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BIツールとExcelの違いとは?できること、優れているポイント

最終更新日:(記事の情報は現在から71日前のものです)
データの集計や分析に最適なのはExcelか、BIツールか。このような悩みを抱えている方のためにBIツールとExcelの違いを比較しました。データの分析・活用方法、導入時のポイントなども解説しています。

データの分析においてBIツールとExcelでは用途が異なります。本記事では、BIツールとExcelの使いわけができるよう解説していきます。

BIツールとExcelの違い

BIツールとExcelの違いは、扱うデータ量や主な機能、導入の難易度などにあります。BIツールは、データの格納先から取り込んで分析するため大きいデータに対応できる反面、運用にいたるまでの工数が大きくなりがちです。反対にExcelは、簡単な関数やグラフであればダウンロードしてすぐ使いはじめられるメリットはあるものの、複雑な分析は苦手としています。

BIツール Excel
扱えるデータの大きさ 大きめ 小さめ
主な機能 多次元分析(OLAP)、レポーティング、ダッシュボード、データマイニング 四則演算、簡易的なグラフ化、ピポットテーブル
導入のハードル 高め 低め

BIツールでできること

BIとはBusiness Intelligenceの略で、膨大なデータを分析し意思決定を支援することであり、BIツールはそれを可能にするツールのことです。BIツールは、ビックデータが活用できることで有名になったツールで、データ分析に意欲的な企業に導入されています。

BIツールでよく使われる機能には多次元分析(OLAP)やレポーティング、ダッシュボード、データマイニングなどがあり、ビックデータが主な対象です。Excel以上に大規模で詳しく分析できるのがBIツールの強みと言えるでしょう。

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Excelでできること

Excelとは、マイクロソフトが提供する表計算ソフトで、WordやPowerPointなどのOfficeシリーズの1つとして知られています。義務教育の授業で取り扱われるケースも多く、世代や環境を問わず広く利用されているのが特徴です。

もちろんビジネスでも広く使われており、データの集計や分析、調査、プレゼンテーションなど多くの場面で活用されています。

Excelのおもな機能を紹介します。

  • クロス集計
  • 関数
  • グラフ
  • 予測シート

クロス集計とは、ピボットテーブルを使用し、2つの異なるカテゴリー(軸)を用いてデータを分析する機能です。データを入力するだけで、購入店舗別や使用者別など、さまざまな角度からの分析が行えます。

関数は、特定の数値を受け取り、定められた操作を実行して結果を出力する機能です。たとえば、指定されたセルの値を合算するSUM関数がよく知られています。なお、ExcelにはSUM関数以外にも、さまざまな関数が用意されており、さまざまな計算やデータ処理が可能です。

また、Excelには多様なグラフのオプションが用意されており、Excel 2016では新たに「ウォーターフォール」、「サンバースト」、「ツリーマップ」、「箱ひげ図」、「ヒストグラム」といった5つのグラフタイプが加わりました。さらに、どのグラフを使用すべきかを決めるのに役立つ「おすすめグラフ」機能も提供されています。これにより、ユーザーはより効果的なデータ表示方法を簡単に見つけられます。

予測シート機能は、月間売上の推移のような時系列データをもとに、将来の変化をExcelが予測するものです。予測の結果はオレンジ色の線で示され、予測値とその上限・下限の3種類のデータが表示されます。基本となるデータが少ない場合、精度に不安があるとの意見もありますが、分析の参考にはなるでしょう。

ExcelよりBIツールが優れている機能

それでは、BIツールに特徴的な機能や特徴について、Excelと比較しながら解説します。

複数データベースの参照

BIツールでは、複数のデータベースを参照して分析ができます。オンプレミス型BIツールの場合は売上情報や会計情報をもとに分析ができ、クラウド型BIツールの場合はこれに加え、ソーシャルメディアといったオンラインの情報が活用できます。Excelの場合はデータを取り込む手段に乏しいのに対し、BIツールならExcel出力したデータはもちろん、より多方面からデータを収集して活用可能です。

またBIツールのAPIを活用すれば、自動でデータ収集やデータ処理が行えます。API連携は他社のCMSやMA、DMP/CDPとBIツールをつないで自動化できるため、より効率よくデータ活用ができるでしょう。

ビッグデータの処理

BIツールはビッグデータに、Excelは少量データに適しています。Excelでも多少の大きさであればデータ処理ができるものの、あまりに大きな場合は処理に時間がかかったり、処理量が限界を超えてアプリが落ちたりします。とはいえ、BIツールのなかでも中小企業向けのツールでは大きすぎるデータに対応できない可能性があるため、事前に使用感を確かめるとよいでしょう。

ビッグデータの処理速度

BIツールは通常、大規模なデータ処理を想定して設計されたリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)を採用しており、大量のデータでも迅速に処理を行えるため、ユーザーの待ち時間を最小限に抑えます。

これに対して、Excelではデータ量が多少増えるだけで処理速度が低下し、時にはフリーズすることもあります。この点を考慮すると、BIツールを用いることでより効率的に作業の進行が可能です。

データ共有

クラウドのBIツールであれば、URLを送ることでデータを容易に共有できます。Excelは、作成したレポートをメールに添付するか、共有のファイルサーバーに保存して連絡する必要があるでしょう。BIツールをクラウドで利用していれば、社内でのやりとりはもちろん、システムによっては社外とのコミュニケーションもスムーズになります。

複数人で同時に編集

BIツールは、複数人が同時に使う想定をして設計されているため、同一のページでなければ同じタイミングで編集可能です。Excelの場合は、ファイルを編集する仕組み上、1人が編集している間は他の人が待機せざるを得ません。しかしBIツールであれば、同時にデータの抽出や分析が行えるためスピーディーに作業を進められます。

データベースの更新を反映

BIツールは、外部のデータベースと連携しているためリアルタイムでデータを更新できます。Excelでも環境を整えれば同様の状況を再現できるものの、最小限の規模で運用を進めた場合あまり恩恵は受けられないでしょう。一方、BIはデータベースが更新されると、自動的に最新の情報が適用されるため、都度更新せずにすみます。

多彩な分析結果とレポートの作成

BIツールでは、分析の方法やそれを表示するグラフの種類が豊富で、わかりやすく見やすいレポートが作成できます。Excelでもデータ分析やレポート作成はできますが、種類が限られていて、データに変化があるたびに作り直しをしなければなりません。

一方でBIツールはExcelと違い、マウスのドラッグ&ドロップだけで多彩なグラフが作成でき、データが更新されればグラフも自動で更新されます。またデータを多角的に組み合わせたレポートも作成でき、ダッシュボードにまとめれば一目で経営状況も把握可能です。

権限を設定可能

Excelファイルのセキュリティを確保する際には、一般的にユーザーがファイルにパスワードを設定するか、情報システム部門の管理者がファイルサーバー上でアクセス権を管理する方法がよく用いられます。しかし、BIツールを利用する場合は、ユーザー自身がフォルダやファイルレベルで直接権限を設定可能です。これにより、より効率的にシステムの運用が可能になります。

ExcelとBIツールの使いわけ方

前述したように、データ収集や分析の能力に優れているのはBIツールですが、BIツールは導入費用の高さや運用の難しさから、すべての企業や業務に勧められるわけではありません。そのため、次にどのようなシーンでExcelとBIツールを使いわけるべきか、詳しく解説します。

Excelの利用シーン

  • シンプルなデータだけで表やグラフを作成したい
  • 一人だけで作業を行い、情報共有も必要ない
  • データの量が少なく作業負担がない分析
  • データベースにアクセスできない場合の集計・分析
  • 将来的にデータを更新する必要がない

Excelは、上記のように扱うデータの量が少なく、入力や集計にかかる作業負担が少ない場合に適しているソフトです。たとえば期間が決められたキャンペーンや、短期で終了するプロジェクトであれば、Excelでも十分対応できる可能性があります。

BIツールの利用シーン

  • データの種類や量が多い場合の集計や分析
  • データソースが異なるものを統合して行うデータ分析
  • 自分以外の人と情報共有が必要なデータ分析
  • さまざまな角度からの分析が必要
  • 継続的にデータを更新する必要がある
  • データベースでの管理が必要なデータの分析
  • 経営判断に使われるといったリアルタイム性が重要なデータ分析

BIツールはビッグデータを集計し、多角的に分析したい場合におすすめです。また複数人での編集や情報共有が必要など、多くの人が関わる場合、効率的に作業を進めてスピーディーにデータ活用を行うためにもBIツールを導入した方がいいでしょう。

BIツールを新たに導入する際のコツ3つ

BIツールは導入が目的ではないため、分析を企業戦略に活かさなければなりません。そのための導入ポイントについてもふれておきましょう。こちらでは、「BIツールの選び方」を詳しくまとめています。

問題と目的の明確化

BIツールを導入するにあたっては、目的を明確化し共有しましょう。BIツールの導入自体は特に意味はありません。BIツールを利用して特定の目的を果たせたときにはじめて、BIツールを導入した価値が生まれます。現状どのような課題があるのか、どのような解決に導きたいのか、管理側はもちろん現場の声も巻き込んで明確化するのが大切です。

Excelではできない理由を整理

業務形態とBIツールが適しているかも、重要なポイントです。たとえば次のような点を確認しましょう。

  • BIツールが必要なほどデータ量が大きいのか
  • BIツールを使いこなせる従業員がいるのか
  • BIツールでないとできないことはあるのか

もし、これらの条件を満たさない場合は、Excelで十分なケースが考えられます。BIツールを導入しないとやりたいことを実現できないのかあらためて考え直しましょう。

部署を超えたデータ連携

BIツールを導入するにあたっては当該部署はもちろん、関連する他部署にも説明します。なぜ導入が必要なのか、どのようなデータが必要になるのか、どのような改善を期待できるのかなどを伝えましょう。情シスや経営者からの理解をしていると、導入および運用に関してスムーズにことを進められます。

BIツール導入時は慎重に選定しましょう

BIツールとExcelの違い、BIツールを導入する必要性などについて解説しました。BIツールとExcelを比較するとBIツールの方が能力に優れていますが、状況によってはExcelで十分事足りる場合もあります。

まずはどのようなデータを収集・分析し、データ活用を行いたいかを考えてみましょう。またBIツールは費用の高さや運用の難しさから、導入に失敗しやすいため、ツールの選定は慎重に行うことが大切です。


BIはサービスによって、機能や価格もさまざまです。目的に沿ったサービスの比較で効率的なサービス活用が可能です。

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