データ分析の精度の向上
- 情報のリアルタイム性の向上
アダプションツールを使うことによって、従業員がシステムの使い方を短期間で習得可能です。また、システムを使うのがユーザーであれば、システム使用をツールがサポートするので問い合わせ数が減少する効果も期待できます。
デジタルアダプションツールの選び方
デジタルアダプションツールを選ぶ際は、次の流れで確認しましょう。
- デジタルアダプションツールの導入目的を確認する
- デジタルアダプションツールの機能を確認する
- デジタルアダプションツールを導入する際の注意点を確認する
- デジタルアダプションツールの料金・価格相場を確認する
デジタルアダプションツールの導入目的を確認する
デジタルアダプションツールの導入を検討する際は、まず導入目的を明確にしましょう。主な導入目的は次のとおりです。
導入目的 | 詳細 |
---|---|
ユーザーのシステム利用をサポートしたい | ユーザー体験の改善に特化したデジタルアダプションツールがおすすめ |
従業員のシステム利用をサポートしたい | 社内システム利用サポートに特化したデジタルアダプションツールがおすすめ |
システムを消費者向けに提供する企業向けのデジタルアダプションツールでは、マーケティングやCRMといった機能がセットになっていることが多いです。
一方で、経費精算システムやワークフローシステムなどの「従業員向けシステム」に使うデジタルアダプションツールは、組織活性化のための機能に特化していることが多いです。
両方の目的で使用できるデジタルアダプションツールも存在しますが、まずは導入目的を明確にしましょう。
デジタルアダプションツールの機能を確認する
デジタルアダプションツールでできること、利用できる機能は次のとおりです。上記の導入目的・課題をどのように解決できるか記載しているため、必要な機能を洗い出しましょう。
機能 | 詳細 |
---|---|
ガイド機能 | マニュアル表示、ヒント表示などでユーザーのシステム利用を補助する機能 |
アナリティクス機能 | ユーザーのシステム利用状況を分析して、ユーザービリティ向上のヒントを得る機能 |
プロセス自動化機能 | 定型操作を自動化してユーザーの入力業務を効率化する機能 |
大きく分類すると、「ガイド機能」「アナリティクス機能」「プロセス自動化機能」の3種類が搭載されています。
ユーザー向けツールではCRMとの連携やマーケティング関連の機能、従業員向けでは、ピアボーナス®や社員プロフィールといった組織活性化機能が搭載されていることが多いです。
※「ピアボーナス®」はUnipos株式会社の商標です。商標権者から使用許諾を得ています。
デジタルアダプションツールを導入する際の注意点を確認する
デジタルシステムを導入する際、失敗しないために次の項目も確認しておきましょう。
確認事項 | 詳細 |
---|---|
何のアダプションを行うのか | WebアプリやWebサイト向けなど使える媒体に制限があるツールが多いので、検討しているツールが使えるかを確認 |
デジタルアダプションの方法 | ガイド表示やマニュアル表示など、必要なサポート方法でユーザーのシステム利用をサポートできるのか |
セキュリティレベル | とくにカスタマーエクスペリエンス改善系のツールでは、ユーザー情報を取り扱うため、求められるセキュリティレベルをクリアしているか |
デジタルアダプションツールの料金・価格相場を確認する
デジタルアダプションツールの料金・価格相場は、「顧客向け」か「従業員向け」かによって異なります。
ユーザー向けのアダプションツールの場合は、コンサルティングサービスとツール利用が一体になっている高額なものも存在します。一方で、従業員向けのアダプションツールに場合は月々1ユーザーあたり数百円から使用可能です。
料金プランを開示していないツールも多いので、ある程度導入目的や機能をもとにシステムを選定したうえで見積もりをとることをおすすめします。
おすすめユーザー向けデジタルアダプションツール8選
デジタルアダプションツールの選び方を踏まえたうえで、とくにおすすめのシステムを紹介します。ユーザーエクスペリエンスを改善するために使用できるのが次のシステムです。
- 1st Party Customer Dataをマーケティングに役立てるCSツール
- Web接客、アプリ、メッセージなど幅広い媒体に対応
- カスタマージャーニーの作成からパーソナライズ対応まで一貫して実施可能
KARTEはCSツールの一種で、Web接客用・アプリマーケティング用・広告配信最適化用など、用途に合わせてさまざまなパッケージが用意されています。
ユーザー・サイト分析のような分析工程から、メール配信やLPOといった実際に反響率を高める工程まですべてこのツールで完結。社内に浸透するようにオンボーディングにも注力していて、カスタマーサクセスチームがツールに関する日々の疑問に答え、有償のプロフェッショナルサービスの提供や、認定パートナーの紹介も実施しています。
Arch - HiCustomer株式会社
- 数クリックで顧客専用のサポートページを作成
- 自動リマインドでうっかり遅延を防止
- Salesforceと連携できるので二重管理にならない
Archは、カスタマーサクセス用のデジタルアダプションツールです。簡単に顧客支援ページを作成でき、サポート状況をメモ書きとして残せます。
サポート用のコンテンツを一元集約できるのはもちろん、ユーザーの行動を分析してエンゲージメント測定もできるので、顧客の離脱防止にもつながります。タスクステータスの変化や遅延、顧客のログインなど、顧客のアクティビティをSlackに通知できるため、リアルタイムで顧客情報を捉えられるところも特徴です。
Fullstar - クラウドサーカス株式会社
- カスタマーサクセスのために無料から使用できるアダプションツール
- プロダクトアナリティクスでシステムの使用状況を分析可能
- オンラインマニュアルサイトも完備
Fullstarは、チュートリアル作成のためのデジタルアダプションツールです。無料プランも設定されており、お試しで1つのチュートリアルを作成、満足度調査・アンケート作成、プロダクトアナリティクス機能が使用できます。
LTVを最大化するために必要な機能が豊富に搭載されており、プロダクトへの反応を確認したり、ユーザーの状況を分析したりといったことがこのツール1つで可能です。
Onboarding - 株式会社STANDS
- Webサービスをノーコードで改善
- ユーザーの状況、属性・習熟度などに応じ、さまざまな条件設定をして表示
- 機能活用レポートで効果の出る施策を分析・実施
Onboardingは、Webサービスを改善するためのデジタルアダプションプラットフォームです。チュートリアルやヒント形式のガイドを表示できるのはもちろん、ユーザーごとの状況に応じて表示するガイドを設定できます。
表示した結果がどの程度ユーザーに貢献しているかは機能活用レポートによって分析できるので、定量的にPDCAを回せるでしょう。プロダクトの開発工数削減や受注率・LTV向上、サポート工数の削減といった目標に使用できます。
openpage - 株式会社openpage
- 営業・CSの案内業務を自動化して工数削減
- 顧客状況を可視化して適切な対応が可能
- 専用サイトで顧客コミュニケーションを効率化
openpageは、営業・CSのためのデジタルアダプションツールです。顧客コミュニケーションのための専門サイトを構築することにより、顧客対応にかかる工数を大幅に削減しつつ、顧客データに基づいた対応とレコメンドによって、売上アップを同時に達成しうるツールです。
AIによる業務効率化機能も搭載されており、AI入力やAI音声解説、AI要約、AI翻訳などといった顧客とのコミュニケーションに便利なアシスタント機能がついています。
Pendo - Pendo.io,Inc.
- カスタマーサクセスのためのオールインワンプラットフォーム
- 過去を遡るアナリティクスと定性的なフィードバックを組み合わせて顧客分析
- 高機能でありながらローコードで使用できる
Pendoは、世界中の企業で採用されている顧客向けのデジタルアダプションツールです。ローコードでアダプションできるので、プロダクトやマーケティング、カスタマーサクセス、ITの各チームが工数を削減しつつ、顧客対応に注力できる体制を構築できます。
スタートアップが優れたプロダクト体験を提供するのに必要なツールがすべて搭載されており、売上アップが期待できます。
- 顧客心理を解明してカスタマーエクスペリエンスを改善
- SprocketのタグをWebサイトに入れるだけで導入できる
- コンサルタントによる充実のサポート体制
Sprocketは、データとテクノロジーを通じて顧客心理を解明し、CXを改善するためのサービスです。デジタルアダプションツールで顧客体験を向上させるのはもちろん、コンバージョンが向上するようにプロが分析から施策立案をサポートしてくれます。アパレルや金融、EC、外食など幅広い業種に対する導入実績があります。
WalkMe - WalkMe株式会社
- Webアプリ、モバイル、デスクトップアプリなどガイド環境を選ばない
- ユーザーの行動をAIが解析して適切なガイドを導出できる
- 柔軟かつ迅速に設定の修正ができる
WalkMeは、DXの投資対効果を最大化するためのデジタルアダプションツールです。テクノロジースタックを可視化し、定量的に成果を分析することによってPDCAを回しながらシステムの定着およびDXを推進可能です。
世界中で使われているだけあってセキュリティは強固で、GDPRやCCPAといった法的規制にも対応しています。また、ISO/IEC 27001をはじめとする各種認証も取得しています。
おすすめ従業員向けデジタルアダプションツール3選
社内システムの利用促進のために使用できるデジタルアダプションツールとしては、次の3つのシステムがおすすめです。
- ノーコードで社内システムの利便性を向上
- オートフロー機能で定型操作を自動化
- 利用分析でシステムの利用状況を定量的に把握できる
テックタッチは、従業員向け顧客向けの両方に活用できるデジタルアダプションツールです。ガイドを表示できるだけではなく、定型操作を自動化できる機能があるので入力作業の効率化自体にも効果があります。
また、アダプションツールを通じてシステムの使用状況を分析できるため、使われている機能・使われていない機能のチェックも可能です。
BizFront - NTTテクノクロス
- アノテーション、入力補助の2パターンの機能
- ヘルプ表示のタイミング、位置は自由に追加できる
- 既存システムを改修せずに使用できる
BizFrontは、注釈・ヘルプ機能を持った「アノテーション」ガイド表示、入力補助機能を持った「SmartUI」の2種類のシステムによって構成されています。
従業員が主に使用することを想定して作られており、既存システムの改修なしに使用できて、業務ナビゲーションやシステム間データ転記、CSV入力と追加できる機能も豊富です。表示ツールをインストールしないサーバー形式でも利用可能です。
Colla - 株式会社トラックレコード
- 社員の声を集めてチームを強化するチームアシスタントツール
- Slackと連携して使用できて、最短2分で導入完了
- 社員プロフィール、ピアボーナスの機能も搭載
Collaは、Slackに連携して使用するコミュニティマネージャーBotです。Botのアシスタントが従業員の業務をサポートしたり、社員の声を収集したりしてくれます。社員のサポートをしてくれるだけではなく社員プロフィール、ピアボーナス、雑談の促進、アンケートといった組織を活性化するための機能が豊富に搭載されています。
導入方法はSlackに連携するだけなので、2分程度の作業で完了する点も魅力的です。フリープランはシャッフル、社員プロフィール機能だけですが、1ユーザー月額380円のスタンダードプランに加入すればすべての機能が使用できます。
デジタルアダプションツールで着実なシステム活用を
デジタルアダプションツールにはシステムの早期定着化、問い合わせ対応の効率化というメリットがあり、なんらかのシステム利用を補助したい場合におすすめのツールです。選定の際は次のポイントに注意して選ぶのをおすすめします。
- カスタマーエクスペリエンス改善、従業員のシステム利用促進どちらを重視するのか
- 求めているサポート方法で顧客のシステム利用を促進できるのか
- トータルのコストは許容できる範囲なのか
デジタルアダプションツールについてより深く検討したい方は、サービス資料を請求し比較するとよいでしょう。