チームビルディングとは | 方法や目的、事例 - ゲームのおすすめ

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チームビルディングとは
チームビルディングとは、共通のゴールを目指し仲間とともに個々の能力を発揮しながら進んでいくための組織作りです。
個人でなく、仲間と連携して課題を克服しながら達成感を味わうことで、マネジメント能力を磨くこともでき、将来のリーダーシップとなるべく人材育成手法として存在しています。
チームとグループの違い
チームとグループはそれぞれ人が集合していることを指しますが、意味は大きく異なります。
チームは少人数で連帯責任を果たしながら、共通の目標・目的を持って進んでいく集合体のことであり、グループは複数の人数で集まった集合体のこととなります。具体的にはスポーツなどで、チームを作り、「試合に勝利する」「優勝する」という共通目標のもと、チームは進化していきます。
しかし、グループは共通の目標もなく、寄せ集めの集団であるので、明確な目的もありません。誰が何をやるかという役割も決まらず、ダラダラと時間を消費していってしまいます。ビジネスの世界において時間を浪費するというのは避けたいところです。
チームビルディングの目的
チームビルディングの主な目的は、チーム内にて体験を共有すること、また体験によって持続可能な組織を作ることにあります。チームビルディングを実践することで、チームとして機能することを体感でき、企業の成長へつながっていくでしょう。
体験の共有
チームビルディングでは、親睦会や飲み会、社員旅行などによって体験を共有することが目的であり手法のひとつです。小学生や中学生は一体感を体感するために、お楽しみ会や運動会、遠足、修学旅行などのイベントを受けています。従業員の場合もこれと同じです。
周囲の人間と上手に合して付き合っていく関係を築き上げようとしてしまいます。これでは自己を主張している訳ではありませんし、チームとして機能してきません。コミュニケーションを増やすことで、チームメンバーの相互理解ができるようになっていきます。
継続的な組織をつくる
チームメンバーの相互理解を深めても、継続していかないと組織として成り立ちません。チームを一つにまとめて、継続的に組織を育てていくのもチームビルディングの目的です。
チームを組むと成長する過程でさまざまなトラブルにぶつかることでしょう。問題を解決するにあたって、適切なチームビルディングがなされている場合は、溝を深めずにうまく乗り越えられるはずです。
チームビルディングのメリット
チームビルディングによって「コミュニケーションの活性化」「職場への満足度向上」「イノベーションの促進」などの効果が期待できます。安定して成果を上げられる組織を構築する、良い組織文化を醸成するためにはチームビルディングが必要不可欠です。
コミュニケーションが活性化
チームビルディングを進めるうえで共通の目標を目指すことにより、会話やコミュニケーションが促進されます。コミュニケーションの質が高まれば、チーム内での知識共有、悩み相談、PDCAサイクルに必要なやりとりが円滑に進むでしょう。
職場への満足度向上
共通の目標を目指してチームで行動することは、一体感を高めて、チームに貢献したい、認められたいという欲求をメンバーにもたらします。そして、チームに貢献・承認されるとメンバーは満足感を覚えるでしょう。職場への満足度が向上すれば、仕事の生産性アップや離職率の低下に期待できます。
イノベーションの促進
イノベーションは、多様な価値観・能力などのバックグラウンドを持ったメンバーのコラボレーションにより発生します。チームビルディングは、コミュニケーションを活性化させることでイノベーションの起こりやすい土壌を生成します。多様な価値観を持ったメンバーが受け入れられる組織文化を作り、お互いの人格や仕事を認め合える風土を作るのにチームビルディングは貢献するでしょう。
チームビルディングがもたらす効果
何事も、成功することだけが成長につながるわけではありません。チームビルディングでも失敗することはあります。しかし、そこで立ち止まらずに改善点を見つけ、その悔しさをチームメンバー全員が共通で理解し、壁を乗り越えていくことで成長していきます。
チームビルディングの効果は、次の3点に集約されるといえるでしょう。
- チームの一体感により信頼関係を構築
- 自信がつき精神的に安定
- リーダーシップの発揮
チームビルディングは新人研修としてだけでなく、あらゆる役職でも実践できることもあり、これから先のメジャーな手法となることが期待されています。
チームビルディングの方法
チームビルディングには「ゲーム」「アクティビティ・イベント」「ワークショップ」などの手法があります。座学やマニュアルのような形で教育するだけでなく、実際になにかに取り組む実戦形式が重要です。
ゲーム
ゲームを用いたチームビルディングは、メンバー間の緊張を解きたいアイスブレイクのような場面で有効な手法です。チームが結成されたばかりでコミュニケーションがぎこちない時期でも、気軽に取り入れられます。メンバーで協力するゲームや自己紹介するゲームがおすすめです。ゲームの進行役はただゲームを盛り上げるだけではなく、ゲーム中のコミュニケーションの活性化を意識して進行しましょう。
アクティビティ・イベント
アクティビティではチームで体を動かして実践的に協働すること、イベントでは食事や旅行によってフランクなコミュニケーションをとることを重視します。目に見えて行動できるアクティビティと、相互理解や価値観の共有が可能なイベントをうまく組み合わせるとよいでしょう。
ワークショップ
メンバーの主体的な行動を促したいときは、ワークショップもおすすめの手法です。ワークショップ形式の研修は手間がかかる反面、ゲーム形式の研修より少人数で実施できるものが多く、チームの絆を深めやすいのも特長のひとつといえます。ワークショップ形式にはメンバー同士の相互理解・チームワークを深めるものから、共同で作業をして何かのスキルを磨くものまで幅広い種類があります。
チームビルディングのタックマンモデル
チームビルディングを提唱したのは、心理学者でもあったタックマンによって考え出されました。
タックマンはチームを形成していくのに4つのプロセスがあると考え、チームがゴールに向かうには各段階を進むごとにチームが結束し、すばやく目標を達成できるというモデルを唱えました。
- 【形成】に入り、メンバーは互いを知らないところからスタートします。目標も模索中の状態です。
- 【混乱】で、各自が意見を発し、役割や目標について対立が生じてきます。
- 【統一】では、チーム内の関係が改善され、共通の目標が出来て、自分の役割や各自の考え方、目的に対して全員が理解するようになります。
- 【機能】は統一感や結束力が生まれていき、チームが目標達成に向けて機能していきます。
- 【散会】はこのチームを終了することを指します。
これらをタックマンモデルと称します。従来のタックマンモデルは4つまででしたが、現在では【散会】を含めた5つのプロセスで成り立っています。
チームビルディングの事例
チームビルディングには昔から日本企業が実施している社員旅行といった手法も有効ですが、新興のIT企業は続々と新しいチームビルディング手法を開発しています。「メルカリ」「サイボウズ」「グーグル」の事例を紹介します。
メルカリ
メルカリは、社員の属性が多文化・多国籍だということもあって、チームビルディングを強く意識している企業です。メルカリでは異文化コミュニケーション施策として「Intercultural Team-building(IBT)」という手法を導入しています。
IBTの特徴である「チームビルディングであること」「参加するチームにあわせてワークショップの内容が変わること」をコンセプトに、その都度ワークショップを設定します。ただし、ワークショップの直前まで「どんなチームを目指すのか」「ミッションに対してどのような戦略で取り組むのか」を議論したうえで、終了後に「今後チームとしてどのようにして活動したいのか」のように体験を意味づけします。
サイボウズ
チャットワークやその他SaaSのアプリケーションを開発・提供しているサイボウズでは、チームビルディングのための研修・ワークショップを実施しています。
サイボウズは自社の理念を「チームワークあふれる社会を創る」としており、チームワークが良い会社になるためにさまざまな文献や論文を研究し、独自のノウハウやフレームワークを作りあげている企業です。サイボウズは企業のチームワーク向上のために、「サイボウズの企業研修プログラム」と題して、社外のチームビルディングへ貢献しています。
グーグル
グーグルは、日常的にできるチームビルディングへ積極的に取り組んでいます。さまざまな角度からチームビルディングについて研究し、その成果の一部を「「効果的なチームとは何か」を知る」にて公開しています。
グーグルによれば良いチームをつくるためには「心理的安全性」「相互信頼」「構造と明確さ」「仕事の意味」「インパクト」の5つの要素を考えるとよいとのことです。また、チームの取り組みを共有する際は「共通認識を持つ」「チームの力学について話し合う場を作る」「チームの強化と改善にリーダーを巻き込む」の3ステップが必要だとも説明しています。
チームビルディングにおすすめのゲーム
チーム作りをしていくなかで最も効果的なのが、全員で夢中になれることです。ここでは全員参加が前提の体験型ゲームを紹介していきます。
チームでゲームに取り組めば、多方面からの視点でものごとが判断され、肯定的・否定的・飛躍的な意見が多く飛び出します。また、自身も他のメンバーの考えに対して意見を述べることで、チームとして悩むこともでき、一人で悩んでいても解決できない事項を、チームでは解決できるという認識をもたらしてくれます。
合意形成ゲーム「NASAゲーム」
NASAゲームとはコンセンサスゲームです。コンセンサスとは複数の人による合意のことを指し、このゲームでは、チームメンバーとの合意形成を担う必要があります。
各自が自身の意見を掲示していき、意見の対立を重ねながらチームでの話し合いを経てチームとして共通の結論を出していくことになります。
このゲームは月面着陸を目標とする宇超飛行士が、故障のために不時着した母船にたどり着くために、破損していない綺麗な15個のアイテムを見極めて、これらに優先順位をつけるという内容です。簡単そうで難しく、個人の意見ならすぐに終わりそうですが、チームメンバーと一緒だと、意見をまとめるのにも苦労します。
なお、NASAによる模範解答まであるので、議論の結果も分かるという興味深いゲームとして存在します。
経営シミュレーションのペーパータワー for ビジネス
面白い遊びを経営に見立てたのが、ペーパータワーforビジネスです。20枚~30枚の紙を使い、制限時間内に出来るだけ高いタワーを建てるという簡単なゲームに経営的要素を追加したアクティビティです。
紙を1枚分お金に換算し、建てるごとに売上が伸び、収益が増えます。新しい紙を増やして売上を伸ばすには、新たな紙を購入する必要があります。
このように、売上や仕入れ値など実際の経費に見立てて積み上げていくというシミュレーションになっていきます。人件費などを考慮しても面白そうです。失敗することもあるので、複数回実施できるようにします。これによりチームで協力して行うことができます。
経営疑似体験ゲーム 「THE商社」
このゲームは、各チームにビジネスに必要な3要素(ヒト・モノ・カネ)をカードにして配ります。それぞれヒトは「ビジネスカード」、モノは「資源カード」、カネは「資金カード」となっています。1チームが1つの企業となって、3種類のカードを駆使して利益の最大化を目指します。
配られるカードはチームごとに異なり、他チームとの交渉をして必要なカードを獲得していきます。獲得したカードを組み合わせて、新規ビジネスとして成立し、「固定資産」を得ることができます。
要はこの固定資産を多く獲得することが勝利につながります。たかがカードゲームと侮る方もいるでしょうが、これは現実的に仕事で活用することもある内容となっています。
事実、ビジネスで活躍している方は毎回勝利することもあるほどです。大きく利益幅を伸ばしたチームが優勝となります。
チームはメンバーの役割分担を決めていき、新たなカードを手にするには交渉することが大事で、そのカードを元に新規事業を立ち上げていきます。
また、他チームの戦略を把握することも必要といえます。ゲーム時間も2時間と充実した内容となっています。
正解率が高い謎解きゲーム
ビジネスマンには想像力やひらめきを求められることがあります。チーム一丸となって取り組める内容になっているのが、「謎解きゲーム」です。
これは上司からの指令となりますが、企画書が汚れており、肝心な部分が読み取れないという趣旨で始まります。断片的となった大雑把な情報から、推理していき、チームメンバーと意見を交換していき、正解に導いてきます。難易度はそれほど高くなく、おおむね80%のチームが正解を出しています。
企画書に必要な基本的なことが問題になっており、これからビジネスに携わる新人にも易しい内容となっています。
チームビルディングに役立つ本
チームビルディングについて書いた本はさまざまありますが、代表的な本を3種類紹介します。IT企業よりの内容になっていますが、もちろんチームビルディング自体は普遍的にどの企業にも通用する内容です。
『Team Geek』
『Team Geek』は、グーグルのプログラマーからリーダーになった著者が、「エンジニアが他人とうまく仕事をするにはどうすれば良いのか」について書いた本です。講演を書籍化したもので翻訳本でありながら読みやすいのが特徴です。
エンジニアがエンジニアのチームビルディングについて書いた本といっても、その理念や手法はエンジニア以外にも普遍的に通用するのものが数多く掲載されており、非IT企業でも充分に参考になります。
『あなたのチームは、機能してますか?』
『あなたのチームは、機能してますか?』は、小説の形式でチームビルディングについて学べる書籍です。物語は順風満帆なベンチャー企業が2年後に業績不振、取締役会が37歳のCEOを解雇、代わりにブルーカラー企業出身の57歳の女性がやってきたところからスタートします。
チーム作りの天才で彼女の手法を物語形式で紹介しつつ、チームワークについて勉強できるよう書かれています。物語式の読みやすさとチームワークに関する専門性を両立した本で、読みやすくも本格的なチームビルディングについて学べます。
『チームのことだけ、考えた。』
『チームのことだけ、考えた。』は、サイボウズの代表取締役である青野氏がチームワーク・ビルディングについて書いた本です。
現在こそ優れたチームワークを持っていると言われているサイボウズですが、青野氏が社長に就任した当初は社員の離職率は28%と極めて高い数値でした。原因の1つは労働環境で、青野氏がどのようにこの状況を改善し、現在のサイボウズをどのように作り上げたのかが書かれています。
チームリーダー育成に必要な研修サービス
プロジェクトを成功に導き、新しいリーダーを生み出せる人材を育成するサービスを紹介します。
リーダーのための4つの本質的な役割 - フランクリン・コヴィー・ジャパン株式会社
画像出典:リーダーのための4つの本質的な役割公式サイト
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