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組織の「全体最適」とは?実施する意味や部分最適との使い分け・注意点

最終更新日:(記事の情報は現在から65日前のものです)
全体最適とは組織として最もパフォーマンスを発揮することのできる状態で、経営層やリーダーは企業の売上を最大化するために全体最適を目指す必要があります。全体最適とは何か、部分最適の違い、メリットやデメリットなどを解説します。

全体最適とは

全体最適とは、英語で「Total Optimization」といい、組織全体が最適化され、生産性の高い状態が保たれていることを指します。企業経営において必要不可欠な概念であり、自社の生産性や利益に大きな影響を与えます。

「企業」という組織は、営業やマーケティング、経理など部門に分かれているのが一般的です。各部門や個人(従業員)がそれぞれパフォーマンスを発揮することで、企業に利益をもたらします。しかし、部門や個人が優れたパフォーマンスを発揮しても、部門間の連携が取れていない場合、企業全体の生産性は下がってしまいます。

そこで、部門同士のスムーズな連携を実現するために行うのが「全体最適」です。組織として利益を最大化するために、経営者は全体最適を実現するために立ち回る必要があります。

全体最適が求められる背景

全体最適が求められる背景として、人材不足があげられます。昨今では少子高齢化に伴って生産年齢人口が減少し、人手不足にあえいでいる企業が多いです。企業は人材不足の打開策として、少ない人数でも従業員一人ひとりの生産性を高めることで、経営の維持あるいは向上を図ろうと考えるようになりました。

そこで「全体最適」を実現できれば、少人数でのパフォーマンス最大化が可能です。

部分最適との違い

全体最適と似た概念に「部分最適」があります。全体最適では、部門間の連携によって組織全体の最適化を図るのに対して、部分最適では、部門や個人にフォーカスして最適化するのが特徴です。

ITツールの導入を例にあげると、ツールによって組織全体の生産性アップを図るのが全体最適、ツールによって「経理部門だけ」が効率的に作業できる状態にするのが部分最適です。

また、全体最適と部分最適では、意識すべき層も異なります。全体最適は経営者や経営幹部など企業におけるトップ層、部分最適は現場マネージャーや部長など、各部門における上層部が意識すべき概念といえます。

全体最適と部分最適の使い分け

組織の生産性を高めるためには、全体最適と部分最適の使い分けが重要です。「全体最適すべきケース」と「部分最適すべきケース」のそれぞれを紹介します。

全体最適すべきケース

全体最適を考えるべきなのは、組織全体や部門を横断して解決すべき課題がある場合です。たとえば、企業全体で「手作業による工数削減」を掲げたとして、特定の部門はロボットを導入して自動化できているものの、他の部門にしわ寄せがいって結局トータルの工数が削減されない、といったケースです。

また全体最適は、経営者や幹部など上層部が考えるべきといえます。上層部が組織全体の活動がスムーズに進んでいるか把握し、それぞれの部門や従業員に求められる役割をコントロールする必要があります。

部分最適すべきケース

部分最適が求められるのは、社内の特定の部門や場所に課題がある場合です。たとえば、「〇〇作業の効率化で経理部門の生産性を高めたい」「SFAツールの導入で営業マンの負担を減らして営業部門を最適化させたい」など。しかし、部分最適にこだわりすぎた結果、全体最適の生産性が下がってしまう可能性もあるので注意が必要です。

全体最適のメリット

全体最適のメリットとして、次のものがあげられます。

  • 無駄な業務を省くことで生産性向上を図れる
  • コミュニケーションロス削減によってミスを防げる
  • 役割が明確化されることで従業員エンゲージメントが高まる
  • 経営資源の有効活用によってコスト削減につながる
  • スピーディーな経営判断ができる

無駄な業務を省くことで生産性向上を図れる

全体最適を行うことで、各部門における無駄な業務を省けます。たとえば、同じような報告書を何度も作成する、必要のない会議を何度も開催するなどです。似たような業務が重複していたり、そもそも必要のない業務を行っていたりするケースも少なくありません。全体最適によってこうした無駄を省ければ、組織全体の生産性向上につながります。

業務効率化やコミュニケーションロス削減によってミスを防げる

全体最適には、ミスを減らせるメリットもあります。たとえば、自動化ツールを導入すれば、これまで手動で入力していた業務をロボットが行ってくれます。自動計算や自動入力の機能を使えばミスが発生しにくくなります。

また全体最適を行えば、部門間のコミュニケーションも円滑になります。互いの認識のズレを防げるためミスが起きにくく、何度も確認する手間も省けます。

役割が明確化されることで従業員エンゲージメントが高まる

全体最適を進める際、まずは各部門の役割を明確にします。部門としての役割が明確になると、チームや個人の役割まで細分化されます。「自分がどう動くべきか」が明確になるため、エンゲージメント向上につながります。ただ単に業務を振り分けるだけでなく、仕事の効率や精度向上を期待できるのも、役割明確化のメリットです。

経営資源の有効活用によってコスト削減につながる

全体最適によって、ヒト(人材)・カネ(予算)・モノ(設備や機械)など経営資源を有効活用できます。たとえば、人材配置や予算配分を最適化できたり、本当に必要な設備を見極められたりなどです。今ある経営資源を見える化し、それぞれを適切に使うことは、コスト削減につながります。出費を抑えて利益を最大化することは企業経営の基本でもあります。

スピーディーな経営判断ができる

全体最適によって部門間の連携がスムーズになれば、各部門の部長やマネージャーがタイムリーに情報を収集でき、トップ層(経営層)にもいち早く情報が伝わります。迅速に情報伝達がされるため、課題や問題があっても、スピーディーな経営判断が可能です。

全体最適のデメリット

全体最適にはメリットがある反面デメリットもあります。とくに次の3点には気をつけましょう。

  • 部門によってかかる負担が異なる
  • 現場が変化に対応できないことも多い
  • システム導入によるコストや工数がかかる

部門によってかかる負担が異なる

全体最適の目的は、部門連携をスムーズにし、生産性を高めることです。しかし、かえってそれが対立を生む可能性があります。具体的には、部門によって人材配置に偏りが出たり、工数やコストの負担が大きくなったりします。

負担の大きな部門から不満が出ることも十分考えられます。対立が起こらないよう、各部門やそれに属する従業員のモチベーションを維持する対策が必要です。

現場が変化に対応できないことも多い

全体最適の方針を決めるのは経営層です。しかし、経営層が決めた内容に現場が対応できない可能性があります。たとえば、全体最適のために在庫数をコントロールしようとしても、メーカーや商社との契約上すぐには変更できないといったケースです。

全体最適としては理にかなっていて、現場も理解しているものの実際には動けない場合があります。全体最適を行う際は、適時現場の声を吸い上げ、現実的に可能な案を提示することが大切です。

システム導入によるコストや工数がかかる

全体最適にはさまざまな手法が用いられますが、代表的なものに「ITシステムの導入」があげられます。たとえば、ERP(ヒト・カネ・モノの適切な分配を支援する基幹システム)や、タレントマネジメントシステムなどです。システム導入によって部門間の情報収集はスムーズになりますが、導入にはコストや工数がかかります。

システム自体の利用料はもちろん、システム導入の手間、定着させるための研修、管理工数なども考慮しなくてはなりません。どのくらいの費用対効果を期待できるのか試算したうえで導入しましょう。

組織を全体最適させるポイント

組織を全体最適させる際、とくに意識したいポイントを紹介します。

  • 経営層が中心となり方針決定する
  • 従業員からの理解を得る
  • コミュニケーション活性化の取り組みを行う
  • ITシステムを導入する

経営層が中心となり方針決定する

組織を全体最適させるには、経営層が中心となり動くことが大切です。経営層が「本気」を見せることで、部門や従業員も「課題を改善しなければ」といったモチベーションにつながります

そもそも全体最適の方向性や内容が伝わっていなければ、各部門が独自の判断で動いてしまいます。そうした「部分最適」で終わらぬよう、経営層が方針を決め、部門と従業員を動かすことが大切です。

従業員からの理解を得る

全体最適の実現には社内の意識統一が不可欠であり、そのためには従業員からの理解を得る必要があります。理解を得るためにも、経営層が主体となり説明会を開催し、全体最適をする意味や方向性を示しましょう。

従業員だけでなく各部門のトップへの説明も必要です。経営層と各部門のトップで方向性をすり合わせることで、スムーズに全体最適を進められます。

コミュニケーション活性化の取り組みを行う

全体最適では部門間の連携が必要です。部門間のスムーズな連携を実現するためにはコミュニケーションが必要不可欠です。業務の洗い出しや課題抽出、アイデア出しなどを行う際にもコミュニケーションが欠かせません。

社内イベントを定期的に開催したり、従業員同士が気軽に話せる場を設けたりと、社内コミュニケーション活性化の取り組みを行いましょう。

ITシステムを導入する

組織の全体最適を進めるうえでは、ITシステムの導入も効果的です。代表的なシステムとして次のものがあげられます。

  • ERP(経営資源の分配に役立つ基幹システム)
  • タレントマネジメントシステム
  • ビジネスチャットツール
  • CRM(顧客管理システム)
  • RPA(事務作業の自動化システム)

社内の人材配置やチャットによるコミュニケーション、事務作業の自動化など、全体最適につながる取り組みはさまざまです。ITシステムの活用によって業務効率化の促進やコミュニケーションロスが防止され、社内の生産性向上につながります。

コミュニケーションコスト削減に寄与するシステムとしては、ビジネスチャットツール社内SNS人事労務関連システムなどが考えられます。なかでもタレントマネジメントシステムは、従業員一人ひとりの個性(タレント)を可視化し、最適な人員配置を支援します。「ジョブ型雇用」制をとりいれて全体最適を実現するなら検討したいシステムです。

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全体最適と部分最適の使い分けが組織を成長させる 

全体最適や経営者や幹部などトップ層が、部分最適は現場マネージャーや部長などが意識すべきで、組織全体のパフォーマンスを高めるためには使い分けが重要です。意識しなければ組織は「部分最適」に寄りがちなので、トップ層は各部門やチームをうまくコントロールし、全体最適を進める必要があります。

部門間の歯車が噛み合えば業務効率化が進み、さらなる企業成長が期待できるでしょう。

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