健康経営の市場規模は拡大傾向!ヘルスケア市場の動向を解説
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健康経営とは?
健康経営とは、従業員の健康管理や健康増進を経営的な視点で考え、戦略的に実践することです。企業理念をもとに、従業員の健康を重視した経営戦略を構築し、健康関連施策に投資することは、従業員の活力と生産性の向上だけでなく、企業全体の業績向上をもたらすと期待されています。
経済産業省では、健康経営を掲げ、企業が従業員の健康への配慮を「コスト」ではなく「投資」として捉えるようにと勧めてきました。
企業自身が生産性と競争力を向上するためにも、そして、日本全体の経済力を向上するためにも、健康経営に注力することが必要といえます。
健康経営の市場規模
富士経済グループの調査※1によれば、健康経営関連の市場規模は2020年から2029年の10年間で2.1倍増加し、約1,065億円に達すると予想されています。
健康経営に欠かせないデータヘルス計画分野は同期間で2.6倍増、健康情報・PHR(生涯型電子カルテ)関連は約1.8倍増と見込まれ、健康経営に関連する市場は軒並み拡大すると推測されています。
また、経済産業省の資料に掲載されている別の調査※2では、2016年のヘルスケア産業の市場規模約25兆円に対して、2025年には約33兆円になると推計されていました。
そのうち、健診事務代行やメンタルヘルス対策などを含む「健康経営を支えるサービス」については、2016年の5,600億円が2025年には7,600億円になると試算されています。
このように、健康経営はすでに大きな市場でありながらも、市場規模がさらに拡大すると各所で予測されています。
※1出典:富士経済グループ「データヘルス計画、健康経営、PHR関連システム/サービス市場を調査」(2024年10月15日閲覧)
※2出典:経済産業省「健康経営の推進について」(2024年10月15日閲覧)
健康経営に注力する企業は年々増加
健康経営の市場規模の推移は、健康経営優良法人の申請数や認定数からも見てとれます。
健康経営優良法人とは、優良な健康経営を実施している企業のことです。経済産業省では健康経営優良法人制度を定め、とくに優良な健康経営の実践企業を顕彰しています。
健康経営優良法人制度は、事業規模によって「大規模法人部門」と「中小規模法人部門」の2つの部門に分かれています。各部門で健康経営優良法人に認定されると、健康経営優良法人のロゴマークを使用できるようになるだけでなく、自治体や金融機関で優遇を受けられるといった、企業にとって大きなメリットがある制度です。
直近3年間の健康経営優良法人の申請数・認定数※は、次のとおりです。
年度 | 大規模法人部門の認定数 | 中小規模法人部門の認定数(申請数) |
---|---|---|
2022 | 2,299 | 12,255(12,849) |
2023 | 2,676 | 14,012(14,401) |
2024 | 2,988 | 16,733(17,316) |
このように、大企業、中小企業ともに健康経営に注力する企業は年々増えており、市場規模の拡大がうかがえます。
※出典:経済産業省「健康経営優良法人制度」(2024年10月15日閲覧)
経済産業省「健康・医療新産業協議会 第10回健康投資WG 事務局説明資料」(2024年10月15日閲覧)
健康経営市場が拡大する理由
健康経営市場が拡大する理由としては、次の3つが挙げられます。
データヘルス計画の取り組み推奨
厚生労働省では、すべての健康保険組合に対して、加入者データの分析や健康保持増進のための事業計画を立てる「データヘルス計画」を推進してきました。企業側には、データヘルス計画にもとづいて従業員の健康を改善し、社会的評価向上を目指すことが求められています。
さらに、ヘルスケア関連のIT技術が進歩したことで、健康関連に関する多くのニーズに対応できるようになりました。
このように、政府主導の取り組みとIT技術の進歩が組み合わさって、従業員の健康増進を計画的かつ効率的に取り組めるようになったことも、健康経営市場が拡大している要因に挙げられます。
人手不足解消や生産性向上に寄与
労働力人口が減少する日本では人手不足が大きな課題となり、労働者の確保施策の一環として、健康経営を行う企業が増えています。
従業員が健康を損なわずに長く働ける環境を企業が推進することで、労働者の離職防止や生産性の向上に寄与し、業績アップも期待できます。
また近年では、求職者は働く環境をより重視しており、健康経営に力を入れていることは採用活動でも大きなアピールポイントになり、人材の確保に役立つ点も健康経営市場拡大につながっている理由の一つです。
医療費の増加
健康保険料が増加しており、それに伴う企業負担の医療費増加も健康経営が拡大する一因と考えられます。企業が医療費の負担額を減らすためには、従業員の健康を維持・増進することが重要です。
健康経営が実現できれば、福利厚生関連のコストをカットしつつ、生産性やエンゲージメントの向上が期待できるため、今後ますます健康経営が注目されるでしょう。
健康経営を推進する政策
国が行っている健康経営を推進する取り組みとして、次の3つがあります。
- ストレスチェック制度の義務化
- 健康経営優良法人認定制度や健康経営銘柄
- 健康経営優良法人へのインセンティブ
ストレスチェックとは、労働者のストレスがどのような状態にあるのかについて検査を行い、メンタルヘルスのリスク低減や職場環境の改善に役立てることです。2015年12月より、従業員が50人以上いる企業に対して年1回のストレスチェックが義務化されました。
また、国が推進する制度として2014年度に健康経営銘柄、2016年度に健康経営優良法人の選定がスタートしています。これらの制度で認定を受けるとさまざまな効果やメリットが期待でき、たとえば健康経営優良法人として認定されると、自治体や金融機関により融資の優遇措置のようなインセンティブが受けられます。
健康経営優良法人の認定企業になるメリット
健康経営優良法人認定として認定された場合、自治体や金融機関からのインセンティブのほか、認定時に付与されるロゴマークを採用ホームページや名刺などに使用できるといった、多くのメリットがあります。
それにより、認定企業になることで「働きやすく福利厚生が充実している企業」としてのイメージ向上につながり、次のような効果が期待できる点もメリットです。
- 取引先・顧客からの信頼向上
- 採用活動の強化
- 離職リスクの減少
- 知名度の向上
- 従業員エンゲージメントやパフォーマンスの向上
- 金融機関からの評価
このように、健康経営優良法人の認定企業になることで多くのメリットや効果が期待でき、認定制度に申請する企業は年々増加傾向にあります。
健康経営優良法人の認定基準
健康経営優良法人制度の認定要件には、「経営理念・方針」「組織体制」「制度・施策実行」「評価・改善」「法令遵守・リスクマネジメント」の5つの大項目があります。さらに、これらをさらに細分化した中項目・小項目の要件を満たすことで認定を受けられます。
大規模法人部門、中小規模法人部門ともに大項目は同じです。ただし、両者では小項目の内容や認定要件の項目数などが異なるほか、中小規模法人部門でも上位500法人「ブライト500」の称号を目指す場合には、大規模法人部門と同程度の取り組みが求められます。
認定基準は年度に応じて変更されるほか、申請・認定企業は年々増加傾向にありハードルも高くなりつつあるため、基準を把握したうえで取り組みを行う必要があります。
健康経営市場の成長に伴う課題と展望
健康経営を導入する企業は増えており、実現をサポートするヘルスケアサービスの参入による市場拡大は今後も続くと予測されます。
ただし、健康経営に取り組む企業が増えている一方で、健康経営を実践できている企業はまだ多くなく、課題も残っています。
健康経営の課題
健康経営の課題の一つとして、経営層が健康経営に消極的、無関心なことが挙げられます。
健康経営は、経営的な視点から健康管理を考え戦略的に実践する取り組みです。そのため、経営層が消極的だと取り組みが形骸化してしまったり、取り組みを行っても必要な予算や人員を確保できないために、効果的な施策が実行できなかったりすることがあるでしょう。また、成果が出るまでには時間がかかるため、経営層の理解なしに担当者が取り組みをアピールしても失敗に終わってしまいがちです。
そのため、健康経営に取り組む際は、経営層の理解と協力を得て行うことが重要です。
健康経営の今後の展望
健康経営に取り組むことで、企業のイメージアップや業績改善などのメリットだけでなく、社会的にもよい影響につながっていくことが期待されます。
健康経営は、家族を含めた従業員の健康維持や増進を支援し、安心して働ける環境を整えることで生産性を向上するのが目的です。つまり、健康経営の取り組みにより従業員や家族の健康増進や生活の質的向上につながり、さらには健康寿命の延伸や医療費の削減による健康保険負担軽減などの、社会的な効果につながっていくことが期待できます。
また、人的資本経営の一環でもある健康経営への取り組みは、持続的な企業価値の向上に重要な要素の一つでもあります。それに伴い、健康経営をサポートするヘルスケア関連の市場規模は拡大傾向にあり、今後も需要が増加し大きく成長していくでしょう。
健康経営を実践するには?
健康経営は、次の方法で実践していきます。
- 健康経営の方針を確立する
- 組織体制・制度を整備する
- 健康経営施策を評価・改善する
健康経営の方針を確立する
まずは社内の健康経営方針を確立します。理念と行動指針を具体的に決め、社内外に発信していきます。
組織体制・制度を整備する
健康経営方針にもとづき、健康経営に必要な組織体制と制度を構築します。たとえば、専門部署を設立したり、アドバイザーを配置したりすることで、健康経営がスムーズに進むようにします。
健康経営施策を評価・改善する
一定期間経過後、健康経営について実施してきた施策を評価します。改善が必要なポイントを抽出し、具体的な改善策を考案します。
また、改善策にもとづいて一定期間施策を実施し、再度評価を行いましょう。このように評価・改善を繰り返すことで、企業ごとに適した健康経営を完成させていきます。
健康経営に活用できるツール・サービス
健康経営に活用できるツール・サービスは多種多様です。主な種類を紹介するので、ぜひ参考にしてください。
健康管理システム・ストレスチェックサービス
従業員の健康診断受診状況やストレスチェックの受検管理ができるサービスです。ハイリスク者の抽出や産業医との面談管理までをワンストップで行えるため、健康管理業務を効率化できます。
福利厚生サービス・健康増進サービス
福利厚生サービスが充実すると、従業員の勤労意欲を向上させ、エンゲージメントを高められます。また、福利厚生サービスの中でも健康増進に関するサービスを充実させれば、生産性の向上も期待できるでしょう。
コンサルティングサービス
健康経営の実践に関して、コンサルタントのサポートを受けるサービスです。企業課題を具体的に可視化し、ソリューションを提案するだけでなく、健康経営優良法人制度の申請サポートも受けられるサービスもあります。
次の記事では、各種健康経営サービスを詳しく紹介しています。
健康経営を実践していこう
健康経営を実践することで、労働者にとって魅力的な企業へと成長し、ひいては業績の向上や組織拡大が図れます。
また、働きやすい職場環境を構築することは、社会的な評価を高めることにもつながります。
健康経営サービスも活用し、健康経営を実践していきましょう。
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