文書管理システムのメリットとは?機能やデメリットを解説

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文書管理とは
文書管理とは、日々の業務で発生する書類を適切に管理することを指します。ここでいう書類とは、履歴書や契約書などの紙媒体はもちろん、WordやExcelで作成した電子データも含みます。
文書管理をするうえでの目標は、書類を適切に活用できる状態を保つことです。そのためには、下記の要素を満たす必要があります。
- 必要な書類をすぐに見つけられる
- 不要な書類が存在しない
- 必要な情報が必要なユーザーに共有されている
- 機密情報にアクセスできるユーザーが限られている
つまり、文書管理とは、これらの状態を維持し、適切に書類を扱うことと覚えておきましょう。
文書管理における課題
文書管理における課題は、次のような「ちょっとした不便さ」を解消することです。
- 目的の文書を探すのに数分がかかる
- 最新版がどれか判断に困ることがある
- 文書に変更を加えたら全員に共有したいがその仕組みがない
- 社員の異動があるとその人が持っていた書類の管理ができない
- 書類を見られるユーザーを限定したいが物理的な鍵を使うしかない
多くの企業では、独自に文書管理方法を作り上げているものです。そのため「あまり必要性は感じていない」「業務は円滑に進むし、今さら管理方法を変えるのは面倒くさい」「文書の整理がうまいので大丈夫」と思っている方も少なくないでしょう。しかしその一方で、「ちょっとした不便さ」を煩わしく感じることもあるはずです。
毎回「少し我慢すればよいだけだ」と思うかもしれませんが、1年単位で見ると、膨大な時間を「ただの資料探し」に費やすことになります。もしそれらの時間を本業に充てられれば、利益を伸ばすことも可能でしょう。
文書管理システムを導入すれば、上記のような問題がなくなります。システム導入となるとハードルが高く感じられるかもしれませんが、文書管理システムは費用対効果の高い業務システムのひとつです。ぜひ、文書管理システムを導入して「意味のない時間」を最小限にしてください。
文書管理システムとは
文書管理システムとは、文書の作成から伝達・保存・保管・活用・廃棄までを一元管理するシステムのことです。
紙ベースで文書を管理する場合、共有漏れ・重要書類の紛失などのトラブルが発生します。また、電子データをフォルダで管理する場合も、整理しきれない・版の更新ミスといったトラブルから業務効率が下がりがちです。
文書管理システムは、電子データと紙の書類の両方を管理可能です。また、検索機能によって必要な情報をすぐに見つけられるため作業効率アップにもつながります。

文書管理システムの機能
文書管理システムには、主に次の5つの機能が搭載されています。
文書検索機能
文書をワードやタグなどで検索できる機能です。保存されているすべての文書を一気に確認できるので業務効率が高まります。
バージョン管理機能
作成した文書のバージョンを管理する機能です。最新データはもちろん、それまでのバージョンを確認できるので、どのように更新・修正されていったのか履歴を確認しやすくなります。
セキュリティ機能
文書へのアクセス制限や情報漏えい対策を行う機能です。文書ごとにアクセスできるユーザーを制限したり、パスワードをかけたりすることで、よりセキュリティの高い文書管理ができるようになります。
保管期間の確認
決算報告書や会計関連文書には法律で定められた保管期間があります。文書管理システムで保管期間を設定しておけば、保管期間を過ぎて処分対象になった文書がどれかすぐに把握できます。
ワークフロー機能
文書の承認や稟議などにかかわるワークフローを設定できる機能です。どこまで承認されているのか・誰がチェックするべきなのかがシステムで確認できるので、業務効率化につながります。
文書管理システムのメリット
文書管理システムを導入すると、次のようなメリットがあります。
- 必要な書類を探す時間を大幅に削減できる
- どこにいても文書にアクセスできる
- バージョン管理機能があるものは、常に最新版を確認できる
- データも紙も保存スペースを削減できる
- 一元管理できるので、管理コストが削減できる
- すぐにデータを共有できる
- セキュリティを強固にできる
必要な書類を探す時間を大幅に削減できる
文書管理システムを導入するメリットとして、必要な書類を探すまでの時間を削減できる点があります。
紙媒体によって文書が管理されている場合、必要な書類を閲覧するためには、保存場所まで足を運ばなければなりません。そして保存場所に到着してからも、該当の書類を見つけるまでに時間がかかってしまいます。
また、電子データをUSBやファイルサーバーで管理している場合も、必要な情報を得るためには、データが保存されているサーバーにアクセスする必要があります。必要なデータを持っている人に連絡しなければならないときは、さらに時間がかかってしまうでしょう。
文書管理システムを導入すれば、社内のすべてのファイルが共有されている状態になるため、担当者を探して書類の場所を聞く必要もありません。また、キーワードで検索すれば、必要な文書がすぐに見つかるため、検索時間を大幅に削減できます。
どこにいても文書にアクセスできる
また、文書管理システムを導入すれば、場所や時間を問わず必要な文書にアクセスできます。
必要な書類が紙媒体や社内のパソコンにしか入っていない場合、出先で資料を確認したくても、会社に戻るまで確認できません。その結果、ビジネスチャンスを逃してしまったり、社内の人間の手を煩わせてしまったり、悪い影響が出ることがあります。
文書管理システムを導入すれば、テレワークや外出先からでも必要なファイルを閲覧可能。商談のために、使うかどうかわからない重たい資料を持ち運ぶ必要もありません。
常に最新版を確認できる
電子ファイルを管理する場合、トラブルになりやすいのがファイルの最新版の管理です。
WordやExcelファイルを編集した場合、最新版を全員に共有し、各自に最新版を保存してもらう必要があります。しかし、複数人でファイルの更新作業を行っていると、最新版がどれかわからなくなることもありえます。
文書管理システムであれば、全員が同じ最新版の書類にアクセスし、同時編集可能です。そのため、最新版を探す必要はありません。
また、バージョン管理機能がある文書管理システムであれば、書類の期限切れや重複時に通知してくれるため、版の管理が容易です。
データも紙も保存スペースを削減できる
文書管理システムを導入することで、保存スペースを削減できます。
紙媒体で保存する場合、書類の印刷コストや書類を保管するための備品、書類保管スペースが必要です。また、電子媒体で保存する場合でも、サーバーを用意しなければならず、費用とスペースが必要です。
しかし、文書管理システムを導入すれば、これらのスペースが必要ありません。
一元管理できるので、管理コストが削減できる
文書管理システムは、書類を一元管理できるのが強みです。
書類をさまざまな方法で管理すると、場所代やサーバー代、セキュリティ対策など、コストが増えてしまいます。
また紙やデータといった資料が複数の場所に存在していると、各媒体ごとに確認する必要があるため、コストがかかります。
文書管理システムなら、すべての書類を1つのシステムに統合可能なので、無駄な費用がかかりません。また、メンテナンスも効率的にできるため、時間的な管理コストも削減できます。
すぐにデータを共有できる
文書管理システムを導入することで、データの即時共有が可能です。
通常、WordやExcelを更新した際、取引先や同僚は最新版を送ってもらうまで状況の把握ができません。その結果、書類の確認までに時間がかかってしまいます。
しかし、文書管理システムでは、リアルタイム同時閲覧・編集が可能です。そのため、書類が現在どのような状態にあるか、双方がすぐに把握できます。
このように文書管理システムを導入することで、データをすぐに共有できます。
セキュリティを強固にできる
文書管理システムを導入することで、セキュリティを強化できます。
一般的なファイルサーバーで管理する場合、セキュリティを維持するためには、フォルダにロックをかけるしかありません。しかし、パスワードは別途保管しなければならないため、情報漏えいのリスクが残ってしまいます。
一方、文書管理システムでは、閲覧権限を柔軟に設定可能です。そのため、重要情報は必要なユーザーだけが閲覧できる状態を作れます。
また自社サーバーによって管理する場合、技術的な盲点を突かれ、情報を抜かれてしまう可能性もあります。しかし、文書管理システムでは、サービス運営会社がハッキングに備えているため、情報漏えいのリスクを低減可能です。
文書管理システムのデメリット
文書管理システムを導入することで、得られるメリットは大きく、生産性の改善やセキュリティ対策などに効果を発揮します。
システムの導入前に押さえておくべきデメリットは次の3つです。
- 導入や運用にコストがかかる
- ルールの設定や運用管理に時間がかかる
- 定期的なメンテナンスが必要となる
導入や運用にコストがかかる
文書管理システムの導入には必ずシステム導入のコストがかかります。さらに導入後はランニングコストも必要です。文書管理システムの機能や業務での使用方法を覚えるために、社内の教育コストもかかってきます。
文書管理システムを社内の業務に合わせて活用するには、導入時のシステム設定も大切な要素です。入力すべき内容、文書の保存方法や期間、業務のワークフローの構築など、設定するべき項目は多岐にわたります。
効率よい文書管理を行うためには、ある程度のコストが必要なことを念頭におき、導入の可否を検討しましょう。
ルールの設定や運用管理に時間がかかる
文書管理システムの導入に際しては、社内ルールを構築し、社員への周知が必要となります。使い方はもちろん、ルールやワークフローがわかりにくいとシステムを上手に活用できません。誰にでもわかりやすいワークフローを構築したり、作業マニュアルを作成したりするのは、手間と時間がかかります。
ルールやワークフローが完成しても、次は社員に教える必要があります。システムの導入をゴールと考えがちですが、円滑に運用できるようになるまでに、いくつもの段階が必要です。
運用方法については、しっかりしたサポートがついているシステムを導入すれば、相談してみるのも方法のひとつです。
定期的なメンテナンスが必要となる
運用を開始しても、ルールは状況に応じて変化するものです。運用している中で出てきた問題点や課題に対しては、運用ルールを定期的に見直して改善する必要があります。
さらに、法改正やアップデートによる新機能の追加などによって、文書管理システム自体に変更があるケースも考えられます。こういった場合も、自社のワークフローに合わせて柔軟にシステム機能のカスタマイズが必要です。
便利な文書管理システムですが、円滑に使用するにはこまめなメンテナンスがあってこそ、成り立っていることを覚えておきましょう。
文書管理システムを導入するときの注意点
文書管理システムを導入する際は、下記3つの注意点をふまえて検討するようにしましょう。
- コストに見合った効果があるかを考える
- 書類のデータ化や移動に時間がかかる
コストに見合った効果があるかを考える
文書管理システムを導入すると、初期費用や月額費用が発生します。
会社規模が大きく、書類探しや管理にかける時間が膨大な場合は、それ以上のメリットが得られるでしょう。
しかし管理する書類自体が少ない場合、費用対効果が合わなくなる可能性があります。そのため、文書管理システムを導入する際は、会社の規模にあった料金プランを選びましょう。
書類のデータ化や移行に時間がかかる
また、文書管理システムに必要な書類を移行させるための作業も発生します。とくに紙の書類を完全にデータ化する場合、移行に莫大な時間がかかってしまう可能性があります。
書類が膨大な場合、「移行させるべき書類と、現状維持すべきデータを仕分ける」「使用頻度の高い書類から移行する」など、本業に支障がでないよう注意しましょう。
文書管理システムのおすすめサービスもチェックしよう
現在は、ビジネスの多くの分野でクラウドサービスが充実しています。もちろん、文書管理システムも例外ではありません。「場所や時間を問わずアクセス可能」「容量を気にしない」「検索が容易」といったメリットを最大限に活かすためには、文書管理システムもクラウド化するのは必然とも言えます。
次の記事では、おすすめのクラウド文書管理システムをまとめて紹介しているので、ぜひ導入の際の比較検討材料にしてください。費用もひと目でわかるようにまとめてあるので、社内で検討するときにきっと役に立つはずです。
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