顧問契約とは?契約書のひな形付きで記載事項も解説
顧問契約とは
顧問契約とは業務委託契約の一種です。専門性の高い知識や経験、判断能力を持つ専門家と顧問契約を交わすことで、専門家の能力を経営に活用することを目的として締結します。
たとえば、弁護士にリーガルチェックを依頼したり、特定の経験や実績のある経営コンサルタントと契約してアドバイスをもらったりと、顧問契約を交わす相手は目的によってさまざまです。
また、顧問料の支払い方法や契約期間もケースによって異なりますが、月給制やタイムチャージなどで支払うケースが一般的です。契約期間は目的によって変わってきますが、顧問契約の場合は継続的な契約を前提としているのが特徴です。
顧問契約と業務委託契約の違い
顧問契約も業務委託契約の一種ですが、一般的に業務委託は社内のプロジェクトや業務単位で契約を締結する際に結ばれる契約です。これを踏まえたうえで、顧問契約と業務委託契約を比較してみると「契約相手」「目的」「契約形態」の3点が主な違いと言えるでしょう。
顧問契約の契約相手は、特定分野の専門家です。専門家が持つ知識やスキルを自社の経営に活かすことを目的に、継続的に契約が交わされます。
一方で、業務委託契約の契約相手は必ずしも専門家とは限りません。依頼者に特定の業務を完遂してもらうことを目的に単発で契約が交わされるのが一般的です。
顧問契約のメリット
顧問系契約のメリットは次のとおりです。
- 自社の成長に役立つ
- トラブルや専門性の高い課題に迅速に対応できる
- コスト削減を目指せる
企業は、社会情勢の変化や法改正などに都度対応していかなければなりません。事業のあらゆる判断や施策の実行には専門的な知識を要する場面が多く、自社だけでは対応しきれないこともあるでしょう。専門家と顧問契約を結んでおくことで、専門的な相談・助言を受けられれば、スムーズに決断したり問題解決したりできます。
メリットをそれぞれ詳しく解説します。
自社の成長に役立つ
顧問契約を結ぶことで、専門的な知識を持つ人物から相談やアドバイスを受けられ、自社の成長に役立てられます。経営に限らず、第三者からの助言は改善点や問題点の発見につながることも。専門家に的確かつ専門的なアドバイスをもらいながら、自社の成長につなげていきましょう。
トラブルや専門性の高い課題に迅速に対応できる
会社を経営するなかで、緊急を要するトラブルの発生や予測ができない社会情勢の変化など、迅速な対応を求められることもあるでしょう。そんな時、専門家と顧問契約を結んでおけばすぐに適切なアドバイスをもらえます。
トラブル発生時に専門家を探す手間もなく、日常的に専門家に相談やアドバイスをもらう体制ができていれば、不測の事態にもスムーズに対応できるでしょう。
コスト削減になる
顧問契約はコスト削減にもつながります。顧問契約は高度で幅広い知識やスキルを持った専門家を雇うのと同等です。
たとえば、法務部を立ち上げる場合の人件費や運営費、教育・研修費などと比較すると、短期的に見れば弁護士と顧問契約を結んだ方が低コストで済む場合が多いです。また長期的にみた場合、トラブルなどが発生した際に単発で依頼するよりも、顧問契約の方がコストパフォーマンスが高いといえます。
顧問契約のデメリット
顧問系契約のデメリットは次のとおりです。それぞれ詳しく解説します。
- ミスマッチのリスクがある
- 顧問契約締結後の契約解除が難しい
- 顧問料が発生する
ミスマッチのリスクがある
どんなに経験が豊富で多くの実績を持っていても、顧問と相性が良いかは別の問題です。実際に依頼して一緒に仕事をしてみなければ、自社に合うか合わないかの判断は難しいでしょう。そもそも、顧問契約は専門家との契約が前提である以上、人材を見つけること自体が難しいという点もデメリットといえるかもしれません。
無料相談や信頼できる相手からの紹介や口コミなどを参考に、自社に合う人物かどうか確認すると良いでしょう。
顧問契約締結後の契約解除が難しい
顧問契約は、契約期間が1年以上の長期にわたるケースが一般的です。顧問契約を結んだあとに自社との相性が悪いと感じた場合でも、短期での契約解除ができない場合や途中解約による料金の支払いが発生する点はデメリットと言えます。
顧問料が発生する
顧問契約を結ぶことで顧問料が発生します。顧問料は依頼する業務内容や業務量によって異なりますが、相談する件数が少ない月や上手に顧問を活用できないときは、顧問料を負担に感じることもあるかもしれません。
顧問契約書の主な記載事項
顧問契約を締結するために作成する顧問契約書は、契約書の詳細な内容について互いに協議することから始まります。
作成にあたっては、専門家側で基本契約書のひな形を持っている場合があります。そのような場合は、専門家側のひな型に合わせて変更や追記をする形で契約書を作成できるため、顧問契約を結ぶ際に尋ねてみるとよいでしょう。
顧問契約書を作成する場合の主な記載事項を6つ紹介します。
- 契約目的
- 契約期間
- 業務内容
- 顧問報酬
- 機密保持
- 中途解約
契約目的
顧問業務に係る契約書であることを明示します。依頼をする側と依頼を受ける側がどちらであるかがはっきりわかるように記載しましょう。
契約期間
顧問契約の期間を記載しましょう。顧問契約期間が終了したときは、自動延長するのか協議したうえで延長をするのか明記します。
また、顧問契約を結ぶ相手の業種によっては、実際の業務をしてみなければ内容に満足できるかわからない場合もあるでしょう。そのような場合に契約期間の途中でも、内容に満足いかない場合は途中解約ができるよう条項を盛り込むことで、先述したデメリットのリスクを回避できる場合もあります。
業務内容
顧問契約を結ぶことで、どのようなサービスをどのような範囲で受けるのかを具体的に記載します。
この項目があやふや、または依頼者側に内容を委ねてしまうと、必要なサービスが受けれない場合や別途料金が発生する場合があります。何のために顧問契約を結ぶのか明確にしてから契約書を作成してください。
顧問報酬
顧問料の金額を記載します。金額だけではなく、顧問料の支払い日や支払い方法も合わせて記載しましょう。
また、顧問料以外の費用が発生する可能性がある場合は、支払い条件や金額を決めて明記しておくと良いでしょう。
機密保持
顧問契約では、外部の専門家に依頼する性質上、依頼者側(企業側)の製造ノウハウや営業機密などを依頼者に開示することが多くなります。
業務を遂行する過程で知った情報を外部に漏らさないことは当然のことながら、他の目的で利用されないためにも、機密保持に関する合意を得ることが必須です。
中途解約
顧問契約を中途解約できる条件や中途解約の方法を記載します。解約後の未払いの顧問料の精算方法も取り決めて記載しておくと良いでしょう。
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