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2017-05-11

ストレスチェックで集団分析 | 最適な職場環境作りに役立つ【流れ・用途・実施方法】

ストレスチェック制度に義務化に伴い、実施用のシステム導入が増えてきています。しかし、努力義務である集団分析に取り組んでいる企業はあまり多くないのではないでしょうか?今回はストレスチェック制度の内容から集団分析をどのように行うべきか解説して参ります。
健康管理システム(ストレスチェック)
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労働安全衛生法改正を受け、平成27年12月1日にストレスチェック制度が義務化されました。それまでストレスチェックを実施していなかった会社においては、義務化に向け産業医などの医師に実施者の委託を行ったり、ストレスチェック実施のシステムを導入したりと様々なコスト、労力をかけて行ったと思われます。

せっかくコスト、労力をかけて行ったストレスチェックの結果について、義務の履行をしたからそれで満足ということではもったいないです。ストレスチェックの結果には、最適な職場環境の改善のためのヒントがたくさん詰まっています。ストレスチェックを行った会社の経営者、衛生委員会、ストレスチェック主幹部署の担当者向けに、ストレスチェック実施後に行うべき最適な職場環境作りのための集団分析について説明します。

ストレスチェック実施や、助成金などについてはこちらの記事で詳しく紹介しているのでチェックしてみてください。

ストレスチェック制度義務化とは | 雇用主に生じる義務・規定・対応方法 | ボクシルマガジン
2015年12月より従業員に対するストレスチェックが義務化されましたが、実際どういった制度なのでしょうか。ストレス...
ストレスチェックの助成金を受け取れる条件は? | 助成金額や申請の流れも紹介! | ボクシルマガジン
従業員50名未満の事業所ではストレスチェックの実施は努力義務となっています。しかし、その分ストレスチェックに対して...

1. ストレスチェック後の集団分析とは

集団分析は下の図の黄色の部分にあたるものです。


引用:厚生労働省 | ストレスチェック導入マニュアル

(1)ストレスチェック後の流れ

ストレスチェックを実施した後の流れについて、個々人のストレスチェックの結果について実施者が分析して、個々人にその結果を通知します。この通知によって、従業員1人1人がセルフケアを行うとともに、ストレスチェックの結果、高ストレス者(自覚症状が高い者や、自覚症状が一定程度あり、ストレスの原因や周囲のサポートの状況が著しく悪い者)と判断される者については産業医等の医師による面接指導につなぎフォローします。

ここで、個々人の従業員が会社に対してもそのストレスチェックの結果を通知することに同意した場合には、会社(ストレスチェックを取り扱う人事労務担当者などに限定)はその個々人の結果を知ることが出来ます。また、個々人のストレスチェック結果とは別に、個人が特定されない形で実施者より会社は集団分析結果を受け取ることになります。

(2)集団分析結果とは

集団分析結果とは、各職場(部署、課、チーム)で、

  1. その仕事の量的負荷と仕事の裁量権(コントロール)があるのかどうか

  2. 仕事上などでトラブルなどの自分1人での解決が困難なことがあった場合に、上司の支援があるか、同僚の支援があるかどうか

以上の2点について見ていくものです。そして、集団分析においては、個人を特定されない形での分析が必要(個人が特定される場合には、個人の同意が必要となる)となるため、原則として集計人数が10人未満の場合には集団とすることが出来ません。

たとえば、あるチームαの所属人数が5人である場合には、そのチームを対象とする集団分析は、チーム5人の同意がなければ行うことは出来ません。その場合には、より上位概念で集計人数を10名以上と出来るA部(チームαが含まれる)での集団分析を行うこととなります。

2. 集団分析は何のために行う?

ストレスチェック制度では、ストレスチェックにより個々人のストレス状況の把握を行い、それを軽減するようなケアを行うことまでが義務とされています。

しかしながら、個々人のストレスは何によって生じているのか、それが仕事に基づくものなのか、職場環境、職場の人間関係なのかを把握する必要があります。もし仕事や職場環境、職場の人間関係にあるのであればその原因を把握し、そこにスポットを当てて、問題を解消することが必要となります。

ある意味で、個々人のストレス状況の把握とケアが、問題が生じてからの対症療法の意味合いが強いものであるとすると、集団分析は問題が生じる原因を取り除き、軽減するという原因療法の意味合いが強いといえます。

このように見ていくと、ストレスチェックの集団分析は、法的な位置づけでは努力義務ですが、会社が行いうる従業員のストレス対策としてはもっとも重要な要素を占めるといえます。集団分析によって、職場環境の改善が見込めたり、さらには企業成長を促進したりすることは少なからずあると思います。

3. 集団分析の実施方法 どうやって行う?

集団分析の単位

集団分析はまず、どの単位で行うか決めなくてはなりません。職場単位で行うのか、部署単位で行うのか、はたまたそれより小さな所属ごとに行うのか、を会社の規模や目的に応じて決めておきましょう。


集団分析の方法は厚労省マニュアル、東京医科大学公衆衛生学分野ホームページの「職業性ストレス簡易調査票」で提示されているように①量―コントロール判定、②職場の支援判定の2つで行うことが一般的です。


参考1: 厚生労働省労働基準局安全衛生部「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル」
参考2:ストレスチェック結果に基づく集団ごとの集計・分析と職場環境の改善 P83以下

以下の記事では、ストレスチェックを実施するにあたって助成金や必要書類などについて説明しています。参考にしてみてください。

ストレスチェックの助成金を受け取れる条件は? | 助成金額や申請の流れも紹介! | ボクシルマガジン
従業員50名未満の事業所ではストレスチェックの実施は努力義務となっています。しかし、その分ストレスチェックに対して...

(1)量ーコントロール判定

その仕事の量的負荷仕事の裁量権(コントロール)があるのかどうかを見ていきます。一般的に、仕事の量的負荷が多くなると、就業時間では業務をこなすことが出来なくなりストレスを感じやすいといわれています。また、仕事をいつ、どのように行うかの裁量権があればあるほど、ストレスを感じることは少ないといわれています。そこで、仕事の量的負荷と裁量権の相関関係で仕事に基づくストレス度を分析します。

(2)職場の支援判定

仕事上などでトラブルなどの自分1人での解決が困難なことがあった場合に、上司の支援があるか、同僚の支援があるかどうかを見ていくものです。

4. どう職場環境改善に活かせばいいの?

それでは、集団分析の結果をどのように職場環境改善に生かしていけば良いのでしょうか。

(1)改善のための制度作り

集団分析の結果を基に、人事労務部門として職場改善を全社的に行う意識作りを行います。今まで仕事の業務量が多そうである、裁量がない、部署での支援がないといった意見については、人事労務部門にそのような意見や声が寄せられても、個人の見解で、客観性がないということもあり、なかなかその意見そのものをもって改善施策を行うということには向かなかったと思います。

集団分析では、 全国の労働者の平均値との比較によって客観的な資料として、人事労務担当者は経営者や改善対象となる部署に説明を行うことが出来るようになります。

まずは、集団分析の結果をもって、職場改善を行うための資料とするという制度作りを行うこととなります。職場環境改善においては、人事労務部門のみではうまくいかず、必ず全社的な取り組みとするため、経営者やその対象部署の協力が必要となってくることを念頭において制度化を進めていきます。

(2)職場環境の評価

先ほどの厚生労働省労働基準局安全衛生部「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル」にある全国の労働者の平均値がグラフ化されている「量―コントロール判定図」「職場の支援判定図」に自社の集団分析結果をグラフ化します。

自社の値と全国の労働者平均とを比較することができます。「量―コントロール判定図」「職場の支援判定図」において、色がついた部分は平均を超える状態で、濃くなるほどストレス状態が高いであろうことが分かります。もし、自社の値がこの領域にある場合は注意が必要ということとなります。

(3)職場環境の改善案の立案

「量-コントロール」関連で全国平均値よりもストレス状態が高いという結果が出た場合には、仕事量の問題であれば、まずは人員配置の適正化を行う、人員補充を行う、業務フローの見直しを行うなどが考えられます。また、裁量の問題であれば、仕事に裁量を持たせられるように、人員教育を行う、仕事の棚卸しを行い単純作業ではなく仕事内容・納期・やり方などの観点から裁量を増やすことが考えられます。

「職場の支援」関連においては、今まで1人の従業員が専任で行っていた業務について複数名でのフォロー体制を設ける、上司・同僚でコミュニケーションの機会を設けるといったことが考えられます。

(4)対策の実施

集団分析を基に改善対策を実施していきます。改善対策の実施に当たっては、経営者、改善対象部署の理解、協力が必要となるので、改善対策の目的、その予想される効果などを説明した上で、改善対象部署が主体的に対策が実施できるようにするのが効果を出す決め手です。

(5)効果評価と計画の見直し

効果評価においては、ストレスチェックは毎年実施しますので、毎年1回集団分析を行うことによって、対策の効果評価を行うことが可能です。毎年の結果をグラフ化して比較することで、職場改善対策の効果測定を行うことが出来るとともに、部署ごとのストレス状況の把握、人員配置計画など様々な人事資料としても使用することが出来ます。

効果測定を行い、毎年職場改善計画を見直し、より良いものにしていくことで、より働きやすい職場、メンタルヘルス、長期離脱者を出さないという職場作りが可能となります。

5.ストレスチェック後の集団分析に役立つサービス

ストレスチェックが義務化されたとはいえ、受験の仕組みが社内にない、専門家がいないといった企業も多いと思います。そこで、こちらではストレスチェックに役立つサービスを紹介します。ツールの提供や実施者の提供など、運用をサポートしてくれるので、参考にしてみてください。

M-Check+(エムチェック・プラス)

  • PCなどのデジタルにも紙のアナログにも対応
  • 厚労省の推薦項目をカスタマイズして作成
  • 分析をより自由に行える

M-Check+は、メンタルヘルスの専門機関が監修した、信頼性の高いストレスチェックサービスです。このサービスの特徴はアンケートの回答方法をミックスできる点です。データ化が容易なデジタルと誰でも利用できる紙を組み合わせることで、より個人に合わせた回答収集が実現できます。また、厚労省推薦の「職業性ストレス簡易調査票」を元により、詳細な質問項目を設置しているので、より細かな調査が実施できます。

こころの健診センター

  • ストレスチェックをWebで回答できる機能
  • 高ストレス予備軍の早期発見ができる
  • 高レベルなセキュリティ環境

こころの健診センターは、事業者が求められる実施体制の構築から運用まで支援するサービスです。クラウド環境でオンラインストレスチェックの実施から管理、集団分析まで行えます。厚生労働省が推奨する集団分析結果もクラウド上で表示することができ、部署ごとの状況把握が可能です。Web上で医師による面談の申し込みができる機能や高ストレス予備軍を早期発見する機能を搭載しています。また、高レベルのクラウドセキュリティ環境を提供しているので、安心して利用できます。

6. ストレスチェックの注意点

1単位が10人以下の場合

集団分析をするにあたって、その調査対象の単位が10人以下の場合は、調査対象全員から了承を得る必要があります。11人以上のときは了承は不要なのですが、10人以下だと個人を特定される恐れがあるため、10人以下の調査対象者全員から了承を得なくてはなりません。

この場合、仮に集団分析をして結果があらわれたとしても事業者に公表できません。10人以下の規模でなければそもそも問題にはなりませんが、なにかあったときのために頭の片隅にいれておくとよいでしょう。

7. ストレスチェックから最適な職場環境へ

平成27年12月1日にストレスチェック制度が義務化され、あわただしく制度対応に追われたという会社、人事労務担当者の方が多いかと思います。義務化された以上、それを実施することは当たり前ですが、さらに一歩進んで、ストレスチェックの結果をどのように職場改善につなげていけるのかが人事労務担当者の力量であると思います。

今回のストレスチェックの集団分析は、今まで客観的なデータとしてなかなか把握することが難しかった、部署ごとの「仕事の量―コントロール」「部署内での支援度」というものであり、これを活用することで、今まで以上に説得力のある人事労務施策が採りうるのではないかと思います。

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