ファイル転送サービス徹底比較7選!おすすめやメリット【法人向け】

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ファイル転送サービスとは
ファイル転送サービスとは、インターネット回線を利用して他のデバイスにファイルを転送できるサービスのことをいいます。サイズが大きすぎてメールでは送付できないデータや、オンラインストレージでの共有が難しいファイルを送る手段として利用できます。
宅ふぁいる便、ギガファイル便、Firestorageといった無料のファイル転送サービスが多くありますが、主にセキュリティの観点から、法人向けサービスの利用がおすすめです。
2019年には宅ふぁいる便で不正アクセスによる個人情報流出事故が発生※し、サービスを停止。ヒヤリとした方も多かったのではないでしょうか。万が一事故が起きたときの対応を考えても、ログをたどれる法人向けプランを利用する方が適しています。
※参照:オージス総研「「宅ふぁいる便」サービスにおける不正アクセスについて ~お客さま情報の漏洩について(お詫びとご報告)~」(2019年3月14日発表)
ファイル転送サービスの機能
ファイル転送サービスには、サービスにもよりますが以下のような機能を備えているものもあります。
ユーザーごとのパスワード設定
各ユーザーごとにパスワードを設定し、ファイルが届いたときにパスワードを入力してもらう仕組みです。よりセキュリティを重視したいときに、取り入れたい機能です。
受信相手のアドレス制限
フリーメールや迷惑アドレスを制限リストにいれておき、受信相手を制限するサービスです。
ファイル取り消し
万が一誤送信があったとき、パスワードを通知せずファイル公開を取り消す機能です。もしものときに安心ですね。
上長承認
上長の承認後に受取通知メールを発信する機能です。一度上長が確認したあとに送信することになるので、内容をチェックしてもらったあとに送信できる安心感があります。
ファイル転送サービスのメリット
メールによるファイル送信や、オンラインストレージサービス経由でのデータ共有と比較すると、ファイル転送サービスには次のようなメリットがあります。
メールと比べて良い点
まずは機能をメールと比較。ファイル転送サービスを利用するメリットを解説します。
大容量ファイルを送信可能
ファイル送信サービスの大きなメリットは、メールでは送りにくい大容量ファイルを送信できることです。 近年は画像一つでも解像度によっては、大容量のファイルとなりかねません。ファイル転送サービスなら、多くが1GBを超えるデータ共有に対応。先方へ共有する際には、ダウンロード用URLを送るだけなので、メールやチャットの容量を圧迫しません。
内部統制やセキュリティの高さ
法人向けのファイル転送サービスなら、内部統制やセキュリティの対策へ重点のおかれたサービスを利用可能です。システムによってはISOやSOCといった第三者機関による認証を受けているケースもあります。必要に応じて導入検討時にチェックするとよいでしょう。
オンラインストレージと比べてよい点
データ共有ツールだと、クラウド上にデータを格納するオンラインストレージサービスもあります。ファイル転送サービスは、特定ファイルの共有においてオンラインストレージより利便性が高いというメリットがあります。
特定ファイルの共有に優れている
オンラインストレージだと逐一権限付与が必要だったり、意図せず「ほかのファイルが見えてしまう」状態になってしまったりと、場合によっては情報漏えいの危険性があります。ファイル転送サービスなら、必要なファイルのみを提供するのでリスクを割けられます。そのため、特定のデータをセキュアな環境下で共有するのに優れています。
ファイルが自動削除される
登録したファイルが一定期間で自動削除される機能を備えたサービスがあります。機密情報がクラウド上に残り続けるリスクが減り、容量の圧迫も防げます。「大容量ファイルの送受信に使いたい」「機密情報をセキュアにやり取りしたい」が主な目的なら、自動削除機能があるとよいでしょう。
ただしこれはデメリットにもなり得ます。複数のファイルを蓄積していく“共有サーバー”としての利用ができないためです。もっとも、サーバー機能とファイル転送機能をあわせもったサービスもあるので、よく確認するようにしましょう。
ファイル転送サービスの選び方
自社に最適なファイル転送サービスを選ぶためには、次の点を意識して選ぶようにしましょう。
必要なセキュリティ機能を備えているか
セキュリティの観点から検討したい主な内容は次のとおりです。
- ユーザー登録型か、ID/PASS配布型か
- 権限付与はファイルごとか、フォルダ単位か
- 外部ユーザーの制限はどの範囲で可能か
- どの程度細かくログが残るか
- ファイル保持型か、自動消去型か
情報漏えいをはじめとした事故発生時に備えて「ログ管理」「証跡管理」は必要です。これらのためには「利用制限」や責任にあわせた「権限付与」ができるとベスト。有料版、法人向けサービスは、大容量に対応しているだけでなく、こういった法人ならではの機能を備えている点も特徴です。
どれくらいの容量が必要か
サービスによって、送信できるファイルの容量が異なります。1度の送信可能サイズに上限があるタイプ、合計容量に上限があるタイプなど、上限や制限はサービスによって異なります。無制限のサービスも存在しますが、容量制限があるサービスに比べて料金が高い傾向にあります。自社がどのくらいの容量を必要としているか整理しておきましょう。
必要容量を算出する際、現状の容量を確認するだけでは不十分な可能性があります。メール添付ができないため送付していない、シャドーIT状態で無料サービスを利用している、といったパターンは把握できないためです。業務利用に本当に必要な容量を、関係部署へのヒアリングを通じて把握しましょう。
使い勝手が良いか
ファイル転送サービス導入時には、有料版の場合、ユーザー登録と権限設定が必要。人数が多い大企業ほど、一括登録が可能かどうかなど細かい部分でシステム管理者の作業負荷が変わってきます。
また、送受信がしやすいか、ヒューマンエラーが起きづらい仕様かなど、実際の使用感も重要な要素です。多くのサービスで無料トライアルを用意しているので活用しましょう。
コストが見合っているか
コストが見合っているか、確認しましょう。日ごろから大容量のファイルのやり取りがある場合は無制限プランや有料プランのほうがお得ですが、一定のプロジェクトのときにのみ使用する場合は、ランクを落としたほうがよい場合もあります。どの程度ファイル送信サービスを使うのか、コストも踏まえてよく検討しましょう。
おすすめのファイル転送サービス比較7選
それでは、おすすめの法人向けファイル転送サービスを紹介します。
Bizストレージ ファイルシェア - エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
- ブラウザ上で大容量ファイルの送受信が可能
- 誤送信や情報漏えいリスクを未然に防げる
- 容量ごとの定額プランなので多人数での利用でも安心
Bizストレージ ファイルシェアは、ファイル転送とオンラインストレージの両機能を備えたサービスです。送信相手のメールアドレスと名前がわかれば、IDを保有していなくても一度に合計2GBまでファイルの送受信が行えます。ファイルを送信可能な相手のメールアドレスやドメインをユーザーごとに制限できるので、誤送信や情報漏えいのリスクを軽減させます。また、使用容量で課金する料金体系なので、従業員の増減やプロジェクトメンバーの異動を気にせず利用できます。
クリプト便 - NRIセキュアテクノロジー株式会社
- 国内最高のセキュリティ格付け「AAAis」を取得※
- 徹底したアクセスコントロール
- 効果的なセキュリティ監査対策
クリプト便は、セキュリティ専門会社NRIセキュアテクノロジーズが開発・運用するクラウド型ファイル転送/共有サービスです。ファイルを転送・共有する際に自動で暗号化とウイルスチェックを行い、機密性を守ります。定期的に診断を実施することでセキュリティレベルを厳重に管理。ID・パスワードの管理、グローバルIPアドレスによるアクセス制御も可能です。誤送信防止機能を備え、いつ・誰が・どこに・何を送受信したのか、ファイル原本を含めたログも取得できます。

※出典:NRIセキュアテクノロジーズ「セキュアなファイル転送やファイル共有に特化した「クリプト便」」(2021年1月19日閲覧)
eTransporter - 株式会社NSD
- ユーザー数とファイルサイズは無制限
- 利用環境に合わせてクラウド型かオンプレミスか選択
- ファイル公開制限やZip暗号化など充実したセキュリティ機能
eTransporterは、メールに添付できない大容量ファイルや機密性の高いデータを、簡単かつ安全に送受信できるファイル転送システムです。利用形態は、クラウド版とオンプレミス版があり、企業の環境にあわせて導入できます。
ユーザー数やファイルサイズは無制限なので、規模の大きい企業でも問題なく利用できます。また、セキュリティ対策に力をいれており、送信後のセルフチェック機能や第三者の承認機能により、情報漏えい、誤送信を防ぎ、大事なファイルを安全にやり取りできるでしょう。
DIRECT! EXTREME - 日本ワムネット株式会社
- 最大2TBデータを転送ができる大容量
- 独自機能にて超高速データ転送が可能
- セキュリティチェック機能搭載
DIRECT! EXTREMEは、「WAM!NET」超大容量データを高速に転送可能なサービスです。高度なセキュリティと自動化・業務効率化の両立を実現しています。クラウドサービスとして、プロジェクト・部門単位でのご利用も可能です。
tenpu
- 誰でも操作しやすいシンプルな画面
- 最大20GBまでアップロード可能
- ヒューマンエラーにも対応したセキュリティ
tenpu(テンプ) は、シンプルなインターフェースが特徴のファイル転送サービスです。一度に20GBまでファイルを送信できるため、大容量の画像や動画ファイルでも安心して利用できます。情報漏えいの大きな要因である「ヒューマンエラー」にも対応しています。
HULFT8
- マルチプラットフォーム
- 転送前・後処理をGUIで簡単作成
- IoTデバイスとのデータ連携
HULFT8は、企業内、あるいはBtoBのファイル転送を行うミドルウェアです。ストレージとデバイス群でSANを構成し、高速ファイル転送を行えます。「HULFT Script」というサービスでは、ファイルの転送前後に処理する内容を、わかりやすいアイコン操作で、プログラミングを使わずに生成が可能です。
オフィス宅ふぁいる便 - 株式会社オージス総研
- 豊富な機能を簡単操作で利用可能
- 万全な企業向けセキュリティ対策
- 月額利用料は定額制
オフィス宅ふぁいる便は、誰でも簡単かつ安全に、ファイルを送受信できるクラウド型の法人向けファイル転送サービスです。送信するファイルをアップロードすると発行される、ワンタイムURLとワンタイムパスワードを使用して、受信者がダウンロードを行います。一度に最大3GBまでのファイル送信が可能です。
送信履歴機能やダウンロード通知機能、アドレス帳などの基本機能に加え、送受信範囲の制限や一定期間でアップロードしたファイルが自動削除される機能など、誤送信を防止する機能やセキュリティ機能も充実しています。企業のルールに合わせた機能の設定もでき、シンプルな操作と豊富な機能で、社外とのファイル共有をスムーズに行えます。
ファイル転送サービスでコンプライアンス向上
法人向けファイル転送サービスは、大容量ファイルの共有を効率化できます。またメールの誤送信、USBをはじめとする外部メディアでの持ち出し、無料サービス利用によるシャドーITの防止といった、セキュリティマネジメント上のメリットが多々あります。
セキュリティリスクが高まるなかで求められる対策レベルは向上しています。送受信ファイルの取り扱いにも気を配り、コンプライアンス向上を目指しましょう。
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