ABテストツール比較おすすめ10選!メリットや選び方を解説

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ABテストとは
ABテストとは、Webページの特定の要素について、AとBのパターンのどちらがよりコンバージョンに結びつくかを調べるテストのことです。Webマーケティングにおける、CRO(Conversion Rate Optimization/コンバージョン率最適化)の方法の1つです。
ABテストでは、デザインや機能、テキストなどを、変更前のパターンAと変更後のパターンBの2パターンを用意し、ランダムに表示して、どちらがより高いコンバージョンに結びつくかを測定します。主にWebページやバナーのデザインや導線、レイアウトの改良に用いられ、効果的なWebマーケティングを行うことを目的としています。
ABテストは、Webページの改善の仮説を立て、テスト結果で仮説を検証しながら最適な施策を導き出します。ABテストを繰り返すことで、CTR(クリック率)やCVR(コンバージョン率)の高い、売上につながるWebサイトへと改善していけます。
素早く効率的かつ正確にABテストを行うためのツールが、ABテストツールです。ABテストツールを使うことで、Webマーケティング施策のPDCAサイクルを迅速に回すことができます。
ABテストには、カイ二乗検定、フィッシャーの正確確率検定、ニ項検定、t検定などの理論が用いられています。それぞれ分布に差があるかを調べる統計学的な理論で、ABテストツールを使えば難しい計算なしに、テスト結果の有意差の判定が可能です。
ABテストを実施するメリット
ABテストを実施する主なメリットは、「低予算」「簡単実施」「データドリブン」の3つです。
低予算でCVRを改善可能
ABテストでは、Webサイトの大規模なリニューアルを実施せずに、細かい改善を繰り返していきます。そのため、低予算でのWebマーケティング施策が可能です。ABテストの効果検証の精度を高めることで、低予算であってもコンバージョン率やコストパフォーマンスの改善が期待できます。
大規模なリニューアルや広告への投資に伴うリスクなしで、ABテストで売上向上につなげられるのは大きなメリットです。
ABテストツールで簡単に実施できる
近年、ABテストを実施できるツールが多数開発されています。これらのツールを使用することによって、非エンジニアでも簡単にABテストを実施できるほか、改善施策の精度向上にも役立てられます。
データドリブンな施策につながる
ABテストで比較検証するのは、グラフィック要素やキャッチフレーズといったクリエイティブが対象となります。クリエイティブは主観で判断されがちなため、ABテストでデータをもとに決定することでスムーズな施策に導けます。ABテストを継続することで、主観を排除したデータドリブンなWebマーケティングが、組織に浸透していくことが期待できます。
ABテストのデメリット
一定数のアクセス数が必要
ABテストのデメリットは、検証のために一定数のアクセス数が必要なことです。充分なアクセス数が集まらなければ、結果と施策の因果関係を証明できません。そのため、訪問者の少ないWebサイトでABテストを実施しても意味はありません。また、アクセス数を集めること自体に時間や予算が必要なケースも多いです。
継続的に行うことが必要
ABテストは、Webページの一つの要素について仮説を立て、テストと検証を繰り返していきます。一つのABテストの検証だけでも、ある程度の期間が必要で、結果に有意差が認められないこともあります。そのためABテストは、ねばり強く継続的に実施することが必要で、人的リソースの確保も必要となります。
ABテストの対象
ABテストの対象によって比較すべきポイントは異なります。そこでどのような対象をABテストできるのか、いくつか紹介します。
広告
広告の中でも特にABテストに向いているのがWeb広告です。同様の広告枠に出稿しても広告の文章や画像によって、費用対効果が大きく異なります。
たとえば「野菜 通販」というキーワードに広告を出稿する場合、「オーガニックであること」「低価格で購入できること」「産地から直送していること」など多くのアピールポイントが考えられます。同じキーワードに出稿している場合でも、クリック率やコンバージョン率は異なるので、ABテストの仮説の精度が求められます。
LP(ランディングページ)
LP(ランディングページ)におけるABテストで注意すべきはデザインです。たとえば、申し込みのボタンを赤色にするか緑色にするかのみでもクリック率は変化します。
LPのレイアウトもABテストの対象となります。先に品質を訴求してから価格を紹介するのか、価格を打ち出してから品質を紹介するのかなど、コンテンツのレイアウトを入れ替えることでコンバージョン率を向上できます。
メール配信
メール配信のABテストでは、メールのタイトルや文面が検証対象となります。また、配信するタイミングも重要です。深夜に配信するのか、朝方の電車に乗っている時間に配信するのか、寝る前の暇な時間に配信するのかなど、タイミングによって開封率は大きく異なります。
配信するタイミング、ターゲット、内容について工夫することにより、メールからのコンバージョン率も改善できます。
ABテストの方法
ABテストを成功させるためには、PDCAサイクルをきちんと回すことが求められます。
仮説を立てる
ABテストは、仮説を立てることではじめて、どれくらいの効果があったのか、またどのように修正すれば効果を上げられるのかがわかります。反対に仮説を立てなければ、何のためにABテストを行っているのかがわからず、マーケティングの目的を見失いかねません。
施策を振り返る際に納得のいく結論を導き出すためにも、どのような違いがどういった結果を生み出すのかきちんと仮説を立てて、ABテストを実施しましょう。
条件を揃える
仮説に基づいてパターンを準備する際に注意すべきは、ABテストのために設定した違い以外をできるだけ同条件にすることです。たとえば、バナーのデザインをテストする場合、そもそもバナーを掲載する場所が異なっていれば、デザインだけではなく場所が結果に影響を与えた可能性を排除できません。
検証したいパターン以外は、極力統一して仮説を検証しやすいよう努めましょう。
テストする
テストする際はアクセス数が集まっているか、条件が同一になっているかをきちんとチェックしてください。アクセス数が少なければ正しい結果と異なる分析に終わるかもしれません。また、誤って特定の条件に基づいてABテストをしていないか確認しましょう。
ABテストをする際は、テストの結果が検証可能であるよう調整すべきです。
振り返り
結果を振り返る際は、当初の仮説にこだわりすぎず結果を見つめることが必要です。当初の仮説にこだわる認知バイアスによってデータを正しく分析できなかった結果、誤った結論を導き出すリスクがあります。
正確にABテストを振り返り、正しい改善を実施するためには、客観的な視点から施策を振り返り、結果として仮説が間違っていても、次回からの仮説に活かせるように受け止める姿勢が必要です。
ABテストツールの選び方
ABテストをする際に選ぶべきツールにおいて、気をつけるべき3つのポイントについて解説します。
有料か無料か
ABテストツールには、有料と無料のものがあります。有料ツールが無料ツールよりも自社のチームにマッチしているとは限らないので、トライアルなどを利用して使い勝手を確認してみることをおすすめします。
無料で使えるGoogle オプティマイズはGoogleから提供されているツールなこともあり、無料とは思えないほど高機能です。無料ツールでABテストを実施し、さらに多くの要素を同時検証したい場合は、有料ツールに切り替えるといった使い方もいいでしょう。
有料のABテストツールを検討する場合には、テストページのPV数による従量課金か、Webサイト全体のPV数による月額固定料金かを、サイトの規模やテストの頻度によって選びましょう。
国産か海外製か
国産のABテストツールは、ほとんどすべての機能が日本語で利用でき、サポートも日本語なので安心して使用できます。一方、海外製ツールの場合、英語のマニュアルやサポートを読みながらの使用になり、不便に感じることもあるかもしれません。
ただし、海外のユーザーをテスト対象としている場合には、海外製ツールの方が適している場合もあります。海外製ツールは、いち早く最新のマーケティング手法を反映した機能がアップデートされる傾向もあります。
ABテスト以外のCRO機能
ABテストツールには、ABテスト専門のものと、他のCRO(コンバージョン率最適化)機能を含んだものがあります。代表的な機能としては、ヒートマップ機能やEFO(入力フォーム最適化)です。
ABテストのみを必要としているのであれば専用ツールを、より幅広くWebサイト全体のコンバージョン率を向上させたいのであれば、総合的なCROツールを選ぶようにしましょう。
無料のABテストツール
無料のABテストツールを紹介します。ABテストツールを試してみたい、という方はまずは無料のGoogle オプティマイズから始めてみましょう。
Google オプティマイズ
Google オプティマイズは、Googleが提供する無料のABテストツールです。Google アナリティクスと連携して、Webサイトの改善方法を短時間で把握できます。
Google オプティマイズでは、ビジュアルエディタを利用してブラウザ上でパターンを作成できるため、テスト用の別パターンを作成するのに工数をかける必要がなく、スピーディーにPDCAサイクルを回せます。
無料のGoogle オプティマイズは、同時テストが5個までの制限があります。有料のオプティマイズ 360にアップグレードすると、同時テストや同時パーソナライズが100個以上可能になり、追加機能を利用できるようになります。
おすすめABテストツール比較9選【有料】
有料のおすすめABテストツールを比較紹介します。
KAIZEN PLATFORM - 株式会社Kaizen Platform
- 1,000社以上の導入実績
- 独自アルゴリズムで効果が高い案を判別
- 専任チームによる継続的なサポート
KAIZEN PLATFORMのKAIZEN UXは、タグを一行入れるだけですぐに始められるABテストツールです。1,000社以上の導入実績、50,000件にもおよぶ施策※など、多くの実績から得た豊富な知見をもとに、スピーディーで高い分析力でサポートしてくれます。
動画広告の効果改善のKAIZEN AD、動画制作プラットフォームKAIZEN VIDEO、営業改善のKAIZEN SALES、DX推進サポートKAIZEN CONSULTING、動画制作オンラインスクールKAIZEN SCHOOLなど、ほかの動画を活用したソリューションを併用することでさらに便利に利用できます。
※KAIZEN PLATFORM公式サイトより(2022年5月時点)
SiTest - 株式会社グラッドキューブ
- アジアでの導入サイト数は600,000以上※
- 「IT導入補助金2022」対象ツール認定
- シンプルなテスト結果で素早い改善を実現
SiTestは、Webサイトの解析から改善まで一元化したLPO(ランディングページ最適化)ツールです。アジアでの導入サイト数は600,000以上。ヒートマップ解析・ABテスト・EFO機能でWebサイトの収益を最大化します。
HTMLに関する知識を必要とせずに、テキストの変更や要素の入れ替えが管理画面上で実現。そのため、専門知識を持ったスタッフがいなくてもスピーディーにABテストを行えます。パーソナライズ機能、セッションリプレイ機能、AIリターゲティングといった機能も豊富です。
※SiTest公式サイトより(2022年5月時点)
VWO
- 世界6,000以上※の導入実績
- 多変量テスト対応
- 都度のタグ差し替えは不要
VWOは、インド発の世界6,000を超える企業に導入されているグローバルなABテストツールです。ABテストのほか、多変量テスト、セッションリプレイ、クリックヒートマップ、ポップアップサーベイを使用して、ユーザーの操作を監視して分析できます。
JavaScriptのタグをサイトに挿入するのみで、同一URL上でのABテストが実施できるため、都度タグを差し替える必要がありません。Webサイトやアプリの速度を低下させることもありません。海外企業の運営ですが、日本の公式代理店もあるため日本語によるサポートも受けられます。
※VWO公認代理店サイトより(2022年5月時点)
- 世界9,000以上※の導入実績
- CMS、Eコマース、アプリ最適化
- CDNでの高速配信
Optimizelyは、世界9,000以上に導入されているグローバルなデジタルエクスペリエンスプラットフォームです。CMS、Eコマース、スマートフォンアプリ最適化といった幅広い機能をCDNで高速に配信します。
複数ページ横断や動的ページにも対応。複雑なデザインやアクションに対するABテストも管理画面上で行えます。VWOと同様、運営は海外企業ですが、コンサルタントのサポートが受けられる代理店もあります。
※Optimizely公式サイトより(2022年5月時点)
Gyro-n EFO
- EFO(エントリーフォーム最適化)ツール
- 導入フォーム数6,000以上※
- 入力支援機能とログ解析機能
Gyro-n EFOは、導入数6,000以上の実績のあるEFO(エントリーフォーム最適化)ツールです。既存のフォームの変更なしで、設定タグを貼るだけですぐに利用できます。フォーム入力中のリアルタイム入力支援機能、離脱率の高い必須項目やエラー発生項目を表示するログ解析機能を備えています。
SATORI、Pardot、マルケト、ハブスポットなどのMAツールの連携フォームにも実装可能です。
※Gyro-n EFO公式サイトより(2022年5月時点)
Ptengine - 株式会社Ptmind
- 無料プラン(3,000PVまで)あり
- タグ実装から5分で利用開始
- サイト編集、Web接客も
Ptengineは、ABテストやヒートマップ、アクセス解析のほか、サイト編集、Web接客、パーソナライゼーションが簡単にワンストップで実行できる、Webサイト最適化プラットフォームです。
タグをサイトに設置するだけで5分で利用開始できます。ノーコードのWebサイトエディター、ワンクリックでのABテスト、ユーザーセグメント配信、誰でもみてわかる配信レポートを備えています。外部の顧客データを接続してデータを一元化し、より深くデータを分析できます。
DLPO - DLPO株式会社
- 導入実績700社以上※のLPOツール
- コンテンツブロック単位で分析が可能
- レポートをExcelやPDFで出力可能
DLPOは、ABテスト・多変量テスト・AIパーソナライズなどの機能が利用できるLPO(ランディングページ最適化)ツールです。ABテストとしては、コンテンツブロック単位で分析が可能なので、より詳細な分析ができます。専門知識がなくても設定ができるので、社内にエンジニアがいなくても安心。管理画面をレポート形式でPDFやExcelで書き出せるものポイントです。
※DLPO公式サイトより(2022年5月時点)
CVX
- 「IT導入補助金2022」登録ITツール
- ページ制作・ページ分析も可能
- 約200以上のテンプレートで簡単LP作成
CVXは、株式会社ポストスケイプが運営するインハウスLP作成・運用改善に特化したLPOツールです。ページ制作やページ分析機能もついており、約200以上のテンプレートを使えば簡単にランディングページが作成できます。ABテストの立ち上げには数秒しかかからないので、計測結果を見ながら検証と改善を進めていくことも可能です。
Adobe Target
- ユーザーグループ単位での比較が可能
- AIによる自動ターゲティング
- Adobe Analyticsとの連携
Adobe Targetは、Adobeが運営するデジタルエクスペリエンスプラットフォームです。ABテストや多変量テストで、パターン比較を通してページの最適化ができ、ユーザーグループ単位での比較が可能です。またブラウザ・言語設定・OS・検索キーワードなどでAIによる自動ターゲティングも可能。Adobe Analyticsと連携すれば、Adobe Analyticsで作成したユーザーセグメントをAdobe Targetで利用できます。
ABテストでコンバージョン率の効果的な改善を
単に2パターンの比較といえど、ビジュアル作成や効果検証など手間がかかるのがABテスト。さまざまなABテストツールを比較検討し、スピード感のあるコンバージョン率向上を実現していきましょう。
ABテストは、他の分析ツールと組み合わせることで効果的に進められます。サイト訪問者がどのように文章を読んでいるか、どこから離脱しているのかを分析するには、下記記事でも紹介しているヒートマップツールが参考になるでしょう。

BOXILとは
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