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Excelで人事管理は可能?活用可能な業務や便利なシステムを紹介

最終更新日:(記事の情報は現在から21日前のものです)
人事管理を気軽に行いたい場合、Excelを活用する方法があります。本記事では、Excelで行える人事管理業務やメリット、注意点などを解説します。人事管理を効率化できる便利な人事管理システムについても紹介しているため、ぜひ参考にしてください。

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Excelで行える人事管理業務

Excelでも人事管理は可能です。対応可能な業務として次のものがあげられます。

  • 従業員名簿の作成
  • 採用管理
  • 勤怠管理
  • 給与明細の作成
  • 目標や実績の管理・評価
  • 資格・研修履歴の管理

従業員名簿の作成

Excelのシートに従業員の情報をまとめることで名簿を作成できます。従業員名簿は、労働基準法により作成および保存が義務付けられている書類です。具体的には、次の項目を記載する必要があります。

  • 氏名
  • 性別
  • 生年月日
  • 住所
  • 従事する業務の種類
  • 雇入れ年月日
  • 退職または死亡年月日と事由

従業員名簿の作成は法律で義務付けられているうえ、労働基準監督署によるチェックの対象となります。上記の項目を満たし、正確に管理することが重要です。

採用管理

Excelでは、採用にあたっての応募者の基本情報やスキル、選考状況などを記載してまとめる「採用管理表」の作成も可能です。面接担当者の名前や結果を連絡した日などを入力すれば、応募者への連絡漏れも防げます。採用管理表に入れるべき項目は次のとおりです。

  • 応募者の氏名
  • 応募者の連絡先
  • 応募経路
  • 応募者が希望する職種・配属先候補
  • エントリー日や選考の進行状態
  • 面接日時・面接担当者
  • 選考ステータス
  • 結果連絡日・採用日

従業員名簿のように作成が義務付けられていたり、労働基準監督署に整備状況をチェックされたりするわけではありません。自社にとって見やすい形式でまとめましょう。

勤怠管理

Excelでは従業員の勤怠状況も管理できます。勤怠に特化したシステムと比べると機能性は劣るものの、始業時間と就業時間を入力することで勤怠時間を自動計算できる仕組みを構築できます。ただし、自動計算の仕組みを作るには関数のスキルが必要です。関数を使いこなせるようになれば計算式も自由に扱えるうえ、自社の労働形態や労働時間性に応じて柔軟にカスタマイズできます。

給与明細の作成

勤怠管理と同じように関数を活用することで、Excel内で給与明細も作れます。給与明細を作成する際は、次の項目を記載しましょう。

  • 月の労働時間(出勤・欠勤日数、労働時間)
  • 基本給と各種手当の支給額
  • 控除額(健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、介護保険料など)
  • 口座振込額

残業時間や社会保険料、通勤手当なども計算できると便利です。ただし、給与を算出する際に使う税率が変わったり法改正がされたりした場合は、その都度シートを更新する必要があります。

スケジュールや目標の管理

Excelでは、従業員やチームのスケジュール、目標も管理可能です。たとえば、チームメンバーの1か月の予定を入力すれば、それを互いに把握できます。全員の予定を1枚のシートにまとめることで、イレギュラーが発生したときや従業員による相談ごとがある場合にもスピーディーに対応できるでしょう。

同じように目標も管理可能です。最終的な目標を達成するための小さな目標をタスク化したり、進捗を共有したりといったKPI的な使い方ができます。見やすい管理シートで正確な目標管理ができれば、従業員のモチベーション向上にもつながります。進捗や目標達成率を可視化できるため人事評価での活用も可能です。

資格・研修履歴の管理

Excelでは、従業員一人ひとりの資格や研修履歴も管理可能です。これによって、「誰がどのようなスキルをもっているのか」「どのレベルまでの研修が済んでいるのか」を把握できます。研修履歴では受講率の分析もできるため、社内全体でどのくらい教育が進んでいるのかも把握可能です。

従業員のスキルを正確に把握することは、適切な人材配置に役立ちます。資格の取得日や更新日をまとめておけば資格の失効も防げます。

人事管理をExcelで行うメリット

人事管理をExcelで行うメリットは次のとおりです。

  • 人事管理のコストを削減できる
  • 使い慣れている人が多いため定着しやすい
  • 知識やスキルがあれば作り込める
  • CSVで保存すれば外部システムでも利用できる

人事管理のコストを削減できる

ExcelはMicrosoft社のツールなので、すでに利用している企業も多いはずです。導入済みの場合、そのままExcel内に新しいシートを作るだけで人事管理を始められます。導入負担が少ないうえ、すでに利用していれば初期費用や月額費用もかかりません。人事管理を行う担当者すべてのパソコンでExcelを契約していれば無料で始められます。

使い慣れている人が多いため定着しやすい

社内でExcelを導入している場合、従業員の多くが基本操作を理解しており、なかには関数やマクロを使いこなせる人もいるでしょう。全員が「Excel」という共通言語を理解していれば、新たに人事管理シートを作ってもスムーズに定着します。コストもほとんどかからないため、人事部門のために専用ソフトを導入するよりもハードルが低いです。

知識やスキルがあれば作り込める

正確で細かい人事管理シートを作るためには、「関数」や「マクロ」の知識とスキルが必要です。しかし裏を返せば「知識やスキルさえあればシートを作り込める」ともいえます。関数とマクロには次のような特徴があります。

Excelスキル 概要
関数 セルの合計値や平均といった計算処理を行うこと。簡単な関数はワンクリックで出力できるが、特定範囲のセルを指定したり特殊な関数を出力したりするには学習が必要。
マクロ データの入力や集計、印刷といったExcelのあらゆる業務を自動化できる機能。複数操作や繰り返し業務を自動処理できる。ただしマクロの設定は複雑なので操作を覚えるのに時間がかかる。

豊富なExcelスキルをもつ従業員がいれば安心ですが、そうでない場合は教育が必要です。人事管理シートの解像度を高めるほど専門的な知識やスキルが必要なので、まずは従業員のレベルを把握しましょう。

CSVで保存すれば外部システムでも利用できる

Excelで作成したファイルをCSVファイルに保存することで、外部システムでも簡単に汎用できます。CSVとは、Comma Separated Values(カンマ セパレーティド バリューズ)の頭文字をとった用語です。各項目がカンマ(,)で区切られたデータを指し、互換性が高いためExcelへのエクスポートにもよく利用されます。

CSVとExcelは混同しやすいですが拡張子が異なります。ファイルに表示されるテキストの末尾は、CSVが「.csv」でExcelは「.xlsx」です。Excelファイルを一度CSVに保存することで、勤怠管理システムや給与計算システム、経費精算システムなどと簡単に連携できます。

人事管理をExcelで行うデメリット

Excelでの人事管理にはメリットが多い反面デメリットもあります。とくに次の4つには留意しましょう。

  • 複製によるセキュリティリスクがある
  • アクセス権限を細かく設定できない
  • 入力ミスが起こりやすい
  • リアルタイムでのデータ共有が難しい

複製によるセキュリティリスクがある

Excelはインターネットを使わないクローズドな環境でするため、クラウド型ツールと比べてセキュリティリスクが低いです。しかし、「複製」によるセキュリティリスクがあります。Excelのデータを共有する際、ファイルを複製してほかのメンバーに送信するケースも珍しくありません。

しかし、人事管理シートには多くの個人情報が記載されており、複製によってデータが社外に持ち出されると情報漏えいのリスクが高まります。そのため複製自体を禁止したり、ファイルにロックをかけて複製時にパスワードを求める仕様に設定したりといった対策が必要です。

ほかにも、データの誤送信や不正アクセスなどによって、従業員の個人情報が意図せず漏えいしてしまう可能性もあります。パスワードを設定してデータを保護することは可能ですが、セキュリティ対策が万全とはいえないでしょう。

アクセス権限を細かく設定できない

ユーザーごとにアクセス権限を細かく設定できないのもExcelの難点といえます。パスワードを設定したり、閲覧者を制限したりといった対応は可能ですが、一人ひとりに対する細かい設定はできません。Excelのシステム側で設定ができない分、社内の運用ルールを厳格に設定する必要があります。

入力ミスが起こりやすい

Excelでは、関数やマクロを使うことで入力作業を効率化できますが、基本的な数字は手入力が必要なので、入力ミスや入力漏れといったエラーが起こりやすいです。とくに人事管理では従業員の名前から勤怠、給与、教育の進捗などさまざまな情報を入力しなければなりません。一人ひとり異なる情報を入力するため、整合性のチェックは困難を極めます。

Excelにはチェック機能も少ないため目視での確認が必要不可欠であり、そもそも入力ミスに気付けない可能性も高いです。チェックに時間がかかれば担当者にも大きな負担がかかります。

リアルタイムでのデータ共有が難しい

Excelはオフライン利用が基本なので、クラウド型ツールのような「データのリアルタイム共有」が難しいです。シートの内容を編集しても、更新や保存を行わなければファイルは最新の状態になりません。編集を行うごとに更新が必要です。

更新をしていなかった場合、従業員がローカルファイル(更新されていない古いファイル)を利用してしまう可能性も。従業員それぞれがローカルファイルで編集し、保存すれば、データがバラバラになり、集約に時間がかかってしまいます。

Excelの課題を解決するには「人事管理システム」が有効

Excelでも人事管理は十分に行えますが、セキュリティリスクや入力ミスが発生しやすかったり、リアルタイムでの共有が難しかったりします。したがって、データやファイルを利用するうえでの厳格な社内ルールの設定が必要不可欠です。

たしかに、Excelにはコストを抑えられる、使い慣れている人も多いため定着しやすいなどのメリットもあります。しかし、Excelだけで正確なデータ入力とスピーディーな共有、そして強固なセキュリティ管理が求められる「人事管理」を行うのは限界があるともいえます。

そこでおすすめなのが「人事管理システム」です。人事管理システムとは、従業員の基礎情報やスキルの管理、帳簿作成、人事評価などの機能を搭載した人事業務を効率化できるシステムを指します。

すべての人事プロセスに対応しているものもあれば、勤怠管理システムや採用管理システムのように、特定の業務に特化しているものもあるなど、システムによって業務範囲はさまざまです。

人事管理システムを活用するメリット

人事管理システムを活用するメリットとして次のものがあげられます。

  • 人事部門の業務効率化につながる
  • 人材配置を最適化できる
  • 人材育成にも役立てられる
  • 多様な人材を管理できる

人事部門の業務効率化につながる

最大のメリットともいえるのが、人事部門の業務効率化です。人事管理システムの導入によって、従業員の基本情報から勤怠、給与、採用、スケジュールなど社内のあらゆる人事情報を一元管理できます。

「使いやすさ」にこだわったシステムも多く、キーワードを入力することで欲しい情報をすぐに検索可能です。また、Excelでは難しい組織図や就業履歴などの作成も、人事管理システムなら容易に行えます。データ共有や分析も簡単にできるうえチームでの共同編集にも対応しているため、作業効率を大幅に高められるでしょう。

人材配置を最適化できる

人事管理システムでは、従業員の知識やスキルといったデータも管理できるため、適材適所に配置できます。たとえば、特定のスキルをもった従業員をシステムで検索し、向いている部署に配属するといった対応が可能です。人事評価もデータベース化されているため、能力だけでなく人柄も含めた配置ができるでしょう。

従業員一人ひとりの能力を最大限引き出すマネジメント手法である「タレントマネジメント」にも役立ちます。

人材育成にも役立てられる

人事管理システムには、知識やスキルをはじめ目標、実績、研修の進捗など、従業員に関するさまざまな情報が集約されています。データをもとに教育をしたり、1on1を行ったりと人材育成にも役立てられます。

多様な人材を管理できる

人事管理システムには、正社員だけでなくアルバイトやパート、派遣社員、契約社員、外国人スタッフなど多様な人材を管理できるものも多いです。社内にどのような人材がいるのか全体像を把握するだけでなく、雇用形態に合わせた設定ができるため従業員数が増えても負担を最小限に抑えられます。

人事管理システムのおすすめ3選

人事管理におすすめのシステムを3つ紹介します。

タレントパレット - 株式会社プラスアルファ・コンサルティング

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  • データを活かした化学的人事戦略を実現できる
  • 離職防止やリスキリングにも役立てられる
  • 従業員の健康管理、ストレスチェックも可能

タレントパレットは、多種多様な人材データを一元化し、データを活かして科学的人事戦略を実現できる人事管理システムです。人事業務を効率化できるだけでなく、人事戦略における意思決定の高度化や人材の適切な配置、離職防止、採用強化、リスキリングなどを実現できます。

代表的な機能としては、組織図作成、異動シミュレーション、スキル管理、人事評価、労務管理、研修管理、採用管理があります。昨今注目されている健康経営を促進できるのも魅力です。従業員の健康データを一元管理し、精神的・身体的な健康をチェックできます。

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  • シリーズ併用で効率がさらにアップ
  • 他社サービスとの連携機能も充実している
  • アラート機能でやるべきことを可視化できる

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他社サービスとの連携機能も充実しており、すでに人事・労務に関するITツールを導入している場合も共存・移行がスムーズです。freeeは電子契約や経理、請求書発行などさまざまなシリーズを展開しており、これらと併用することで組織の生産性向上がより期待できます。

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人事管理システムの選び方

人事管理システムには多くの種類があります。自社に合ったシステムを選ぶためにも、次のポイントをチェックしましょう。

  • 必要な機能が揃っているか
  • 権限を細かく設定できるか
  • 操作性が高いか
  • ほかのシステムと連携できるか
  • サポート体制が充実しているか

必要な機能が揃っているか

まずは、「自社が必要とする機能があるか」を考えてみましょう。人事管理システムの主な機能として次のものがあげられます。

機能 概要
人事データの管理機能 従業員の基本的なプロフィールや資格、スキルなどを管理できる機能
勤怠や給与の管理機能 従業員の勤怠状況を確認できたり、勤怠に基づいて給与計算ができたりする機能
人材配置のシミュレーション機能 知識やスキルなどに基づいて従業員の配置をシミュレーションできる機能
人事評価・人材開発機能 人事評価データの分析によって昇給や昇格の判断ができたり、評価者による評価のブレを防げたりする機能
そのほか拡張機能 グループウェアやワークフロー、従業員エンゲージメントを可視化できる機能など

権限を細かく設定できるか

人事管理システムを効率的に運用するには、複数人での編集や共有が必要不可欠であり、その際「細かくアクセス権限を設定できるか」は重要なポイントです。閲覧や編集はもちろん、手続きの権限など種類はさまざま。利便性やセキュリティの観点から、一人ひとりに対してアクセス権限を設定できるか確認しましょう。

操作性が高いか

システム自体が使いやすいかも重要なポイントといえます。人事部門の中には、ITツールに慣れていない従業員もいるでしょう。そのため、管理画面が見やすかったり、目的のページまで少ないクリック数でたどり着けたりと、インターフェースに優れているかチェックしましょう。

ほかのシステムと連携できるか

人事管理システムを選ぶ際は、外部システムとの連携性もチェックしておきましょう。たとえば次のような連携パターンがあげられます。

  • 「チャットツール」との連携による社内コミュニケーション活性化
  • 「採用管理システム」との連携による採用業務の効率化
  • 「ストレスチェックツール」との連携による従業員の健康状態の把握

外部システムを連携させることで、社内コニュニケーションや採用など、特定業務の効率を飛躍的に高められます。システムによって連携機能は異なるため、事前に確認しておきましょう。

サポート体制が充実しているか

どのようなサポートを提供しているかも、人事管理システムを選ぶうえで重要です。たとえば次のようなサポート内容があげられます。

  • チャットやメール、電話などでの相談窓口の設置
  • 人事に関する勉強会やセミナーの開催、個別相談会
  • 専任スタッフによるシステムの導入支援、運用支援

システムは導入するだけでなく、その後しっかりと使いこなし、定着させることが重要です。個別相談会や専任スタッフの伴走など手厚いサポートを提供しているか確認しましょう。

Excelで人事管理を行う際はルール設定が重要

人事管理はExcelでも可能です。使い慣れたツールで、気軽に人事管理に取り組めるでしょう。しかし、セキュリティを強化するのが難しい、入力ミスが起こりやすい、リアルタイムでのデータ共有が難しいといったデメリットもあります。正しい情報を安全に扱えるよう、データ入力やデータの扱いに関するルールを定めておきましょう。

人事管理を効率化したい方には、人事管理システムの活用がおすすめです。複数のシステムを比較検討し、自社に合ったシステムを選定しましょう。

人事管理システムは、次の記事でも詳しく紹介しています。

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