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ビッグデータの活用事例や方法は?サービスも紹介 | 製造業・自治体

最終更新日:(記事の情報は現在から47日前のものです)
ビッグデータ(Big Data)とは何か、身近な活用例や活用するメリットについてわかりやすく解説します。ビッグデータを活用している企業や自治体の事例、ビッグデータ分析のためのおすすめサービスもあわせて紹介します。ぜひビジネスに役立つビッグデータの活用方法について理解を深めましょう。

ビッグデータとは

ビッグデータ(Big Data)とは、従来のデータ処理技術では扱いきれないほどの膨大で多様なデータの集合のことです。ビッグデータの規模については、数十テラバイトから数ペタバイトの範囲におよぶとの論考もありますが、標準的な定義はありません。

ビッグデータは、どの程度のデータ規模かという量的側面だけでなく、どのようなデータから構成されるか、そのデータがどのように活用されるかという質的側面に注目して理解する必要があるでしょう。

ビッグデータの特徴・3Vと5Vとは

ビッグデータの特徴として、「3V」および「5V」という概念がよく用いられます。

ビッグデータの3V

ビッグデータを特徴づける基本的な要素として、まず3Vと呼ばれる概念が広く認知されています。これは、「Volume(量)」「Velocity(速度)」「Variety(多様性)」の3つの要素から構成されています。

Volume(量)とは、文字通りデータの規模を表す特徴です。従来のシステムでは処理しきれないほどの大規模なデータ量を指します。SNSの投稿、eコマースの記録、IoTデバイスからの情報など、多岐にわたるデータソースから大量のデータが日々生成されています。

Velocity(速度)とは、データが生成・収集・処理される速度のことです。リアルタイムあるいはそれに近い形でのデータ処理が要求される現代において、この特徴はとくに重要性を増しています。たとえば、金融取引システムやオンライン広告のパーソナライズなどでは、瞬時のデータ処理と意思決定が必要とされます。

Variety(多様性)とは、データ形式の多様性のことです。構造化データベースのような従来型のデータだけでなく、テキスト・画像・音声・動画などの非構造化データ、さらにはセンサーデータやログファイルのような半構造化データまで、多岐にわたるデータ形式が含まれます。このような異なるデータ形式を統合的に扱う必要がある点が、従来のデータ管理とは異なるビッグデータの特徴といえます。

ビッグデータの5V

ビッグデータの概念がさらに発展し、新たに2つのVが追加された5Vという枠組みが提唱されています。5Vには、3Vに加えて「Veracity(正確性)」と「Value(価値)」というより実践的な要素を含みます。

Veracity(正確性)とは、データの信頼性や質を表す特徴です。多様なソースから収集される大量のデータには、誤りやノイズが含まれることがあります。それらを適切に検証・処理し、正確な情報を抽出することが重要です。

Value(価値)とは、データから得られるビジネス価値や洞察を意味します。単にデータを収集・保存するだけでなく、そこから意味のある情報を抽出し、実際のビジネス決定や戦略立案に活用することが重要です。適切な分析ツールと手法を用いることで、市場トレンドの予測や顧客行動の理解、業務効率の改善といった、具体的な価値創造につながります。

ビッグデータについて詳しく知りたい方は、ぜひ次の記事も参考にしてください。

ビッグデータとは?種類や用途 - 初心者へわかりやすく解説
ビッグデータとは、人間の能力で全体を把握することが難しい巨大なデータ群のことです。企業は、ビッグデータを分析・活用...
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ビッグデータの種類

ビッグデータの代表的な4つの種類について詳しく解説します。

※参照:総務省「平成29年版情報通信白書 ビッグデータの定義及び範囲」(2025年1月4日閲覧)

国や地方公共団体が提供するオープンデータ

オープンデータとは、国や地方公共団体が保有する公共データを、だれもが自由に利用・加工・共有できる形で公開しているものです。具体的には、人口統計・気象データ・地理空間情報・交通情報・防災情報などが含まれます。これらのデータは、二次利用が可能な利用ルールで提供され、多くの場合、機械判読に適したデータ形式で公開されています。

総務省が提供する統計データや、国土地理院が公開する地図データなどが代表的なオープンデータです。企業はこれらのデータを活用して、新しいサービスの開発やビジネス戦略の立案に役立てることが期待できます。地域に根ざしたビジネスを展開する際には、地方公共団体が提供する地域特有のデータが重要な価値を持つでしょう。

暗黙知(ノウハウ)をデジタル化・構造化したデータ

企業内における言葉や文書で明確に表現されていない経験やノウハウといった暗黙知を、デジタル化・構造化することで生まれる「知のデジタル化」データです。熟練作業者の技能や営業活動で得られた知見、製品開発のプロセスなど、個人や組織の中に埋もれていた知識を、系統的にデータ化したものです。

知のデジタル化データは、センサーやカメラによる作業動作の記録、業務プロセスのログデータ、社内文書の電子化などによって生成されます。たとえば、製造現場での熟練工の動作をモーションキャプチャーで記録し、分析可能なデータとして保存することで、ノウハウ継承や品質管理に活用できます。

M2M通信によって生成されるストリーミングデータ

M2M(Machine to Machine)とは、機械同士が通信を行うことで生成される連続的なデータストリームのことです。スマートメーターが送信する電力消費データや製造設備のセンサーデータ、物流業界で利用される車両位置情報などの情報が該当します。これらのストリーミングデータは、リアルタイムで分析することで即時の意思決定に活用できるのが特徴です。

M2Mデータは、データの発生頻度が高く、即時の処理が必要とされることが多いです。たとえば、工場の生産ラインに設置されたセンサーが、温度や振動・電力消費量などを常時監視し、異常を検知した際に即座に対応できるようにするといった活用方法があります。

個人の属性に関わるパーソナルデータ

パーソナルデータとは、個人に関するあらゆる情報を含みます。氏名・年齢・住所といった基本的な属性情報から、オンラインでの行動履歴や購入履歴、健康データなどが代表的な例です。

パーソナルデータは、マーケティングや医療分野で活用が進んでいる一方で、プライバシー保護の観点から、その取り扱いには慎重な配慮が必要です。収集・利用に際しては、個人情報保護法をはじめとする関連法規を遵守し、適切な同意取得と安全管理措置を講じることが求められます。また、データの匿名化やマスク化といった技術的対策も重要となります。

ビッグデータの身近な活用例

私たちの日常生活において、ビッグデータはさまざまな場面で活用されており、知らず知らずのうちにその恩恵を受けています。ビッグデータの身近な活用例について、具体的に解説しましょう。

小売業での活用

小売業では、顧客の購買履歴や行動データを分析することで、マーケティング戦略や買い物体験を最適化しています。

たとえば、顧客の購買履歴を詳細に記録して、個々の顧客の好みや購買パターンを分析し、パーソナライズされたクーポンの発行や売場のレイアウトの最適化に活用しています。在庫管理においても、季節変動や天候による需要の変化を予測し、適切な在庫量を維持することで、食品ロスの削減も可能です。

交通・運輸での活用

私たちが日常的に利用する交通機関でも、ビッグデータは重要な役割を果たしています。たとえばカーナビや交通アプリで、リアルタイムの交通データを分析して最適なルートを提示したり、公共交通機関で乗客数のデータをもとに運行スケジュールを調整し、混雑を緩和したりすることに活用されています。

これらのビッグデータの活用により、移動時間の短縮や環境負荷の軽減が実現可能です。

健康・医療での活用

健康・医療分野では、個人の健康データを収集し、分析することで、健康管理がより効果的になっています。スマートウォッチやウェアラブルデバイスが、歩数・心拍数・睡眠時間といったデータを継続的に記録することで、簡単に健康管理に活用可能です。

医療機関では、多くの患者の診療データを分析することで、疾病の早期発見や予防、治療方針の最適化に役立てています。

防災・気象での活用

気象予報の精度向上は、ビッグデータ活用の代表的な成果です。全国各地の気象観測データ・衛星データ・レーダーデータなどを組み合わせることで、より正確な天気予報や災害予測が可能になっています。また、スマートフォンの位置情報や、SNSでの投稿データを分析することで、災害時の避難誘導や支援物資の配布計画にも活用されています。

教育での活用

オンライン学習の普及により、学習者の学習履歴データを活用した個別最適化された教育が可能になっています。問題の正答率や学習時間、つまずきやすいポイントなどのデータを分析することで、個々の学習者に適した教材や学習プランを提供可能です。また、教育機関では、出席率や成績データの分析により、学習支援の最適化にも活用されています。

エンターテインメントでの活用

ビッグデータはエンターテインメント分野でも活用されています。動画ストリーミングサービスや音楽配信プラットフォームで、ユーザーの視聴・聴取データを分析して、個々のユーザーの好みに合わせたコンテンツをレコメンドしているのが代表的な例です。

また、ゲーム業界では、プレイヤーの行動データを分析することで、ゲームバランスの調整や新機能の開発に活用しています。

ビッグデータの活用メリット

ビッグデータを活用することで、企業や組織が享受できるメリットについて、具体例を交えながら詳しく解説します。

意思決定の精度向上

従来の意思決定は、限られたデータと経験則にもとづいて行われることが多く、その精度には限界がありました。しかし、ビッグデータの活用により、より客観的で正確な意思決定が可能になっています。

たとえば、企業では市場のトレンドや顧客のニーズをデータから予測し、製品開発やマーケティング戦略の立案、在庫の最適化などを実現可能です。公共分野においても、交通の流れや災害情報をもとにした政策決定が効率化されています。

コスト削減と業務効率化

ビッグデータを活用することで、運用の効率化やコスト削減が実現可能です。たとえば、製造業ではセンサーを用いて生産設備の稼働状況をリアルタイムで監視し、メンテナンスを最適化することで、ダウンタイムを削減できます。

小売業では、在庫データを分析して需要を予測し、過剰な在庫や不足の防止が可能です。また、配送業では、配送ルートの最適化により、燃料費の削減と配送時間の短縮を同時に達成できます。

顧客体験の向上

顧客の行動データや嗜好データを分析することで、より個別化された商品やサービスを提供できます。たとえばECサイトでは、閲覧履歴や購買履歴を分析し、顧客の興味に合わせた商品を推薦することで、購買率の向上を実現しています。

また、問い合わせ履歴やSNSでの投稿を分析することで、顧客の不満や要望を早期に把握し、サービス改善につなげる取り組みも可能です。これらのビッグデータの活用により、顧客満足度が向上し、売上拡大も期待できるでしょう。

新規ビジネスやイノベーションの創出

ビッグデータの分析から得られる洞察は、新しいビジネスモデルやイノベーションの創出につながります。たとえば、医療分野では、患者の健康データを分析することで、新薬の開発や効果的な治療法の発見が進められています。

小売業や飲食サービスにおいては、位置情報データと消費行動データを組み合わせることで、新しい店舗の最適な出店場所を特定したり、時間帯別の需要に応じた新サービスを開発したりすることが実現可能です。

リスク管理の強化

ビッグデータの多様なデータを分析することで、リスクの予測と対策が可能です。金融機関では、取引データや外部情報を組み合わせて不正取引を検知し、被害を未然に防いでいます。また、自然災害のリスク管理においても、気象データや地理データを人口統計データと組み合わせることで、より効果的な対策を講じることが期待できます。

ビッグデータの活用事例(企業・自治体)

ビッグデータを活用して効果を上げている事例をいくつか紹介しましょう。

製造業 - 日立造船

日立造船は2018年より、遠隔監視およびIoT・ビッグデータ・AIなどのICT活用の拠点としてHitz先端情報技術センター「A.I/TEC(エイアイテック)」の運用を開始しました。

主力事業となるゴミ焼却発電施設では、遠隔監視・運転支援サービスの先駆けとして先進的な取り組みを展開しており、全社的にデジタル化を加速させるため、事業製品や工場を横断したIoT基盤の構築を開始しました。

日立造船が構築したのは、全社横断的なデータ分析を可能にするためのプラットフォーム。大規模データの分析に利用する機械学習システムの運用効率を高め、個々の案件から得られる知識の共有を図るのが目的とのことです。

今後は、データ分析基盤を使ってさまざまなデータを分析し、事業製品や工場でのデータ活用を推進する計画です。

自治体 - 福岡県糟屋郡篠栗町

福岡県糟屋郡篠栗町では、人口減少問題に対応するため、「子育て計画支援事業」の一環として、ビッグデータを活用した「地方創生支援システム」を導入しました。

具体的にはBIツールを導入して、住民基本台帳、福祉・保育・医療保険・税関連・財務会計などの情報を一元化。地域の情報や役場内のデータをグラフや地図などでビジュアル化し、住民の「声なき声」をデータから読み取る能力を向上させました。

これらの分析結果をもとに、「子育て世帯300戸増」を数値目標として設定し、より効果的な子育て支援策を立案しました。

将来的には、簡略化したシステムを住民にも公開し、行政と住民の協働を促進させたいとのこと。また、他の地方自治体の参考となるモデルケースとして、地方創生支援システムのさらなる発展と活用を目指しているそうです。

製造・販売業 - 無印良品

無印良品の主力である、実店舗への誘導を目的に開発されたアプリ「MUJI passport」は、利用者拡大によってすでに数千万件にもおよぶデータを収集していました。このビッグデータを有効に活用するため、無印良品は新たなBIツールを導入しました。

従来の商圏分析はエリアマネージャーの感覚に頼っている状況でした。BIツールにより商圏分析の結果が視覚化されるようになると、新規出店が与える既存店への影響予測が立てやすくなったばかりでなく、オープン後の検証、データへの反映まで行えるようになりました。今後は、顧客時間の拡大という、新たな課題に向けてビッグデータの活用を進めていく予定です。

大学 - 明治学院大学

明治学院大学では、学生に対して満足度の高い教育環境の整備を目的に、ビッグデータを活用するため、学生の入試から就職までの情報を一元的に分析するデータ基盤を構築しました。このシステムにより、学生の出身地域から入試制度・履修内容・就職先業種など約120項目のデータを統合し、客観的な事実にもとづく教育方法の改善や制度の見直しが可能となりました。

BIツールによる分析をもとに、実情に見合った教育方法を取り入れたり、学内組織の企画が行われたりするようになっています。さらにデータが蓄積されていくことによって、傾向分析や予測の精度を上げ、教育サービスの強化や充実、学生の学習支援や生活支援に役立てていく予定です。

ビッグデータを活用するための具体的なステップ

ビッグデータを効果的に活用するためには、体系的なアプローチが必要です。ビッグデータを活用するための具体的なステップについて詳しく解説します。

1. 目的と課題の明確化

ビッグデータ活用の第一歩は、明確な目的を設定することです。まず、何を達成したいのか、どのような課題を解決したいのかを具体的に定義する必要があります。これにより、必要なデータや分析手法を絞り込めるようになります。

2. 必要なデータの特定と収集

目的が明確になったら、その達成に必要なデータを特定します。この段階では、既存のデータの棚卸しを行うとともに、新たに収集すべきデータの検討が必要です。

データの種類としては、構造化データ(データベースに格納された従来型のデータ)、非構造化データ(テキスト・画像・音声など)、外部データ(SNSデータ・公開統計データなど)が考えられます。データの収集にあたっては、プライバシーやセキュリティに関する法的要件も考慮する必要があります。

3. データ基盤の整備

収集したデータを効果的に活用するためには、適切なデータ基盤が必要です。これには、データの保存・処理システム(ETLツールデータウェアハウス)、分析ツール、セキュリティ対策などが含まれます。

データ基盤は、データの量や更新頻度に応じて、スケーラブルなシステム構成を検討することが重要です。また、データの品質管理や整合性確保のための仕組みも必要です。

ETLやDWH(データウェアハウス)について詳しく知りたい方は、次の記事を参考にしてください。

ETLとはExtract, Transform, Loadの3機能 | BIやDWHとの違い
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4. データの前処理と品質向上

収集したデータをそのまま分析に使用することは困難です。通常は、データクレンジング(不要なデータの除去や欠損値の処理)、データ統合(複数のデータソースの連携)、フォーマット変換などの前処理が必要になります。この段階でのデータの品質向上が、後の分析の精度を大きく左右します。

5. 分析手法の選択と実施

データの特性と目的に応じて、適切な分析手法を選択します。分析手法には、「傾向分析」「相関分析」「予測モデリング」「テキストマイニング」「画像認識」など、さまざまな手法が考えられます。

また、機械学習やAIを活用した高度な分析も、目的に応じて検討可能です。重要なのは、単一の手法に固執せず、複数の手法を組み合わせて多角的な分析を行うことです。

テキストマイニングについて詳しく知りたい方は、次の記事を参考にしてください。

テキストマイニングとは?分析のやり方 - おすすめサービス比較【無料あり】
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6. 結果の解釈と活用

分析結果を正しく解釈し、実際のビジネスに活用することが重要です。この段階では、データサイエンティストと事業部門の密接な連携が必要になります。また、分析結果をわかりやすく可視化し、関係者と共有することも重要です。

7. 施策の実施と効果測定

実施したアクションの効果を測定し、必要に応じて改善を図ります。この際、当初設定した目標に対する達成度を評価するとともに、新たな課題や改善点を特定します。これは、PDCAサイクルの一環として継続的に行うことが必要です。

8. 体制とスキルの整備

ビッグデータの活用には、適切な組織体制とスキルセットが必要です。データサイエンティスト・エンジニア・ビジネスアナリストなど、必要な人材の確保・育成を計画的に進める必要があります。また、部門横断的な協力体制の構築も重要です。

9. コンプライアンスとセキュリティの確保

データの収集・活用に関するガイドラインの整備、セキュリティ対策の実施、コンプライアンスの確保など、適切なガバナンス体制を構築する必要があります。とくに、個人情報の取り扱いについては、法令遵守と倫理的な配慮が不可欠です。

ビッグデータの分析手法

ビッグデータの分析手法は、多様なデータから有益な情報を抽出し、意思決定や戦略策定に役立てるための技術です。主要なビッグデータの分析手法を紹介します。

クロス集計

クロス集計とは、データを属性ごとに分類し、その傾向や関連性を分析する手法です。たとえば、顧客の年齢や性別、地域などの属性にもとづいて購買傾向を分析し、ターゲットを絞ったマーケティング戦略の策定に活用できます。

クロス集計は、複雑な計算を必要とせず、Excelやスプレッドシートといったツールで容易に実施できるため、アンケート結果の分析や世論調査など幅広い分野で利用されています。

クラスター分析

クラスター分析とは、データの類似性にもとづいてグループ化し、各グループの特徴を明らかにする手法です。マーケティング分野では、顧客を購買行動や嗜好に応じて分類し、ターゲットマーケティングや商品開発に活用されます。

たとえば、アンケート結果から顧客を「流行に敏感な若年層」や「高級志向の中高年層」といったクラスターに分類し、それぞれに適したプロモーションを展開できます。

アソシエーション分析

アソシエーション分析は、データ間の関連性を明らかにする手法です。顧客の買い物かごの中身を分析し、あわせて購入される傾向にある商品を導き出す「マーケットバスケット分析」は、アソシエーション分析の派生として知られています。

アソシエーション分析は、ある商品と一緒に購入されやすい別の商品を特定し、店舗の陳列や販売促進に活用されます。有名な例として、ビールと紙おむつが同時に購入される傾向が発見され、購買行動の背景にあるパターンを理解することにつながりました。

回帰分析

回帰分析とは、ある結果に影響を与える要因とその程度を分析する手法です。とくにロジスティック回帰分析は、事象の発生確率を予測するのに用いられます。

たとえば、顧客が新製品を購入するか否かを影響する要因(価格・広告効果・ブランド認知度など)を分析し、購買確率を算出します。これにより、マーケティング施策の効果を予測し、最適な戦略を立案することが実現可能です。

決定木分析

決定木分析とは、データを「はい」か「いいえ」の二択で分岐させ、分類や予測を行う手法です。木の枝分かれのような構造を持ち、複数の要因が結果に与える影響を視覚的に理解できます。

たとえば、アンケート調査のデータをもとに、商品購入の可能性が高い顧客層を予測したり、サービスに対する満足度の高いユーザー属性を判別したりできます。

主成分分析

主成分分析とは、多数の変数を持つデータを、より少数の重要な要素(主成分)に集約し、データの構造を簡潔に表現する手法です。この手法により、データの次元を削減し、可視化や解釈が容易になります。

たとえば、顧客の購買データを分析し、主要な購買パターンを抽出することで、商品開発やマーケティング戦略に活用されます。

ビッグデータを活用できるサービス

ビッグデータ収集や分析に役立つBIツールを紹介します。

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Tableau - 株式会社セールスフォース・ジャパン(Tableau)

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Qlik Sense - 株式会社デジタルスフィア

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Qlik Sense(クリックセンス)は、ドラッグ&ドロップの簡単操作で、直感的な探索と発見を可能にする次世代のセルフサービス型データビジュアライゼーションBIツールです。特別なスキルや専門家は不要で簡単にデータを視覚化できます。

モバイルにも対応しているため、スマートフォンやタブレットなどすべてのデバイスでデータの視覚化が可能。データベースを介さない独自設計で、面倒なデータベース運用を必要としません。データマネージャーを使用すれば、複数データソースを統合して取り込めます。

Actionista! - 株式会社ジャストシステム

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  • マニュアル不要の簡単な操作性
  • 1つのサーバーライセンスで複数メンバーが利用可能
  • 国産のサービスで開発からサポートまで安心対応

Actionista!(アクショニスタ)は、だれでも簡単にデータの集計・分析・レポーティングができるBIツールです。Webブラウザの操作画面は、操作性の高さを実感しやい設計となっています。予実比や前年比をプログラミングせずに作成でき、分析軸や値をドラッグ&ドロップするだけで、知識がなくても集計表を作成できます。

また、ABC分析やZチャートなどの高度な分析も、必要な項目を選ぶだけでデータを可視化可能。集計・分析した結果をもとにレポート作成できるので、改善アクションへすぐにつなげられます。

Alteryx Designer - アルテリックス・ジャパン合同会社

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  • 問題解決に向けたデータの可視化
  • プログラミング不要の予測分析
  • さまざまな形式のファイルに出力可能

Alteryx Designer(アルテリックスデザイナー)は、短時間でより多くの情報を分析・可視化できるBIツールです。450万行以上のデータをコーディングなしで処理、1年分の売上データを1時間で抽出といった実績があり、膨大なデータを簡単に扱えます。プログラミング知識を要することの多い予測分析や空間分析も、ドラッグ&ドロップで作成可能。Excelをはじめとした各種形式のファイルに、簡単に出力できます。

Altair Monarch - アルテアエンジニアリング株式会社

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  • 信頼性のある「データ」の準備がだれでも簡単にできる
  • ミスの発生しやすい部分を自動化し、人的ミスを削減
  • あらゆるデータを抽出・集約・結合

Altair Monarch(アルテアモナーク)は、データ分析に必要な「データ」を準備するためのデータプレパレーションツールです。人的作業によるオペレーショナルリスクの軽減や、正確なデータ準備によって少ないリードタイムでビッグデータの活用を実現します。

Excelをはじめとする構造化データのほか、PDFやテキストファイルといった非構造データ、クラウドベースデータ、ビッグデータを含む複数のデータソースに接続可能です。さまざまなデータを抽出・集約・結合し、分析精度を向上させます。

Domo - NDIソリューションズ株式会社

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  • データソースに直接接続、迅速に大量のデータを収集
  • SQLの知識がなくてもデータの結合や変換が可能
  • デバイスを問わず必要な情報にアクセスできる

Domo(ドーモ)は、データソースに直接接続し、大量のデータを迅速に集められるクラウド型BIツールです。集めた大量のデータは、1か所に集約し見やすいグラフとして、自動的に可視化されます。SQLの知識がなくても、ドラッグ&ドロップ操作で、データを結合・変換できます。また、デバイスを問わずにアクセス可能で、いつでも必要なデータにアクセスできるため、スムーズな意思決定が可能です。

dataDiver - 株式会社データビークル

  • 専門知識は不要、自動で分析可能
  • 分析結果は日本語でわかりやすく表示
  • 重要な仮説だけを抽出できる

dataDiverは、統計に関する専門知識がなくても、だれでも活用できるBIツールです。経営課題を入力するだけで、社内に蓄積されたデータを分析用に自動生成します。専門知識不要で扱えるため、社外のコンサルタントに頼ることなく、社内情報に精通した社員による分析が可能です。また、膨大な仮説の中から統計的に有意なものだけを抽出できるため、分析にかける時間と労力の削減につながります。

dataFerry - 株式会社データビークル

  • データ加工を素早く実現
  • データ処理がマウスのみで操作可能
  • 豊富なプリセット機能を搭載

dataFerryは、プログラミングの知識不要で、多様なデータソースから簡単にデータ加工できるデータプレパレーションツールです。各種分析やAI開発、RPAといったあらゆるデータにおけるデータ加工の作業スピードを上げ、工数を大幅に削減します。社内データだけでなく、社外のデータも簡単に取り込み・結合できるので広範囲でデータの活用が可能です。異常値除外やグルーピング集計、フォーマットの統一といった、データ加工に必要な操作をワンクリックで実行します。

MotionBoard - ウイングアーク1st株式会社

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  • さまざまな環境にあるデータをシンプルに可視化
  • 最新の情報を最短で取得
  • ノウハウの詰め込まれたテンプレート

ウィングアーク1stが提供するMotionBoard Cloud(モーションボードクラウド)は、自社サーバーに構築されたデータベースだけでなく、クラウド環境にあるデータを含めて一元的な情報分析が可能なBIツールです。可視化されたデータから次のアクションが起こしやすく、ノウハウの詰め込まれたテンプレートとともに、外出先からでも最新の情報を瞬時に得られます。

Sisense - Sisense Japan 株式会社

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Sisense(サイセンス)は、データの保管場所や、扱う人のスキルレベルに関係なく、データ分析や可視化ができるBIツールです。クラウド/オンプレミスのデータを問わず、ドラッグ&ドロップで1つのプラットフォームに集約可能。特許出願中のテクノロジーとAIにより、大量なデータや複雑なデータも高速で処理し、結果をダッシュボードに自動表示します。簡単な操作でデータを可視化し、レポートの作成やデータ活用のワークフローを加速させます。

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Data Knowledgeは、多彩な分析レポートで経営を見える化してくれる国産セルフサービスBIツールです。各個人が必要なタイミングで必要な視点のデータ分析を行え、だれでも簡単にレポートの作成が可能です。純国産のデータ活用ツールとして1987年に開発され30年もの間、現場の声を反映した本当に必要な機能を実装しています。純国産なので使い勝手も良く、BIツールを初めて使う方でも安心です。

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  • データ量・データソース数・ユーザー数無制限
  • データ統合を専門家がサポート

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Yellowfin - Yellowfin Japan 株式会社

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  • 既存のSaasソリューションへの埋め込みが簡単
  • あらゆる業界、職種に活用できるソリューション

Yellowfinは、グローバルに活用されている完全WebベースのBIツールです。中央集約型アーキテクチャーを持ち、データをわかりやすく可視化します。クラウド環境を含めたすべてのデータソースにアクセス可能なのに加え、事前アラートやブロードキャスト機能、レポート機能を使用し、必要なときに必要なユーザーに最新データの把握を促します。

GLOVIA iZ

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  • 全社の情報を一元化
  • コミュニケーション機能による業務の自動化
  • 業務システムごとに最適な環境を選択可能

富士通が提供するGLOVIA iZは、全社の情報を一元化しながら、会計・人事給与・販売・生産の4つの基幹業務に応じて、最適化されたシステムを提供します。それらを組み合わせることによって、経営判断に直結するデータを経営者に提示、日常業務での指示や報告の自動化を通じて、総合的な企業の利益に直結するサービスとなっています。

ビッグデータを活用して企業の競争力を高めよう

ビッグデータの活用は、企業の競争力強化や業務効率化、顧客満足度の向上など、多くのメリットをもたらします。これらのメリットを最大限に引き出すためには、適切なデータ収集体制の構築、分析技術の確立、そしてデータを活用する目的の明確化が重要です。また、継続したデータ分析とノウハウの蓄積、施策の改善を行っていくことも必要です。

ビッグデータの身近な活用例や導入事例を理解し、ビッグデータを活用して企業の競争力を高めましょう。

データ分析の詳細について興味がある方は、次の記事を参考にしてください。

データ分析・解析手法・ツールまとめ | 全43サービス掲載【保存版】
データ分析とは「数あるデータから有益な情報を探し出し、改善に役立てる取り組みのこと」を指します。データ分析・解析手...
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