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給与所得者異動届出書とは?住民税の特別徴収と転職の手続き - 届出書のもらい方や書き方

最終更新日:(記事の情報は現在から1221日前のものです)
給与所得者異動届出書とは、従業員が転職や退職などによって給料の支払いを受けなくなり、税の特別徴収をできない場合に必要になる書類です。住民税の特別徴収と実務上の手続き、給与所得者異動届出書のもらい方もあわせて解説します。

各種書類の発行や従業員の勤怠管理、給与計算などは、労務管理システムならまとめて管理できます。気になる方は次の記事を参考にしてはいかがでしょうか。

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給与所得者異動届出書とは?

給与所得者異動届出書とは、従業員や労働者などの納税義務者が退職・転勤・休職・死亡などの理由により、給料の支払いを受けなくなる際に必要になる書類です。給与所得者異動届出書は、給料を支払う側が「税の特別徴収をできない」として行う届け出になります。

税の特別徴収とは

給与所得者異動届出書について理解するためには、まず税の特別徴収がどのようなものかを知る必要があります。

特別徴収とは、納税義務者本人が自ら支払うのではなく、納税義務者への給料を支払う雇用元が代わりに徴収して支払うことです。これに該当する税金の例として、個人住民税国民健康保険税などがあります。

会社を辞める際の住民税の扱い

住民税の特別徴収の概要については前述のとおりです。これまで住民税の特別徴収を受けていた給与所得者が会社を辞める際には、どのような方法で住民税を納付するのかを解説します。

転職先でも特別徴収を受ける場合

転職先でも特別徴収を受けるケースもあります。その場合、転職先の企業が「給与支払報告・特別徴収に係る給与所得者異動届出書」を提出する際に、「転勤(転職)等による特別徴収届出書」の欄に必要事項を記入します。そうすることで継続して特別徴収を受けられます。

また、なかには「会社に転職先を知られたくない」という場合もあるのではないでしょうか。

前の会社から異動届を受け取り新しい会社に持っていく方法や、前の会社で「普通徴収に変更」する旨で異動届を出し、新しい会社に特別徴収への変更を依頼する方法があるとされていますが、これらは官公庁からは正しいやり方として発表されていない方法なのでやらないようにしましょう。

一括徴収の扱い

もし、継続して特別徴収を行わない場合には、期間ごとに定められた基準で住民税の一括徴収が行われます。

  • 退職日が1月1日~4月30日までだった場合
  • 退職日が6月1日~12月31日までだった場合
  • 退職日が5月1日~5月31日までだった場合

この3つの場合に分けて一括徴収の扱いを解説します。

退職日が1月1日~4月30日までだった場合

住民税は前年度分の税金を、翌年6月から翌々年5月までに後払いをする仕組みとなっています。1月1日~4月30日に退職した場合、前年度分の残りである、退職した月から5月の支払い分までを一括徴収されます。

万が一、一括徴収する住民税の金額が退職時の給料を上回る場合には、その後は普通徴収になります。

退職日が6月1日~12月31日までだった場合

退職日が6月1日~12月31日までだった場合には、退職者自身で翌年5月までの住民税額の納付を一括徴収にするか、普通徴収にするかを選択できます。

退職日が5月1日~5月31日までだった場合

退職日が5月1日~5月31日までだった場合には、5月分のみであるため、今までどおり同様に最後の給料から住民税額が引かれるようになっています。

普通徴収

住民税の普通徴収を受けるためには、退職日を6月1日から12月31日の間にし、退職する際に住民税の一括徴収を選択しないことが必要です。

基本的には、退職時に一括徴収しないということを会社側に伝えておけば、特別徴収から普通徴収に切り替えられます。

給与所得者異動届出書に係る企業側の手続き

給与所得者異動届出書に係る企業側の手続きについて紹介します。企業側にもやるべき手続きがあるので、企業の担当者の方はポイントをしっかりと押さえておきましょう。

企業側の実務

住民税を特別徴収している従業員が退職した場合には、企業側は「(特別徴収に係る)給与所得者異動届出書」を提出する必要があります。

この詳細については、企業所在地の市町村によって異なるケースがあるため、それぞれの自治体によく確認する必要があります。

提出期限

「(特別徴収に係る)給与所得者異動届出書」の提出期限は、退職日を入れた月の翌月10 日となっています。したがって、期限がすぎてしまわないように手続きを行う必要があります。

納付期限が土日祝日の場合には、土日祝日明けまでが期限となっているので注意が必要です。給与所得者異動届出書の詳しい提出期限については、次の表をご覧ください。

異動理由 移動時期 提出期限 移動翌月以降の残りの税額(納期未到来税額)の徴収方法
転勤 - 異動月の翌月10日まで 転職先の特別徴収義務者において、引き続き特別徴収
退職 6/1〜12/31 異動月の翌月10日まで 納税義務者に残りの税額を通知して直接納付(普通徴収)
納税義務者からの申し出により、給与または退職手当等の支払の際に一括徴収
退職 1/1〜4/30 異動月の翌月10日まで
※前年1/1と住所が異なる場合は、新しい住所の市町村へ給与支払い報告を提出
給与または退職手当等の支払いの際に一括徴収

参照:転勤や退職などがあった場合について | 八尾市公式HP

提出後の実務について

次に提出後の実務についてです。提出後の実務は、対象者となる退職者の退職日によって、手続きが変わります。それぞれの期間によって異なる手続き方法を紹介します。

対象者が1月1日~4月30日までに退職した場合

対象者が1月1日~4月30日までに退職した場合には、最後に支払う給料もしくは退職手当てから、前年6月分から本年の5月分までの住民税の残りを一括徴収します。

そして、この 一括徴収した月の翌月10 日に市区町村に納付しなければいけません。

対象者が6月1日~12月31日までに退職した場合

対象者が6月1日~12月31日までに退職した場合には、従業員が市区町村から交付された「納税通知書」を持って自ら納付しなければいけません。

もし従業員側から企業に対して一括徴収の企業がある際には、最後に支払われる給料や手当から一括徴収し、市町村に収めるという方法もあります。

対象者が5月1日~5月31日までに退職した場合

対象者が5月1日~5月31日までに退職した場合には、5月の給料から住民税をこれまでどおり徴収するようになります。そのため、企業側が追加でやらなくてはいけない手続きや作業はありません。

特別徴収の新規給与所得者がいる場合

新規採用で特別徴収の新規給与所得者がいる場合は、「新規給与所得者異動届出書」を提出する必要があります。

この書類のフォーマットは各自治体によって様式が若干異なる場合があるので、企業所在地の自治体へフォーマットを確認することが必要です。

給与所得者異動届出書のもらい方

給与所得者異動届出書は、事業者が各自治体へ提出します。そのため書類も市役所や区役所が用意しており、自治体によって異なりますが、主に市区役所の「市民税課」が受付を行っています。

申請書の受付方法は次のとおりです。

  • 窓口でもらう
  • 自治体のHPから様式をダウンロードする

各自治体の公式HPで様式が公開されているため、手間をかけたくない方はあらかじめダウンロードして記入するのがおすすめです。提出は直接窓口に持参もしくはeLTALを使った電子申請も可能です。

給与所得者異動届出書の書き方

それでは最後に、給与所得者異動届出書の書き方を紹介します。届出書に記載する項目には下記のものが挙げられます。

  • 給与支払者の名前・生年月日・住所
  • 給与所得者の名前・生年月日・住所
  • 新しい給与支払者の情報
  • 一括徴収の有無
  • 届出内容の担当者情報
  • 特別徴収税額等通知書の指定番号・個人番号
  • 異動の年月日
  • 異動の事由
  • 1月1日から退職時までの給与・賞与の合計
  • 控除した社会保険料の額
  • 特別徴収税額
  • 徴収済税額
  • 未徴収税額

給与支払者(雇用主)と給与所得者(従業員)の情報をメインに、転勤後の新しい給与支払者の情報、異動の年月日や事由などを記載します。また、給与の合計や控除した社会保険料、特別徴収税額なども算出する必要があります。

住民税の特別徴収の仕組みと「給与所得者異動届出書」の役割を理解しよう

住民税の特別徴収の仕組みは少し複雑ですが、一度理解してしまえばそれほど難しい手続きではありません。

この届け出の提出が遅れてしまうと、滞納したとして会社に催促状が送られてしまったり、退職者が未徴収分を一括で多額の税金を納めたりする必要があるので、遅れないようにすることが重要です。

ぜひこれを機会に住民税の特別徴収の仕組みと「給与所得者異動届出書」の役割を理解し、スムーズに手続きを行えるようにしましょう。

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