チャーンレートとは?計算式や指標 - SaaS・サブスクリプションでの頻出用語
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チャーンレートとは
チャーンレートとは、英語のChurn Rateに由来する言葉で解約率を表します。SaaSをはじめサブスクリプションモデルのビジネスは、継続課金によって収益を得ているためチャーンレートを低く抑えるのが重要だとされています。
ちなみに、チャーンレートが低い状態はネガティブチャーンと呼ばれ、既存顧客の継続率が良い状態を表します。反対にポジティブチャーンとは、解約率が高いことを示す表現です。
チャーンレートの指標は大きく2種類
SaaSのチャーンレートは「カスタマーチャーンレート」と「レベニューチャーンレート(収益チャーンレート/MRRチャーンレート)」の2つにわけられます。両者は異なる数値の動きをするので、わけて考えておくとよいでしょう。
カスタマーチャーンレート
カスタマーチャーンレートは、アカウント数やユーザー数をベースにしたチャーンレートで、一定期間に離脱したユーザーや、有料会員から無料会員にダウングレードしたユーザーの割合を示しています。単に「チャーンレート」と呼ばれることもあります。
レベニューチャーンレート
一方レベニューチャーンレートは、一定期間における損失を表す指標です。こちらは収益ベースで解約を計算します。
例えばSaaSベンダーでいくつかの価格帯で構成されたサービスを提供している場合、カスタマーチャーンレートが高くても、低価格帯のユーザーからの解約が多ければ、レベニューチャーンレートはさほど深刻でないといった状況が起こります。このため両者はわけて考える必要があるのです。
チャーンレートの計算式
カスタマーチャーンレートの計算式
月次のカスタマーチャーンレートは次の式で計算できます。年間の場合は、月の部分を年に置き換えて計算してください。
たとえば前月のアカウント数が100、今月解約されたアカウント数が5であったとすると、チャーンレートは5/100で0.05、パーセントに起こすと5%になります。
レベニューチャーンレートの計算式
レベニューチャーンレートは以下の式で求められます。こちらも月次で計算した場合の式です。
サービス単価が50,000円、解約されたアカウント数が5、今月の総収益が4,000,000円だとすると、50,000円 × 5 / 4,000,000円により、6.25%と求められます。
複数のプランにて解約がおきた場合は、サービス単価と解約されたアカウントをかけ、それぞれのプランごとに数値を足し、最後に今月の総収益で割りましょう。下の式では、サービスがAとBの2つの場合を想定しています。
LTVの計算式
LTVは次の式で表されます。次の式ではわかりやすく「サービスA単価」を計算に用いていますが、実際の計算ではMRRやARPUなど求める数値に近しいデータを使うべきでしょう。
サービス単価が50,000円、チャーンレートが5%の場合、50,000円/5%によりLTVは1,000,000円であると計算できます。また、チャーンレートが半減すればLTVは倍増します。たとえばチャーンレートが5%から2.5%へと減少すれば、LTVは2倍の2,000,000万へと増加します。つまり、チャーンレートをいかに下げられるかでLTVの数値は大きく伸ばせるということです。
チャーンレートの目標値
チャーンレートの目標値は、業界や企業規模によって10%近くから1%以下まで幅広く設定可能です。そのため、目標値は自社の状況と他の企業を比較しながら設定しましょう。
SaaSスタートアップの場合
米国のベンチャーキャピタルに所属するTomasz Tunguz氏によると、SaaSスタートアップの場合は、1か月あたり3%以内におさえておけばまず順調だといいます。また顧客の対象を大企業にしぼる場合は、同0.5〜1%程度を理想としています。
もちろんサービスの内容や規模、狙っている層によって異なるものの、月3%をおおよその目安と考えるとよいでしょう。これを上回る場合は、サービスの内容や顧客の声など総合的に見直すべきかもしれません。
対策をとるとる場合、近年注目されているのが、「カスタマーサクセス」という領域です。サブスクリプションモデルの浸透により、部署もしくは担当者を置き、本腰を入れて取り組む企業が増えています。
カスタマーサクセスについては以下の記事で詳しく解説しています。
チャーンレートの指標を見極め事業成長を
チャーンレートは解約率を示す指標であり、サブスクリプションモデルが浸透しているいま、ビジネスを維持するうえで必ずチェックしておきたい数値です。
チャーンレートにはユーザー数をベースとする「カスタマーチャーン」と収益をベースとする「レベニューチャーン」があり、それぞれの目標値は1か月あたり3%といわれています。
どれだけ高コストをかけて新規顧客を獲得できても、チャーンレートが高ければやがてビジネスは先細りしていってしまうでしょう。顧客離れを防ぐ対策と日々向き合いながら、さらなる事業成長を目指したいものです。
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