チャーンレートとは?計算式や指標 - SaaS・サブスクリプションでの頻出用語
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- チャーンレートとは
- チャーンレートが注目されている背景
- チャーンレートの指標は大きく2種類
- カスタマーチャーンレート
- レベニューチャーンレート
- チャーンレートの計算式
- カスタマーチャーンレートの計算式
- レベニューチャーンレートの計算式
- LTVの計算式
- チャーンレートの目標値
- SaaSスタートアップの場合
- チャーンレートの改善に必要な3つの視点
- パーソナライズ
- ロイヤルティ
- リアルタイム
- チャーンレートが高まる要因
- 製品やサービスの品質が期待を下回っている
- 顧客の業務や状況が変わり、サービスが不要になる
- 顧客データの活用不足によるコミュニケーションのズレ
- チャーンレートを下げるためのヒント4つ
- 解約理由を見極めて、根本的な改善につなげる
- 製品やサービスの価値を正しく伝える
- 顧客の声を拾い上げ、関係を深める
- リスク顧客の早期発見とフォローに注力する
- チャーンレートの指標を見極め事業成長を
- BOXILとは
チャーンレートとは
チャーンレートとは、英語のChurn Rateに由来する言葉で解約率を表します。SaaSをはじめサブスクリプションモデルのビジネスは、継続課金によって収益を得ているためチャーンレートを低く抑えるのが重要だとされています。
ちなみに、チャーンレートが低い状態はネガティブチャーンと呼ばれ、既存顧客の継続率が良い状態を表します。反対にポジティブチャーンとは、解約率が高いことを示す表現です。
チャーンレートが注目されている背景
チャーンレートは、近年注目されているビジネス指標のひとつです。特にサブスクリプション型のサービスや継続課金モデルが増加する中で、顧客が「なぜ離れていくのか」を知ることが、サービスの質や提供価値を見直す重要なヒントとなります。
たとえば、チャーンレートが高い場合はサービスが顧客の期待に応えられていない、あるいは他に魅力的な選択肢があるサインです。逆に、チャーンレートが低ければ、それは顧客がサービスに満足し、継続して利用してくれている証です。つまり、チャーンレートは「顧客からの評価」を数値で示すわかりやすいバロメーターといえます。
チャーンレートを定期的に追いかけることで、サービスの成長度合いや安定性を客観的に評価できます。
チャーンレートの指標は大きく2種類
SaaSのチャーンレートは「カスタマーチャーンレート」と「レベニューチャーンレート(収益チャーンレート/MRRチャーンレート)」の2つにわけられます。両者は異なる数値の動きをするので、わけて考えておくとよいでしょう。
カスタマーチャーンレート
カスタマーチャーンレートは、アカウント数やユーザー数をベースにしたチャーンレートで、一定期間に離脱したユーザーや、有料会員から無料会員にダウングレードしたユーザーの割合を示しています。単に「チャーンレート」と呼ばれることもあります。
レベニューチャーンレート
一方レベニューチャーンレートは、一定期間における損失を表す指標です。こちらは収益ベースで解約を計算します。
たとえばSaaSベンダーでいくつかの価格帯で構成されたサービスを提供している場合、カスタマーチャーンレートが高くても、低価格帯のユーザーからの解約が多ければ、レベニューチャーンレートはさほど深刻でないといった状況が起こります。このため、両者はわけて考える必要があります。
チャーンレートの計算式
チャーンレートの計算式は、それぞれ次のとおりです。
カスタマーチャーンレートの計算式
月次のカスタマーチャーンレートは次の式で計算できます。年間の場合は、月の部分を年に置き換えて計算してください。
たとえば前月のアカウント数が100、今月解約されたアカウント数が5であったとすると、チャーンレートは5/100で0.05、パーセントに起こすと5%になります。
レベニューチャーンレートの計算式
レベニューチャーンレートは次の式で求められます。こちらも月次で計算した場合の式です。
サービス単価が50,000円、解約されたアカウント数が5、今月の総収益が4,000,000円だとすると、50,000円 × 5 / 4,000,000円により、6.25%と求められます。
複数のプランにて解約がおきた場合は、サービス単価と解約されたアカウントをかけ、それぞれのプランごとに数値を足し、最後に今月の総収益で割りましょう。下の式では、サービスがAとBの2つの場合を想定しています。
LTVの計算式
LTVは次の式で表されます。次の式ではわかりやすく「サービスA単価」を計算に用いていますが、実際の計算ではMRRやARPUなど求める数値に近しいデータを使うべきでしょう。
サービス単価が50,000円、チャーンレートが5%の場合、50,000円/5%によりLTVは1,000,000円であると計算できます。また、チャーンレートが半減すればLTVは倍増します。たとえばチャーンレートが5%から2.5%へと減少すれば、LTVは2倍の2,000,000万へと増加します。つまり、チャーンレートをいかに下げられるかでLTVの数値は大きく伸ばせます。
チャーンレートの目標値
チャーンレートの目標値は、業界や企業規模によって10%近くから1%以下まで幅広く設定可能です。そのため、目標値は自社の状況と他の企業を比較しながら設定しましょう。
SaaSスタートアップの場合
米国のベンチャーキャピタルに所属するTomasz Tunguz氏によると、SaaSスタートアップの場合は、1か月あたり3%以内におさえておけばまず順調だといいます。また顧客の対象を大企業にしぼる場合は、同0.5〜1%程度を理想としています。
もちろんサービスの内容や規模、狙っている層によって異なるものの、月3%をおおよその目安と考えるとよいでしょう。これを上回る場合は、サービスの内容や顧客の声など総合的に見直すべきかもしれません。
対策をとるとる場合、近年注目されているのが、「カスタマーサクセス」の領域です。サブスクリプションモデルの浸透により、部署もしくは担当者を置き、本腰を入れて取り組む企業が増えています。
カスタマーサクセスについては次の記事で詳しく解説しています。

チャーンレートの改善に必要な3つの視点
チャーンレートの改善に取り組むうえで欠かせないのが、「顧客視点に立ったコミュニケーションと価値提供」です。中でも特に重要な視点を紹介します。
パーソナライズ
顧客を大きなグループとして扱うのではなく、それぞれの関心や行動に合わせた1対1のアプローチを行うことがパーソナライズです。たとえば、メールやWebページの内容を個々の利用履歴にもとづいて最適化することで、より親しみや信頼感のある体験を提供できるでしょう。
大規模な顧客に対しても効果的にパーソナライズを行うには、データ活用や自動化の仕組みがポイントです。
ロイヤルティ
価格や性能ではなく、「このブランドなので使い続けたい」と思ってもらえることがロイヤルティの本質です。高いロイヤルティを持つ顧客は、少々の不満があってもすぐには離れません。そのためには、信頼を得られる体験や共感できる価値観を日常的に届けることが必要です。
応援したいと思わせるようなブランドづくりこそ、チャーンレート改善の強力な武器になります。
リアルタイム
顧客の満足度や状況は、時間とともに常に変化しています。顧客がリアルタイムで何を感じているのかを把握し、必要なサポートを提供できる体制が大切です。
たとえば、サービスへの不満が発生したタイミングでリアルタイムに対応できれば、大きな不満や解約を未然に防げます。スピード感のある対応が、信頼関係の強化につながります。
チャーンレートが高まる要因
チャーンレートが高まる背景には、いくつかの代表的な原因があります。特に注意すべき3つを紹介します。
製品やサービスの品質が期待を下回っている
顧客が契約を継続しない最大の理由の一つは、期待外れであった失望感です。たとえば、操作性が悪い、トラブルが多い、サポート対応が遅いなどは顧客の信頼を損ねる大きな要因になります。
継続利用を促すには、価格に見合う価値以上の体験を提供することが求められます。
顧客の業務や状況が変わり、サービスが不要になる
企業の方針転換や人員削減、新しいツールの導入など、顧客の業務環境が変化すると、それまで必要だったサービスが不要になるケースもあります。このような場合、優れた品質であっても解約されるリスクがあるため、顧客の変化をいち早く察知して柔軟に対応できる体制がポイントです。
顧客データの活用不足によるコミュニケーションのズレ
顧客の行動や利用状況を十分に把握できていないと、適切なタイミングでのフォローや提案ができません。結果的に、放置されていると感じさせてしまいます。データにもとづいたパーソナライズやサポートが欠けると、顧客満足度が低下し、解約へとつながる可能性が高くなるでしょう。
チャーンレートを下げるためのヒント4つ
カスタマーサクセスを高め、結果的にチャーンレートを下げるためには、いくつかの重要なアプローチがあります。特に意識したい4つのポイントを紹介します。
解約理由を見極めて、根本的な改善につなげる
カスタマーサクセスを高めるための第一歩は、なぜ顧客が離れてしまうのかを把握することです。
まずはアンケートやヒアリング、利用状況のデータ分析を通して、解約の兆候や原因を洗い出します。内容にもとづいてサービスの見直しや改善を図ることが大切です。
製品やサービスの価値を正しく伝える
優れた機能やサポート体制があっても、顧客に魅力が伝わっていなければ意味がありません。定期的な情報提供を通してサービスの価値をしっかり伝えることで、顧客の理解と満足度を高められるでしょう。
顧客の声を拾い上げ、関係を深める
カスタマーサクセスでは、一方的な支援ではなく、顧客との双方向のコミュニケーションが不可欠です。日常の問い合わせ対応だけでなく、意見や感想、困りごとに耳を傾ける姿勢が信頼関係を築きます。
顧客からの声をサービス改善に反映させることが、長期的な関係維持につながります。
リスク顧客の早期発見とフォローに注力する
利用頻度の低下や、問い合わせの急増などのサインを見逃さず、リスクの高い顧客に対して早めにフォローを入れることも重要です。問題を未然に防ぐことで、顧客の離脱を防いで信頼の回復や維持につなげられます。
チャーンレートの指標を見極め事業成長を
チャーンレートは解約率を示す指標であり、サブスクリプションモデルが浸透しているいま、ビジネスを維持するうえで必ずチェックしておきたい数値です。
チャーンレートにはユーザー数をベースとする「カスタマーチャーン」と収益をベースとする「レベニューチャーン」があり、それぞれの目標値は1か月あたり3%といわれています。
どれだけ高コストをかけて新規顧客を獲得できても、チャーンレートが高ければやがてビジネスは先細りしていってしまうでしょう。顧客離れを防ぐ対策と日々向き合いながら、さらなる事業成長を目指したいものです。
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