営業のコツは?ステップごとに重要なノウハウ – 確度の高いアポイント獲得

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BOXIL Magazine編集部

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契約が取れず、困っていませんか。営業ノウハウは、数多くありますが「営業の極意」と言えるようなコツは、限られています。成約が取れない方に知ってほしい、「営業トークより重要なコツ」を6つ紹介します。

目次

営業の主な種類

営業には多様な形態があり、それぞれに特徴と適したシーンがあります。まずは、主な営業の種類と具体的な特徴や活用例を解説します。

新規開拓営業

新規開拓営業は、まだ取引のない新しい顧客を見つけ、商談を行う営業活動です。たとえば、ITソリューション企業が新規市場に製品を提案する際に行う手法が、新規開拓営業に当たります。この活動では、ターゲット市場の分析、潜在顧客のニーズの理解、初回アプローチの方法などが重要になります。

ルート営業

ルート営業は、既存の顧客に対して定期的に訪問し、関係を維持・強化する営業形態です。たとえば、飲料メーカーの営業担当者が定期的に取引先の小売店を訪れ、商品の陳列状況を確認し、新商品の提案を行うのが一例です。顧客との信頼関係構築が中心となります。

訪問営業

訪問営業は、顧客のもとへ直接足を運んで行う営業活動です。保険会社の代理店が顧客宅を訪問し、保険プランの説明を行うケースが典型的です。このタイプの営業では、顧客のニーズに合わせた柔軟な提案力が求められます。

飛び込み営業

飛び込み営業は、アポイントメントを取らずに直接顧客を訪れる営業方法です。不動産業界でよく見られ、営業担当者が地域の家庭や企業を直接訪問し、サービスの提案を行います。この営業方法は高いコミュニケーション能力と粘り強さが必要とされます。

インサイドセールス

インサイドセールスは、電話やインターネットを活用して行う営業方法です。テレマーケティングが一例で、顧客に直接会わずにサービスや製品を提案します。コスト削減や効率化が図れる反面、対面営業に比べて顧客との距離を縮めるのが難しい場合もあります。

深耕営業

深耕営業は、既存の顧客に対し、より深い関係を築きながら追加のビジネスチャンスを探る営業形態です。たとえば、既存の顧客に対して追加のサービスやアップセル、クロスセルの提案を行います。深耕営業では、顧客との長期的な関係構築と信頼の深化が鍵となります。

成約率の平均はどれくらい?

成約率は、営業活動の効果を測るための重要な指標の一つです。平均的な成約率は30%程度とされていますが、これはあくまで一般的な目安であり、実際の成約率は営業環境や戦略によって異なります。また、業界や商品、ターゲット顧客などによっても大きく異なるでしょう。

たとえば、BtoBの場合、より専門的な製品やサービスを提供するため、成約率は低くなる傾向にあります。一方、BtoCの営業では、製品やサービスの一般性や市場の大きさによって成約率が変動しがちです。また、新規顧客よりも既存顧客の方が成約率は高くなる傾向にあります。

成約率を向上させるためには、ターゲット顧客の精密な分析、適切な営業戦略の策定、営業スタッフのスキル向上、そして製品やサービスの質の向上などが重要です。また、データ分析を行い、営業プロセスのどの段階で顧客が離脱するかを把握し、改善策を講じることも成約率向上の鍵となります。

成約率の向上は単に数字を追うだけでなく、顧客との関係構築や市場の動向を理解することも大切です。営業チームが成約率を高めるためには、戦略的なアプローチと継続的な改善を続ける必要があるでしょう。

営業がうまくいかない理由とは?よくある5つの課題

契約が取れない場合、考えられる可能性は数多くあります。

顧客が契約を決意するのは、「この人に頼めば、組織の悩みを解決してもらえる」と感じたときです。顧客にそう感じてもらうためには、「顧客がどのような悩みをもっているか」をしっかりと把握し、信頼関係を築くことが重要です。

これらができていれば、ノウハウを知らなくても成約率を高められるでしょう。一方で、どれだけ営業テクニックを身につけたとしても、マインドが伴っていなければ、成果は期待できません。

そのため、「ノウハウやコツよりも、マインドが重要」と、意識することが大切です。とくに、顧客の課題を自分の課題のように捉えることを第一に考えましょう。

まずは、それでも営業がうまくいかない原因として考えられる課題を解説します。

基本的な信頼関係を築けていない

営業活動において最も重要なのが、顧客との基本的な信頼関係の構築です。信頼関係がなければ、いくら優れた商品やサービスを提供しても、顧客は購入に至らない可能性が高くなるでしょう。

信頼関係の構築には、誠実な態度や一貫した対応、そして約束の遵守などが不可欠です。商談の際に約束したフォローアップを適切に行い、顧客の問題を真剣に聞き、実行可能な解決策を提案しましょう。

また、信頼関係を築くためには、自社の商品やサービスに対する深い理解とともに、顧客の業界やビジネスに関する知識をもつことも効果的です。顧客が抱える業界特有の問題や挑戦を理解し、それに対してどのように自社の商品やサービスが解決策になるのかを明確に伝えることで、信頼を得られるでしょう。

信頼関係の構築には時間がかかることもありますが、一度築かれれば長期的な関係を維持しやすくなり、リピートや紹介の機会も増えるでしょう。そのため、短期的な成果にとらわれず、長期的な視点で関係構築に努めることが営業成功の鍵となります。

そもそものアポイント数が少ない

まず営業で契約を増やすためには、一定の量をこなさなければなりません。もし商談数がエース営業と比べて少ない場合、課題はアポイント数にあると言えるでしょう。

アポイント数が少ないと、当然ながら商談の機会も減少し、結果的に成約率が低下します。アポイント数を増やすためには、電話やメール、SNSなどを活用した積極的なアプローチや、リードジェネレーション戦略の見直しが必要です。

アポイントについては、下記の記事で詳しく解説しています。アポイントに課題があると感じた方は、次の記事を参考にしてください。

顧客の課題を引き出せていない

十分な数の営業を行っているにもかかわらず成約数が少ない場合、顧客の課題を引き出せていないパターンが考えられます。

営業活動で重要なのは、顧客の課題やニーズを正確に把握し、それに応える提案を行うことです。しかし、顧客の課題を十分に引き出せていない場合、提案の魅力が伝わらず、成約に至りません。

顧客の課題を引き出すには、質問技術を磨くとともに、顧客の業界やビジネス環境に関する知識を深める必要があります。

営業を全面に押し出しすぎている

営業がうまくいかない理由の一つに、自社の商品やサービスを必要以上に押し出しすぎていることが挙げられます。

顧客は自分たちの課題を解決したいと思っており、ただ単に商品の特徴を羅列されても響きません。成功する営業では、顧客のニーズや問題点に焦点を当て、それらに対して自社の商品がどのように対応できるのかを明確に伝えることが重要です。

たとえば、ある企業がITシステムの更新を検討している場合、ただ最新技術の利点を説明するだけでなく、技術がどのようにして生産性向上やコスト削減に寄与するのかを具体的に示すことが重要です。営業側が自社製品やサービスの利点ばかりを強調すると、顧客は営業に対する抵抗感をもちやすくなります。

商材への理解が不足している

営業成績が伸び悩んでいる場合、商材への理解不足も一因となることがあります。商品やサービスに関する深い知識がないと、顧客からの質問に対して適切に応答できません。また、商材の特徴や利点を正確に伝えることが難しくなり、顧客の信頼を獲得することも困難になります。

営業担当者は、商材の詳細なスペック、利用方法、市場における競合他社との違いなどを把握する必要があります。また、実際の顧客の事例を取り入れて商材の実用性をアピールすることも効果的です。

商材への理解を深めることで、顧客に対して信頼性の高い情報提供が可能になり、結果的に成約率の向上につながるでしょう。

営業活動をするなら絶対に押さえたい基本の10か条

営業活動には数多くのノウハウが存在します。なかでも、基本となる考え方やとくに重要なポイントは次のとおりです。

    1. 顧客の課題を自分の課題のように考えるマインドをもつ
    1. ターゲットを絞る
    1. 顧客情報のリサーチでは仮説立案を重視する
    1. 事前準備は入念に行う
    1. 早めに購入意思を確認する(テストクロージング)
    1. 確度の高い顧客を見極める
    1. スピーディな対応を心がける
    1. 定期的な振り返りを実施する
    1. 営業テクニックを活用する
    1. 商談以外の作業は効率化を進める

まずは、絶対に押さえたい10個のポイントを順に解説します。

1. 顧客の課題を自分の課題のように考えるマインドをもつ

顧客にとって必要なのは、あなたが販売するサービスや商品ではありません。

本当に必要としているのは、「今、悩んでいることの解決」です。

たとえば、「営業が取れない」と悩んでいるあなたが本当に必要としているのは、営業ノウハウではなく「契約そのもの」でしょう。顧客が本当に求めていることは、機能や安さではなく、「どのような結果」が得られるかです。

あなたも「今すぐ、契約件数を2倍にできる方法」があれば、喉から手が出るほど欲しくなるのではないでしょうか。

営業で重要なのは、このように「顧客に得られる結果を伝え、保証すること」です。そしてそのためには、顧客の課題をジブンゴトとして捉える必要があります。

  • 自分が顧客だったら、何に悩むか
  • 自分が顧客だったら、どのような担当者に相談したいか

これらを考え、顧客の右腕のような存在になれるよう努力することが、営業の成約率を高める極意と言えます。

この意識を前提に営業活動ができれば、成約率を高められるでしょう。

2. ターゲットを絞る

営業活動で成果を上げるためには、ターゲット顧客を明確に定義し、絞り込むことが非常に重要です。ターゲットを絞ることで、顧客のニーズや手が届かない痒いところにピンポイントでアプローチでき、効率的な営業活動が可能になります。

ターゲットを絞るためには、まず市場を理解し、顧客の特性やニーズを分析します。どの業界に属するか、会社規模はどれくらいか、どのような課題や悩みを抱えているかなど、さまざまな側面から顧客を分析し、ターゲット顧客像を明確に定義しましょう。

たとえば、あなたがIT関連のサービスを提供する営業担当者であれば、デジタルトランスフォーメーションを検討している中堅企業、または特定の業界に特化した小規模企業など、明確なターゲットグループを設定することが重要です。ターゲットを絞ることで、顧客層に合わせてカスタマイズされた提案が可能となり、より高い成約率を期待できます。

また、ターゲットを絞ることは、無駄な労力を削減し、効果的なリソースの配分につながります。顧客の特性に合わせたアプローチ方法を考え、ターゲットに合ったコンテンツや提案を用意することで、営業活動の質を高められるのです。

3. 顧客情報のリサーチでは、仮説立案を重視する

顧客リサーチは、仮説立案を目的として行いましょう。営業時、「顧客情報をリサーチすることが大切」といった意見は耳にしたことがある方も多いと思います。しかし本当に重要なのは、「それらの情報から何が言えるか」を考えることです。

商談では顧客の課題をヒアリングし、解決策と解決できる根拠を提示しなければなりません。しかし顧客自身も潜在的な課題に気づいていことがあります。限られた商談時間のなかで課題を特定し、解決策を提言するためには、顧客が感じている課題について事前に検討することが欠かせません。

顧客リサーチは、ただ情報を集めるだけでなく、「顧客が潜在的に感じている悩みを分析し、解決策を用意するため」に行いましょう。

4. 事前準備は入念に行う

営業の成功は、事前準備の質にも大きく左右されます。対象顧客の過去の取引履歴、企業文化、業界の動向などを綿密に調査し、商談のシナリオを計画しましょう。たとえば、テクノロジー企業への営業であれば、企業が直面している技術的な課題や業界のトレンドを把握し、それにもとづいて提案を行います。

どのような事前準備をすれば良いのかは、次のリストを参考にしてください。

  • 対象顧客の事業内容、業界動向、競合分析
  • 過去の商談履歴や取引状況
  • 提案商品やサービスの詳細と強み、競合との比較
  • 質問リストやFAQの準備
  • 商談の目的や目標の明確化

これらの準備を行うことで、商談時に自信をもって顧客の質問に答えられ、効果的な提案ができます。

5. 早めに購入意思を確認する(テストクロージング)

サービスや商品を提案する際は、早めに率直な感想を伺いましょう。

営業担当としては、「十分に気もちが高まってからクロージングをかけたい」と思うでしょう。しかし顧客の立場で考えると、「興味がない」と判断した後の時間は、苦痛を伴います。また、営業するあなたにとっても、関心が薄い相手に時間を費やすのは、時間がもったいないでしょう。

最初は、興味が薄いのは当然です。

  • 購入したいと思いましたか?
  • どのような点に興味を感じましたか?
  • 興味をもったのは、現在どのような課題を感じているからですか?

このように購入意思のヒアリングを早めにすることで、本音ベースで課題を話してもらえます。課題をヒアリングできれば、次の提案につなげられるため、早めに「どう感じたか」をヒアリングしましょう。

6. 確度の高い顧客を見極める

営業の成約率を高めるためには、「関心が強い顧客」にアプローチすることが大切です。営業に慣れていないと、どうしても話しやすそうな担当者への売り込みを行ってしまいます。

しかし話しやすい相手が必ずしもサービスに強い興味をもっているとは限らず、話を合わせているだけの可能性もあります。本当に大切なのは、話しやすい相手ではなく「課題を重要視している顧客」です。

営業トークでは、「このサービスを導入したい気もちは、100点満点で何点ですか?」と聞くのも良いでしょう。興味が強い人を中心にアプローチすることが重要です。

7. スピーディな対応を心がける

顧客にとって、担当者との信頼関係は、契約を決める重要な要素です。

たとえば、スマートフォンの調子が悪く、携帯会社に問い合わせたときを想像してみてください。1日電話がつながらなかったり、問い合わせメールへの返信がなかったりすると、「早く反応が欲しい」と思うのではないでしょうか。

スピーディな対応は、それだけで信頼関係を築ける要素だと覚えておきましょう。

8. 定期的な振り返りを実施する

営業では、PDCAを回すスピードが成約率に直結します。

「いつまでに、どれくらいの量、行動するか。結果として、何件の成約を目標とするか」を決め、改善を繰り返すことで営業力を高められます。

地道な作業ですが、営業成績の良い営業マンは自然と行っていることなので、必ず押さえておきましょう。

9. 営業テクニックを活用する

最後に営業テクニックの活用です。

たとえば次のようなテクニックは、営業の成約率を高めるのに効果的でしょう。

  • テストクロージング
  • 接触頻度を増やす

テストクロージングとは、「もし、契約するとしたら?」と尋ねることで、相手に契約を想像させるテクニックです。また接触頻度は信頼関係を構築する際に活用できます。

ただし、営業テクニックやノウハウは、あくまで、手段でしかなく、本当に重要なのは「顧客の課題に対する解決策の提示」です。「信頼できる」と判断してもらえれば、契約は成立します。そのため、まずは課題のヒアリングを優先してください。

価値を感じてもらっているのに、契約が伸びない場合は、クロージングのテクニックを学ぶと効果を期待できます。

10. 商談以外の作業は効率化を進める

業活動においては、商談そのものだけでなく、商談以外の作業も重要な役割を果たします。しかし、これらの作業に過度に時間を取られると、本来の営業活動に集中できなくなり、結果的に成果に影響を及ぼす可能性があるでしょう。そのため、商談以外の作業は極力効率化を進めることが求められます。

たとえば、顧客情報の管理、アポイントのスケジューリング、報告書の作成、営業資料の準備などは、できる限りシステム化やツールの活用を通じて効率化を図るべきです。CRM(Customer Relationship Management)システムや営業支援ツールを活用することで、これらの作業を自動化または簡素化し、より多くの時間を実際の営業活動に充てられるようになります。

また、日々の業務のなかで発生する煩雑な業務プロセスを見直し、不要な作業は削減し、必要な作業はよりシンプルにすることも大切です。報告書のフォーマットを簡略化したり、定期的なミーティングの時間を短縮したりするなどの工夫を行うことで、時間を効率的に活用できるようになるでしょう。

営業トークをする際に気をつけるべき5つの注意点

基本のコツは押さえているけれど、契約が取れない方は、営業トークに課題があります。とくに次の5つは、営業がうまくいかないときに共通する傾向なので注意しましょう。

  • 説明に意識が向いている
  • 断られていることを恐れている
  • ゴール設定を誤っている
  • トークがテンプレ化している
  • 1回の商談で契約まで結びつけようとしている

説明に意識が向いている

サービスや商品の説明はもちろん大切ですが、それよりも大切なのは「相手の課題はなにか」を把握し、「課題解決をイメージ」してもらうことです。

「一生懸命サービスを紹介しているのに、契約がもらえない」と感じる方は、説明に意識が向いてしまっているかもしれません。「相手はどのように感じているか」にフォーカスした営業を心がけましょう。

断られていることを恐れている

断られることを恐れることのデメリットは、「顧客に、サービスに自信がないのか?」と疑われることです。また断られることを恐れることで、適切なタイミングでクロージングができないこともあります。

営業はあくまで、顧客にサービスをマッチングする役割です。「営業に断られる=営業が下手」と決めつけるのではなく、「営業に断られる=今は必要としていないのだな」と考え、断られることを恐れないようにしましょう。

ゴール設定を誤っている

営業にはステップごとに目的があります。テレアポやメルアポは商談の設定が目的で、初回商談は「課題の抽出と関係構築」が目的です。

そのためテレアポや初回面談においては、サービスのメリットを深く知ってもらう必要はなく、「また話しても良い」と思ってもらうことが重要です。

ステップごとのゴール設定を誤り、クロージングを意識しすぎると顧客との関係を構築できない可能性もあります。ステップごとに適切なゴールを設定し、意図のある営業を心がけましょう。

トークがテンプレ化している

営業トークがテンプレート化していると、顧客はあなたの話に個性や説得力を感じず、関心を失います。

そのため、どの顧客にも同じような商品の特長や利点を同じ言葉で説明するのは避けましょう。顧客ごとに異なるニーズや興味関心があることを理解し、個々にパーソナライズしたアプローチを取ることが重要です。

たとえば、ある顧客がコスト削減に関心をもっている場合、ニーズに合わせて製品のコスト効率の良さを強調することが効果的です。一方で、別の顧客が製品の品質や耐久性に重きを置いている場合は、そういった側面を前面に出すことが求められます。

それぞれの顧客に合わせた内容で話すことが、信頼関係の構築につながります。

1回の商談で契約まで結びつけようとしている

営業トークでは、いきなり契約を迫るのではなく、顧客との関係構築を目指すことが大切です。初回の商談でいきなり契約を迫ると、顧客はプレッシャーを感じたり、信頼を損ねたりすることがあります。

たとえば、初回の商談で顧客の現状や課題を深く理解しようとする姿勢を示し、次回の商談で具体的な解決策を提示するといった、段階的なアプローチが有効です。顧客が自分のニーズや状況を理解してもらえていると感じることで、信頼関係が築かれ、長期的な関係につながりやすくなります。

営業トークで押さえたい8つのコツ

ここで紹介する内容は、営業トークに役立つテクニックです。記事の前半で見てきたように、より重要なのはマインドであることを意識したうえで、一つずつ取り入れてみてください。

    1. 営業トークの流れを押さえる
    1. 結論から話す
    1. 自信をもって堂々と話す
    1. 強く売り込まない
    1. 積極的に自己開示する
    1. 相手への共感とヒアリングに重きを置く
    1. 商材のデメリットも伝える
    1. 相手の意見を否定するような表現は使わない

1. 営業トークの流れを押さえる

まずは営業トークの大まかな流れを押さえておきましょう。

営業は、次のような流れで行うと効果的です。

    1. 雑談
    1. サービス紹介
    1. 感想の確認
    1. 課題のヒアリング
    1. 課題に対する解決策の提示(サービスの紹介)

とくに重要なのは、「サービス紹介」のボリュームです。

初めての商談の場合、相手はサービスに強い興味はもっていません。そのため、長々とサービスの特徴を紹介するのは効果が薄いでしょう。詳しい特徴は、顧客の課題を明らかにしてから行うのが基本です。

ただし、ある程度メリットを感じてもらわなければ、興味をもたれる前に商談が終了してしまいます。そのためサービス紹介においては、「相手か感じている可能性が高い課題にアプローチすること」が重要です。

簡潔かつ効果的にサービスを知ってもらうためにも、顧客リサーチをしっかりと行い、仮説をもって商談に望みましょう。

2. 結論から話す

営業トークでは、冒頭で結論を述べることが重要です。これにより、顧客の注意を引き、関心をもってもらいやすくなるでしょう。なお、ここでの冒頭とは一つひとつの会話のことであり、前述した営業トークの大まかな流れの冒頭ではないため注意しましょう。

たとえば、製品の主要なメリットや特徴を最初に提示し、順を追って詳細説明することで、顧客の関心を維持しながら情報を提供できます。

具体的には、「この製品は、従来のものよりも30%コスト削減が可能です」といった明確でわかりやすい数値や成果を最初に伝えることが効果的です。

3. 自信をもって堂々と話す

自信をもって堂々と話すことは、信頼感を与え、顧客に良い印象を与えます。自信のある態度は、製品やサービスへの自信にもつながり、それが顧客の購入意欲を高めることにつながります。

自信をもつためには、商材に関する知識を十分に身につけ、練習を重ねることが重要です。また、ボディランゲージや目線、声のトーンにも注意しましょう。

4. 強く売り込まない

営業で大切なのは、強く売り込むことではなく、「相手の課題を解決できると証明すること」です。

課題をしっかりとヒアリングし、解決する価値があると思ってもらえれば、売り込む必要もありません。

迷っているときには背中を押すことも大切ですが、より重要なのは「サービスを売ること」ではなく、「一緒に課題を解決しましょう」と伝える姿勢です。

5. 積極的に自己開示する

クライアントとの関係構築においては、自己開示を効果的に活用しましょう。

クライアントによっては、課題を話すことに抵抗を感じています。そういった場合、口が重く、なかなか課題をヒアリングできません。

自己開示とは、「自分のことを打ち明けるテクニック」です。自分が困ったエピソードを伝えることで、共感を誘えます。積極的に活用してみてください。

6. 相手への共感とヒアリングに重きを置く

営業トークにおいて、相手への共感とヒアリングは非常に重要です。顧客の話をじっくりと聞き、共感を示すことで、顧客は自身のニーズや悩みを開示しやすくなります。

たとえば、顧客が「最近、業務効率化が課題です」と述べた場合、「それは大変ですね。具体的にどのような点で困っていますか?」と質問し、さらに詳細をヒアリングします。

このような対応は、顧客の抱える課題を深く理解し、それに合った解決策を提案するための基盤となります。また、共感的なアプローチは顧客との信頼関係を強化し、長期的な関係構築に寄与するでしょう。

7. 商材のデメリットも伝える

サービスの特徴やベネフィットについては、堂々とした姿勢で伝えましょう。

「できること」をアピールすることはもちろん、「できないこと」もはっきりと伝えることが重要です。

「できないこと」を聞かれると、言葉を濁してしまいたくなるでしょう。しかし、言葉を濁すことで相手は、不信感をいだきます。

できないことがあったとしても、優先順位が低ければ契約に影響は与えません。そのため、できること、できないことは堂々とした態度で伝えるように意識しましょう。

8. 相手の意見を否定するような表現は使わない

営業トークで避けるべきことの一つとして、相手の意見を否定するような表現の使用も挙げられます。

このような言動は信頼関係の構築を阻害し、顧客との距離を広げてしまいます。

たとえば、顧客が自社の製品に対する懸念を表明した場合、直接的な否定ではなく、「ご懸念は理解できますが、こういう観点もあります」と提案することで、より建設的な対話が可能です。

否定ではなく、代替案や補足情報を提供することで、顧客の不安を解消し、ポジティブな方向へと導くことが重要です。

営業のコツを身につけるには

営業のコツを身につけるためには、理論学習だけでなく、実践的な訓練や経験の積み重ねが不可欠です。次の考え方を頭に入れ、営業スキルを磨いていきましょう。

ロールプレイング(ロープレ)を徹底する

ロールプレイング(ロープレ)は、実際の営業シチュエーションを模擬的に再現する訓練方法です。

同僚や上司とペアを組み、実際の商談のような状況を作り出し、反応や応答を練習します。

たとえば、顧客が抱える問題や異議に対してどのように対応するか、どのように提案を展開するかなどを実際に演じてみることで、臨機応変な対応力や説得力を身につけられるでしょう。

また、ロープレはフィードバックを得るためにも効果的で、自分が抱えている弱点の把握と改善策を講じる良い機会となります。

原点の考え方を忘れない

営業の基本は、「顧客のニーズを理解し、解決策を提供する」ことです。商材やテクニックに気を取られがちですが、原点を忘れないことが重要です。

顧客が何を求めているのか、どのような課題に直面しているのかを深く理解し、それに応える姿勢をもち続けることで、信頼関係が築きやすくなります。顧客の視点に立って考え、常に彼らの利益を最優先にする姿勢を忘れないようにしましょう。

とにかく場数を踏む

営業スキルは経験によって磨かれます。多くの商談に臨むことで、さまざまな顧客タイプや反応に遭遇し、対応方法を学べます。

初めは失敗も多いかもしれませんが、それぞれの商談から学び、次に活かすことが重要です。実際の商談での経験は、どんな研修や教材よりも貴重な学びをもたらします。積極的に商談の機会を求め、実践のなかで営業スキルを磨きましょう。

さらにレベルアップするために心がけたいポイント

営業スキルをさらに高めるためには、次のポイントにとくに注意を払うことが重要です。これらを意識することで、より効果的な営業活動が可能になります。

商材を好きになる

自分が扱う商材を本気で好きになることが重要です。商品への愛着や情熱は、顧客への説明に自然と反映され、信頼性や説得力を高めます。

たとえば、新しいソフトウェアの営業担当者であれば、商材として売り込むソフトウェアを日常業務で積極的に使用し、利点や使い勝手を体感することで、より説得力のあるプレゼンテーションができるでしょう。

契約後のイメージが湧きやすいトークをする

営業で重要なのは、顧客が商品やサービスを使った後の具体的な効果や変化をイメージさせることです。これにより、購入に対する顧客の意欲を高められるでしょう。

たとえば、医療機器の営業の場合、次のような具体的なメッセージを伝えることで、顧客のイメージがより鮮明になるでしょう。

この機器を導入することで、具体的には心拍数や血圧などの生体情報をリアルタイムで監視できるようになります。
これにより、従来では見逃されがちだった細かな変化も捉え、初期の健康リスクを早期に発見できるようになるんです。
患者さんの安全性が高まるとともに、診断の精度が向上し、結果として患者さんからの信頼と満足度が格段にアップします。
さらに、迅速な診断により待ち時間の短縮も実現可能です。
病院全体の運営効率も向上するため、医療スタッフの負担軽減にもつながります。

このように、具体的な利点や事例、数字を用いることで、顧客は製品やサービスが実際に彼らの問題をどのように解決するかを具体的にイメージでき、購買意欲の向上につながります。

相手に合わせて喋り方を変える

営業トークでは、顧客の性格や業界特有の用語だけでなく、年齢や趣味など、相手のバックグラウンドに合わせてコミュニケーションスタイルを変えることが重要です。

たとえば、IT業界の顧客には専門用語を使いつつも、非技術者にはより簡潔かつ平易な言葉で説明することが求められます。

また、相手の性格が外向的であればエネルギッシュでダイナミックな話し方を、内向的であれば落ち着いたトーンで丁寧に話すことが効果的です。そして相手の年齢に応じて、世代的な話題や関心事を取り入れるのも良い方法です。

趣味や興味がわかっている場合は、関連する話題を取り入れることで相手との距離を縮めやすくなるでしょう。たとえば、スポーツ好きな顧客には最近のスポーツの話題を振ることで、より自然な会話が生まれます。

自然な会話からは相手の本音が漏れやすく、また新たなアイデアも生まれやすい傾向にあります。

このように、相手の性格や背景に合わせた喋り方をすることで、顧客との信頼関係を築きやすくなり、営業の成果に大きく寄与するでしょう。

会話のネタを幅広く準備しておく

会話の流れをスムーズにするだけでなく、相手に合わせて喋り方を変えるためにも、さまざまな会話のネタを幅広く準備することが重要です。

顧客との関係を深め、信頼関係を築くためには、ビジネスの話だけでなく、日常の話題や趣味、最新ニュースなど、多岐にわたる会話のネタを用意しておきましょう。

前向きな方向性に落とし込んでからクロージングする

商談の終盤では、顧客がもつ懸念を取り除き、前向きな方向性を示すことが重要です。問題解決の方法や利点を明確に提示した後に、積極的にクロージングへと導きましょう。

たとえば、価格面での懸念がある場合は、コストパフォーマンスの高さや長期的なメリットを強調して、顧客の購買意欲を促します。

営業活動で使えるテクニック

営業においては、さまざまなテクニックや心理現象を理解し、適切に活用することが成功へとつながります。次に紹介するのは、営業活動で役立つテクニックや心理学的アプローチの一部です。

ロジカルシンキング

ロジカルシンキングは、論理的な思考を営業に応用するテクニックです。このアプローチでは、顧客の課題を明確に特定し、それにもとづいて合理的な解決策を提案します。

たとえば、顧客が「時間管理が難しい」といった課題を抱えている場合、原因を深堀りし、具体的な時間管理ツールやプロセスの改善策を提案するのがロジカルシンキングのアプローチです。

この方法は、顧客の課題に対して根拠にもとづいた解決策を提案することで、信頼性と説得力を高めます。

SPIN話法

SPIN話法は、Situation(現状)、Problem(問題)、Implication(影響)、Need-payoff(解決策のメリット)の頭文字を取ったもので、顧客のニーズを深く掘り下げる営業テクニックです。

この方法では、まず顧客の現状や問題点を詳細に把握し、それがもたらす影響を顧客に意識させた後、自社の製品やサービスがどのように役立つかを提示します。

たとえば、製造業の顧客に対して、生産効率の低下がもたらすコスト増加や納期遅延の影響を指摘し、解決する製品を提案するのがSPIN話法です。

応酬話法

応酬話法は、顧客の発言や態度に対して柔軟に応答するテクニックです。

この方法は、顧客の反応を敏感に察知し、瞬時に適切な応答を行うことで、顧客とのコミュニケーションをスムーズに進めます。

たとえば、顧客が価格について懸念を示した場合、直接的な値引き提案ではなく、価格に見合った価値や長期的なメリットが強調されるような応答を行います。

ミラーリング効果

ミラーリング効果は、顧客の言葉遣いや態度を微妙に模倣することで、親近感や信頼感を築く心理学的テクニックです。

たとえば、顧客が穏やかな口調で話している場合、同じように落ち着いた口調で応答することで、相手に安心感を与え、コミュニケーションを円滑に進められるでしょう。

ただし、過度な模倣は不自然に映るため、適度な範囲で行うことが重要です。

フット・イン・ザ・ドアテクニック

フット・イン・ザ・ドアテクニックは、まず小さな要求から始め、徐々に大きな要求へと移行する方法です。

初めに小さなリクエストに同意させることで、顧客が次第により大きなリクエストにも応じやすくなるといった心理効果を利用しています。

たとえば、無料サンプルの提供から始め、後のフォローアップで本格的な商談へと進むことで、本契約をしてもらいやすくなるでしょう。

ハロー効果

ハロー効果は、特定の良い特徴(たとえば、営業担当者のプロフェッショナルな外見や振る舞い)が、他のすべての特徴を良い方向に引っ張るといった心理現象です。

営業担当者が信頼できる人物としての印象を与えられれば、顧客はその他の提案内容にも肯定的に捉える傾向があります。

メラビアンの法則

メラビアンの法則は、コミュニケーションにおける非言語的要素の重要性を示す法則です。

この法則によると、コミュニケーションの効果は、7%が言葉、38%が声のトーン、55%が非言語的な行動(たとえば、身振りや表情、提案資料の見やすさなど)によって決まります。

営業では、ただの言葉だけでなく、声のトーンやボディランゲージを意識的に使うことが重要です。

フレーミング効果

フレーミング効果は、同じ情報でも提示の仕方によって受け取り方が変わるといった心理現象です。

たとえば、製品の機能を「コスト削減に貢献する」といったポジティブなフレーミングで提示すると、顧客は製品に対してより肯定的な印象をもちます。逆に、ネガティブなフレーミングでは、顧客の反応も消極的になりがちです。

バーナム効果

バーナム効果は、あいまいで一般的な記述が特定個人に特有のものであるかのように感じられる心理現象です。

営業においては、顧客に共感を示すために、一般的で多くの人に当てはまるような表現を使用することで、個々の顧客に合わせてパーソナライズされた提案を行っているように感じさせられるでしょう。

ただし、あまりにもあいまいな表現は信頼性を損なうため、バランスが重要です。

コツを押さえた営業で成約率を高めよう

経験を積み、商談を重ねるごとに営業スキルは高まります。今回紹介した営業のコツを押さえ、自分のものにすることで、成約率を高められるでしょう。

またアポイントの数が足りない場合は、インサイドセールスをアウトソーシングするのも効果的です。

アポイント獲得に役立つ、インサイドセールス

飛び込み営業が有効とは言えない現代では、確度の高い顧客リストを準備するインサイドセールスが重要です。

実際の営業と既存顧客のフォローで手一杯の場合は、この部分を アウトソーシング するのもひとつの手段です。

アポイントが足りないと感じている方は、インサイドセールスのアウトソーシングサービスも検討してみてください。

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