仕事の優先順位のつけ方 | 役員・営業・総務・経営者・研究職【職種別】
仕事の優先順にのつけ方が下手だと思っていませんか?
いつもやることが多くて手が回らない、時間がいくらあっても足りない、そんな悩みを持っていませんか?
あるいは、時間のかかる仕事ばかり多くて、なかなか成果につながらない、と思っていませんか?
そういう悩みの原因は「仕事の優先順位のつけ方が下手」だからなのかもしれません。
そういう人は、以下の7ヶ条を実践するだけでに、格段に仕事の効率がよくなるはずです。
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仕事の効率を上げる優先順位のつけ方7か条
第1条:いつも優先順位をつけてから取り掛かる
非効率な仕事の仕方をしている人に共通しているのは、仕事が来た順番に取り組んでいる、ということです。
そういう人はまず今抱えている仕事を表にしましょう。
表には
- 重要であり緊急性が高い
- 重要であるが緊急性は高くない
- 重要ではないが緊急性は高い
- 重要でもなく緊急性も低い
の4つのカラムを作って、抱えている仕事の一つ一つを当てはめていきます。
そして、一番上の「重要であり緊急性が高い」仕事から順にいつも取り組むようにする癖をつけましょう。
それをするだけで、まず自分の仕事の整理と効率的な仕事のやり方の初歩を手に入れられます。
第2条:効率的な仕事の仕方をしている人を真似する
同じ職場あるいは関連する職場で、自分以上に仕事があるはずなのに、いつも涼しい顔をしてあまり残業もせず、それでいて成果は人一倍挙げている同僚や先輩、上司はいませんか?そういう人は自分なりの仕事の優先順位のつけ方のノウハウを必ず持っています。
特に企画の職種の人にはそういうスキルを持っている人が多いです。
まずそういう人を見つけて、どのようにしてるのかをしっかりと観察し、真似するところから始めてみましょう。
第3条:重要だが緊急性はない仕事のやり方を見直す
第1条の仕事の優先順位の中で一番扱いに困るのは、2番目の「重要だが緊急性はない仕事」への取り組み方です。
こういう仕事は、どうしても3番目の「重要ではないが緊急性は高い」仕事の後回しになりがちです。
しかしそうしてしまうと、自分にとって、あるいは会社にとって大きくて重要な成果はあげられません。
場合によっては、放っておいた間に緊急性が「低い」から「高い」に変わって、慌てて「やっつけ仕事」になってしまうこともあり得ます。
ですので、まずその「重要だが緊急性は低い」という仕事に取り組む時間を取るようにしましょう。"
第4条 ほかの人にもできるものは人にどんどん任せる
仕事の効率が悪い人は、優先順位の低い「重要ではないが緊急性は高い」仕事まで自分で抱え込んでしまいがちです。
しかしそういう仕事はおそらく、同僚や後輩でもできる内容です。ですのでそういう優先順位になった仕事は、どんどん人に任せて、自分は重要度の高い仕事をするようにしましょう。
ただし、そういう仕事を与えられたほうも、本人が気づいているかどうかは別にして、迷惑といえば迷惑です。そのあたりのケアはしっかりとることを忘れずに。
第5条:過去にやった仕事や書類をうまく使いまわす
全く違う分野の新しい仕事でもない限り、取り組む仕事は過去にした仕事と重なる部分や似た部分があるものです。効率的な仕事する人は、そういう過去の自分の仕事のやり方、あるいは作った書類をうまく再利用したり、使い回したりして、時間を効率的に使っています。
もちろんそのためには、過去の仕事の内容や書類がすぐに検索し、引っ張り出せるような整理を自分の中でしておくことが重要です。
第6条 仕事の事前事後の「考える時間」を必ず取る
非効率な仕事をする人は、わき目も振らずに仕事をしているようですが、よく見ると、きた仕事を何の考えもなく片っ端から取り組んでいます。
一方効率的にしている人は、取り組む前にまずどのようにすればもっとも労力が少なく、短時間でできるのかの作戦を立てます。また終わった後も、自分の立てた作戦がうまくいったのかどうか、もっといい方法がなかったのかを振り返ります。この時間が効率的な仕事の仕方を生むのです。
実際の時間にすればほんの少しですから、必ずその事前事後で仕事の方法を考える時間を取りましょう。
第7条 なぜ仕事に追われているのか自分自身を振り返ってみる
忙しくしている人には2つのタイプがあります。
それは「仕事に追われて忙しい人」と「したいことが多くて忙しい人」です。
どちらがより大きな成果を上げるか、どちらが仕事を通じてより自分が成長できる人なのかは明らかでしょう。
もしも、やることが多くて手が回らない、時間がいくらあっても足りない、時間のかかる仕事ばかり多くてなかなか成果につながらない、と思っていたら、前者になっている可能性が大ですから、まず自分がそのどちらなのかを一度じっくり振り返ってみましょう。
【職種別】仕事の優先順位の付け方
役員の仕事の優先順位の付け方
「自部門の責任者である役員の自分が一番忙しい。部下の仕事が物足りない」という悩みも持っていませんか?
それは自分の仕事の優先順位のつけ方が間違っているからかもしれません。
役員の仕事は「与えられた経営資源を有効活用して自部門の業績を上げること」です。その役員が1番忙しいということは、自分が歯車になっていて、マネジメントをうまくできていないため部下が力を発揮できていない、という可能性が高いです。
役員の仕事は「与えられた経営資源の有効活用」
役員は経営者から1つの部門を任されています。それは部門にもよりますが、会社の中のもう一つの会社です。というのは、そこには戦略があり、与えられた「ヒト・モノ・カネ・情報」の経営資源があり、求められているのはその経営資源を有効活用して、自部門の業績を上げることだからです。
しかし、実際にそういう観点で仕事をしている役員は少ないようです。
「自部門で1番忙しい」という役員は、自分が「ヒト」という経営資源のひとつ、もっと言えば歯車になっています。そうなるとその部門は「船頭のいない船」ですから業績も上がらず、当然部下もどういう仕事をしていいのかわからないので、十分に力が発揮できないのです。
まず役員の仕事は「与えられた経営資源の有効活用」という前提で、自分が歯車の1つになる仕事の優先順位は下げましょう。
その仕事が業績にどれだけ直結するかで判断する
役員のミッションは「自部門の業績を上げること」で、その他はすべてそのための手段か、あるいは業績に無関係なことです。そこに時間を取られれば、当然ミッションに使える時間は無くなります。
まずは自分の仕事を1度すべて表にして列挙し、「この仕事は業績に直結してるのか」という観点で、優先順位づけをすることです。
そのうえで、優先順位の低い仕事は思い切って止めるか、やめられない仕事は部下に任せるというのが役員としての優先順位の決め方であり、部下育成にもつながることです。
役員になったらそれまでと仕事の仕方をガラッと変える
一般的に役員は、一般社員から管理職、部門長を経て、役員に昇格します。しかし、管理職になった時もそうですが、新しい役職、新しいポジションで成果を上げるには、今までしてきた仕事の仕方をいったんすべて白紙に戻して、そのポジションにふさわしい仕事の仕方を作ることが重要です。優秀な部門長が役員になって輝きを失うことが多いのは、「今までの仕事をもっとうまくしよう」という意識だからです。
仕事の優先順位の決め方も部門長の時とはガラッと変える必要があります。何が最優先か、ということが変わるのです。
その仕事が「イノベーション」をもたらすかどうか考える
事業部門でも管理部門であもれ、業績を上げるためには、「イノベーション」、つまり変革が必要です。それを各部門がすることで、会社トータルも業界で優位なポジションを作り、持続的な成長を遂げることができるのです。
ところが、このイノベーションに関連する仕事は「重要だが緊急性が低い」ため優先順位が低くなりがちです。
しかし、これをしないと真の意味で自部門の業績向上は望めません。
月に1日でも外部からの連絡を絶った環境に自分を置きじっくりとこのイノベーション関することを検討する時間を取りましょう。
戦略のフィードバックを計画にあらかじめ組み込む
戦略を実行してもなかなかうまく業績につながらない原因の一つに、PDCA(PLAN・DO・CHECK・ACTION)のうち、PLANとDOはどんどんやっても、そのCHECKが抜けていることが多い点があります。それをしていると、要は「やりっぱなし」で、同じ問題点をクリアできな状態が続きます。また、それがないと優先順位をもとに仕事をしても成果にはつながりません。
それを避けるには、PLANを立てた時に、あわせてフィードバックのステップ、つまりCHECKのステップを計画として入れ込んでおくことが必要です。
定期的に自分の行動を業績という観点で評価する
とはいえ、役員の仕事には色々な雑務があるのも事実です。様々な会議、人事上の書類作成、業界関係者との懇親など、本来なら優先順位の低い仕事なのに取り組まざるを得ない仕事もあることでしょう。
やむを得ずそれをするのは仕方ないことですが、しかしそれも「やりっぱなし」ではいけません。
数か月に1度、その間に自分の仕事を列挙し、それが業績にどれだけ貢献したかという観点で評価する時間を取りましょう。その反省と評価を、次から行う仕事の優先順位づけに反映させることが大切です。"
本当に重要なもの以外は部下に振る
以上のような観点で仕事の優先順位を見直すと、今まで高いと思っていたものが、意外に低いことに気づくでしょう。しかしそれも部門としては必要な仕事であることも多いですから、それはどんどん部下に振りましょう。
中にはテーマによって自分よりも得意な部下もいるはずなので、そういう人は積極的に活用しましょう。「自分よりも優秀な人材を活用する」のも「資源の有効利用」のひとつです。
また、そういうことが部下の育成にもなり、部下の成長によってさらに自分は最重要の仕事に取り組む時間を確保できるようになるのです。
営業職の仕事の優先順位付け方
仕事を進める上で直面するのが、一度に様々な仕事を抱えてしまうことです。混乱をきたすことなく無事に完遂するためには、どの仕事から対応していくか?ということが何より重要です。
仕事の優先順位の付け方で絶対外せないポイントとは?
仕事が立て込んでいる時に巧くこなしていかないといけないシーンは多々あります。大切になってくるのが「優先順位」ですが、それを決めるにあたって整理しておかねばならないのが、各仕事の「重要度」と「期限」です。営業職であれば、売上高の大きい企業の仕事が重要になります。
顧客からの問い合わせや、クレームなどには期限を守らねばなりません。これらの情報をまず整理することが、優先順位を付ける上で大切なポイントになってきます。これを決定したうえで、さらに優先順位の付け方を細分化し、仕事の能率化を図っていきましょう。
売上高最優先!重要顧客の期限付きの仕事は即対応が必要
営業職であれば、担当先を受け持っていることが多いと思います。営業において優先順位で最も高いのが、自分の得意先の中でも売上高が大きく、かつ期限の迫っている仕事です。
急ぎの仕事ということで、他の業務を後回しにしてでもこなしておきたいところです。取引先から「自分たちはあの担当者にとって、重要顧客なのだろうか?」という思いで見られている部分もあります。
ある意味試験的ですが、素早くこなすことでより信頼度を高めることができるでしょう。反対に、納期遅れや対応がいい加減であった場合などは、取引量を減らされたり最悪の場合中止という結果に結びついてしまう可能性も否定できません。
重要度は高いけど期限がない仕事は「自ら期限を決める」必要がある
仕事の優先順位を決定する上で、やっかいな性質のものがあります。それが、「重要度は高いけど期限がない仕事」です。例えば、会社の上層部から直接「まぁ、やってみてよ。」というあいまいなスタンスで指示されるものです。上層部からの依頼なので、重要には間違いない。けど、いつまでに仕上げればいいんだろう…。という情報が分からないので、目の前の仕事を優先し、いつまでも先送りにしてしまいがちです。
この場合には、「○月○日までに、進捗状況を報告する。」などのように期限を細切れにして設定しておくのが大切です。逆に上層部の方にいついつまでに仕上げます。という連絡をしておくことで、仕事への緊張度もアップさせることができますよ。
人の手を借りられるか?という情報を整理
営業職でも、自分ひとりで対応する必要はありません。同じ部署の同僚、あるいは部下、さらに他部署の人の協力が必要なケースも多いでしょう。ある仕事が発生した時に考えたいのが、それらが人の手を借りて進行させることができるかという点です。プレゼンの資料やデータベースの作成が必要であったりするケースもあるでしょう。
ただし、何でも他人にお願いするというスタンスでは問題です。協力を得るためには、会社にとって売上規模がいくらで、今後どんな展開があるかなど、重要な仕事であることをアピールできなければなりません。
経験がある仕事であるか?も優先順位の付け方に役立つ
優先度の付け方のポイントとして、まず振り返ってみてほしいのが過去に自分自身が対応したケースがあるかということです。プレゼンに必要な資料作成や、契約書の締結、クレーム対応の仕方など様々なものがありますが、実績があれば不安感も払拭することが可能です。
しかし大切なのが、以前にも対応したから今回も大丈夫だろうと、油断してしまわないことです。その仕事が以前のケースと本当に同じなのか?ということを考察したうえで取り組むようにしましょう。
ギリギリの対応はNG!期限はなるべく手前に設置
期限付きの仕事は、優先度が高いと述べましたが、ギリギリにこなすというのも考えものです。顧客からの要望にはなるべく早く応じるというのが大切です。反対に期限内とはいえ回答が遅いと、不誠実な担当者と思われてしまう可能性もあります。
期限日から逆算して最低でも3営業日前には完遂できることを意識しておきましょう。デットラインより早く仕事をこなすことで、ミスを発見できる可能性もあります。
社内の売上報告などはなるべく後回しにする
営業職だと、月々の売り上げはいくらだ?と聞かれるシーンもあると思います。答えられないと怒られたりすることもあるでしょう。しかし、その売上報告をしている時間よりも「売上を上げる時間」を重視する方が大切です。無駄に会議が多い会社などは、現状の状況報告ばかりしているという傾向があります。前述したことは、まさにその典型ともいえるものです。
まずは顧客対応、新規取引先のチェックなどが、仕事の優先順位の付け方としては当然上位にきます。売上チェックは、少し手の空いた時などに頭に入れておく程度でいいでしょう。
総務の仕事の優先順位付け方
総務は言ってみれば会社の「縁の下の力持ち」で、他部門が仕事の成果を上げるためにサポートするのが仕事であり、自部門だけの都合で考えるわけにはいきません。そこが総務の難しいところです。
仕事を重要性と緊急性で4つに分ける
総務の仕事は他の部署がその仕事によってどれだけ成果を上げることに貢献できたか、ということが重要です。ですのでどの仕事が重要で、どの仕事が急いでいるか、ということはそれを前提に考えなければなりません。
とはいえ、その観点で見た上で仕事の優先順位をつけることも重要です。
そのためには、仕事をいつも「重要性」と「緊急性」の2つの軸で、以下の4つに分ける習慣をつけましょう。
- 重要であり、急いでいる仕事
- 重要ではないが、急いでいる仕事
- 重要だが、急いでいない仕事
- 重要でもなく、急いでもいない仕事
これをつけて、上から順番に優先順位をつけていくことが根幹のポイントです。
明日のtodo リストを作ってから仕事を終える
1日の最後にする仕事は決まっていますか?
1日の仕事を終える時には、翌日の「todo リスト」、つまり「明日何をするか」のリストを作ってから終えるようにしましょう。
ただしその場合も、単純に仕事を羅列するのではなく、上の4つの分類別に仕事を表にすることが重要です。
それをすることで頭の整理ができ、翌日出社してすぐに仕事に取り掛かることができますので、非常に効率的に樹幹をつけるようになります。
頭を使わず、簡単ですぐに終わる仕事から始める
基本的な優先順位の1番目は「重要であり、急いでいる仕事」ですが、その中に複数の仕事が含まれるときには、「頭を使わず、簡単ですぐに終わる仕事から始める」ことを優先順位の最上位に置くことがポイントです。
そうすることでtodoリストがどんどん消せていけるので、自分としても仕事がはかどった実感があり、余計な焦りを生まなくなると同時に、当然ですが仕事も効率的に進めていけるようになります。
時間を限定する、時間的な「おしり」を決める
新しい仕事を始める時、前の仕事の続きをするときには、その仕事にはどれだけ時間をかけるのか、その仕事は何時までに終えるのか、という「時間的な見積もり」をまず自分で出しましょう。
そしてそこから逆算して、どの部分にどれだけ時間をかけられるのかを考えます。時間的な限定をつけずに仕事をすると、ついいつまでもダラダラとその仕事に関わってしまい、効率が悪くなります。時間的なおしりを決めるのがポイントです。
完璧を目指さず、「とりあえず」始めて、終わらせる
総務の場合はある意味「こなした仕事の数が勝負」という部分もあります。そういう意味では、最初から完璧を目指さず、とりあえず始めて見ることを習慣づけましょう。
仕事というものは、最初は先行きが見えなくても、取り組んでいるうちにどんどん霧が晴れて進んでいくタイプのものも結構あります。ですので全てを完璧に考えてから始めるのではなく、とりあえず取り組んでみるのも重要です。
重要だが緊急性の低い仕事をする時間を捻出する
とはいえ、総務にも「重要だが緊急性の低い仕事」というものはあります。こういう仕事が実は、会社にとって大きな意義のある仕事であることも多いので、他部門から見た優先順位に沿って仕事は進めながらも、そういう仕事に取り組む時間を捻出することも重要です。
そのためには、1日に何時間かその仕事に割り当てる時間を最初に決める習慣をつけましょう。そして、その時間内だけ集中してその仕事に取り組むのです。
それほど重要ではない仕事は人に任せる
すべての仕事を自分で抱え込んでいませんか?「重要ではない仕事」の中には、自分以外の人でもできる仕事がいくつもあるはずです。
そういう仕事は、後輩や同僚にできるだけ任せましょう。ただし、任せるといっても「丸投げ」はいけません。その仕事の目的と終了時のイメージを最初に共有することと、中間での進捗を都度確認することが大切です。
またそういう仕事を割り振られた後輩や同僚にとっては迷惑な部分もありますので、そのあたりのケアも忘れないようにしましょう。
経営者の仕事の優先順位のつけ方
「経営者である自分が会社で1番忙しい」ということはありませんか?おそらくそういう人は「忙しいばかりで業績にちっとも結びつかない」という悩みも持っているかもしれません。
しかし、そうなってしまうのはある意味当然の帰結です。
経営者の仕事は「経営資源の有効活用によって業績を上げること」です。その経営者が1番忙しいということは、自分も歯車の一つになってしまっているのです。
経営者の仕事は「経営資源の有効活用」である
経営者の仕事は何かと尋ねられたら、人によって様々な答えが返ってくるでしょう。しかしその解答の1つは「戦略を立て、ヒト・モノ・カネ・情報の経営資源をそれに沿って配分し、それを効率的に運用して業績を上げること」であるはずです。
しかし、実際にそういう仕事に集中できている経営者は意外に少ないのも実態です。冒頭に書いたように、忙しくしている経営者はその「経営資源」の1つになってしまっているケースがほとんど、そうなると会社は「船頭のいない船」と一緒ですから、業績という目的地に向かってまっすぐに進んでいけるはずがありません。
まず自分の仕事は「経営資源の有効活用」だとしっかりと認識し、自分が歯車になってしまうような仕事は、優先順位から落としましょう。
その仕事が業績にどれだけ直結するかで判断する
経営者の最終的なミッションは「業績を上げること」で、その他の仕事は全てその方策もしくはそれに関係ないことです。その関係ないことに時間を取られていれば、当然ミッションである業績の向上にはつながりません。
したがって、自分の仕事を1度すべて列挙し、それを「この仕事は業績にどこまで直結してるのか」を考えましょう。
そのうえで、「業績につながっていない仕事」は思い切って切り捨てるか、捨てられなかったら部下に任せる、というのが優先順位の決め方です。
一番重視する仕事は「マーケティング」
業績を上げるために企業は色々な企業活動をしますが、その中で1番重要なのは「マーケティング」です。マーケティングというとこれも人によって様々な定義がありますが、一言で言うと「顧客の創造」です。そのために、いわゆる4P(宣伝・販売促進、商品開発、流通戦略、価格決定)の検討と決定を行うわけです。
どの仕事が1番業績に結び付くか迷ったら、このマーケティングに関わる仕事を最優先にしましょう。
その仕事が「イノベーション」をもたらすかどうか考える
また、マーケティングと同時に企業が業績を上げ、生き残るためには「イノベーション」、つまり変革が必要です。それは商品上の変革だったり、ビジネスモデルそのものの変革だったり、生産上の変革だったりしますが、いずれにしてもそれを常に目指すことで業界で優位なポジションを確保できます。
しかし、このイノベーションは「重要だが緊急性のない仕事」だとして、優先順位が下位になりがちです。
そうならないように、定期的にそのための時間をとって、外部からの連絡を絶ち、じっくりと考えるようにしましょう。
実施した戦略のフィードバックを受ける仕組みを作る
PDCA(PLAN・DO・CHECK・ACTION)という言葉がありますが、経営者の中にはPLANとDOはどんどんやっても、そのCHECKが抜けている人が多いようです。しかしそういう仕事は要は「やりっぱなし」で、会社の業務内容のレベルアップにつながりません。それがないと、いくら優先順位をつけて効率的に仕事をしようとしてもうまくいきません。
これを避けるためには、PLANを立てる段階でその中にCHECKの仕組み、つまりフィードバックを受ける仕組みを組み入れておくことが重要です。
定期的に自分の行動を振り返る時間を設ける
とはいえ、このような優先順位をつけて仕事をしたとしても、どうしても忙しく、またやむを得ず本来なら優先順位の低い仕事なのに取り組むことになってしまうのも実態です。それはそれで仕方ないとして、ただそれを流してしまってはいけません。
月に1度あるいは数か月に1度、その間に自分のやった仕事を表に書き出し、その業績に対する影響度を検討する時間を取るようにしましょう。
そうやって自分の仕事を振り返ったうえで、再度次から行う仕事の優先順位を検討することが大切です。
自分の強みを生かし残りは人に任せる
畑という言葉があります。自分の主にしてきた仕事の分野のことで「経理畑出身」「営業畑出身」などと使います。経営者は誰もがどこかの「畑」出身なので、その分野は得意ですが、それ以外については少し苦手だ、ということも実際にあります。
そういう場合は自分の得意分野に取り組み、苦手な分野は仮にそれが今まで書いた優先順位が上位の仕事でも、その仕事が得意な部下に任せて、自分はその提案を受け最終決断をする仕事に集中しましょう。
「自分より優秀な人をうまく使う」ということも経営資源の有効な活用方法のひとつです。
研究職の仕事の優先順位のつけ方
「同僚はどんどん研究成果をあげるのに、自分はなかなかできない」と悩んでいませんか?
それはもちろん研究テーマのハードルが高い場合も研究のプロトコルが適切ではない、ということも考えられます。でもよく振り返るとその原因のひとつには、時間の使い方が下手で十分な研究時間がとれていない、ということもあるはずです。
とにかく「成果」にすべての焦点を当てること
営業やエンジニアや企画の仕事と研究の仕事は少し異なります。研究の仕事は、比較的時間的なスパンが長く、素も大きなミッションはとにかく会社にイノベーションを起こせるような画期的な研究成果を上げることです。ほとんどそれ一点と言ってもいいくらいです。
しかし実際には、研究発表の段取りに時間を取られたり、研究費の報告や助成金の申請に時間を取られていて、肝心の研究に時間をさけていないのが現状です。
しかし、そこは、吹っ切りましょう。「成果を上げるために何をしなければならないのか」ということだけを軸に、仕事の優先順位をつけるのです。
ほかのことは放っておきましょう。これが、研究の仕事で成果を上げるための、最大で究極の極意です。
todoリストを作って整理することは必須
ただし、だからと言って闇雲に目の前にある研究テーマに取り組むのは得策ではありません。山の頂上を目指すために、それが最短の効率的なルートかどうかわからないからです。
まずその成果を上げるために何をしなければならないのか、どういう方法があり得るのかを、すべてtodoリストの形で可視化しましょう。
そのうえで、「本当に何が成果に直結するのか」という観点で仕事を選別するのです。
やることだけではく、「やらないこと」も決める
他の仕事の優先順位の決め方は、「重要性」と「緊急性」の2軸で、4カテゴリーに分けて行います。しかし研究の仕事の場合、ここまで述べてきたような理由でその方法はそぐわないものです。
todoリストを作り、その中で優先順位を決めるうえでは、次の3つに分けるのがポイントです。
- 絶対やること
- できればやること
- やらないこと
特に重要なのが最後の「やらないこと」を決めることです。余計な仕事を切り捨てるのが、優先順位の決め方の極意です。
重要だが、緊急性が低い仕事を優先する
「緊急性」と「重要性」の2軸で仕事を4カテゴリーに分けるのはそぐわないと書きましたが、研究テーマを決める時にはその方法も使ってみましょう。
そこで重要なのは、通常であれば優先順位の3番目になる「緊急性はないが重要」という仕事に注目することです。
多くの場合は、このテーマが会社には大きなイノベーションを、自分自身には大きな研究成果をもたらしてくれます。よって、この「緊急性はないが重要」なテーマに自分の研究の焦点を当てて取り組むことです。
事務仕事は溜めておいて、まとめて済ます
「やらない仕事を決める」と書きましたが、とはいえ、会社勤めをしていたり、大学の研究室などに所属しているとどうしても事務仕事から避けることはできません。1番良いのは、そういう仕事をしてくれる研究秘書のような人がいてくれれば任せられますが、それができない場合は自分でやるしかありません。
その場合はその仕事を溜めておき、1週間あるいは数週間に1回だけ時間を決めて一気にやってしまいましょう。研究の合間にそういう仕事が入ると、自分の頭を研究にふさわしい状態に戻すのに時間がかかります。
そういう事務仕事はまとめて済ますのが、研究効率を上げることにもなるのです。
納期がある仕事は、逆算で段取りを割り振る
研究の仕事は比較的長い時間スパンで取り組むものですが、場合によっては短納期の仕事も発生します。例えば論文の執筆、研究発表の準備、開発会議への準備などです。それがメインの仕事になったら本末転倒ですが、しかしやらなければならない仕事であるのもまた事実です。
そういう時には、まず時間の段取りから決めましょう。
最初に納期を決めてそこから逆算し、資料の骨子の検討に2日、資料の執筆に2日、パワーポイントにするのに1日、発表準備に1日、というように割り振っていくのがベストです。
「過去の自分」を掘り起こし、活用する
新しい研究テーマでも、過去の自分の仕事や研究の中で生かせるものが実は結構あります。それが仮に失敗したケースであっても、途中までのロジックは使えたり、実験結果は一部流用できたり、プロトコルは同じものでできたり、という具合です。
研究発表や、役員会でのプレゼンの場合も、過去に作ったパワーポイントをベースにできたりします。
そのように「過去の自分」をうまく活用することで、時間の短縮が図れ、研究の効率化ができます。
もちろんそのためには、仕事の結果や書類を常に検索できるように整理しておくことも肝要です。
仕事の効率を上げる優先順位のつけ方7ヶ条のまとめ
自分の仕事にもどかしさを感じている人だとしたら、以上の「仕事の効率を上げる優先順位のつけ方7ヶ条」の中でできていないことが多いのではないでしょうか。
誰にでも1日に与えられている時間は24時間しかありません。成果を上げる人はそれをうまく使いこなしているだけです。
そのポイントは、しっかり仕事の優先順位をつけて取り組んでいるかどうかが大きいのです。
ぜひ仕事で大きな成果を上げたいと思ったら、この7ヶ条を実践してみてください。
BOXILとは
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