Microsoft、Teamsを大規模ウェビナー向けにアップデート DAUは1億4,500万人に
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ビデオ会議ツールは欠かせない存在に
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックの影響で、テレワークによる在宅勤務が急増しました。この変化は「新しい働き方」の第一歩であり、ワークライフバランスの改善につながるでしょう。
そうしたテレワークに欠かせないツールの1つに、ビデオ会議サービスがあります。ビデオ会議などに縁のなかった人も、パンデミック以降は必要に迫られて使い始めた結果、利用者が多くなって、Zoomなどの知名度が高まりました。
マイクロソフトの「Microsoft Teams」もユーザーを急増させています。2020年11月の発表で1億1,500万人だったデイリーアクティブユーザー(DAU)が、2021年4月には1億4,500万人まで増えたのです。
セミナー向け、Teams 2つのアップデート
Teamsは企業用のコラボレーションプラットフォームであって、ビデオ会議機能は一側面に過ぎません。業務活動の中心的なツールになるよう、マイクロソフトは絶えず改良に取り組んでいます。
最近も、数多くの機能強化が施されました。そのほんの一部を紹介します。
最大2万人の大規模セミナーをオンライン開催
COVID-19対策で対面会議の開催が難しくなったように、対面での営業活動や、大人数を集める発表会などの実施も困難になりました。そこで、Teamsで利用可能になったウェビナー機能を活用してはどうでしょうか。
これは、双方向ウェブセミナー(ウェビナー)をTeams上で実施する機能です。セミナーに参加可能な人数は最大1,000人ですが、発言しない視聴のみの(ブロードキャストエクスペリエンス)参加者は1万人まで増やせます。
1万人も参加するセミナーをリアルで開催しようとしたら、会場の確保や当日の運営など、膨大な手間がかかります。ウェビナー機能を使えば、社内会議などに普段使っているTeamsで簡単に大規模セミナーが実施できるのです。しかも、参加申し込みページの作成、案内メールの送信なども、Teamsで済ませられます。
なお、ブロードキャストエクスペリエンスは最大1万人ですが、COVID-19パンデミックが収束していないこともあり、2021年中は最大2万人まで特別に利用可能としています。
パワポのプレゼンもTeamsで配信
プレゼンテーションといえば「PowerPoint」を利用している人が多いでしょう。
Teamsでは、PowerPointのスライドなどを配信する「PowerPoint Live」が追加されました。これにスライドの内容と発表者の姿を3種類の方法で表示する「プレゼンターモード」を組み合わせると、分かりやすく見栄えの良いプレゼンテーションがオンラインで実行可能です。
そのうえ、スライドを自動翻訳する機能の搭載も予定されています。プレゼンテーションを見る参加者が表示言語を選ぶと、スライドの内容が自動的にその言語に翻訳されるのです。ほかの参加者の表示言語には影響を与えないので、参加者ごとに得意な言語で見ることができます。国境を越えて参加することが容易なウェビナーなどでは、特に役立つ機能でしょう。
SaaS連携も拡充、より便利に
企業活動に欠かせないツールとなるよう、Teamsは各種SaaSなどとの連携も強化されています。
ウェビナー参加者を見込み顧客に変える
ウェビナー開催の目的は、セミナーとして情報を提供するだけにとどまりません。参加者の属性を分析してマーケティング活動に役立てたり、見込み顧客としてフォローアップしたりすることも考えられるでしょう。
Teamsには、そうした作業に使える機能も用意されています。ウェビナー終了後、参加者のデータをTeamsからCRMアプリの「Microsoft Dynamics 365 Marketing」へエクスポートできるのです。
キャンペーンなどを自動作成して働きかければ、コンバージョン率やロイヤルティの向上策が効率的に実行できるでしょう。
外部アプリで機能を拡張
Teamsは、外部サービスとの連携も強化されています。
サードパーティーのアプリをTeamsに追加すると、Teams内で多彩な作業がこなせます。たとえば、プロジェクト管理ツールの「Asana」アプリを組み込むと、Teamsのチャットやチャネル内でプロジェクトの管理やタスクの追跡が行えます。そのほかにも、実に多くのアプリが「Teams App Store」で公開されているそうです。
高度なアプリ開発やローコード開発にも対応
企業内の業務は、汎用のサービスで完全にカバーできないことも多いでしょう。その場合は、専用のアプリを開発しなければなりません。
もちろん、Teamsはそうした要求にも応えられます。「Visual Studio」や「Visual Studio Code」用の「Microsoft Teams Toolkit」などを使って、高度な専用アプリケーションを開発しTeams上で動かせます。
さらに、「Microsoft Power Platform」を使うと、ローコードツール「Power Apps」によるアプリ開発まで可能になります。ローコード開発が行えるので、現場のニーズに合わせたTeams活用の道が開けるでしょう。
TeamsがDXのきっかけに?
DX事業などを手がけるディップの調査によると、デジタルツールを導入した企業の63.2%が「効果を実感している」と回答しました。効果の内容としては、「業務にかかる手間の削減」(53.3%)という意見が目立ちます。
Teamsのようなツールであれば、直感的にわかりやすいビデオ会議から使い始めるので、抵抗なく日常的に利用するようになるでしょう。そこから次第に活用範囲を広げていけば、業務のさまざまな場面で自然と有効利用できます。ビデオ会議ツールにとどまらないTeamsだからこそのメリットです。