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Webアプリケーションとは? 開発手順や必要言語・実践例も | フレームワーク・サーバー

最終更新日:(記事の情報は現在から414日前のものです)
Webアプリケーションとは、インストール不要でインターネット上で利用できるアプリケーションを意味します。Webサイトや他のアプリケーションとの違い、開発手順からメリット・デメリットについても詳しく解説します。プログラミング言語やフレームワーク、開発ツールの紹介もしているので、参考にしてください。

Webアプリケーションとは?

Webアプリケーション(Web app)とは、インストールする必要がなく、インターネット上で利用できるアプリケーションを意味します。一般的なWebサイトとは異なり、高度な機能をもちます。Webアプリケーションを開発するためには、専門的なプログラム言語が必要です。

例としてGmailや、Dropboxなどが挙げられます。手元にパソコンやスマートフォンといった端末、そしてインターネットに接続できる環境さえあれば利用できるのが、Webアプリケーションの特徴といえるでしょう。

Webサイトとの違い

Webサイトとの大きな違いは、機能が豊富で双方向のやり取りができる点です。通常Webサイトは、文章や画像の閲覧といった一方通行の静的なものが基本であり、内容も作成者が更新しなければ変化はありません。

一方Webアプリケーションは動的で、コメントの投稿やメモ書き、商品購入、マップ表示といった幅広い機能が搭載されています。またこれらの機能を活用し、閲覧者と企業側でコミュニケーションを行うことも可能です。

なお、WebサイトやWebアプリケーションも含め、Webブラウザから閲覧・利用できるものは、まとめてWebサービスと呼ばれます。

ネイティブアプリケーションとの違い

ネイティブアプリケーションとは、アプリケーション自体をスマートフォンやタブレットにインストールし、端末上のみで作動するもののことです。対して、Webアプリケーションはインストールする必要がなくインターネット上で利用できるアプリを指します。

Webアプリはサーバーにプログラム本体があり、ネイティブアプリは端末にプログラム本体があります。そのため、Webアプリはインストールの手間がなく容量も圧迫しませんが、動作はネイティブアプリの方が速いのも大きな違いです。

ハイブリッドアプリケーションとの違い

ハイブリッドアプリは、Webアプリとネイティブアプリ両方の性質を兼ね備えている、中間的な存在です。基本的な作り方はWebアプリと同じで、HTMLやCSSなどの言語を主に使用します。

通常Webアプリはデバイス独自の機能は使用できません。しかしハイブリッドアプリはJavaScriptを用いたコンポーネント(部品)を追加することで、ネイティブアプリのようにデバイス独自の機能を使えるようになります。

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プログレッシブウェブアプリケーションとの違い

プログレッシブウェブアプリケーションとは、モバイル向けのWebサイトをアプリケーションのように使える仕組みのことです。通常のWebページとネイティブアプリの両方の性質をもっているといえます。

Webアプリケーションの歴史

Webアプリケーションの歴史は、1990年にWorld Wide Webが登場して始まりました。World Wide Webが登場した当初は、Webサイトにあるリンクからページを移動する程度しかできませんでした。

しかし1993年にCGI(Webサーバー上でプログラムを実行する仕組み)が登場したことで、動的にHTML文書の生成・送出ができるようになります。それから急速にWebサービスは発展し、2001年にはブログが誕生、そして2004~2006年にTwitterをはじめとするWebアプリケーションが誕生しました。

現在でもWebアプリケーションに関連した技術は精力的に開発されており、自社のWebサーバーではなく、クラウドサーバーを活用したWebアプリケーションも一部で開発されています。

Webアプリケーションの仕組み

まずWebアプリケーションの構成は、フロントエンド(クライアントサイド)とバックエンド(サーバーサイド)、そしてデータベースにわけられます。開発におけるそれぞれの役割を確認しましょう。

フロントエンド(クライアントサイド)

フロントエンド(クライアントサイド)とは、ユーザーが閲覧・操作ができる部分のことです。たとえばGoogleだと、サイトのデザインや検索バー、ブログであればコメント機能やお気に入り登録などが該当します。ユーザーが見られる画面(ブラウザ)やスマートフォン、パソコンもすべてフロントエンドと呼ばれます。

バックエンド(サーバーサイド)

バックエンド(サーバーサイド)は、フロントエンド(クライアントサイド)とは反対に、ユーザーからは見えない・操作ができない部分を総称したものです。Webアプリケーションの本体が置かれている場所でもあり、ユーザーが入力した情報をもとに、結果を反映させたり、データを保存したりする役割があります。

たとえばGoogleの場合、ユーザーが検索したキーワードに対し検索結果を表示することや、ネットショップであれば購入履歴を保存することが該当します。

データベース

データベースとは、膨大なデータを検索しスムーズに引き出せるよう管理・保存する場所のことです。WebアプリケーションやWebサイトでは必ず使用されます。たとえばGoogleの場合、ユーザーから送られたキーワードに対し、データベースのなかから最適なデータを探して検索結果として反映させます。

Webアプリケーションの通信の仕組み

では、Webアプリケーションでは、フロントエンドやバックエンド、データベースがどのようにやり取り(通信)を行うのでしょうか?主な流れは次のとおりです。

  1. フロントエンド(Webブラウザ)からバックエンド(サーバー)にリクエストを送る
  2. バックエンド(サーバー)がデータベースからリクエストされたデータを取得
  3. バックエンド(サーバー)が取得したデータをHTMLに変換
  4. フロントエンド(Webブラウザ)がHTMLを受け取り、画面の内容を変更

たとえばGoogleの場合、WebブラウザでGoogleを開き、検索バーから「世田谷区 ラーメン店」と検索したとします。「世田谷区 ラーメン店」をリクエストとして受け取ったサーバーは、データベースから、世田谷区に店舗があるラーメン店のサイトや、口コミ評価のページなどを抽出します。

サーバーはこれらのデータをまとめてHTMLに変換し、HTMLを受け取ったWebブラウザは検索結果の画面に表示する、といった流れです。

Webアプリケーション開発で利用するプログラミング言語【バックエンド=サーバーサイド】

バックエンド開発で利用されるプログラミング言語について紹介します。各言語で作られているサービスも合わせて解説するため、ぜひ参考にしてください。

Python

Pythonはコードがシンプルで、初心者が比較的簡単に学びやすいプログラミング言語です。AIのプログラミングにも使われるため、エンジニアからも認知度が高まっており、注目の言語といえるでしょう。

Pythonで開発されたWebアプリケーション例

YouTube、Instagram、DropBox

Ruby

Rubyは1995年に一般公開されたプログラミング言語で、日本語での解説が多いのが特徴です。日本で開発されたプログラミング言語の中で、初めて国際規格である国際電気標準会議(IEC)で認定されました。

Rubyで開発されたWebアプリケーション例

食べログ、クックパッド

PHP

PHPはWebアプリケーションやサービス作成に適した言語で、プログラミング初心者でも比較的簡単に学べます。ただし、大規模で複雑なアプリケーションの開発には不向きとされています。

PHPで開発されたWebアプリケーション例

Facebook、Wikipedia

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Java

JavaはOSに依存せずに開発ができるため、Webアプリケーションはもちろん、基幹システムやIoT機器の開発にも活用されている、根強い人気を誇るプログラミング言語です。また処理速度が速いため、大規模なWebアプリケーションの開発におすすめです。

Javaで開発されたWebアプリケーション例

Twitter、Google、楽天、Amazon

Webアプリケーション開発で利用するプログラミング言語【フロントエンド=クライアントサイド】

フロントエンド開発で利用するプログラミング言語について紹介します。各言語で作られているサービスも合わせて解説するため、ぜひ参考にしてください。

HTML

HTMLとはWebページの構造といったものを決めるために使われるプログラミング言語です。HTMLだけでもWebページの作成は可能ですが、一般的にはCSSと組み合わせて使用します。

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CSS

CSSはWebページを作るためのプログラミング言語で、HTMLと組み合わせて利用されています。CSSは主にページデザインの情報に使われるため、HTMLでの複雑なデザイン記述が不要となり、HTMLの構造をすっきりさせる効果を与えられます。

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JavaScript

JavaScriptはWebページに動的なものを作れるプログラミング言語です。クリックによってポップアップを出現させたり、動くグラフを作成したりできます。HTMLとCSSだけでは動きがないため、JavaScriptによって動きをつけることで、利便性やデザイン性を高められます。

Webアプリケーション開発手順

Webアプリケーション作成手順を手順1〜6にわけて、初心者にもわかりやすく解説していきます。パソコンでの個人開発を考えている方も参考にしてください。

手順1.仕組みの理解

Webアプリケーションを開発するにあたって、構成や仕組みを理解しましょう。詳しい内容は、上記の「Webアプリケーションの仕組み」でも紹介しているため、こちらもぜひ参考にしてください。

フロントエンド(クライアントサイド):アクセスした際にユーザーが閲覧や操作可能な部分
バックエンド(サーバーサイド):ユーザーからのリクエストに対応する見えない部分
データベース:膨大な量のデータを整理し管理する場所

手順2.プログラミング言語の選定

Webアプリケーション開発の仕組みを理解したら、プログラミング言語を選定します。クライアントサイド(フロントエンド)とサーバーサイド(バックエンド)、どちらを開発するかで必要となるプログラミング言語が異なるため、注意しましょう。初心者の場合は、前述した代表的な開発言語がおすすめです。

手順3.フレームワークの選定

プログラミング言語を選定したら、次にフレームワークを選びましょう。フレームワークとは、よく使う汎用的な機能をまとめたもののことで、Webアプリケーション基盤とも呼ばれます。これらを利用することで、Webアプリケーション開発を効率的に行えます。

またプログラミング言語によって、使えるフレームワークは違うため、注意が必要です。代表的なフレームワークを一覧にしたので、参考にしてください。

  • CakePHP : PHP用のWebフレームワーク
  • Ruby on Rails :Ruby用のWebフレームワーク
  • Django :Python用のWebフレームワーク
  • AngularJS :JavaScript用Webフレームワーク
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手順4.Webアプリケーション開発ツールの選定

Webアプリケーション開発では、さまざまな開発ツールが利用されています。効率化を図るために導入しましょう。主要なものを一覧にしたので、参考にしてください。

  • Source Tree : Gitの視覚的操作が可能なツール
  • GitHub : Gitをメンバーで共有できるツール
  • Cacoo : オンライン作図ツール
  • yarn : ツールのインストールや管理を行うツール
  • Node.js : 開発環境のミドルウェアツール
  • Webpack : 分割したJavaScriptファイルの統合ツール

手順5.サーバー・データベースの設置

Webアプリケーションでは、サーバーの設置・構築とデータベースの確保が必要です。サーバーを選ぶ際は、自身が作成するアプリケーションの規模に応じた、レンタルサーバーやクラウドサーバーを選びましょう。また前述したようにデータベースも、Webアプリケーションのデータを保管するために必要であるため、あらかじめ準備しましょう。

手順6.実際に開発

以上で準備は完了です。実際にWebアプリケーションの設計やテストを行い、開発しましょう。

Webアプリケーションのメリット

Webアプリケーションのメリットについて、主要2点を解説します。

アプリケーションの配布が不要

Webアプリケーション登場前のクライアントサーバーシステムでは、アプリケーションごとにプログラムをインストールする必要がありました。

しかしWebアプリケーションは、クライアントにブラウザーさえあれば、アプリケーションごとにプログラムをインストールする必要はありません。アプリケーション配布のコストがかからないことは、大きなメリットだといえるでしょう。

マルチプラットフォーム・デバイス

パソコンやスマートフォンにインストールさせるアプリでは、OSやバージョンの違い、デバイスの違いによって開発できる言語やバージョンが変わります。それにより、Windows用、Mac用といったようにアプリを個別に開発する必要があるのです。

一方Webアプリケーションはブラウザ上で稼働します。そのためクライアントOS間でブラウザー間の互換性が保持されていれば、個々のアプリケーションでOSの違いを気にする必要はほとんどありません。

ただし、JavaScriptといった言語への対応の違いによって、個別に対応が必要な場合もあります。

Webアプリケーションのデメリット

Webアプリケーションのデメリットについて、主要2点を解説していきます。

環境に性能が左右される

Webアプリケーションはユーザーがもつ端末のスペックで性能が決まるのではなく、Webアプリケーションを作動している環境で性能が決まります。そのため高スペックな端末を使用していたとしても、Webアプリケーションが作動する環境の都合上、動作が遅くなることも多々あります。

ウイルスの脅威に晒されやすい

セキュリティ面でのデメリットとして、常にインターネットに接続しており、誰でもアクセスできるため、ウイルスといった脅威に晒されやすいことが挙げられます。画像やドキュメントなどのファイルをオンライン上に保存できる分、保存していたデータの流出事故も起こりやすいので注意が必要です。

セキュリティ対策として一般的なのは、Webアプリケーションケーションファイアウォール(WAF)で、Webサービスの脆弱性を狙った幅広い不正アクセスに対応可能です。しかし、WAFはOSやミドルウェア、ネットワークを狙った攻撃は防げないため、複数のセキュリティを組み合わせる必要があるでしょう。

Webアプリケーション開発例4選

Webアプリケーションの開発例として有名なサービスを4つ取り上げます。Webアプリケーションのサンプルを見たい方や、アイデアが欲しい方はこれらの例を参考にしてください。

クックパッド

レシピサイトとして有名なクックパッドは、世界有数の巨大なRailsアプリです。2010年からiOS・Android向けにWebアプリケーションをリリースしました。これまで開発にはRubyやGolang、Python、Java、Rustが使用されています。1言語のみではなく、多くの言語やフレームワークを取り入れて開発を進める姿勢が印象的です。

Google

Googleはメインであるキーワード検索はもちろん、多くのサブ機能がWebアプリケーションとして搭載されています。主なアプリケーションとして、たとえば次のものが挙げられます。

  • 電車や車のルート検索
  • 電卓機能
  • 店舗地図上表示

開発言語としてC/C++やJava、JavaScript、Python、Goがあり多くの言語が使用されていることがわかります。

note

noteは文章や写真、イラスト、音楽、映像などの作品を公開・販売・購入できるプラットフォームです。開発言語には、RubyとJavaScriptが使用されています。ジャンルやタグからのクリエイターや作品が検索できるほか、SNS機能もあり、ここ数年で一気に認知度を広めた人気のサービスです。

2チャンネル

2チャンネルは無料で匿名投稿ができる掲示板サイトです。プログラムバグによってデータが消えたり、サイトが落ちたりしていた、電子掲示板「あめぞう」を改良するモチベーションで、2チャンネルが作成されたといわれています。

プログラミングスクールでの学習も視野に

Webアプリケーションとは、インターネット上で利用できるアプリケーションです。Webアプリケーションのメリットは、アプリケーションの配布が不要で、マルチプラットフォーム・デバイスで利用できることが挙げられます。ただし環境に性能が左右されることや、ウイルスの脅威に晒されやすいといったデメリットに注意が必要です。

Webアプリケーションの開発を学びたい場合、プログラミング入門者の方は、スクールで学習するのもおすすめです。スクールによっては無料で受けられるものや、オンライン型といった気軽に参加しやすいものもあります。また授業の内容もさまざまで、フリーランスコースや資格取得コース、エンジニアの就職支援など、しっかり仕事に結びつけられるものもあります。

次の記事では、プログラミングスクールの詳しい比較をしているので、ぜひ参考にしてください。

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