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ITアウトソーシングとは?提供企業・形態・サービス・メリット・導入のポイント

最終更新日:(記事の情報は現在から264日前のものです)
さまざまな業界で取り入れられつつあるITアウトソーシングとは?ITアウトソーシングが注目される背景や具体的な提供形態、そしてサービス内容について、導入のメリットとともに解説します。自社のシステム部門の人手が足りないと感じている企業の方は、ぜひアウトソーシングを検討してみましょう。

ITアウトソーシングとは

ITアウトソーシングとは、企業のITに関する業務を外部委託(アウトソーシング)することです。

近年は、クラウド環境の利用のみならず、インターネットに関する新しい技術やサービスを積極的に取り込むことが、生産性の向上には必須と考える企業が増えています。

一方で、慢性的な人材不足やセキュリティの複雑化、そしてコンプライアンスなどIT機器やソフトウェアの安定的運用において課題を抱えるケースが非常に多くなっています。

そこで、IT業務を専門の業者にアウトソーシングすることで、IT分野の運用コストを削減するとともに、みずからのコア業務に社内人材をわり当てることで生産性の向上を目指す企業が増加中です。

ITアウトソーシングの具体的な内容と導入のメリットについて詳しく解説していきます。

ITアウトソーシングが注目される背景

IT業務のアウトソーシングが注目されている背景について、もう少し掘り下げて説明します。

固定費の増加

事業分野を問わず、日本の企業は全体として固定費が増加傾向にあり、限られた経営資源を効率的に運用する必要性が増しています。そこでコストのかかりがちなIT部門や情報システム部門をアウトソーシングして、積極的に固定費の削減を考える企業が増えているのが、ITアウトソーシングが注目されている理由です。

とくに多角化傾向が強い企業の場合、どうしてもコア事業以外となる分野の固定費が足を引っ張る傾向が強いため、限られた経営資源の有効活用のために技術部門のアウトソーシングを進めるケースが多いようです。

社内業務の効率化の必要性

社内業務を効率化して生産性を高めようと考える企業が増えていることも、注目される理由に挙げられます。専門的な知識やノウハウが必要とされるIT業務では、そこに携わる人材の育成や管理にも相応の時間とコストがかかります。

そういった分野にアドバンテージをもたない企業の場合、コア業務ではない分野に過分なコストをかける必要があり、組織全体の業務効率化が妨げられるケースは少なくありません。

そこで苦手分野であるIT業務を専門企業に外部委託し、社内業務の効率化を図ろうとする企業が増えています。

強み分野に特化する企業の増加

社内業務の効率化とともに、本来不得意分野であるIT部門を切り離して、強み分野であるコア業務に人員を集中させようといった狙いもあります。

とくに、それまで管理部門で行われていた総務や人事、給与計算などのデータを扱う業務やコールセンター、ヘルプデスクなどの業務を専門企業にアウトソーシングするBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)が注目されており、得意分野に人材の再配置を行い、組織全体の生産性を向上させようとする企業が増えています。

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労働力人口の減少

よりマクロな視点からいえば、日本全体として労働力人口が減少しているため、積極的に外的リソースを利用することで、限られた人材を集中して運用したいと考える経営者が増えていることも背景として挙げられるでしょう。

とくに若年労働人口は減少の一途を辿っており、現在は大企業・中小企業や業種の区別なく人材不足が顕在化しています。

そのため、慢性的な人手不足を補うための戦略として、ITをはじめとした業務のアウトソーシングを積極的に利用する企業が増えているます。

ITアウトソーシングに委託できる業務内容

ITアウトソーシングでは、さまざまな業務が外部の専門企業に委託可能です。ITアウトソーシングに委託できる主な業務内容と特徴を説明します。

システム開発と保守

企業が自社でシステム開発を行う代わりとして、専門的な知識と経験をもつ外部企業にアプリケーション開発やウェブサイトの構築、ソフトウェアのカスタマイズなどシステム開発の委託が可能です。

また、開発されたシステムや既存のシステムの継続的な保守やアップデートもアウトソーシングの対象となります。

ITインフラの管理と運用

サーバーやネットワーク、データベースなどのITインフラの管理と運用も、アウトソーシングの対象です。具体的には、次のような業務が含まれます。

  • ハードウェアの設置
  • ソフトウェアのインストール
  • システムの監視
  • セキュリティ管理

外部の専門企業に委託すれば、最新のセキュリティ対策や効率的なシステム運用が可能になるでしょう。

ヘルプデスクとカスタマーサポート

顧客からの問い合わせや社内からの技術的なサポート要請を、専門のアウトソーシング企業に委託することも一般的です。委託することで迅速かつ専門的な対応が可能になり、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。

また、多言語サポートといった特定のニーズに対応することも、アウトソーシングを利用するメリットの一つです。

クラウドサービスの運用と管理

クラウドコンピューティングが主流となる中、クラウドサービスの運用と管理をアウトソーシングする企業も増えています。たとえば、クラウド上のデータの管理やアプリケーションのデプロイ、クラウドリソースの最適化などを委託します。

外部の専門企業に委託すればクラウド環境の新たな動向に対応しやすくなり、コスト効率の良い運用が実現できるでしょう。

データ分析とレポーティング

ビッグデータの活用が進む中、データ分析やレポーティング業務を外部企業に委託することもあります。専門的な分析ツールや知識をもつ企業に委託することで、より洞察力のある分析結果を得られるでしょう。

このように、ITアウトソーシングは多岐にわたる業務をカバーし、IT戦略やオペレーションの効率化に大きく貢献します。

ITアウトソーシングの形態

ITアウトソーシングに委託できる業務内容は多岐にわたりますが、ITアウトソーシングの形態によっても委託できる内容は異なります。一般的なITアウトソーシングの形態と委託できる業務内容は次のとおりです。

フルアウトソーシング

作業の一部をアウトソーシングするのではなく、業務機能のほぼすべてをアウトソーシングする形態がフルアウトソーシングです。

IT業務では、企画から運用、業務状況のチェックなどを一貫して委託する場合もあれば、自社で基本となるシステムの企画のみを行い、それ以後の設計や開発、運用などのプロセスはすべてアウトソーサーに委託することもあります。

委託元の企業にとっては、作業を丸ごと任せられるので、経営リソースを重要な仕事に振り分けられるメリットが大きいです。

運用アウトソーシング

サーバーやOSなど、システムのインフラ部分の運用を委託する形態です。莫大なコストをかけて営業支援システム(SFA)顧客管理システム(CRM)を導入したものの、使いこなせずに形骸化している状態の中小企業は珍しくありません。

形式的には稼動しているものの、実態はだれも使っていないシステムや、メンテナンス作業に手が回らずセキュリティ上の問題を抱えているケースです。そういう場合に、システムの運用のみをアウトソーシングすることで、システムの技術的な問題から解放されます。

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ホスティング

ホスティングは、サーバーやストレージの準備と運用、保守、機能強化などを委託する形態です。

自社内にサーバーを設置して運用している企業も多いですが、メンテナンスの問題や障害が発生した際の対応など、一時的にサーバーを停止しなければならないときにサービス自体も停止してしまうといった問題が起こります。

そこで外部のサーバーを借りることによって、サーバーの管理・保守に必要なコストを削減するとともに、安定した運用を実現するためにホスティングを選択する中小企業は少なくありません。

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ハウジング

ハウジングとはサーバーや通信機器をベンダーのデータセンターに間借りする形態です。ホスティングは専門業者のサーバーを借り受けるかたちですが、ハウジングは逆に自社がサーバーをはじめとした機器を用意し、サービス事業者に預ける形態です。

サーバーの所有権は自社にありますが、機器の保守やメンテナンス、トラブル対応は設置先の専門業者に任せるケースが多いでしょう。

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ヘルプデスク

顧客からの電話やメールでの問い合わせに対して術的なサポートを提供するアウトソーシングサービスです。コールセンターのアウトソーシングもこちらに含まれます。

社内のパソコン関連機器の利用者からの問い合わせや、障害の対応を外部の専門業者に委託することで、自社の情報システム部門をコア業務に専念できるでしょう。それによって、組織の生産性の向上を図る企業が増えています。

サービスの形態はさまざまあり、提供企業に代わって顧客からの問い合わせやトラブル報告などに対する窓口業務を提供する場合や、導入企業のスタッフがいない夜間や土日の間のみ対応を受け付けるサポートなどがサービスとして提供されています。

ヘルプデスクに関する詳しい解説は次の記事をご覧ください。

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常駐サービス

提供先に常駐する形態で業務に強力したり、技術的なサポートしたりするケースもあります。

いわゆるデスクサイドサポートと呼ばれるもので、システム上の問題解決やトラブルシューティングを常駐先のスタッフに代わって引き受けるのが特徴です。企業によっては、安定したシステム運用のためのコンサルティングサービスも提供しているケースもあります。

ITアウトソーシングとSESの違いとは?

ITアウトソーシングとSES(システムエンジニアリングサービス)は、IT業界において企業が外部リソースを活用するふたつの主要な方法ですが、それぞれに特徴と違いがあります。

サービスの内容と焦点

ITアウトソーシングは、企業がIT関連業務全体または一部を外部の専門企業に委託することです。委託内容にはシステムの開発、運用、保守、サポートなどの業務が含まれ、アウトソーシング先がこれらの業務を包括的に引き受けます。業務の範囲は広く、長期的なパートナーシップとなることが特徴です。

一方SESでは、特定のプロジェクトやタスクに焦点を当て、専門のIT技術者やエンジニアを企業に派遣します。この場合、派遣されるスタッフは、企業の指示の下で特定のプロジェクトに取り組みます。SESは特定のスキルセットが必要な短期的プロジェクトや、一時的な人材不足を補うために利用されることが多いです。

コントロール権限と柔軟性

ITアウトソーシングでは、委託された業務に関してはアウトソーシング先が大きなコントロール権限をもちます。アウトソーシング先は業務を完全に引き受けるため、企業は日々のオペレーションから解放されますが、ある程度のコントロールを失う可能性もあるでしょう。

一方SESでは、派遣されたスタッフは企業の指示に従うため、企業が業務に対するコントロール権限をもちます。そのため、企業はプロジェクトの進行状況や品質を直接管理・把握できる特徴があります。

コストと契約形態

ITアウトソーシングは包括的なサービスを提供するため、長期的な契約を結ばれることが多いです。これにより、一定のコストこそ発生しますが、総合的なコスト削減が期待できます。

一方SESでは、必要な期間だけ専門スタッフを派遣するため、短期間の契約が可能です。このため、特定のプロジェクトや短期的なニーズに対しては、SESがコスト効率の良い選択肢となり得ます。

このように、ITアウトソーシングとSESはそれぞれ異なるニーズに対応するための選択肢として存在しており、要件や目的にあわせて適切なサービスを選択する必要があります。

ITアウトソーシングのメリット

ITアウトソーシングの形態について説明したところで、続いてIT業務をアウトソースするメリットについて説明します。

ITコストを全体的に削減できる

システムの運用や保守管理にかかるコストを削減できることに加え、それまで情報システム担当者が担っていた問い合わせやトラブルの対応を専門業者にアウトソースすることで、担当社員の負担を軽減でき、組織全体のITコスト削減が可能です。

セキュリティ管理のために専用の人材を雇用・配置する時間やコストを、より重要な部門にかけられるようになります。

システムのガバナンスやリスク管理の強化

技術的知識の高いプロの業者に依頼するため、ITシステムのガバナンスが強化でき、システム障害といったリスクを軽減できます。

適切なIT技術の利用がビジネスの成否を左右する傾向にある昨今、適切なシステムガバナンスを構築することが重要です。

しかしITの専門企業でもない限り、人員の問題やリスク管理上の課題が付きまといます。

そこでIT業務を丸ごと専門企業にアウトソーシングしてしまうことで、システム全体のガバナンスを強化するとともに、運用・保守業務における諸々のリスクを大きく減らせます。

コア業務に注力できる

ITアウトソーシングによって、社員がコア業務に専念できるようになるため、組織全体の生産性は向上するでしょう。

技術社員が余計な問い合わせやトラブルへの対応から解放され、重要な業務に従事できる時間が増えるのは大きなメリットです。

逆に問い合わせる側としても、システム部門のスタッフが不在でも、外注業者がすぐに対応してくれるため、当該システムを必要とする業務が停滞してしまう事態を回避できます。

組織の体制変更に柔軟に対応できる

組織の体制変更に伴って適宜外注先を変えられるので、自社でシステムを抱えている状態に比べ、組織変更に柔軟に対応できるのもメリットといえます。

新しい業務システムの導入やIT環境の構築が必要な場合、それに適した組織体制への移行や適切な人材を雇用・教育する手間とコストがかかってしまうでしょう。

ですがIT業務自体をアウトソーシングする場合は、都度最適なサービス形態を選び直すだけで、組織体制を変更する必要がなくなります。

最新技術の導入が容易

ITアウトソーシングを利用することで、最新の技術を容易に導入可能です。アウトソーシング先は常に最新の技術動向に精通しており、知識を活用して効率的なシステムを提供しています。

企業は新しい技術を習得するための時間やコストを省略でき、競争力のあるIT環境を維持することにつながるでしょう。

スケールアップの柔軟性

アウトソーシングを利用することで、ビジネスの成長や変化に応じたITリソースのスケールアップが容易になります。事業の拡大に伴い必要となるITリソースの増強や、逆に縮小する際の調整も柔軟に行えます。

これにより、企業は市場の変動やビジネスニーズに対応できるようになるでしょう。

専門知識の活用

アウトソーシング先は、特定の技術分野において高度な専門知識を有しています。そのため、専門的な業務を委託し、自社内では習得が難しい知識や技術を活用することも現実的です。

これにより、より専門的かつ効率的なシステムの運用が可能になり、ビジネスの質の向上に貢献するでしょう。

ITアウトソーシングに関する問題点やデメリット

このように、ITアウトソーシングにはさまざまなメリットがあります。一方で問題やデメリットも指摘されています。

実際にアウトソーシングを行う際には、次のような問題が起こる可能性を考慮したうえで、計画的にサービスを利用することが重要です。

予想以上にコストがかかる可能性もある

自社の状況を正しく理解し、適切なサービスを提供してくれるアウトソーシング先が選べなければ、結果として余計なコストを要してしまう可能性があります。

委託先の担当者との打ち合わせや、問題把握に向けた調査なども経費として請求されるのが一般的なので、そういったコストも考慮して費用対効果を考える必要があります。

また、実際には必要としていないものの、利益のために余計なサービスを勧めてくる企業もあるので注意が必要です。

また、アウトソースする企業の選定にも相応の時間がかかることも考慮しなければなりません。

セキュリティ上の問題が起こる可能性

アウトソース先の企業はITの専門業者ですが、それでも重要情報が漏えいするといったセキュリティ上の問題が起こる可能性はあります。

委託先の企業が重要情報を不正利用したり、漏えいしたりしないかをしっかりと管理監督する必要があるでしょう。

事実、複数の取引先の情報システムを管理していたIT企業から、重要な顧客情報が漏えいしてしまった事件も多くあります。

時間的コストの増大や生産性の低下の懸念

アウトソーシング先の業務遂行能力が低く、自社で行うよりもかえって問題解決やトラブル対応に時間やコストがかかってしまうケースもあります。

それによって自社の業務がストップしてしまい、生産性が著しく下がってしまった企業も実際にあります。

コスト面にのみフォーカスしてアウトソーシングしてしまうと、こういった質的な面で問題を生じる可能性があるので、相手企業の能力や評判をしっかりと調査してから委託するようにしましょう。

コントロールの低下

アウトソーシングを行うことで、企業はIT業務に関する直接的なコントロールを失う可能性があります。これにより、業務の品質や進行状況の管理が難しくなるかもしれません。

また、アウトソース先が自社のビジネスニーズや企業文化を完全に理解しないまま業務を進行させることもあり、期待した成果が得られないリスクもあるでしょう。

コミュニケーションの問題

アウトソーシング先とのコミュニケーションは、言語や文化の違い、時間帯の差などにより複雑になることがあります。これにより、誤解が生じたり、業務の遅延が発生したりする可能性があります。

とくに海外企業とのアウトソーシングでは、コミュニケーションの問題が顕著になることが多いです。

ベンダー依存のリスク

特定のアウトソース先に依存しすぎると、ベンダーが業務を停止した場合や契約条件が変更された場合に大きな影響を受けるリスクがあります。また、アウトソーシング先が独自の技術やプラットフォームを使用している場合、それらから離れることが困難になる可能性もあります。

このようなベンダー依存は、将来的な業務の柔軟性や戦略的な選択肢を制限することになってしまうかもしれません。

知識が蓄積されない

アウトソーシングを行うことで、重要なビジネス知識や技術が蓄積されないだけでなく、社外のノウハウが流出してしまうリスクもあります。とくに、業務の特定の部分だけをアウトソースする場合は、該当業務に関連する知識や技術が外部の企業に移転することと同義です。

これにより、企業が自社内での技術や知識の蓄積を失う可能性があり、長期的な競争力に影響を与えるリスクがあるでしょう。

ITアウトソーシング導入で失敗しないための注意点やポイント

多くのメリットとデメリットがあるITアウトソーシングを成功させるためには、いくつかの重要なポイントを考慮する必要があります。ITアウトソーシングを導入検討する際は、次のような注意点やポイントを意識しましょう。

明確な目標と期待値の設定

ITアウトソーシングを導入する前に、明確な目標と期待値を設定することが重要です。何をアウトソースするのか、どのような結果を期待しているのかを具体的に定義しましょう。これにより、アウトソーシング先に対する要求が明確になり、効果的なコミュニケーションが可能になります。

アウトソーシング先の選定と評価基準

アウトソーシング先の選定は慎重に行う必要があります。サービス提供者の実績、専門性、信頼性を評価し、ニーズに最も合致する企業を選択しましょう。また、提供されるサービスの品質を定期的に評価し、必要に応じて改善を求めることも重要です。

コストとリスクのバランス

アウトソーシングにおけるコストとリスクのバランスを考慮することが重要です。コスト削減を目的としている場合でも、セキュリティリスクやサービス品質の低下などのリスクを適切に評価し、トータルで最適な選択を行いましょう。

コミュニケーションと協力関係の構築

アウトソーシング先との良好なコミュニケーションをとり、協力関係を構築することが不可欠です。定期的なミーティングやレポートの共有を通じて、進捗状況や問題点を共有し、両者間の理解を深めることが重要です。

セキュリティとプライバシーの保護

アウトソーシング先に情報を委託する際には、セキュリティとプライバシーの保護にとくに注意する必要があります。契約書にセキュリティ基準や機密保持条項を明記し、定期的なセキュリティ監査を行うことで、情報漏えいのリスクを最小限に抑えましょう。

これらのポイントに注意を払いながら計画的にアウトソーシングを進めれば、失敗のリスクを低減し、ITアウトソーシングのメリットを最大限に活用できるでしょう。

ITアウトソーシングを導入・活用する際のプロセス

ITアウトソーシングを効果的に導入・活用するためには、計画的なプロセスを踏むことが不可欠です。導入から活用に至るまでの主要なステップを紹介します。

ニーズと目標の明確化

ITアウトソーシングの成功には、ニーズと目標を明確にすることが不可欠です。

ニーズの特定

まずは、ITアウトソーシングを行う目的とニーズを明確にしましょう。どの業務をアウトソースするのか、どのような結果を期待しているのかの特定が重要です。これにより、アウトソーシング先に対する要求が明確になり、より効果的なコミュニケーションが可能になります。

目標の設定

短期的および長期的な目標を設定し、これらがITアウトソーシングによってどのように達成されるかを検討しましょう。具体的な目標を設定することで、ITアウトソーシングの成果を測定しやすくなり、プロジェクトの進捗を効果的に管理できます。

このステップでは、自社の現状を正確に理解し、アウトソーシングによってどのような改善や効果が期待できるかを詳細に検討します。ニーズと目標が明確になればなるほど、ITアウトソーシングの計画と実施がスムーズに進行するでしょう。

アウトソーシング先の選定

適切なITアウトソーシング先の選定は、プロジェクトの成功を左右します。ニーズや目標にあった形態のITアウトソーシングを選びましょう。

候補企業の選定

複数のITアウトソーシングサービスのベンダーを比較検討しましょう。過去の実績や専門性、コスト、サービス品質などを評価基準にし、求めるニーズに最も合致する企業を選択します。

提案依頼と評価

選定した候補企業に対し提案依頼(RFP)を行い、受け取った提案を詳細に評価しましょう。提案内容が要件を満たしているか、費用対効果が高いかなどを慎重に検討します。

契約と合意形成

契約はアウトソーシング関係を正式に確立するための重要なステップです。

契約交渉

選定したアウトソーシング先と具体的なサービス内容やコスト、期間、セキュリティ対策などについて交渉し、合意を形成しましょう。予期しない課題や要望に柔軟に対応するための条項を含めることが望ましいです。

契約書の作成

合意にもとづいて契約書を作成し、両者が署名しましょう。サービスレベル契約(SLA)を含め、提供されるサービスの品質と期待される成果を明記します。

実施と監視

ITアウトソーシングの実施と監視は、計画通りにサービスが提供されているかを確認するために重要です。

導入計画の実施

ITアウトソーシングの実施計画を立て、段階的に進めていきます。定期的な進捗報告やレビューを設け、問題点があれば迅速に対応します。

パフォーマンスの監視

アウトソーシング先のパフォーマンスを定期的に監視し、契約条件に沿ったサービスが提供されているかを確認します。サービスの質に問題がある場合は、速やかに改善策を講じます。

継続的な評価と改善

アウトソーシングの効果を最大化するためには、継続的な評価と改善が必要です。

定期的な評価

アウトソーシング先の業務遂行状況を定期的に評価し、目標達成状況を確認しましょう。成果が期待に満たない場合は、原因の分析と改善策を検討します。

フィードバックと改善提案

フィードバックから改善点を特定し、アウトソーシング先に改善提案を行いましょう。必要に応じて契約内容の見直しを行うことも重要です。

このように、段階的かつ計画的なアプローチを取ることで、ITアウトソーシングの導入・活用が効果的に進められ、目標達成へつながるでしょう。

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IT業務のアウトソーシングで組織の生産性を向上させよう

近年、IT業務のアウトソースで業績を伸ばしている企業が確実に増えており、自社の得意分野以外は積極的に外注することにより、組織全体の生産性の向上に役立つことが広く知られるようになりました。

アウトソーシングにあたっては、注意すべき点やある程度のデメリットも享受する必要があります。しかしとくに中小企業は自社のコア業務に集中できるメリットが大きいので、ぜひこの機会にIT分野の業務委託といった選択肢も視野に入れてみましょう。

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