デジタルアダプションツールおすすめ比較10選!選び方・メリット・活用方法
目次を閉じる
デジタルアダプションツールとは?
デジタルアダプションツールとは、ユーザーが特定のシステムを使用する際に、そのシステムの操作方法や機能をわかりやすく教えてくれるツールです。たとえば「ガイド機能」で画面上に説明を表示したり、「プロセス自動化機能」によって入力ミスを回避できたりと、便利な機能を搭載しています。
ユーザーの効率的な操作をサポートすることで、企業の業務効率化・生産性アップにつなげられるツールです。
デジタルアダプションツールの種類
デジタルアダプションツールは、主に「顧客向け」と「従業員向け」の2種類に分けられます。
顧客向けデジタルアダプションツール
顧客向けデジタルアダプションツールとは、Webサイトやアプリなどを提供する企業が、サービスの使い方やメリットを顧客へ伝えるために使用するものです。
たとえば、ECサイトで商品の検索方法や購入方法を説明したり、オンラインゲームでゲームのルールや操作方法を教えたりする場合に使われます。
従業員向けデジタルアダプションツール
従業員向けデジタルアダプションツールとは、企業内で使用するシステムやソフトウェアに関する研修やサポートを行うために使用するツールです。
たとえば、基幹システムやCRMなどの操作方法や機能を学習したり、新しいシステムへの移行を支援したりする場合に使われます。
デジタルアダプションの重要性
デジタルアダプションツールがなぜ重要かというと、ユーザーのITリテラシーが低くても、システムを使えるようになるからです。インターネットの普及によって、今ではさまざまなオンラインシステムが使われています。会計や営業、マーケティング、在庫管理などの業務をシステム管理している企業も多いでしょう。
しかし、これらのシステムは、ユーザーによる正確な情報入力が前提であり、もし誤った情報を入力すれば、システムの効果は半減してしまいます。
そこで、ユーザーの入力を手助けする「デジタルアダプションツール」を使えば、リテラシーのばらつきが解消され、誰でもシステムを使いこなせるように。業務効率化やデータ分析の精度向上につながるため、デジタルアダプションツールは非常に重要なツールといえます。
デジタルアダプションツールの選び方
デジタルアダプションツールを選ぶ際は、次の流れで確認しましょう。
- デジタルアダプションツールの導入目的を確認する
- デジタルアダプションツールの機能を確認する
- デジタルアダプションツールを導入する際の注意点を確認する
- デジタルアダプションツールの料金・価格相場を確認する
デジタルアダプションツールの導入目的を確認する
デジタルアダプションツールを導入する際は、まず「何のために導入するのか」の目的を明確にしましょう。主な導入目的として次のものがあげられます。
導入目的 | 詳細 |
---|---|
顧客のシステム利用をサポートしたい | ユーザー体験の改善に特化したデジタルアダプションツールがおすすめ |
従業員のシステム利用をサポートしたい | 社内システム利用サポートに特化したデジタルアダプションツールがおすすめ |
BtoC企業向けのデジタルアダプションツールでは、マーケティングやCRMといった機能がセットになっていることが多いです。
一方で、経費精算システムやワークフローシステムなどの「従業員向けシステム」に使うデジタルアダプションツールは、組織活性化のための機能に特化していることが多いです。
ピアボーナス®や社員プロフィールといった組織活性化機能が搭載されているシステムもあります。
※「ピアボーナス®」はUnipos株式会社の商標です。商標権者から使用許諾を得ています。
デジタルアダプションツールの機能を確認する
どのような機能が備わっているかも、デジタルアダプションツールを選ぶ際に大切なポイントです。多くのツールに備わっている基本機能と、特定の用途や業界に特化した機能を紹介します。
機能 | 詳細 |
---|---|
ガイド機能 | マニュアル表示、ヒント表示などでユーザーのシステム利用を補助する機能 |
アナリティクス機能 | ユーザーのシステム利用状況を分析して、ユーザービリティ向上のヒントを得る機能 |
プロセス自動化機能 | 定型操作を自動化してユーザーの入力業務を効率化する機能 |
ガイド機能
システムの利用手順をステップ・バイ・ステップで表示できる機能です。入力ルールや用語説明、ヒントなどマニュアル形式で表示することで、ユーザーのシステム利用を補助します。
また多くのツールに「誤入力防止」の機能も備わっているため、その場ですぐに入力内容を確認可能です。入力ミスを防ぐことで、ユーザーは滞りなく手順を進められます。
ガイドの内容や表示タイミングをユーザーに応じてガイドを出し分ける機能も。ブラウザやデバイスなど利用環境に応じて設定できるツールもあります。
アナリティクス機能
システムや機能をどのくらい活用しているか状況を把握できる機能です。利用状況を見える化することで、活用できていない機能を発見したり、非効率な操作を特定できたりします。
ガイドやその中に表示されるヒントの利用回数の分析によって、実際にツールが機能しているかの確認も可能です。アナリティクス機能を活用すれば、ユーザーが操作に困る部分や離脱原因を把握でき、システム利用の改善に役立てられます。
プロセス自動化機能
システムを使う際にしばしば必要な「定型操作」を自動化する機能です。定型操作の例として、受発注や在庫の入力や契約更新手続き、毎回決まったフローでの資料作成などがあげられます。
毎回、定型操作を手動で行っているとユーザーも面倒になり、システムの離脱につながってしまいます。デジタルアダプションツールでは、システムの定型業務をオートメーション化し、操作時間の短縮・入力ミスの削減が可能です。
誰でもできる定型操作をツールに任せられれば、ユーザーはコア業務に集中できるようになります。
デジタルアダプションツールを導入する際の注意点を確認する
デジタルシステムを導入する際、失敗しないために次の項目も確認しておきましょう。
確認事項 | 詳細 |
---|---|
何のアダプションを行うのか | WebアプリやWebサイト向けなど使える媒体に制限があるツールが多いので、検討しているツールが使えるかを確認 |
デジタルアダプションの方法 | ガイド表示やマニュアル表示など、必要なサポート方法でユーザーのシステム利用をサポートできるのか |
セキュリティレベル | とくにカスタマーエクスペリエンス改善系のツールでは、ユーザー情報を取り扱うため、求められるセキュリティレベルをクリアしているか |
デジタルアダプションツールの料金・価格相場を確認する
デジタルアダプションツールの料金・価格相場は、「顧客向け」か「従業員向け」かによって異なります。
顧客向けのアダプションツールの場合は、良心的な価格のものもありますが、コンサルティングサービスの付帯によって高額になるシステムも存在します。一方で、従業員向けのアダプションツールだと、月々1ユーザーあたり数百円から使用可能といったケースが多いです。
料金プランを開示していないツールも多いので、導入目的や機能をもとにシステムを選定したうえで、複数のベンダーから見積もりを取ることをおすすめします。
顧客向けのおすすめデジタルアダプションツール5選
選び方を踏まえたうえで、顧客向けのシステム用のデジタルアダプションツールを紹介します。
- テンプレートからシナリオを作成できる
- LPOやABテストによるサイト改善や広告配信最適化
- カスタマーサクセスチームがざまざまな疑問に答えてくれる
KARTEは、Webサイトやアプリのマーケティングやカスタマーサポートを支援するCX(顧客体験)プラットフォームです。エンジニア不要でテンプレートからシナリオを作成できるWeb接客機能から、顧客とのone to oneコミュニケーションのできるMA機能。さらにはLPO(ランディングページの改善)やABテストによるサイト改善、広告配信最適化、カスタマーサポートなど豊富なパッケージを用意しています。
KARTEでは細かいユーザー分析やカスタマージャーニーの作成など、顧客一人ひとりに合わせた体験を提供可能です。ユーザーの問題点の解消、ロイヤルティ向上につながります。
社内に浸透するようにオンボーディングにも注力。カスタマーサクセスチームがツールに関する日々の疑問に答え、有償のプロフェッショナルサービスの提供や認定パートナーの紹介も実施しています。
Fullstar - クラウドサーカス株式会社
- チュートリアルやツールチップをノーコードで作成できる
- アンケートや利用状況通知によって顧客状況を見える化
- 書類不要・最低利用期間のない無料プランも提供している
Fullstarは、クラウドサーカス株式会社が提供するCS(カスタマーサクセス)ツールです。システム利用促進のためのチュートリアルやツールチップをノーコードで作成可能です。ユーザー自身で好みのチュートリアルを作成し、使いやすい仕様に変更できます。
他にも、カスタマーサクセスに対するフィードバックや新機能の要望を得られる「アンケート機能」や、利用率の下がった顧客を見える化できる「利用状況通知機能」も搭載しています。
LTVを最大化するために必要な機能が豊富に搭載されており、プロダクトへの反応を確認したり、ユーザーの状況を分析したりといったことがこのツール1つで可能です。有償プランのほか、書類不要・最低利用期間のない無料プランも用意しています。
Onboarding - 株式会社STANDS
- 顧客ごとにガイドの内容やインターフェースを最適化
- エンジニアリングの知識やスキル不要でガイドを作成
- 顧客ごとのガイド利用率やログイン頻度なども把握できる
Onboardingは、株式会社STANDSが運営するデジタルアダプションツールです。顧客を導くガイドやポップアップを作成でき、属性や状況、習熟度など顧客ごとにガイドの内容やインターフェースを最適化できます。
ガイドはノーコードで作成できるため、専門知識やエンジニアの支援は一切不要。直感的な操作で誰でも簡単に作成できます。利用状況のアナリティクス機能も搭載しており、顧客ごとのガイド利用率やログイン頻度、機能の利用状況なども一目で把握可能です。
細かく分析できるので、企業は定量的にPDCAを回せるでしょう。プロダクトの開発工数削減や受注率・LTV向上、サポート工数の削減といった目標に使用できます。
openpage - 株式会社openpage
- 専門サイトを構築することでCSの案内業務を自動化
- 顧客一人ひとりに合わせた対応やレコメンドを行える
- AIによるガイドのテキストや音声解説の作成も可能
openpageは、顧客とのコミュニケーションをデジタル化・自動化できるデジタルアダプションツールです。専門サイトを構築することで、CSの案内業務を自動化し、顧客対応にかかるリソースを大幅に削減できます。
顧客との関係性をデータとして可視化し、顧客一人ひとりに合わせた対応やレコメンドを実施。顧客コミュニケーションの工数削減とともに、売上アップを実現できるツールといえます。
AIによる業務効率化機能も搭載しており、ガイド表示におけるテキスト作成や音声解説などはAIが対応。要約や翻訳業務もAIが担ってくれます。顧客が相手でも失礼のないかたちでテキスト作成、音声解説を行います。
- データとテクノロジーを駆使してCXを改善する
- 顧客行動の計測に加えて「声かけ」や「案内」のアプローチも可能
- 専属のプロが分析から施策立案をサポートしてくれる
Sprocketは、データとテクノロジーを駆使してCXを改善するプラットフォームです。 SprocketのWeb接客では、顧客の行動をリアルタイムに計測できる機能に加え、「声かけ」や「案内」などきめ細かいアプローチができる機能も搭載しています。
ポップアップ表示機能では、ただ単に表示するだけでなく、ポップアップをつなげることで見やすいチュートリアル形式で表示されます。他にもアンケートのデータをもとにしたセグメント、顧客がすぐに回答を得られるチャットボット、LPOやABテストによるシステムの精度向上も可能です。
また、コンバージョンが向上するように同社専属のプロが分析から施策立案をサポート。アパレルや金融、EC、外食など幅広い業種に対する導入実績があります。
従業員向けデジタルアダプションツール3選
続いて、従業員向けのシステム用のデジタルアダプションツールを紹介します。
- ノーコードでユーザー体験を改善できるツール
- 視認性の高いデジタルガイドでマニュアルを簡素化
- SFAやERP、HCMなどさまざまなシステムと連携可能
テックタッチは、ノーコードでユーザー体験を改善できるデジタルアダプションツールです。主に企業の社内システム、プロダクトを対象としており、400万人以上のユーザーが利用しています。
視認性の高いデジタルガイドによって、新システム導入時や複雑なシステム利用時の「マニュアル」を簡略化。プログラミング不要でガイドを作成できるうえ、修正内容もシステムに即時反映されます。オートフロー機能による定型操作の自動化、従業員の利用状況を細かく把握できるアナリティクス機能と搭載しています。
またテックタッチは、SFA(営業支援システム)やERP(基幹系情報システム)、HCM(人的資本管理システム)、経費精算などさまざまなシステムに対応。どのようなシステムでも、これまで頻繁に起こっていた入力ミスや情報のバラつきを防ぎ、定着率を防ぎます。
BizFront - NTTテクノクロス
- 業務手順のナビや誤入力の検知など機能が充実
- ヘルプ表示のタイミングや位置は自由に調整できる
- オンプレミス型なのでセキュリティ性も高い
BizFrontは、NTTテクノクロス株式会社が提供するデジタルアダプションツールです。
業務ナビゲーション機能をはじめ、ヘルプ・注釈の表示、誤入力の注意喚起など、社内でのシステム定着化を図れるアダプション機能が充実しています。ヘルプ表示のタイミングや位置は自由に追加可能です。
同ツールは、ネットワークやサーバーの接続が要らないオンプレミス型。既存システムを改修せずに導入できるうえ、セキュリティ性も高いです。
Colla - 株式会社トラックレコード
- Slackと連携して使うアシスタントツール
- 社内コミュニケーション活性化のための機能が充実
- 最短2分でツールの導入が可能
Collaは、チャットツールであるSlackと連携して使うチームアシスタントツールです。Collaでは、従業員の「声」を集めたり、業務をサポートしたりします。
CollaがSlack上で質問をし、従業員はそれに答えるだけ。従業員から得た回答をCollaがチームに共有することで、共通の話題が見つかり、社内コミュニケーション促進につながります。他にもプロフィールやアンケート、ピアボーナス®機能など組織活性化のための機能が豊富です。
Slackに連携させるだけで、2分程度で導入可能。フリープランでは機能が限定されますが、ユーザー1人あたり月額380円のスタンダードプランに加入すれば、すべての機能が使用できます。
社内コミュニケーションを促してシステムの利用促進を図れるという意味で、デジタルアダプションツールとしても活用できるでしょう。
※「ピアボーナス®」はUnipos株式会社の商標です。商標権者から使用許諾を得ています。
顧客・従業員の両方に対応しているデジタルアダプションツール2選
Pendo - Pendo.io,Inc.
- 顧客のデジタル体験、社内オンボーディング強化のための機能を集約
- オールインワンで使えるので大幅に業務効率化を実現できる
- ローコードでのアダプションによって工数削減にもつながる
Pendoは、ソフトウェアやアプリの定着化を図るオールインワンプラットフォームです。顧客向け、従業員向けそれぞれのサービスを用意しており、顧客が本当に必要とするデジタル体験の提供、社内オンボーディングの強化などを実現できます。
ガイドやアナリティクスなど基本機能をはじめ、ユーザーの行動を把握できるセッションリプレイ機能、希望を把握できるフィードバック機能も搭載。あらゆる機能を1つのプラットフォームに集約することで業務効率化を図れるほか、顧客・従業員の定着率向上につながります。
いずれの機能もローコードでアダプションできるので、プロダクトやマーケティング、カスタマーサクセス、ITの各チームが工数を削減しつつ、顧客対応に注力できる体制を構築可能です。
WalkMe - WalkMe株式会社
- 企業によるDXの費用対効果の最大化を目的としたツール
- デスクトップからモバイル、Webアプリまで利用環境を選ばない
- 海外の法的規格やISO、IECなど各種認証も取得している
WalkMeは、国内外で広く利用され、3,500万人以上のユーザー数を誇るデジタルアダプションツールです。DXの費用対効果の最大化を目的としたツールで、顧客向け、従業員向けそれぞれが用意されています。
ユーザーの操作を手助けするガイダンス機能をはじめ、利用状況を細かく把握できるアナリティクス機能、既存ツールとの連携機能など充実。デスクトップアプリからモバイルアプリ、Webアプリまで利用環境を選ばないのも魅力です。
世界的に使われているツールであることから、海外の法的規制やISO、IECなど各種認証も取得しています。顧客や従業員を問わずユーザーの行動を定量的に解析することで、効率的にPDCAサイクルを回し、システム定着化を図れる優れたツールといえます。
デジタルアダプションツールのメリット
デジタルアダプションツールの代表的なメリットとして次のものがあげられます。
- システムの定着化を図れる
- 顧客満足度の向上につながる
- 教育工数を削減できる
システムの定着化を図れる
ガイドやプロセス自動化機能によって、ユーザーが簡単に使えるようになり、システムの定着化につながることがメリットです。また管理者は、ダッシュボード上で操作手順や動線を確認でき、必要に応じて仕様の修正も可能です。従業員や顧客なユーザーにとって使い勝手の良いシステムに改善できます。
デジタルアダプションツールによって、入力時間が短縮されたり、定型業務を自動化できたりすれば、従業員の生産性向上につながることはメリットと言えるでしょう。
顧客満足度の向上につながる
顧客向けのシステムを運営している場合、ツールのガイド機能によって顧客自身で困りごとを自己解決できるようになります。顧客自身ですばやく解決できるため、企業に問い合わせする必要がなくなり、結果的に満足度アップにつながることも、デジタルアダプションツール導入のメリットです。
社内向けシステムの場合でも、従業員による入力ミスやエラーが削減され、窓口への相談件数が削減されます。提出物や申請書類の差し戻しがなくなれば、窓口の負担も大幅に削減されるでしょう。
教育工数を削減できる
ガイド機能では補足やヒントを表示できるため、最低限の情報でユーザーの教育ができます。一般的なマニュアルでは情報量が多く、ユーザーも読む気がなくなってしまうでしょう。結果的にシステムが定着しないケースも多いです。
その点デジタルアダプションツールでは、最低限の情報でユーザーの理解が促進されるため、マニュアル作成や研修などの準備コストを大幅に削減できます。
デジタルアダプションツールで着実なシステム活用を
デジタルアダプションツールの導入によって、システムを早く定着させられたり、問い合わせ対応を効率化できたりと、多くのメリットを享受できます。
ツールを選ぶ際は、まず「顧客向けなのか、従業員向けなのか」を明確しましょう。そのうえで必要機能やトータルコストを考慮し、本当に費用対効果のあるツールなのか判断することが大切です。
デジタルアダプションツールについてより深く検討したい方は、サービス資料を請求し比較するとよいでしょう。