中小企業向けのBIツールを比較!メリットや選ぶポイント
社内のデータをまとめ高速で分析できるBIツールは、大企業での導入はよく目にするものの、中小企業では導入が難しいと思っていませんか。
システムにもよりますが、BIツールは中小企業でも利用できるサービスで、データドリブンな企業を目指すならぜひとも導入すべきです。そこでこの記事ではBIツールのメリットや選び方、中小企業向けのツールを紹介します。
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- おすすめBIツールの比較表
- BIツールとは
- BIツールのシェア
- BIツールを導入していない企業の課題
- 中小企業でBIツールの導入が進まない理由
- 高額な導入コストがかかる
- 使いこなすのが難しい
- 費用対効果への懸念
- 中小企業がBIツールを導入するメリット
- 分析やグラフ作成が短時間で完了
- データをすばやく確認・更新
- 現場がみずからデータを活用
- 中小企業のBIツールはクラウド型がおすすめ
- 導入ハードルが高いオンプレミス型
- 手軽に安く導入できるクラウド型
- 中小企業がBIツールを選ぶ際のポイント
- 扱いきれる範囲の機能か
- 現場で操作できるか
- 既存システムとの連携可否
- 信頼のおける事業者か
- 導入・運用コストに注意
- 中小企業向けのおすすめBIツール比較6選
- Tableau
- Power BI
- MotionBoard
- Codatum
- Qlik Sense
- Zoho Analytics
- 中小企業こそBIツールを導入してみよう
- BOXILとは
おすすめBIツールの比較表
おすすめBIツールの料金・機能比較表を作成しました。それぞれの違いをまとめているため、ぜひBIツール選定の参考にしてください。
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BIツールとは
BIは「Business Intelligence(ビジネスインテリジェンス)」の略で、経営に関連した幅広いデータを収集・分析するツールのことです。データ分析の処理速度と精度を高め、データ活用や経営判断の迅速化をサポートしてくれます。
主な機能はレポーティングやデータの多角的分析、売上・利益予測などです。BIツールの詳しい情報は次の記事で紹介しているため、こちらも参考にしてください。
BIツールのシェア
BOXILが実施した調査では、BIツールのシェア率は「Tableau」がトップで、「Power BI」や「Geckoboard」が続きます。MicrosoftやGoogleといった、有名な大手メーカーのツールが上位を占めているのが特徴です。
「Tableau」と「Power BI」は中小企業にもおすすめで、記事の後半でも詳しく紹介しているため、ぜひチェックしてください。またシェア率の詳細については、次の記事で紹介しています。
BIツールを導入していない企業の課題
現代では、業務やプロジェクトを進める際に、客観的なデータの分析結果をもとに意思決定を行う手法が一般的になりました。しかし、BIツールを未導入の企業では、業務のなかで蓄積された情報を集約するために大きな手間がかかるといった課題があります。
たとえば、各部門や拠点ごとにデータを分散して管理している場合、膨大なデータを収集し、Excelを使って手作業で集計・分析するのは大きな負担となるでしょう。さまざまなシステムからデータを取得し、データの形式をあわせて分析し、レポートを作成するにはかなりの時間と手間がかかります。
また、機密情報を含む重要データの取り扱いには情報漏えいリスクが生じるため、データを担当者のパソコンに保存するにはセキュリティリスクが懸念されるといったことも問題になり得ます。
中小企業でBIツールの導入が進まない理由
多くの企業でBIツールが導入されている一方で、中小企業では次のような理由からBIツールの導入が進まない場合もあります。
- 高額な導入コストがかかる
- 使いこなすのが難しい
- 費用対効果への懸念
高額な導入コストがかかる
高額な初期コストがかかるといった導入への難易度の高さが、中小企業でBIツールの導入が進まない理由の一つです。
もともとBIツールはオンプレミス型が主流だったため、BIツールの導入には自社サーバーを構築する必要があり、導入コストが高額になる傾向にありました。さらに、中小企業にとってBIツールは導入が不可欠なシステムとはいえないことも、初期コストが高額なBIツール導入に踏み切れない要因の一つでした。
しかし、近年では低コストで導入できるクラウド型のツールが増えています。オンプレミス型とは異なり、クラウド型は環境構築を行う必要がないため、ほとんど費用をかけずに導入が可能です。ランニングコストについても、人数に応じた従量課金性のサービスを選択すれば、はじめてBIツールを導入する小規模な企業でも利用しやすいでしょう。
使いこなすのが難しい
「操作が難しい」ことが理由でBIツールの導入が進まないケースもあります。
もともとBIツールはデータアナリストのような専門家のために開発されたツールで、操作は他の業務システムと比べて難しい傾向にあります。そのため、専門知識のないユーザーにとっては「使いこなすのが難しい」「機能を活かしきれない」と感じることもあるでしょう。結果として、導入しても現場で有効活用できずに、使用する人が少なくなるといった状況が起こり得ます。とくに、中小企業では専門知識をもつ人材が少なく、ツールの運用が困難になる場合が多いでしょう。
ただし、現在では専門知識を必要とせず、現場の担当者が簡単に利用できるツールが増えています。このようなツールを利用すれば、専門知識のある人材がいない場合でも有効活用できるでしょう。
費用対効果への懸念
導入後の費用対効果を懸念して、BIツールの導入が進まない理由の一つです。
従来のBIツールは、データ分析の結果を出すために、分析の専門知識をもつ技術者の存在が必要でした。そのため、初期投資費用やランニングコストが高額になるだけでなく、人件費にも高いコストがかかってしまうため導入を躊躇する要因となります。
また、ツールの導入で実際に得られる効果が不明確なため、投資リスクが懸念されがちです。せっかくツールを導入しても、うまく活用できなかったり、期待した効果につながらなかったりすれば費用対効果が得られず、かけたコストがムダになりかねません。
ただし、誰でも使いやすいツールや、ニーズを明確にし合致した機能のあるツールを選ぶことで、導入効果を高められるでしょう。
中小企業がBIツールを導入するメリット
中小企業がBIツールを導入すると、現場の担当者がデータを活用できるようになるため、工数を削減でき、より的確な意思決定をくだせます。従業員が担当の作業で手一杯な企業こそ、導入すべきツールだといえるでしょう。
分析やグラフ作成が短時間で完了
BIツールを導入する最大のメリットは、分析やグラフの作成が簡単にすばやくできる点です。BIツールであれば、複雑な手順や作業を介さずとも必要なデータを取得できます。
従来データをExcelやほかのシステムで処理する場合、特有の操作方法を覚え、データをコピーアンドペーストすることや、データの整理が必要でした。しかしBIツールであれば、情報を少ない工数で処理・分析できるため、意思決定に必要な情報もスピーディーに得られます。
データをすばやく確認・更新
BIツールのなかにはスマートフォンから操作できるものも多くあり、うまく活用すれば数値のチェックにかかる時間を削減できます。営業担当者が出先で必要なデータを収集したり、顧客データを更新したりできれば、データにもとづいた合理的な判断が可能になります。
場所を問わず最新のデータを確認・利用できるのはBIツールの強みです。また従来パソコンのみでしか閲覧できず、手動でデータを貼り付る必要があった環境を考えれば、大幅な業務効率の向上が図れるでしょう。
現場がみずからデータを活用
BIツールが役立つポイントには、現場でデータを活用し、的確な行動を取れる点もあげられるでしょう。情シスや開発に逐一依頼して分析していたデータを担当者自身が使えれば、スピード感をもって施策を進められます。
たとえば、営業担当者がツールを使いこなせないからといって利用を敬遠していた過去があったとします。しかし、セルフサービスBIをはじめとした使いやすいBIツールであれば、担当者がみずからデータを分析し判断に活かせるでしょう。
中小企業のBIツールはクラウド型がおすすめ
中小企業がBIツールを導入する際は、クラウド型のツールを選ぶのがおすすめです。BIツールには大きくわけて、オンプレミス型とクラウド型の2つの導入形態があります。
導入ハードルが高いオンプレミス型
オンプレミス型は、自社サーバーにシステムを構築するタイプです。柔軟なカスタマイズが可能なものの、サーバーを構築する必要がありメンテナンス業務も発生します。またシステムを1から構築するため初期費用やサーバーにかかる費用が高額であり、中小企業としては導入のハードルが高いといえるでしょう。
くわえて中小企業は、専門性の高さから難易度が高いBIツールを使いこなせる人材がいないことも多く、うまく活用できないケースが多々あります。こういった場合には、ツールの使用自体をやめると莫大な損失となる危険性があり、使い続けても費用対効果が悪くなる可能性もあります。
手軽に安く導入できるクラウド型
一方クラウド型は、クラウド環境にシステムを構築し、運営会社が管理するタイプです。インターネットを介してシステムを利用するため、システムを1から構築する必要がありません。そのためすぐにシステムが利用で、システム構築のための専門家も不要です。
また初期費用は低価格や無料であるケースが多く、代わりに月額費用を支払います。初期投資の負担が少なく、もしうまく導入や活用ができなかった場合でも、早めに撤退することで損失を最小限に収められます。
またインターネット環境があれば場所を問わず、BIツールにログインしてデータのチェックが可能です。前述したように営業部門といった外出の多い現場社員でも、自由にデータを活用できるでしょう。これらの理由から、中小企業であればクラウド型BIツールの導入がおすすめです。
中小企業がBIツールを選ぶ際のポイント
中小企業がBIツールを選択する際に注目すべきポイントは、導入形態のほかにもいくつか存在します。それぞれ確認しましょう。
扱いきれる範囲の機能か
社内で扱いきれる範囲の機能が搭載されたBIツールを選択しましょう。BIツールは、豊富な機能が実装されている製品は多いものの、すべてを実際に利用するケースは少ないはずです。
機能が多いと予算がかさむほか、操作が複雑になりがちで、運用が難しくなる可能性もあります。それに対しシンプルなBIツールは、価格が抑えられているメリットにくわえ、扱いやすい点も強みです。そのため、中小企業は必要十分な機能があるBIツールを選びましょう。
現場で操作できるか
現場の担当者が操作できるBIツールかも重要な選定ポイントです。BIツールによっては専門知識がなければ扱いが難しいものもあります。しかし大量のデータがすばやく処理できるBIツールを、情シスや開発のちからを借りずに操作できれば、さらなる業務効率の向上につなげられるでしょう。
中小企業での利用を考えるのであれば、可能な限り初心者でも問題なく操作できるツールを選択してください。
既存システムとの連携可否
自社にあるシステムを洗い出し、連携できるか確認しましょう。BIツールは企業にあるさまざまな情報を収集し、分析するためのツールです。そのためできるだけ多くのシステムと連携して情報を集めることで、効率と分析の精度が高められます。
もし社内にあるシステムが複数あって連携できず、データベースもバラバラな場合は、データの統合が必要です。データ統合にはETL・DWHといった機能が必要になるため、統合を行いたい場合はこれらの機能があるか確認しましょう。
信頼のおける事業者か
BIツールは定着すれば長期的に使う可能性が高いため、ツールを提供している事業者が信頼できるかチェックしましょう。サービスの停止や経営破綻、統合などがあると、慣れ親しんだツールから移行しなければなりません。とくにBIツールは専門性・機能性が高いためツールの移行も一苦労です。
そのため事前にツールを提供しているのが、どのような企業がチェックしましょう。またあわせてサポート体制やセキュリティ、コンサルティングサービスなども確認すると安心です。
導入・運用コストに注意
クラウド型はコストが抑えられるとはいえ、事前にチェックするのは重要です。前述したように、クラウド型BIツールは初期費用を抑えられるものの、代わりに毎月運用コストがかかります。そのため、必ず事前に見積もりを依頼して、費用以上の効果が出せるかを検討しましょう。
またシステムの利用料とは別に、データ転送に費用がかかるサービスも存在します。サービスを比較する際は、通信料も含めてチェックしてください。
中小企業向けのおすすめBIツール比較6選
次に、中小企業におすすめな人気BIツールを紹介します。それぞれのBIツールの特徴を比較して、検討する際の参考にしてください。
Tableau - 株式会社セールスフォース・ジャパン(Tableau)
- 専門知識不要でデータをビジュアル化
- Google Analyticsをはじめ、多くの外部ツールと連携可能
- 分析に必要な機能を網羅
Tableauは、導入規模問わず世界中で利用されているBIツールです。ドラッグ&ドロップを中心とした操作で利用でき、コーディング不要で分析データの準備から視覚化、共有まで対応できます。
また業界や企業にあわせダッシュボードをカスタマイズ可能です。くわえて豊富な拡張機能や連携ツールにより、マーケティングや財務など、業務領域問わず対応できます。
- Excelのような使用感
- グラフ作成はデータを貼り付けるだけ
- Microsoft TeamsといったMicrosoftサービスにレポートを埋め込み可能
Power BIは、Microsoft Corporation提供のBIツールで、Excelのような使用感が特徴です。レポート作成やデータ内にあるパターンの検索などをサポートするAIが搭載され、膨大なデータも任意の切り口で可視化、分析できます。スマートフォンやタブレットでも分析できるため、出先での情報確認にも便利です。
Power BIの運用についてサポートを受けたい、ハンズオンでの内製化支援トレーニングを利用したいといった企業には、イースト株式会社の導入支援サービスがおすすめです。ライセンス販売にも対応しており、スムーズなBIツール導入をサポートしてもらえます。
MotionBoard - ウイングアーク1st株式会社
- 社内データを効率的に集約・分析
- 多くのデータベースとの連携
- パッケージとクラウドが選択可能
MotionBoard Cloudは、社内に点在しているデータを収集し、データドリブンな企業戦略を構築できるBIツールです。集約した情報はダッシュボード上で可視化され、現場の社員がリアルタイムに活用できます。パッケージ版とクラウド版を利用できるので、環境にあったタイプを選択するとよいでしょう。
Codatum - 株式会社CODATUM
- SQLベースで加工、分析、可視化まで可能
- 分析やサポートを依頼できるAIアシスタント機能
- 組織構造、ポリシーに応じ細かく調整できるアクセス権
Codatumは、コードファーストなインターフェースにより、自由度の高い分析を行えるBIツールです。SQLの結果をリアルタイム表示できるほか、SQLからチャートを直接作成できます。
複数人による同時編集、外部との共有も可能です。エラーに対する修正方法や分析などをサポートしてくれるAIアシスタント機能を備えています。
Qlik Sense - 株式会社デジタルスフィア
- ドラッグアンドドロップで操作が可能
- スマートフォンでもデータを視覚化
- AIアシスタントで作業を自動化
Qlik Senseは、ドラッグアンドドロップを中心とした操作で、データの加工や分析ができるセルフサービスBIです。現場担当者の利用を前提としている、使いやすいBIツールであるため、専門知識を有していなくても、データの収集や加工ができます。
そのため現場にも定着しやすく、中小企業が意思決定に欠かせない重要な考察を得られるようになるでしょう。さらにAIアシスタント「Insight Advisor」によって、作業の自動化もできます。
Zoho Analytics - ゾーホージャパン株式会社
- ダッシュボードや図表の作成が簡単
- AIによる分析のサポート
- コネクターが使いやすい
Zoho Analyticsは、グラフの定点観測に役立つダッシュボードや、直感的な図表作成が特徴のセルフサービスBIです。基幹システムをはじめ複数のデータ元から情報を集約でき、分析にかかる工数の削減に貢献します。
また、AIによる分析サポートも可能です。コネクターが使いやすく、ファイルやアプリ、クラウド・オンプレミスシステムなど幅広いソースに接続できます。そのためCRMやツールと組み合わせ、効率よく精度の高い分析ができるでしょう。
【参考記事】
・BIツールの比較
・BIツールの比較(オープンソース)
・BIツールの導入事例
・BIツールとExcelの違い
中小企業こそBIツールを導入してみよう
中小企業がBIツールを導入するメリットや、ツール選択のポイントなどを解説しました。BIツールは大企業向けのシステムだと思われがちですが、中小企業にとっても役立つツールです。
導入にあたっては、実装されている機能をよく確認し、現場で問題なく利用できるかチェックしましょう。専門知識がなく使いこなせるか不安な場合は、個人利用が可能なセルフサービスBIの検討もおすすめです。
BOXILとは
BOXIL(ボクシル)は企業のDXを支援する法人向けプラットフォームです。SaaS比較サイト「BOXIL SaaS」、ビジネスメディア「BOXIL Magazine」、YouTubeチャンネル「BOXIL CHANNEL」を通じて、ビジネスに役立つ情報を発信しています。
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