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バリューチェーンとは?事業の競争優位の源泉を把握して競争力アップに活用!

最終更新日:(記事の情報は現在から1441日前のものです)
バリューチェーン(価値連鎖)とはマイケル・ポーターの考えで、企業(事業)が顧客に提供する付加価値の構造を捉え再構築するためのフレームワークといえます。そんなバリューチェーンの詳細や特徴を解説していきます。

バリューチェーンとは?

バリューチェーン(価値連鎖)とはマイケル・ポーターの考えで、企業(事業)が顧客に提供する付加価値の構造を捉え再構築するためのフレームワークといえます。企業はさまざまな活動を行い顧客に製品やサービスを提供し利益(マージン)を得ますが、この活動は創出した付加価値を顧客へ提供することにほかなりません。つまり、各種の企業活動が創出する価値の連鎖によりトータルとしての付加価値が提供できるようになるわけです。

企業活動を機能ごとにその内容を捉え各々が付加価値にどのように貢献しているかを総合的に把握するためのフレームワークとしてバリューチェーンは位置づけられています。

バリューチェーンは企業の活動を主活動と支援活動に分けて考える!

企業が生み出す付加価値はそのさまざまな活動から作り出されるものですが、その活動は主活動と支援活動に分けられます。

主活動は購買物流、製造、出荷物流、販売・マーケティング、サービスなど該当し、これらの活動が直接的に顧客へ付加価値を提供するものとされています。しかし、主活動だけでは事業活動は成り立たず、主活動の遂行に不可欠な支援活動も必要になるのです。

支援活動は、主活動を支える全般管理、人事・労務管理、技術開発、調達活動などが該当します。これらの支援活動に支えられて初めて主活動がトータルとしての付加価値を顧客に提供できるわけです。主活動と支援活動をイメージする場合、組織形態のラインとスタッフの関係として考えればわかりやすいかもしれません。

バリューチェーンは何に利用できるのか?

自社の企業(事業)活動を機能ごとに分解して競合他社と比較すると、自社のどの活動(機能)に強みや弱みがあるかが見えてきます。その分析の結果をもとに強みをさらに強化する、弱みは補強するなどを行えばバリューチェーンの再構築が可能になるのです。

つまり、バリューチェーンを自社の活動の分析と他社との強み・弱みを比較するためのフレームワークとして利用すれば、競争優位をもたらす事業戦略の策定も可能になります。

例えば、低コストが成功要因となる業界では自社のどの機能・どの機能間の活動でコスト削減が可能かを検討し、実際に行えばその企業は低コストで優位に立てます。逆に競争優位性への貢献度が低い機能はアウトソーシングし、それで浮いた資源を貢献度の高い機能にシフトすればより優位に立てるようになれるでしょう。
また、競争優位の源泉となる機能を他社から模倣困難なものに強化していくと競争優位の持続も可能になります。

バリューチェーンによる分析を行えば、付加価値の創造プロセスの観点から自社の競争優位性の源や克服すべき弱点を見つけやすくなります。そして、その結果を利用して企業の競争市場の選定、基本戦略の策定を行い企業活動の再構築を図れば、競争優位な状況を作り出す・維持することも可能となるのです。

バリューチェーンの応用方法とは

企業の事業が複数ある場合、事業間の活動にバリューチェーンの観点から分析を行えば、各事業での活動の最適化や強化を図り競争力のアップに繋げられます。

例えば、2つの事業が部品・材料の受給者と供給者の関係である場合、提供者のコスト、製品の性能・品質、納品速度などは受給者の競争力に大きく影響するでしょう。

つまり、提供する側の事業の製品コストが削減されたり、品質がアップされたりすれば、受給する側の事業の競争力も強化されるわけです。そのため連鎖する事業が複数ある場合、各事業活動を各々の部門に任せるのではなく企業全体の付加価値創出の観点から各事業の(再)構築が求められます。

また、バリューチェーンによる分析は企業の事業構造だけでなく業界構造の分析にも応用できます。上記の連結する複数事業は川上事業と川下事業に分類できますが、異なる業界が川上と川下の機能を担っている業界は少なくありません。原材料を製造する業界とそれを購入して製品を製造する業界、その製品の物流を担う物流専門の業界、そしてその製品を販売する業界、というように川上と川下の業界があるのです。

バリューチェーンから考えると、川上の業界の付加価値は川下の業界の付加価値に取り込まれ、さらに川下へと取り込まれることになります。

川上や川下のバリューチェーンを分析してその業界での成功要因を把握し、それを強化できればその企業は競争優位に立てるようになれるのです。例えば、川上と川下の企業が垂直統合して、コストダウンを図ったり、納期の短縮を図ったりすることで、他社より優位に立つことができます。

バリューチェーンを企業や事業の分析に利用して競争優位をもたらす戦略立案に活用しよう!

バリューチェーンの観点から企業や事業の活動を分析すれば、どの機能が、どの機能間が競争優位をもたらしているかという点が把握しやすくなります。そして、その優位点を強化し弱点を改善できればさらに優位性を高めたり持続させたりすることも可能になるのです。競争に勝つための企業組織の再構築にバリューチェーン分析を活用してはどうでしょうか。

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